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あの後の事〜友人〜
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後輩バディに大怪我を負わせた責任を取る為にハルジオが魔法省を辞めようとしていると思ったミルル。
そんな責任を感じる必要はない、辞める必要はないと、とにかくハルジオと話をしようとミルルは手ぐすねを引いてハルジオが病室を訪ねるのを待っていた。
そんなミルルを見て母が怪訝そうな顔を向けてくる。
「……ミル、あなた凄くおっかない顔をしているわよ?どうしたの眉間にシワなんか寄せちゃって」
「お母さん、わたしの肩には人ひとりの人生がのし掛かっているのよ。今眉間にシワを寄せないでいつ寄せるというの?」
「うーん……年を取ったら?」
「ぷ、それって普通に老化のシワでしょう」
「そうね、ぷぷっ……」
まごう事なき、二人は親子である。
そんな時、待ちかねたハルジオではなく、同期のレア=マルソーがお見舞いにやって来た。
「思ったより元気そうで本当によかったぁ……」
レアはミルルの手をぎゅっと握り、心底ほっとしたような表情を浮かべた。
「心配かけてごめんねレア。仕事でも色々と迷惑かけてるわよね……」
「ミルルの仕事はバディであるバイス先輩がなんとかしてるから、誰も迷惑なんて被ってないわよ。……でもそのバイス先輩がさー……」
「え?ハル先輩が何?」
ハルジオの名が出て、ミルルはどきりとした。
「うーん…省内でね、バイス先輩が責任を取って辞めるんじゃないかって噂が出回っているのよ」
ーーやっぱり
「省内で起きた惨事だったからさ、ミルルの怪我の状態を目の当たりにした人間も結構居るわけじゃない?一命を取り留めたのは良かったけど、あれだけの状況なら先輩バディとして責任を取って辞めざるを得ないんじゃないかって……」
「また責任……」
「またって?」
「ううんなんでもないの。レア…わたし、先輩を説得するわ。わたしに対して責任を感じる必要は一切ないんだもの。先輩のような優秀な人を失ったら魔法省は大損害よ」
「まぁ、たしかにね」
やはりハルジオが職を辞しようとしている予想は当たっていたようだ。
ーーみんな責任、責任って。
どうしてハル先輩にだけ責任を取らせようとするの?
わたしにだって過誤はあるのに。
これは何が何でもハルジオを説得せねばならないと意気込むミルルであった。
しかし結局その日、ハルジオは病院には来なかった。
そして次の日も。
だがその日の内に、ハルジオの同期で親友であるという魔法省特務課のレガルド=リーが、ハルジオの代わりに病室を訪れたのだった。
「どうもミルルちゃん。俺はレガルド=リー。ハルジとは同期でダチだ。よろしくね」
「はじめましてリー先輩。ハル先輩のバディを務めさせて頂いておりますセノ=ミルルです」
「やっとミルルちゃんに会えたよ。ハルジの奴、ちっとも紹介してくれないからさ」
「え?」
レガルドはハルジオに託されたであろう、菓子や本などをベッドサイドの棚に置きはじめた。
「ハルジは昨日今日とで、急な呼び出しで王都にある本省に行ってるんだ。それで俺が代わりにお使いを頼まれた訳」
「まぁ…それはわざわざすみません。お使いご苦労様です」
ミルルはベッドに座りながらもペコリと頭を下げた。
「ふ……」
レガルドが徐に小さく笑ったの見て、ミルルは首を傾げた。
「なんですか?」
「いや、確かにミルルちゃんは可愛いなぁと思って。ハルジが大切に囲いこもうとするのも分かるなと思ってね」
「囲いこむ?」
「いや何、こちらの話。変な事言ったらハルジにボコられる」
ハルジオに対して不釣り合いな単語を聞き、ミルルは言った。
「ハル先輩はそんな乱暴な事はしませんよ」
「いやいや、ミルルちゃんの前では猫被ってるだけてアイツ結構……っと、これ以上はホントにまずい。俺という人間がこの世から消される」
レガルドは口を押さえ、もう何も言うまいと態度で示していた。
この人の中でハルジオはどういう人物像なのか……
穏やかで優しいハルジオしか知らないミルルは首を只々傾げるだけであった。
そしてその次の日、ハルジオがミルルの病室を訪れた。
王都土産の王都マンジュウをミルルに渡しながらハルジオは告げる。
「今日はとてもいい天気だから散歩に行かない?医師の許可は取ってあるよ」
「え、外にっ?行きたいです!」
久しぶりに外の空気を吸えると知り、ミルルの表情がパッと明るくなった。
ハルジオに少し待っててもらい、ミルルは病院服から簡素なワンピースに着替えた。
杖をつき、ハルジオに支えて貰いながらゆっくりと歩く。
病院の近くにある池の畔へと連れて行ってくるそうだ。
キレイな景色を見ながら先輩に話をしよう。
ミルルに責任を感じて辞める必要はないと、真摯に話して考え直して貰おう。
ミルルはそう考えた。
そこでハルジオにあんな事を告げられるとは、
この時のミルルは知る由もなかったが。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハルジオの友人のレガルド氏。
いつか何かの作品でお目見えすると思います。
よろしければ記憶の片隅にでも留めておいてやって下さいませ♡
そんな責任を感じる必要はない、辞める必要はないと、とにかくハルジオと話をしようとミルルは手ぐすねを引いてハルジオが病室を訪ねるのを待っていた。
そんなミルルを見て母が怪訝そうな顔を向けてくる。
「……ミル、あなた凄くおっかない顔をしているわよ?どうしたの眉間にシワなんか寄せちゃって」
「お母さん、わたしの肩には人ひとりの人生がのし掛かっているのよ。今眉間にシワを寄せないでいつ寄せるというの?」
「うーん……年を取ったら?」
「ぷ、それって普通に老化のシワでしょう」
「そうね、ぷぷっ……」
まごう事なき、二人は親子である。
そんな時、待ちかねたハルジオではなく、同期のレア=マルソーがお見舞いにやって来た。
「思ったより元気そうで本当によかったぁ……」
レアはミルルの手をぎゅっと握り、心底ほっとしたような表情を浮かべた。
「心配かけてごめんねレア。仕事でも色々と迷惑かけてるわよね……」
「ミルルの仕事はバディであるバイス先輩がなんとかしてるから、誰も迷惑なんて被ってないわよ。……でもそのバイス先輩がさー……」
「え?ハル先輩が何?」
ハルジオの名が出て、ミルルはどきりとした。
「うーん…省内でね、バイス先輩が責任を取って辞めるんじゃないかって噂が出回っているのよ」
ーーやっぱり
「省内で起きた惨事だったからさ、ミルルの怪我の状態を目の当たりにした人間も結構居るわけじゃない?一命を取り留めたのは良かったけど、あれだけの状況なら先輩バディとして責任を取って辞めざるを得ないんじゃないかって……」
「また責任……」
「またって?」
「ううんなんでもないの。レア…わたし、先輩を説得するわ。わたしに対して責任を感じる必要は一切ないんだもの。先輩のような優秀な人を失ったら魔法省は大損害よ」
「まぁ、たしかにね」
やはりハルジオが職を辞しようとしている予想は当たっていたようだ。
ーーみんな責任、責任って。
どうしてハル先輩にだけ責任を取らせようとするの?
わたしにだって過誤はあるのに。
これは何が何でもハルジオを説得せねばならないと意気込むミルルであった。
しかし結局その日、ハルジオは病院には来なかった。
そして次の日も。
だがその日の内に、ハルジオの同期で親友であるという魔法省特務課のレガルド=リーが、ハルジオの代わりに病室を訪れたのだった。
「どうもミルルちゃん。俺はレガルド=リー。ハルジとは同期でダチだ。よろしくね」
「はじめましてリー先輩。ハル先輩のバディを務めさせて頂いておりますセノ=ミルルです」
「やっとミルルちゃんに会えたよ。ハルジの奴、ちっとも紹介してくれないからさ」
「え?」
レガルドはハルジオに託されたであろう、菓子や本などをベッドサイドの棚に置きはじめた。
「ハルジは昨日今日とで、急な呼び出しで王都にある本省に行ってるんだ。それで俺が代わりにお使いを頼まれた訳」
「まぁ…それはわざわざすみません。お使いご苦労様です」
ミルルはベッドに座りながらもペコリと頭を下げた。
「ふ……」
レガルドが徐に小さく笑ったの見て、ミルルは首を傾げた。
「なんですか?」
「いや、確かにミルルちゃんは可愛いなぁと思って。ハルジが大切に囲いこもうとするのも分かるなと思ってね」
「囲いこむ?」
「いや何、こちらの話。変な事言ったらハルジにボコられる」
ハルジオに対して不釣り合いな単語を聞き、ミルルは言った。
「ハル先輩はそんな乱暴な事はしませんよ」
「いやいや、ミルルちゃんの前では猫被ってるだけてアイツ結構……っと、これ以上はホントにまずい。俺という人間がこの世から消される」
レガルドは口を押さえ、もう何も言うまいと態度で示していた。
この人の中でハルジオはどういう人物像なのか……
穏やかで優しいハルジオしか知らないミルルは首を只々傾げるだけであった。
そしてその次の日、ハルジオがミルルの病室を訪れた。
王都土産の王都マンジュウをミルルに渡しながらハルジオは告げる。
「今日はとてもいい天気だから散歩に行かない?医師の許可は取ってあるよ」
「え、外にっ?行きたいです!」
久しぶりに外の空気を吸えると知り、ミルルの表情がパッと明るくなった。
ハルジオに少し待っててもらい、ミルルは病院服から簡素なワンピースに着替えた。
杖をつき、ハルジオに支えて貰いながらゆっくりと歩く。
病院の近くにある池の畔へと連れて行ってくるそうだ。
キレイな景色を見ながら先輩に話をしよう。
ミルルに責任を感じて辞める必要はないと、真摯に話して考え直して貰おう。
ミルルはそう考えた。
そこでハルジオにあんな事を告げられるとは、
この時のミルルは知る由もなかったが。
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ハルジオの友人のレガルド氏。
いつか何かの作品でお目見えすると思います。
よろしければ記憶の片隅にでも留めておいてやって下さいませ♡
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