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私たちの屋敷は王城のすぐ近くにある。これでも公爵家だから、一等地に住んでいる。
「お嬢様、お帰りなさいませ」
「ただいま」
頭を下げる使用人たちに挨拶をして屋敷へと入る。
一応私もお嬢様だからみんなで出迎えてくれる。だけどちょっと恥ずかしいっていうのが本音。
「アーノルド、わたくし少し寝ててもいい?」
昨夜はなんというか、激しかった。いつも激しいけど、昨夜は特に。
たぶん私が家に帰るからって頑張ったんだろうけど、まさかほとんど眠らせてもらえないとは思わなかった。オスカー様もあまり寝てないんじゃないかなって思うけど、そのわりには元気だった。ツヤツヤしてた。輝いてた。さすがオスカー様、と思うけど、もっと真人間になってほしいと未来の妻は思います。結婚してからもあんな生活はさすがにイヤです。王太子妃として公務とお茶会ぐらいはさせてください。
それに監禁されてたときはほとんど昼夜逆転生活だったから、眠くて眠くて。できることなら馬車で寝たかったけど、寝顔をアーノルドに見られたってことをオスカー様が知ったらどうなるか恐ろしくて眠れなかった。恐怖は人を眠れなくさせる。
「はい、殿下にも姉上を休ませるように言われてるので問題ないかと」
「そう……。なら、お父様が帰ってくるまで寝てるわ。お父様はどちらに?」
「父上は経理のことで城にいます。夕食まで戻らないと思います」
「わかったわ。なら、お父様が帰ってくる少し前に起きるようにする」
「はい。ゆっくりなさってください。──殿下がいらっしゃったらゆっくりできないと思いますし」
ひくりと私の笑顔が引き攣った。
やだ、なんて嫌なことを言うの、この弟は。そういうのフラグって言うんだよ。ダメなやつ。フラグはなるべく立てないが吉なのに。アーノルドめぇ。
なにかを言おうとして口を開いて、閉じる。なにも言えなかったのだ。
「寝る」
「はい、おやすみなさい」
いっぱいいっぱい睡眠取ってやる~~っ!
『オーッホッホッ! オスカー様? あなたが悪いのですよ? このわたくしではなくあの女を選ぶからッ!』
まるで悪役のように腰に手を当てて胸を反らしながら女性は高笑いをする。その足元には芋虫のように縛られた可憐な女性がいて、その隣には端正な顔立ちをした青色の髪をした男性が立っている。
『くっ……、ソフィア……!』
『今ごろわたくしの魅力に気がつきまして? でももう遅い。遅過ぎるのよッ!』
目の前で苦しそうに片膝をつく男に女性は叫ぶ。その姿はまるで癇癪を起こしている子どものようだ。
隣にいる男はそんな女の手を取り、その指先にまるで癇癪をなだめるように口付ける。
『レディ・クイーン。どうか落ち着いて。そんな男より俺の方がいい男なんでしょう?』
『そう……。そうよね、ルバーニ。あなたはわたくしのものだもの。あんなわたくしを選ばなかった男よりもよっぽどいい男だわ!』
『ええ、そうですよ。レディ・クイーンのことを一番分かっているのは俺だけです』
『うふ、うふふ。ルバーニ。ルバーニ。だあいすきよ』
そうして二人の影が重なる。
「うわぁぁあああっ!」
そこで私の目が覚めた。
お、思い出した。思い出したわ!
「お嬢様!? どうなさいました!?」
「いえ、だ、だだだいじょうぶよ。ちょっと、いえ、だいぶひどい悪夢を見ただけだから」
声を上げて目覚めた私を心配したメイドが部屋に入ってきた。その優しさにありがたく思いながらも、ちょっとそれどころじゃない。
そう、思い出したのだ。
ルバーニ・ラボス。ラボス王国の第二王子で、"宝石の煌めき2"では復活した闇落ちソフィアとラスボスをやってた人だ!
前世の私自身は"宝石の煌めき2"はやってなかったけど、友人がやっていたことを思い出した。今の今まで思い出さなかった私はなんだったのだろう。ポンコツ? やだ、そんなの認めない。
"宝石の煌めき2"では、前作でも攻略できた人たちに加えて、もう三人出てきた。悪役として。ルバーニは覚えてるんだけど、あとの二人は覚えてない。だけど、少なくとも私とルバーニは悪役サイドで、私は腹心の部下でありちょっとえっちな関係だったルバーニをヒロインに取られてしまうという悲惨な立場だった。
ちなみにこのときのソフィアは腹ボテエンドは回避したものの、輪姦精液ぶっかけエンドを経験してるので闇落ちしてる上、服がセクシー。って、設定にあった気がする。
なんでここまで覚えてて、今の今まで忘れてたの、私……。頭が痛い。
「姉上、どうなさいました?」
メイドに呼ばれてきたのであろう、アーノルドが部屋に入ってくる。
あれ、ノックがなかった。と思うけど、なんかもうどうでもいい。
それより問題はルバーニ怖いということです。
「わ、わわわわたくし!」
「はい」
「この国を狙ったりしてないわ!」
「はぁ。そうですね」
"宝石の煌めき2"って、この国が乗っ取られるとかじゃなかったっけ? まずくない?
ルバーニは敵じゃない! 敵が留学してくるなんて、そんなのまずい以外何者でもない。しかも名前のわからない敵が二人も!
「わ、わたくし、娼館に売られたりしないわよね? 今からでもオスカー様の寵愛がなくなったりなんて」
「おや? 少し離れてただけなのにソフィーはなんだかおかしな心配をしてるね?」
「「ひぇっ……」」
アーノルドと悲鳴が重なった。
しんと静まり返った部屋の中で、顔色が悪くなる私たち姉弟とは反対に、オスカー様はにこにこと楽しそうに笑っている。それがまたこわい。
「で、殿下がいらっしゃるのは明日のご予定では?」
勇気を出してアーノルドがオスカー様に訊ねた。オスカー様はにこりと笑顔を浮かべたまま。こわいです。
「その予定だったんだけどね。なんだか嫌な予感がして来てみたんだ。そしたらソフィーが私に飽きられるなんて心配してるから驚いたよ」
「えぇっと……」
「昨日あんなに愛を確かめあったのに、ソフィーはあれじゃ足りなかったのかなぁ?」
ぶんぶんっと勢いよく首を振る。
ちょっと、ちょっとだけ不安になっただけ! 夢を見たせい! ちょっとした悪夢のせい!
「そう? 必要なら今夜はこっちに来てソフィーと夜を過ごそうと思ってるんだけど……」
「だ、大丈夫ですわ! わたくし、オスカー様を信じております!」
グッとオスカー様に迫る。ここで引いちゃダメだ。しっかりしないと。
家でエッチなんて冗談じゃない。家族にバレバレなんて絶対やだ。もうバレてるんだけど、そうじゃないの! 違うの!
というか、オスカー様が来るタイミング良すぎじゃない? こんなことある? なんかセンサーでもついてそう……。
「ならいいけど。ダメだよ、ソフィー。勝手に男を部屋に入れちゃ。アーノルドも、姉とはいえソフィーの部屋に入っちゃダメだよ」
「は、はいっ!」
「申し訳ございませんでした!」
アーノルドと一緒にぺこりと頭を下げた。
オスカー様に逆らうの、だめ、絶対!
「よし、じゃあアーノルドは行っていいよ」
「わかりました。どうぞごゆっくり」
「ちょ、まってぇ!」
ぐわしっ!
「やめてください姉上。至急その手をお離しください。殿下の目が、目が」
「なら、私とオスカー様を二人きりにしちゃだめ! わたくし、嫌な予感がするの!」
出て行こうとしたアーノルドの腕をがっしりと掴む。
オスカー様と二人きりになったら貞操の危機のような気がするの。オスカー様が止まらない気がするの。
まずいよね? まずいでしょう? 私とオスカー様が家でエッチなことしてるって気まずいでしょう?
その想いを込めてアーノルドを見る。アーノルドは顔色が青くなってぶんぶんと首を振っていた。
アーノルドだけ逃げようだなんて許さない。
「へぇ。ソフィーは実の弟に見せながらするのが趣味なんだぁ。僕はソフィーのかわいい姿は誰にも見せたくないと思ってるんだけど、ソフィーがその気なら僕も協力するよ」
「アーノルド、早く出て行きなさい」
そんなプレイは絶対お断りである。
「お嬢様、お帰りなさいませ」
「ただいま」
頭を下げる使用人たちに挨拶をして屋敷へと入る。
一応私もお嬢様だからみんなで出迎えてくれる。だけどちょっと恥ずかしいっていうのが本音。
「アーノルド、わたくし少し寝ててもいい?」
昨夜はなんというか、激しかった。いつも激しいけど、昨夜は特に。
たぶん私が家に帰るからって頑張ったんだろうけど、まさかほとんど眠らせてもらえないとは思わなかった。オスカー様もあまり寝てないんじゃないかなって思うけど、そのわりには元気だった。ツヤツヤしてた。輝いてた。さすがオスカー様、と思うけど、もっと真人間になってほしいと未来の妻は思います。結婚してからもあんな生活はさすがにイヤです。王太子妃として公務とお茶会ぐらいはさせてください。
それに監禁されてたときはほとんど昼夜逆転生活だったから、眠くて眠くて。できることなら馬車で寝たかったけど、寝顔をアーノルドに見られたってことをオスカー様が知ったらどうなるか恐ろしくて眠れなかった。恐怖は人を眠れなくさせる。
「はい、殿下にも姉上を休ませるように言われてるので問題ないかと」
「そう……。なら、お父様が帰ってくるまで寝てるわ。お父様はどちらに?」
「父上は経理のことで城にいます。夕食まで戻らないと思います」
「わかったわ。なら、お父様が帰ってくる少し前に起きるようにする」
「はい。ゆっくりなさってください。──殿下がいらっしゃったらゆっくりできないと思いますし」
ひくりと私の笑顔が引き攣った。
やだ、なんて嫌なことを言うの、この弟は。そういうのフラグって言うんだよ。ダメなやつ。フラグはなるべく立てないが吉なのに。アーノルドめぇ。
なにかを言おうとして口を開いて、閉じる。なにも言えなかったのだ。
「寝る」
「はい、おやすみなさい」
いっぱいいっぱい睡眠取ってやる~~っ!
『オーッホッホッ! オスカー様? あなたが悪いのですよ? このわたくしではなくあの女を選ぶからッ!』
まるで悪役のように腰に手を当てて胸を反らしながら女性は高笑いをする。その足元には芋虫のように縛られた可憐な女性がいて、その隣には端正な顔立ちをした青色の髪をした男性が立っている。
『くっ……、ソフィア……!』
『今ごろわたくしの魅力に気がつきまして? でももう遅い。遅過ぎるのよッ!』
目の前で苦しそうに片膝をつく男に女性は叫ぶ。その姿はまるで癇癪を起こしている子どものようだ。
隣にいる男はそんな女の手を取り、その指先にまるで癇癪をなだめるように口付ける。
『レディ・クイーン。どうか落ち着いて。そんな男より俺の方がいい男なんでしょう?』
『そう……。そうよね、ルバーニ。あなたはわたくしのものだもの。あんなわたくしを選ばなかった男よりもよっぽどいい男だわ!』
『ええ、そうですよ。レディ・クイーンのことを一番分かっているのは俺だけです』
『うふ、うふふ。ルバーニ。ルバーニ。だあいすきよ』
そうして二人の影が重なる。
「うわぁぁあああっ!」
そこで私の目が覚めた。
お、思い出した。思い出したわ!
「お嬢様!? どうなさいました!?」
「いえ、だ、だだだいじょうぶよ。ちょっと、いえ、だいぶひどい悪夢を見ただけだから」
声を上げて目覚めた私を心配したメイドが部屋に入ってきた。その優しさにありがたく思いながらも、ちょっとそれどころじゃない。
そう、思い出したのだ。
ルバーニ・ラボス。ラボス王国の第二王子で、"宝石の煌めき2"では復活した闇落ちソフィアとラスボスをやってた人だ!
前世の私自身は"宝石の煌めき2"はやってなかったけど、友人がやっていたことを思い出した。今の今まで思い出さなかった私はなんだったのだろう。ポンコツ? やだ、そんなの認めない。
"宝石の煌めき2"では、前作でも攻略できた人たちに加えて、もう三人出てきた。悪役として。ルバーニは覚えてるんだけど、あとの二人は覚えてない。だけど、少なくとも私とルバーニは悪役サイドで、私は腹心の部下でありちょっとえっちな関係だったルバーニをヒロインに取られてしまうという悲惨な立場だった。
ちなみにこのときのソフィアは腹ボテエンドは回避したものの、輪姦精液ぶっかけエンドを経験してるので闇落ちしてる上、服がセクシー。って、設定にあった気がする。
なんでここまで覚えてて、今の今まで忘れてたの、私……。頭が痛い。
「姉上、どうなさいました?」
メイドに呼ばれてきたのであろう、アーノルドが部屋に入ってくる。
あれ、ノックがなかった。と思うけど、なんかもうどうでもいい。
それより問題はルバーニ怖いということです。
「わ、わわわわたくし!」
「はい」
「この国を狙ったりしてないわ!」
「はぁ。そうですね」
"宝石の煌めき2"って、この国が乗っ取られるとかじゃなかったっけ? まずくない?
ルバーニは敵じゃない! 敵が留学してくるなんて、そんなのまずい以外何者でもない。しかも名前のわからない敵が二人も!
「わ、わたくし、娼館に売られたりしないわよね? 今からでもオスカー様の寵愛がなくなったりなんて」
「おや? 少し離れてただけなのにソフィーはなんだかおかしな心配をしてるね?」
「「ひぇっ……」」
アーノルドと悲鳴が重なった。
しんと静まり返った部屋の中で、顔色が悪くなる私たち姉弟とは反対に、オスカー様はにこにこと楽しそうに笑っている。それがまたこわい。
「で、殿下がいらっしゃるのは明日のご予定では?」
勇気を出してアーノルドがオスカー様に訊ねた。オスカー様はにこりと笑顔を浮かべたまま。こわいです。
「その予定だったんだけどね。なんだか嫌な予感がして来てみたんだ。そしたらソフィーが私に飽きられるなんて心配してるから驚いたよ」
「えぇっと……」
「昨日あんなに愛を確かめあったのに、ソフィーはあれじゃ足りなかったのかなぁ?」
ぶんぶんっと勢いよく首を振る。
ちょっと、ちょっとだけ不安になっただけ! 夢を見たせい! ちょっとした悪夢のせい!
「そう? 必要なら今夜はこっちに来てソフィーと夜を過ごそうと思ってるんだけど……」
「だ、大丈夫ですわ! わたくし、オスカー様を信じております!」
グッとオスカー様に迫る。ここで引いちゃダメだ。しっかりしないと。
家でエッチなんて冗談じゃない。家族にバレバレなんて絶対やだ。もうバレてるんだけど、そうじゃないの! 違うの!
というか、オスカー様が来るタイミング良すぎじゃない? こんなことある? なんかセンサーでもついてそう……。
「ならいいけど。ダメだよ、ソフィー。勝手に男を部屋に入れちゃ。アーノルドも、姉とはいえソフィーの部屋に入っちゃダメだよ」
「は、はいっ!」
「申し訳ございませんでした!」
アーノルドと一緒にぺこりと頭を下げた。
オスカー様に逆らうの、だめ、絶対!
「よし、じゃあアーノルドは行っていいよ」
「わかりました。どうぞごゆっくり」
「ちょ、まってぇ!」
ぐわしっ!
「やめてください姉上。至急その手をお離しください。殿下の目が、目が」
「なら、私とオスカー様を二人きりにしちゃだめ! わたくし、嫌な予感がするの!」
出て行こうとしたアーノルドの腕をがっしりと掴む。
オスカー様と二人きりになったら貞操の危機のような気がするの。オスカー様が止まらない気がするの。
まずいよね? まずいでしょう? 私とオスカー様が家でエッチなことしてるって気まずいでしょう?
その想いを込めてアーノルドを見る。アーノルドは顔色が青くなってぶんぶんと首を振っていた。
アーノルドだけ逃げようだなんて許さない。
「へぇ。ソフィーは実の弟に見せながらするのが趣味なんだぁ。僕はソフィーのかわいい姿は誰にも見せたくないと思ってるんだけど、ソフィーがその気なら僕も協力するよ」
「アーノルド、早く出て行きなさい」
そんなプレイは絶対お断りである。
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