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第3節 震撼
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二人がリムの前に着くと、眞鍋がおそらくリムの主電源であろうレバー式のスイッチを入れた。
同時にモーター音のような轟音がし、リムの色々な箇所のLEDライトが光り出した。間近で見るそれは、とても迫力があった。
「では、お二人とも右手を前に出して、人を指差すように人差し指だけを伸ばしてください。」
正人と池畑が眞鍋に言われた通りに形作ると、眞鍋はリムに無数にあるボタンのうち、二つを押し、操作盤の両端についているスライド式の小さな扉を開けた。
「では、村上さんは右側の穴に、池畑さんは左側の穴に人差し指を奥まで入れて、合図があるまでそのままでお願いします。」
二人が言われた通りに穴に人差し指を入れたのを確認すると、眞鍋はまたさっきとは違うボタンを二つ同時に押した。すると、指を入れた穴の中が光り出し、機械音声でカウントダウンが始まった。
「3、2、1……シュウリョウデス。」
「どうぞ、指を抜いてください。」
二人は指を抜いて、何か異変がないかを確認した。カウントダウンが終わった際も、特に何も感じなかった。
「今何をしたんですか?」
正人が聞いた。
「あなた方の血液を頂戴しました。痛くありませんでしたよね?蚊を参考に製作した針で微量の血液を抜いただけです。……これで、あなた方の監督責任者登録が完了しました。…柳田。」
「はい、畏まりました。」
柳田は、眞鍋の指示で操作盤の右側に位置する電話ボックス型の装置の脇に付いている小さな扉をボタンを押して開けた。そして、正人から預かった骨を入れ、再びボタンを押し扉を閉めた。次に同じ手順で操作盤の左側に位置する装置の同じ場所に、池畑から預かった髪の毛をビニール袋から取り出して入れた。
柳田がリムから離れると、眞鍋が正人たちもリムから離れるようジェスチャーで伝えた。
「では、今から生命の再生を行います。…池畑さん、もし生き返らせたい方がまだこの世に生きている場合は、スイッチを押してから約五分後にエラー表示が出ます。何も起こらなかった場合は……そういうことです。」
眞鍋の言葉に、池畑はゆっくり頷いた。
「では、ご準備はよろしいですか?」
眞鍋は、操作盤の中央に位置するプラスチックカバーに覆われた、二つの掌サイズの赤いボタンを押すためにカバーをゆっくり開けた。
「今から四時間後に奇跡が起こります。」
眞鍋は二つ並んだそのボタンを両手を使って同時に押した。すると、電話ボックス型の装置にまるで宇宙船をイメージさせるようなLEDライトが灯り、モーター音が更に激しく鳴り出した。
「…後は待つのみです。」
すると、池畑が左側の装置に近づき、正人たちに向かって振り向き頭を下げた。
「すみません、結果が出るまで…最初の五分間一人にしていただけないでしょうか。」
正人は優しい表情で頷き、眞鍋と柳田を連れ、部屋のセットへと戻った。
「……由香里…漸くだ、漸く答えが出る。……すまなかった…お前を信じて…待てなかった。…うぅ…俺は…俺は…。」
池畑は感極まってその場に座り込み、見上げるようにリムを見つめていた。
もう十分近くが経過しただろう、眞鍋が言っていたエラー表示が出ることはなく、右側の装置と同じように目の前の装置も動き続けていた。
池畑は気付いていた。もう五分は絶対に経っているだろうと分かっていた。でも、その場を動けなかった。そんな池畑に、背後からゆっくり眞鍋が近づき、池畑の右肩をポンッと叩いた。それに気付き池畑が振り向くと、眞鍋は大きくゆっくりと首を横に振った。
「……残念ですが……。」
池畑は再びリムを見つめた。
「……これで、…これでいいんです。……漸く…由香里に会える。…これでいいんだ。…これで。」
池畑は自分に言い聞かせるように何度も呟いた。震えている池畑の姿を、少し離れた後方から見つめる正人の頬には、一筋の涙が伝っていた。
正人は掛ける言葉が見当たらず、部屋へ戻るため、ゆっくりと歩き出した。
暫くすると、池畑と眞鍋もゆっくりと部屋へと戻り、三人でダイニングテーブルに座ると、柳田が温かいコーヒーを淹れた。
「まだ、三時間以上掛かります。温かい飲み物を飲みながらお寛ぎください。」
柳田はそう言うと、キッチンの方へと姿を消した。三人は各々砂糖やミルクを入れてから一口ずつ飲み、正人と池畑は、深い溜め息をついた。
「今胸がバクバクいってます。少しの恐怖心があるのか、不思議な感情です。」
正人が胸を押さえながら言うと、池畑も同じだと頷いた。
「お気持ちはわかります。我々は今、禁断の領域に足を踏み入れたわけです。かつてからの人類の夢である、生命の再生という領域にね。」
冷静な口調で話す眞鍋に対し、二人は落ち着かない様子で、コーヒーを飲んだり、辺りをキョロキョロと見回した。
「…眞鍋さん、あの、この家のことなど、色々お聞き…したいんですが…。」
正人が気持ちを紛らすために、眞鍋に質問した。
「…そうですね。お話ししましょう。私も始めからそのつもりでしたので…。では、まずは…。」
同時にモーター音のような轟音がし、リムの色々な箇所のLEDライトが光り出した。間近で見るそれは、とても迫力があった。
「では、お二人とも右手を前に出して、人を指差すように人差し指だけを伸ばしてください。」
正人と池畑が眞鍋に言われた通りに形作ると、眞鍋はリムに無数にあるボタンのうち、二つを押し、操作盤の両端についているスライド式の小さな扉を開けた。
「では、村上さんは右側の穴に、池畑さんは左側の穴に人差し指を奥まで入れて、合図があるまでそのままでお願いします。」
二人が言われた通りに穴に人差し指を入れたのを確認すると、眞鍋はまたさっきとは違うボタンを二つ同時に押した。すると、指を入れた穴の中が光り出し、機械音声でカウントダウンが始まった。
「3、2、1……シュウリョウデス。」
「どうぞ、指を抜いてください。」
二人は指を抜いて、何か異変がないかを確認した。カウントダウンが終わった際も、特に何も感じなかった。
「今何をしたんですか?」
正人が聞いた。
「あなた方の血液を頂戴しました。痛くありませんでしたよね?蚊を参考に製作した針で微量の血液を抜いただけです。……これで、あなた方の監督責任者登録が完了しました。…柳田。」
「はい、畏まりました。」
柳田は、眞鍋の指示で操作盤の右側に位置する電話ボックス型の装置の脇に付いている小さな扉をボタンを押して開けた。そして、正人から預かった骨を入れ、再びボタンを押し扉を閉めた。次に同じ手順で操作盤の左側に位置する装置の同じ場所に、池畑から預かった髪の毛をビニール袋から取り出して入れた。
柳田がリムから離れると、眞鍋が正人たちもリムから離れるようジェスチャーで伝えた。
「では、今から生命の再生を行います。…池畑さん、もし生き返らせたい方がまだこの世に生きている場合は、スイッチを押してから約五分後にエラー表示が出ます。何も起こらなかった場合は……そういうことです。」
眞鍋の言葉に、池畑はゆっくり頷いた。
「では、ご準備はよろしいですか?」
眞鍋は、操作盤の中央に位置するプラスチックカバーに覆われた、二つの掌サイズの赤いボタンを押すためにカバーをゆっくり開けた。
「今から四時間後に奇跡が起こります。」
眞鍋は二つ並んだそのボタンを両手を使って同時に押した。すると、電話ボックス型の装置にまるで宇宙船をイメージさせるようなLEDライトが灯り、モーター音が更に激しく鳴り出した。
「…後は待つのみです。」
すると、池畑が左側の装置に近づき、正人たちに向かって振り向き頭を下げた。
「すみません、結果が出るまで…最初の五分間一人にしていただけないでしょうか。」
正人は優しい表情で頷き、眞鍋と柳田を連れ、部屋のセットへと戻った。
「……由香里…漸くだ、漸く答えが出る。……すまなかった…お前を信じて…待てなかった。…うぅ…俺は…俺は…。」
池畑は感極まってその場に座り込み、見上げるようにリムを見つめていた。
もう十分近くが経過しただろう、眞鍋が言っていたエラー表示が出ることはなく、右側の装置と同じように目の前の装置も動き続けていた。
池畑は気付いていた。もう五分は絶対に経っているだろうと分かっていた。でも、その場を動けなかった。そんな池畑に、背後からゆっくり眞鍋が近づき、池畑の右肩をポンッと叩いた。それに気付き池畑が振り向くと、眞鍋は大きくゆっくりと首を横に振った。
「……残念ですが……。」
池畑は再びリムを見つめた。
「……これで、…これでいいんです。……漸く…由香里に会える。…これでいいんだ。…これで。」
池畑は自分に言い聞かせるように何度も呟いた。震えている池畑の姿を、少し離れた後方から見つめる正人の頬には、一筋の涙が伝っていた。
正人は掛ける言葉が見当たらず、部屋へ戻るため、ゆっくりと歩き出した。
暫くすると、池畑と眞鍋もゆっくりと部屋へと戻り、三人でダイニングテーブルに座ると、柳田が温かいコーヒーを淹れた。
「まだ、三時間以上掛かります。温かい飲み物を飲みながらお寛ぎください。」
柳田はそう言うと、キッチンの方へと姿を消した。三人は各々砂糖やミルクを入れてから一口ずつ飲み、正人と池畑は、深い溜め息をついた。
「今胸がバクバクいってます。少しの恐怖心があるのか、不思議な感情です。」
正人が胸を押さえながら言うと、池畑も同じだと頷いた。
「お気持ちはわかります。我々は今、禁断の領域に足を踏み入れたわけです。かつてからの人類の夢である、生命の再生という領域にね。」
冷静な口調で話す眞鍋に対し、二人は落ち着かない様子で、コーヒーを飲んだり、辺りをキョロキョロと見回した。
「…眞鍋さん、あの、この家のことなど、色々お聞き…したいんですが…。」
正人が気持ちを紛らすために、眞鍋に質問した。
「…そうですね。お話ししましょう。私も始めからそのつもりでしたので…。では、まずは…。」
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