鳥籠姫は夢を見る

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第二章

26

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 『とにかく今は話してる場合じゃない!!変な髪色のお前、早く何とかしろ!!』

 「サニーと言ったね?具体的にはどうすれば私はエルフィリアを救えるんだい?」

 アンリはサニーに問い掛けた。しかしこの問いにサニーはまたしても目を見開く。

 『お前!力の使い方がわからないのか!?』

 「サニー、あなたの言った通りアンリ様に精霊の血が流れていると仮定して考えて、アンリ様はその事を知らずに今まで生きて来たのよ?力の使い方だって知る訳ないわ。お願いだからどうすればいいのか教えてくれない?」

 本当はサニーのアンリに対する“変な髪色”発言にも一言物申してやりたかったが、機嫌を損ねて教えて貰えないと自分の命に関わる。不本意だが黙っている事にした。
 サニーは私の発言にそれも一理あると思ってくれたのだろうか。目を閉じて何やら考え込んでいる。

 「…あっ……!!」 

 その時だった。サニーの答えを待っていたエルフィリアが突然バランスを崩したかのように前のめりに倒れた。
 
 「エルフィリア!!」

 すんでのところでアンリが支えたものの、その身体は小刻みに震えている。

 「…だ…大丈夫よアンリ様…」

 強がってはいるがその顔色は悪く、額には冷や汗のようなものが光る。
 (なんだろう…身体に力が入らない…)
 力の入らない身体に加え頭は重石を乗せられたように重く靄がかかったよう。そして…

 「…寒い…」

 凄く寒くて凍えてしまいそう。何で…今はまだそんな季節じゃないのに…。
 エルフィリアはアンリの身体に寄り掛かり、立っているのもやっとだった。

 『凄く濃い瘴気が身体に回り過ぎてる!耐性の無いエルフィリアは長くはもたない!それに今から力の使い方を教えてる暇はない!変な髪色のお前、やっちゃえ!!』

 「やっちゃうって、何を?」

 『命の契りだ!!お前の命と溶け合えば、エルフィリアは助かる!!』

 「…え……?」

 私の命と溶け合えばエルフィリアの命が助かる?の間違いでは無くて?
 アンリは固まった。

 『何を躊躇う?エルフィリアからお前の匂いがしてたのはだからだろ?どうせいつかするならエルフィリアがピンチの今にしろ!』

 しかしアンリは難しい表情のまま何も言葉を発しない。
 こんな事で結ばれる事を何よりも嫌がっていたアンリ様。そんなのよく理解していたつもりだった。けれどこんな非常事態なのに…私の命がかかっていてもその考えを変えてはくれないのだ。そう思うと本当は愛されてなんかいないんじゃないかと、そんな悪い考えが頭の中をいっぱいにしていく。これもシャグランの呪いとやらの力なのだろうか。気分が重く重く底まで沈んで行く。

 『何してる!?急…「…もういいよ…」

 返事をしないアンリの代わりに答えたのはエルフィリアだった。

 『何がもういいんだ!?このままじゃお前死ぬんだぞ!?』

 「…いいの…もう…」

 完全に力を失った身体は膝から崩れ落ちる。
 薄れゆく意識の中でアンリの叫び声が聞こえた気がした。 
 
 
 

 
 
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