45 / 101
守らなきゃ!
しおりを挟む
レーナおばさまに促された王子妃。
さっきの私へのあの態度を思うと、失礼ながら常識的な挨拶ができる人とは思えない。
だって、ミナリアねえさまへしたことを悪いと思うどころか、まるで、恨んでいるようなあの呼び方。
しかも、それを隠そうともせずに、初対面なのに、ミナリアねえさまの親戚である私に言うくらいだもんね。
第二王子同様に、人として、まるで信用できない!
ということで、監視するように、私は王子妃を見る。
すると、王子妃はおもむろにその場に立った。
そして、微笑むこともなく、口を開いた。
「本日は私の主催するお茶会に来てくださり、ありがとうございます。王女様にはいらぬ嫉妬をしてしまい、大変申し訳ありませんでした。謝罪の気持ちをこめたお茶会を楽しんでいってください」
と、すごい棒読みで一気にまくしたてた王子妃。
王女様のほうを警戒したような目でちらっと見たあと、席にすわった。
なんというか想像を超えた挨拶だ……。
もちろん、悪い意味で。
まずもって、全部まるごとお茶会を準備してくれたレーナおばさまへの感謝の気持ちはないの!?
更に、私の主催するお茶会!?
第二王子に続いて、またまた、どの口が言う!?
ふたりとも、主催と言う言葉の意味をきっちり調べて、と声を大にして言いたい! と、心が荒ぶる私。
「まあ、アンヌさん、そんな心配しないで。ガイガー王子は素敵な方だし、友人ではあるけれど、正直、全く私の好みではないの」
王女様が王子妃に向かって、笑いながら言った。
「それは、ひどいな。なら、ラジュ王女はどんな男がいいんだ? 婚約者はいないと聞いているが、ラジュ王女なら選び放題だろう?」
と、テンション高めで話しかける第二王子。
にやけた笑みが胡散臭すぎて、警戒心で全身がぴりぴりする。
「そうね、強くて美しい男性がいいわね」
そう言って、ルーファスに向かって微笑んだ王女様。
小さい頃からさんざん見てきた、ルーファスを狙うその視線。
私は、無意識に、ひざにおいていた手を隣のルーファスのほうへのばした。
テーブルの下で、手のひらをいっぱいにひろげて、王女様のほうへ向ける。
小さい手が壁になるようなイメージだ。
なんとかして、ルーファスをあの視線から守らなきゃ!
本当はいつものようにルーファスの前に私が立ち、ルーファスを狙う邪な視線をさえぎりたいところだけれど、テーブルがあるから物理的に無理。もどかしい!
「なるほど。ラジュ王女の理想の男は、案外この国で見つけられるかもしれんな。ラジュ王女に請われれば、誰もが喜んで、ジャナ国についていくだろう。うらやましい男だ」
と、意味ありげに微笑んで、ルーファスをちらりと見た第二王子。
今の言葉って、第二王子の邪悪な気持ちがもれまくってない?
つまり、優秀なルーファスが邪魔で、国外に追いだしたいっていうことだよね!?
控えめに言って、やはり最低最悪だ。
私はそこで、はっとした。
このお茶会、公爵家のみなさんが私を見守ってくれているけれど、本当に見守るべき存在はルーファスなんじゃない!?
だって、王女は絶対にルーファスを狙って国に連れて帰ろうとしているし、第二王子はルーファスを追い出そうとしてる!
ふたりの利害が一致している!
「そんな男性がいたらいいのだけれど」
と、華やかに微笑んで第二王子のほうをむいて答える王女様。
しかも、胸元のサファイアがついたブローチを触っている。
これは、完全にルーファスにロックオンしてるんじゃない!?
ルーファスが危ない!
私はルーファスのほうをむいた。
すぐに、気づいたルーファスも私を見つめてきた。
(ルーファスのことは私が守るから!)
と、口パクで伝える。
すると、ルーファスのほうも(ララは僕が守るよ)と口パクで返してきた。
しかも、楽しそうに微笑んでいる。
いや、それ違うから、ルーファス!
危ないのはルーファスなんだって!
それに、そんな天使みたいな無邪気な笑顔を見せちゃダメ!
私には過保護なくせに、自分の美貌に無頓着すぎるルーファス。
口パクで更に注意しようとしたその時だ。
テーブルの下でルーファスのほうへとのばしていた私の手がぎゅっとにぎられた。
ルーファスを守るための壁にしようとイメージしていたのに、にぎられたら、できないでしょうが!?
焦る私に、とろけるような甘い笑みを浮かべたルーファス。
ダメだ……。
さっきより、ルーファスの笑みが危険度の増したものになっている。
王女様が見たら、ルーファスにもっと魅了されるじゃない!?
思いっきり、ルーファスの手から自分の手をひっこぬいて、視線を前に戻す。
幸い王女様は第二王子のほうを向いたままだった。
ほっとしたのもつかのま、モリナさんと目があった。
私をにらんでいるが、その視線にぎょっとした。
今までとは比べ物にならないくらい怖い目をしているから。
今までも散々にらまれてきたから、正直、慣れているし怖くはないと思っていた。
でも、今のモリナさんはなんだか知らない人みたい。
そう思うと、なんだか不気味で、ぞわっとした。
さっきの私へのあの態度を思うと、失礼ながら常識的な挨拶ができる人とは思えない。
だって、ミナリアねえさまへしたことを悪いと思うどころか、まるで、恨んでいるようなあの呼び方。
しかも、それを隠そうともせずに、初対面なのに、ミナリアねえさまの親戚である私に言うくらいだもんね。
第二王子同様に、人として、まるで信用できない!
ということで、監視するように、私は王子妃を見る。
すると、王子妃はおもむろにその場に立った。
そして、微笑むこともなく、口を開いた。
「本日は私の主催するお茶会に来てくださり、ありがとうございます。王女様にはいらぬ嫉妬をしてしまい、大変申し訳ありませんでした。謝罪の気持ちをこめたお茶会を楽しんでいってください」
と、すごい棒読みで一気にまくしたてた王子妃。
王女様のほうを警戒したような目でちらっと見たあと、席にすわった。
なんというか想像を超えた挨拶だ……。
もちろん、悪い意味で。
まずもって、全部まるごとお茶会を準備してくれたレーナおばさまへの感謝の気持ちはないの!?
更に、私の主催するお茶会!?
第二王子に続いて、またまた、どの口が言う!?
ふたりとも、主催と言う言葉の意味をきっちり調べて、と声を大にして言いたい! と、心が荒ぶる私。
「まあ、アンヌさん、そんな心配しないで。ガイガー王子は素敵な方だし、友人ではあるけれど、正直、全く私の好みではないの」
王女様が王子妃に向かって、笑いながら言った。
「それは、ひどいな。なら、ラジュ王女はどんな男がいいんだ? 婚約者はいないと聞いているが、ラジュ王女なら選び放題だろう?」
と、テンション高めで話しかける第二王子。
にやけた笑みが胡散臭すぎて、警戒心で全身がぴりぴりする。
「そうね、強くて美しい男性がいいわね」
そう言って、ルーファスに向かって微笑んだ王女様。
小さい頃からさんざん見てきた、ルーファスを狙うその視線。
私は、無意識に、ひざにおいていた手を隣のルーファスのほうへのばした。
テーブルの下で、手のひらをいっぱいにひろげて、王女様のほうへ向ける。
小さい手が壁になるようなイメージだ。
なんとかして、ルーファスをあの視線から守らなきゃ!
本当はいつものようにルーファスの前に私が立ち、ルーファスを狙う邪な視線をさえぎりたいところだけれど、テーブルがあるから物理的に無理。もどかしい!
「なるほど。ラジュ王女の理想の男は、案外この国で見つけられるかもしれんな。ラジュ王女に請われれば、誰もが喜んで、ジャナ国についていくだろう。うらやましい男だ」
と、意味ありげに微笑んで、ルーファスをちらりと見た第二王子。
今の言葉って、第二王子の邪悪な気持ちがもれまくってない?
つまり、優秀なルーファスが邪魔で、国外に追いだしたいっていうことだよね!?
控えめに言って、やはり最低最悪だ。
私はそこで、はっとした。
このお茶会、公爵家のみなさんが私を見守ってくれているけれど、本当に見守るべき存在はルーファスなんじゃない!?
だって、王女は絶対にルーファスを狙って国に連れて帰ろうとしているし、第二王子はルーファスを追い出そうとしてる!
ふたりの利害が一致している!
「そんな男性がいたらいいのだけれど」
と、華やかに微笑んで第二王子のほうをむいて答える王女様。
しかも、胸元のサファイアがついたブローチを触っている。
これは、完全にルーファスにロックオンしてるんじゃない!?
ルーファスが危ない!
私はルーファスのほうをむいた。
すぐに、気づいたルーファスも私を見つめてきた。
(ルーファスのことは私が守るから!)
と、口パクで伝える。
すると、ルーファスのほうも(ララは僕が守るよ)と口パクで返してきた。
しかも、楽しそうに微笑んでいる。
いや、それ違うから、ルーファス!
危ないのはルーファスなんだって!
それに、そんな天使みたいな無邪気な笑顔を見せちゃダメ!
私には過保護なくせに、自分の美貌に無頓着すぎるルーファス。
口パクで更に注意しようとしたその時だ。
テーブルの下でルーファスのほうへとのばしていた私の手がぎゅっとにぎられた。
ルーファスを守るための壁にしようとイメージしていたのに、にぎられたら、できないでしょうが!?
焦る私に、とろけるような甘い笑みを浮かべたルーファス。
ダメだ……。
さっきより、ルーファスの笑みが危険度の増したものになっている。
王女様が見たら、ルーファスにもっと魅了されるじゃない!?
思いっきり、ルーファスの手から自分の手をひっこぬいて、視線を前に戻す。
幸い王女様は第二王子のほうを向いたままだった。
ほっとしたのもつかのま、モリナさんと目があった。
私をにらんでいるが、その視線にぎょっとした。
今までとは比べ物にならないくらい怖い目をしているから。
今までも散々にらまれてきたから、正直、慣れているし怖くはないと思っていた。
でも、今のモリナさんはなんだか知らない人みたい。
そう思うと、なんだか不気味で、ぞわっとした。
649
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
【完結】そう、番だったら別れなさい
堀 和三盆
恋愛
ラシーヌは狼獣人でライフェ侯爵家の一人娘。番である両親に憧れていて、番との婚姻を完全に諦めるまでは異性との交際は控えようと思っていた。
しかし、ある日を境に母親から異性との交際をしつこく勧められるようになり、仕方なく幼馴染で猫獣人のファンゲンに恋人のふりを頼むことに。彼の方にも事情があり、お互いの利害が一致したことから二人の嘘の交際が始まった。
そして二人が成長すると、なんと偽の恋人役を頼んだ幼馴染のファンゲンから番の気配を感じるようになり、幼馴染が大好きだったラシーヌは大喜び。早速母親に、
『お付き合いしている幼馴染のファンゲンが私の番かもしれない』――と報告するのだが。
「そう、番だったら別れなさい」
母親からの返答はラシーヌには受け入れ難いものだった。
お母様どうして!?
何で運命の番と別れなくてはいけないの!?
【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~
tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。
番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。
ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。
そして安定のヤンデレさん☆
ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。
別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。
番など、御免こうむる
池家乃あひる
ファンタジー
「運命の番」の第一研究者であるセリカは、やんごとなき事情により獣人が暮らすルガリア国に派遣されている。
だが、来日した日から第二王子が助手を「運命の番」だと言い張り、どれだけ否定しようとも聞き入れない有様。
むしろ運命の番を引き裂く大罪人だとセリカを処刑すると言い張る始末。
無事に役目を果たし、帰国しようとするセリカたちだったが、当然のように第二王子が妨害してきて……?
※リハビリがてら、書きたいところだけ書いた話です
※設定はふんわりとしています
※ジャンルが分からなかったため、ひとまずキャラ文芸で設定しております
※小説家になろうにも投稿しております
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
君は僕の番じゃないから
椎名さえら
恋愛
男女に番がいる、番同士は否応なしに惹かれ合う世界。
「君は僕の番じゃないから」
エリーゼは隣人のアーヴィンが子供の頃から好きだったが
エリーゼは彼の番ではなかったため、フラれてしまった。
すると
「君こそ俺の番だ!」と突然接近してくる
イケメンが登場してーーー!?
___________________________
動機。
暗い話を書くと反動で明るい話が書きたくなります
なので明るい話になります←
深く考えて読む話ではありません
※マーク編:3話+エピローグ
※超絶短編です
※さくっと読めるはず
※番の設定はゆるゆるです
※世界観としては割と近代チック
※ルーカス編思ったより明るくなかったごめんなさい
※マーク編は明るいです
【完結】私の番には飼い主がいる
堀 和三盆
恋愛
獣人には番と呼ばれる、生まれながらに決められた伴侶がどこかにいる。番が番に持つ愛情は深く、出会ったが最後その相手しか愛せない。
私――猫獣人のフルールも幼馴染で同じ猫獣人であるヴァイスが番であることになんとなく気が付いていた。精神と体の成長と共に、少しずつお互いの番としての自覚が芽生え、信頼関係と愛情を同時に育てていくことが出来る幼馴染の番は理想的だと言われている。お互いがお互いだけを愛しながら、選択を間違えることなく人生の多くを共に過ごせるのだから。
だから、わたしもツイていると、幸せになれると思っていた。しかし――全てにおいて『番』が優先される獣人社会。その中で唯一その序列を崩す例外がある。
『飼い主』の存在だ。
獣の本性か、人間としての理性か。獣人は受けた恩を忘れない。特に命を助けられたりすると、恩を返そうと相手に忠誠を尽くす。まるで、騎士が主に剣を捧げるように。命を助けられた獣人は飼い主に忠誠を尽くすのだ。
この世界においての飼い主は番の存在を脅かすことはない。ただし――。ごく稀に前世の記憶を持って産まれてくる獣人がいる。そして、アチラでは飼い主が庇護下にある獣の『番』を選ぶ権限があるのだそうだ。
例え生まれ変わっても。飼い主に忠誠を誓った獣人は飼い主に許可をされないと番えない。
そう。私の番は前世持ち。
そして。
―――『私の番には飼い主がいる』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる