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第一章
3 溺れる
しおりを挟む「ん…!!んんっ………!!」
塞がれた唇からくぐもった声が漏れる。
蜜の滴る花弁は大きく開き、美しい彼自身をすんなりと飲み込んだ。奥深くまで。
声の出せない私の代わりに喘ぐようにベッドは軋む音を立てる。
「アマリール…すごいよ…君の花弁が僕に絡み付いて離してくれない。引き抜こうとするときゅうって締め付けて引き止める。」
「あっいやぁ♡…ハニエル様やめて…恥ずかしいっ…」
「恥ずかしい?どうして?こんなに綺麗なのに…ほらよく見て?」
ハニエル様は私の両膝の裏に手をあて、それを持ち上げるように左右に大きく開いて見せる。そこには熟れて甘い蜜を滴らせた赤い果肉が大きな熱杭をじゅぶじゅぶと声をあげながら飲み込んでいる。
「やぁっ…ハニエル様の意地悪…!」
けれど彼も蕩けた顔で二人の交わるその場所を見つめていた。何度も何度も優しくかき混ぜられた蜜がより深い場所へと彼を誘う。
「あんっ♡あぁぁん♡そんな奥…奥っ♡♡」
「奥?ここがそんなにいいの?」
“痛くないの?”そんな顔をして私の反応を伺うようにしながら優しく奥を突かれると、胸も花芯も切なく甘く疼いてしまう。
そしてだんだんと欲張りになる身体は優しいだけでは焦れったくて、もっともっととハニエル様を締め付ける。
「…っアマリール、そんなに締め付けちゃ我慢できなくなる…!優しくしたいんだ…だから…!!」
「ハニエル様…私、もっともっとハニエル様が欲しいの。だから私の中…ハニエル様でいっぱいにして下さい。何も考えられないくらいにあなたで満たして…お願い。」
昨夜の辛い記憶を無かったことにはできないけれど、ハニエル様でいっぱいに満たして貰えれば、せめてほんの少しは忘れる事ができるかもしれない。
「…アマリール…!」
私の名を呼ぶハニエル様の顔は切なく歪む。
「愛してるよアマリール…ずっと君を愛してたんだ…!」
「…ハニエル様が……私を……?」
そんな…だって私はあなたにとって優しいお姉さんで……。
けれど私の思いをよそに彼は私を掻き抱きながら優しく奥を突き続ける。
「そうだよ…ずっとずっと好きだった…。でもアマリールにとって僕は“男”じゃなくて“弟のように可愛い子”だったでしょ?」
顔を歪めたまま彼が語ってくれたのは切ない初恋の話。アマリールという女の子に恋をして、側にいたくてずっと弟のふりをしていたハニエルという名の男の子の。
「でもアマリールは僕を受け入れてくれた。男としての僕を…。だからもう絶対に君を誰にも渡したりなんかしない。いいね?アマリール。」
「ハニエル様…。」
こんな事あってもいいのだろうか。この人なら…ハニエル様ならば私を救う事ができる。ハニエル様の皇位継承順位はお父上であるアルザス公爵閣下に次いで三位。ルーベル殿下だって簡単に彼を罰する事などできないはず。でもわからない…相手は【血の皇太子】。もしも私のせいでハニエル様に何かあったら…!
「あっ!!あぁぁぁん!!」
他の事に気を取られる私にまるで“僕を見て!!”と言わんばかりにぱちゅん!と大きな音を立てて奥を突かれた。
「アマリール…もう我慢しない…これが僕の本当の気持ちだよ。今から僕でいっぱいにしてあげるからね。だからその身体で全部受け止めて…!」
彼の本当の気持ち…。それは激情とも言えるほどの私への恋と愛なのだと、彼はその激しい腰使いで教えてくれた。一瞬たりとも私から視線を逸らさずに、はちきれんばかりに膨らんだ昂りを打ち付ける。
「あっ♡あっ♡ひぁぁぁん♡♡」
「可愛い…可愛いよアマリール。もっと感じて?」
そう言って彼は私の両膝を抱えて下になる私の両脇へ手をついた。彼の剛直がぐぷぐぷと蜜壺を掻き回すのが丸見えだ。しかもよく見えるようにわざと自身をぎりぎりまで引き抜き、ねっとりと泡立つ蜜を纏って怪しく光る様を見せつけるようにして再び沈めていく。
「ハニエル様♡ハニエル様♡もう…もう駄目なの…駄目なのぉ♡♡」
自分でも信じられないほど甘えた声が出ていく。
「何が駄目なの?ここはそんな事言ってないよ。さっきからずっと僕に一生懸命口付けてくれてる。足りないよ、淋しいよ、もっともっと優しく愛してって。」
激しくしながらも彼の腕は私を優しく包みこむ。幸せで、気持ち良くて、何も考えられない。振り落とされないようにその背に手を回し、ただただ必死にしがみつくしか出来なかった。
「ひゃあんっ♡それ駄目♡駄目ぇ♡♡」
激しく突きながら小さな花芽を人差し指で優しく何度も弾かれ理性が飛ぶ。大きな快楽がうねるように奥底から襲いかかり
「やぁぁぁぁん♡♡嫌っ、嫌ぁぁあ♡♡」
目の前が白くチカチカ光る。無意識なのに蜜壺はうねるような収縮を何度も繰り返し、中にいるハニエル様から全て搾り取ろうとする。
「あぁ…僕ももう駄目だ…!アマリール、アマリール、僕を見て!」
一足先に達してしまった私の目を見つめ、ハニエル様はその美しい瞳を潤ませる。
お互いの視線が絡まったその瞬間、ハニエル様の昂りはガチガチに硬くなりその質量を増し、一気に爆ぜた。
「……はっ……!!っく………!!」
私の身体を強く抱き締めプルプルとその身を震わせる彼が愛おしくて愛おしくて、私も力の限り強く抱き締め返した。
「…ハニエル様…好き…大好き……」
「アマリール…僕も…愛してるよ……!」
その美しいエメラルドグリーンの瞳から宝石のような涙が一粒こぼれ落ちた。
***
それから私達は昼も夜もなく愛し合った。
年下のハニエル様に私は何もかも忘れて甘え、彼はそれを喜んで受け入れてくれた。
公爵邸の使用人も皆私に優しかった。
どうやらハニエル様の私への想いはこの公爵邸では周知の事実だったようだ。
私はハニエル様の大きな愛に包まれ、いつしか何の不安もなく日々を過ごせるまでに回復していた。
「お出掛け?」
「うん。今後の事もあるし色々とね…。大丈夫。お姫様はここで王子様の帰りを待っていて?」
あの日以来長く離れるのは初めてだ。
少しだけ不安を感じてしまう。
「大丈夫だよ。ここには君の味方ばかりなの知ってるでしょ?」
「うん…知ってる。」
「皆もアマリールが大好きなんだ。だから何があっても君を傷付けたりしないよ。」
「うん。気を付けて行ってらっしゃい…。」
“早く戻るよ”
そう言ってハニエル様は屋敷を後にした。
暇をもて余した私に侍女の皆さんがお茶やお菓子、それに流行の書籍などを持ってきてくれたので、ハニエル様が帰るまでゆっくりと読書をする事にした。
午後になると空が少し薄暗くなってきた。
「雨になるかもしれませんねぇ…」
侍女の言葉にハニエル様は大丈夫だろうかと心配になっていたその時だった。
「ここにいるのはわかってるのよ!!出しなさいよ!!」
階下から怒り狂う女性とそれを必死で止める執事の声が響いてきた。
「何事かしら!?」
侍女を見ると皆気まずそうに下を向いて目を合わせてくれない。
(何…?一体何なの?)
足音はこの部屋に向かって近付いて来る。
「お待ち下さいませ!!シャロン様!!」
ドアが壊れるかと思うほど打ち付けられ驚いてそちらを見ると、一人のご令嬢が肩で息をするようにして立っている。
「…マデラン侯爵家の…シャロン様…?」
何で彼女がここに?しかし私はその理由をすぐ知ることになる。
シャロンはつかつかとヒールを鳴らしアマリールの前まで来ると、勢いよくその頬を張った。
「アマリール様!!」
侍女達の悲鳴が部屋中に響く。
打たれた頬はジンジンと熱を持って痛み、目の前がよく見えない。
「あんたって噂通り本当の泥棒猫だったのね!!よくも私のハニエル様に…!!あぁーーー!!」
シャロン様は叫びながら私のドレスの胸元を掴み乱暴に私を床へ投げ飛ばした。
訳のわからない私は打たれた頬に手を当てながら彼女を見上げる。
「やっと…やっとハニエル様との婚約が内定したところだったのよ!!それなのに…それなのにあなたのせいでハニエル様は両家の顔合わせにもお出にならなかった!!あんたのせいで!!」
シャロン様の話によると…ルーベル殿下に私が犯されたあの日、ハニエル様はシャロン様との婚約が内定した事を皇帝陛下に報告するために皇宮を訪れていたのだそうだ。
謁見まで時間を潰すと言ってハニエル様は姿を消したまま戻らなかった。
「返して!!ハニエル様を返してよこの売女!!」
売女…!?
なぜ自分がそこまで言われなければならないのか。
尚も私に暴行を加えようとしたシャロン様をマデラン侯爵家からついてきた従者が止めに入り、彼女は不服そうだったが侯爵邸へと戻って行った。
「アマリール様…!ハニエル様は幼い頃からずっとアマリール様の事を……!!」
皆が私を気遣ってくれる。
私は何も知らなかった。でもシャロン様の事は知らなかったからと許される事ではない。
「侯爵邸へ…馬車を出して貰えますか…?」
「アマリール様!!」
私の言葉に執事は血相を変えて慌てる。おそらくハニエル様に決してここから私を出さぬよう言われているのだろう。
「…知ってしまったからには黙ってここに置いて貰う訳には行かないのです…。お願い。クローネ侯爵邸へ私を連れて行って下さいませ。」
あれ以来実家にも帰っていない。
私は今までハニエル様に甘え過ぎていた。
私の決意が固いことを知ると、使用人達は皆一様に辛そうな顔をして送り出す支度をしてくれた。
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