君といると自信がなくなると暗殺者を差し向けられました

ぴぴみ

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逢瀬

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二人の男女が向かい合って座っている。

机上にあるのは、蜂蜜につけられ宝石のように輝くイチゴのタルトにケーキ。血の色のようなゼリー。

でっぷりとしたお腹に手を当てながらもう食べてしまってもいいだろうかと男は考える。習慣化した逢瀬にも飽きてきた。裸体には興味があるが、身持ちの堅い女が結婚前に肌を許すとも思えない。

つまらない、早く食べさせろと考えていることなどおくびにも出さずに笑顔で語りかけようとして、ようやく気がついた。目の前の女の様子がおかしいと。

常にこちらの顔色を窺い、肯定し、控えめに笑う女らしい女であったはずだ。馬鹿笑いなどは決してしないような一緒にいて楽しくない女、何を考えているのか分からないと常々思っていたが一体どうしたことだろう。

瞳が合わない。女はこちらのことなど興味がないとばかりに遠くを見つめている。

「…な、何かあった?」

発した声に女がちらと目をやる。温度のない瞳はどこまでも暗く何も映してはいなかった。

「別になにもないわ」

男が何か言う前に女が笑みの形をつくった。そしてそれはそれは嬉しそうに恍惚とした表情で問うたのだ。








「……あなたの家の子飼いの暗殺者に、会わせてくれないかしら」









口元に人差し指を軽く当て微笑む女は、恋でもしているかのように場違いに美しかった。
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