とけい屋

水無月あん

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おかし

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電気がついていない店内は暗い。
ひやりとする土の床。
黒ずんだ天井からは、まんまるい電球がたれさがっている。
木の陳列棚は、古さを感じるけれど、ぴかりと光っていて、きれいに掃除がされているのがわかる。

そして、目は、その棚にならんだお菓子たちに、すい寄せられた。

まず、どのお菓子も、すごーく小さい! 
ところせましと、ぎゅーっとならんでいる。

小さなクッキー、小さなマドレーヌ、小さなカステラ。
小さなチョコレート菓子、小さなロールケーキ、小さなドーナツなど、色々ある。

どれも透明のふくろに入れられていた。

そのなかに、ひとつだけ、茶色い紙袋に入ったお菓子がある。
しかも、「サービスひん」と書いてある。
なに、それ。気になる!

袋の上があいているので、のぞいてみた。
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