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第21話 呑んだくれの姉
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「おはよう。すまねぇな結局朝まで相手してもらって」
「おはようズザンナ」
結局、朝まで及んだ2人であったが割とピンピンとしている。獣人族とドワーフのハーフは伊達じゃない体力と回復力であった。俺?俺は鍛え方が違うからな。
「そういえばアンタら冒険者なんだろ?」
「まぁそうだが」
「ランクは?」
「Cだ」
「Cだぁぁ!?昼の嬢ちゃんだけでもBはあったろ?」
「結成したばっかりだからな」
「それにお前さんがいてCってことはガオ、あんた戦いには参加してないんだね」
「あくまでもA級でやってける実力になるまで面倒を見るって約束だ」
「ふぅ~ん。思った以上に義理堅い男なんだな、アンタ」
ズザンナはニヤニヤと俺の顔を見る。そして思わぬ提案が舞い込んでくる。
「アンタが戦いに出ないってことは、前衛があの剣士の子だけってのはキツいだろ」
「うっ・・・・」
「わかりやすいねぇ!あの子が適任なのは中衛だ。フロントを張れる硬い前衛がいればもっとあの子は輝ける」
「さすがズザンナだな。伊達に鍛冶屋として何年も冒険者を見てないってわけか」
「まぁね。ってことで提案なんだが1人紹介したい奴がいるんだ!」
「紹介したい奴?」
「あぁ。今日も昼間っから酒場にいるだろうが腕は確かだ。それにアンタにならあの子も扱いきれるだろう」
まさかのパーティー紹介であった。ズザンナさんのお眼鏡にかなうってことは実力は確かなのだろうが、昼から酒場にいるってのは不安があるが・・・。
俺は宿に戻りズザンナさんからの提案をみんなに話す。
「へぇ~~~夜にズザンナさんの所にねぇ~~~~~ふぅ~~~~ん」
「師匠は見境ってものがないんですねぇ♡」
「主様!ワタシ最近主様と出来ておりませぬので、溜まっているのならワタシと!!」
「みんな俺の話聞いてた?ズザンナが紹介したい人がいるって言っただけだよね?」
なんと理解の早い弟子たちなのだろう。俺涙が出そうだよ・・・。
「と、とにかく昼間に酒場に行けばいるらしいから顔だけでも合わせてみるってことでいいか?」
「まぁ別にいいけど・・・」
「いいですよ♡」
「ワタシは主様に反対などいたしません♡」
「じゃあ朝の訓練を終えた後に向かうってことで」
みんなの了承が得られたことで酒場へ向かうことにした。
ハミールも誘拐された時から随分と元気になって、調子が良さそうで安心した。
昼になり昼食も兼ねて酒場へやってきた。ズザンナの情報によると、ズザンナのような見た目の女性が酒片手に突っ伏してるとのことだ。
「あれじゃない?」
ハミールがそれっぽい赤髪の女性に指をさす。確かに赤髪で酒片手に昼間っから机に突っ伏していた。
とりあえず俺が声をかけてみることにした。
「あの~すみません。シアンナさんですか?」
「んぁ~~~~~?誰だお前ら?アタシに何の用だ?金ならねぇぞ?」
「ズザンナの紹介で・・・」
「あ~あの堅物の妹の紹介?また日雇いのクエストか?」
「まぁそんなところです」
ったくしょうがねぇなぁと言いながら彼女は立ち上がる。驚いたことにこの呑んだくれはズザンナの姉のようだ。
たしかに見た目は瓜二つだが決定的に違う点があった。それは胸である。レズと並ぶほどの豊満な胸のあったズザンナであったが、シアンナはそりゃもう・・・・見事なぺったんこであった・・・。
「テメェ今、妹とアタシの胸比べただろ?」
「いや、そんなことはない。それにシアンナさんほどの美人なら胸なんてなくても十分すぎるほど素敵だ」
「かっ!!口だけは達者だねぇ!その口で妹を落としたってか!」
「落としてはないですけどね」
「まぁいい!達者なのは口だけか見せてもらおうか!お前さんが相手か?」
「いいや、俺じゃない後ろのみんなが相手だ」
「へぇ・・・あの子達ねぇ。いいよまとめてかかってきな」
俺たちは広場へ移動する。そしてシアンナとの手合わせが始まる。
「いきます!!」
ハミールが声を上げシアンナへと突っ込んでゆく。
それと同時にレズがハミールへとバフ魔法をかける。対人への怪我を恐れてなのか少し効力が弱めなのをかけていた。
”肉体強化[中]”
”疾走増強[小]”
「へぇ!増強魔法か!それにそれに耐えうる鍛えた身体!滾るねぇ!!」
彼女は本来取り回しの難しいはずの大きな斧を軽快に振り回す。ハミールの剣を斧で受けるのではなく、本体が避けることで攻撃の手数を増やしている。
増強魔法をかけたハミールの攻撃を避けるのも、ましてや反撃するなど並みの冒険者では出来ないはずである。しかも彼女は一撃当たれば、今のハミールでは即アウトなほどの威力を見せる。
「なるほど・・・ズザンナが推すわけだ」
今の俺たちのパーティーに足りない硬い前衛に火力。どちらも満たしていると言ってもいい。
「そこだあああああ!!!」
当たらない剣に苛立ったハミールの渾身の一撃。しかし重量差のある獲物に全体重を乗せた動きはリスクを伴う。
そのリスクをシアンナは見逃すはずもなくーーー
「甘いねぇ!!」
ハミールは衝突した斧に大きく吹き飛ばされて決着となった。
「おはようズザンナ」
結局、朝まで及んだ2人であったが割とピンピンとしている。獣人族とドワーフのハーフは伊達じゃない体力と回復力であった。俺?俺は鍛え方が違うからな。
「そういえばアンタら冒険者なんだろ?」
「まぁそうだが」
「ランクは?」
「Cだ」
「Cだぁぁ!?昼の嬢ちゃんだけでもBはあったろ?」
「結成したばっかりだからな」
「それにお前さんがいてCってことはガオ、あんた戦いには参加してないんだね」
「あくまでもA級でやってける実力になるまで面倒を見るって約束だ」
「ふぅ~ん。思った以上に義理堅い男なんだな、アンタ」
ズザンナはニヤニヤと俺の顔を見る。そして思わぬ提案が舞い込んでくる。
「アンタが戦いに出ないってことは、前衛があの剣士の子だけってのはキツいだろ」
「うっ・・・・」
「わかりやすいねぇ!あの子が適任なのは中衛だ。フロントを張れる硬い前衛がいればもっとあの子は輝ける」
「さすがズザンナだな。伊達に鍛冶屋として何年も冒険者を見てないってわけか」
「まぁね。ってことで提案なんだが1人紹介したい奴がいるんだ!」
「紹介したい奴?」
「あぁ。今日も昼間っから酒場にいるだろうが腕は確かだ。それにアンタにならあの子も扱いきれるだろう」
まさかのパーティー紹介であった。ズザンナさんのお眼鏡にかなうってことは実力は確かなのだろうが、昼から酒場にいるってのは不安があるが・・・。
俺は宿に戻りズザンナさんからの提案をみんなに話す。
「へぇ~~~夜にズザンナさんの所にねぇ~~~~~ふぅ~~~~ん」
「師匠は見境ってものがないんですねぇ♡」
「主様!ワタシ最近主様と出来ておりませぬので、溜まっているのならワタシと!!」
「みんな俺の話聞いてた?ズザンナが紹介したい人がいるって言っただけだよね?」
なんと理解の早い弟子たちなのだろう。俺涙が出そうだよ・・・。
「と、とにかく昼間に酒場に行けばいるらしいから顔だけでも合わせてみるってことでいいか?」
「まぁ別にいいけど・・・」
「いいですよ♡」
「ワタシは主様に反対などいたしません♡」
「じゃあ朝の訓練を終えた後に向かうってことで」
みんなの了承が得られたことで酒場へ向かうことにした。
ハミールも誘拐された時から随分と元気になって、調子が良さそうで安心した。
昼になり昼食も兼ねて酒場へやってきた。ズザンナの情報によると、ズザンナのような見た目の女性が酒片手に突っ伏してるとのことだ。
「あれじゃない?」
ハミールがそれっぽい赤髪の女性に指をさす。確かに赤髪で酒片手に昼間っから机に突っ伏していた。
とりあえず俺が声をかけてみることにした。
「あの~すみません。シアンナさんですか?」
「んぁ~~~~~?誰だお前ら?アタシに何の用だ?金ならねぇぞ?」
「ズザンナの紹介で・・・」
「あ~あの堅物の妹の紹介?また日雇いのクエストか?」
「まぁそんなところです」
ったくしょうがねぇなぁと言いながら彼女は立ち上がる。驚いたことにこの呑んだくれはズザンナの姉のようだ。
たしかに見た目は瓜二つだが決定的に違う点があった。それは胸である。レズと並ぶほどの豊満な胸のあったズザンナであったが、シアンナはそりゃもう・・・・見事なぺったんこであった・・・。
「テメェ今、妹とアタシの胸比べただろ?」
「いや、そんなことはない。それにシアンナさんほどの美人なら胸なんてなくても十分すぎるほど素敵だ」
「かっ!!口だけは達者だねぇ!その口で妹を落としたってか!」
「落としてはないですけどね」
「まぁいい!達者なのは口だけか見せてもらおうか!お前さんが相手か?」
「いいや、俺じゃない後ろのみんなが相手だ」
「へぇ・・・あの子達ねぇ。いいよまとめてかかってきな」
俺たちは広場へ移動する。そしてシアンナとの手合わせが始まる。
「いきます!!」
ハミールが声を上げシアンナへと突っ込んでゆく。
それと同時にレズがハミールへとバフ魔法をかける。対人への怪我を恐れてなのか少し効力が弱めなのをかけていた。
”肉体強化[中]”
”疾走増強[小]”
「へぇ!増強魔法か!それにそれに耐えうる鍛えた身体!滾るねぇ!!」
彼女は本来取り回しの難しいはずの大きな斧を軽快に振り回す。ハミールの剣を斧で受けるのではなく、本体が避けることで攻撃の手数を増やしている。
増強魔法をかけたハミールの攻撃を避けるのも、ましてや反撃するなど並みの冒険者では出来ないはずである。しかも彼女は一撃当たれば、今のハミールでは即アウトなほどの威力を見せる。
「なるほど・・・ズザンナが推すわけだ」
今の俺たちのパーティーに足りない硬い前衛に火力。どちらも満たしていると言ってもいい。
「そこだあああああ!!!」
当たらない剣に苛立ったハミールの渾身の一撃。しかし重量差のある獲物に全体重を乗せた動きはリスクを伴う。
そのリスクをシアンナは見逃すはずもなくーーー
「甘いねぇ!!」
ハミールは衝突した斧に大きく吹き飛ばされて決着となった。
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