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決まりました
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「じゃあ、アデルに決めてもらおう。アデルのことだからね。ブルージュ国へ行ってみたい?」
ルイ兄様が、私のほうへ、にこにこしながら聞いてきた。
ええっー、ここで、まるなげ?!
その答えを、ここで私に言えと?!
ルイ兄様、ほんと、やめてよ…。
見てよ、両隣。
もちろん、行くよね、と期待に目を輝かせている、ブルージュ国の魔王。
行くなんて言うはずないよね、と目の圧がすごい、オパール国の魔王。
とりあえず、時間かせぎだ。
「ちょっと考えたいんだけど…」
そこで、デュラン王子が、何かたくらんでそうな笑みをうかべて、言った。
「アデル王女が来られたら、僕専用の図書室に案内するよ。リッカさんの本は、すべて、初版本でそろってるからね」
なに、なに、なにーっ?!
すべて、そろってる?! 初期のころの本は、部数も少なくて、読んでない本が何冊もあるんだよね。
しかも、初版本?! 初版限定の装丁もあるし、うわああ!!
見たい、読みたい、さわりたい、においをかぎたい!!!
「それに、リッカさん本人も招待するよ」
ななな、なんですってぇー!!
「行きます!! 行かせてください!!」
あ、つい、口からでちゃった。
でも、仕方がないよね。だって、リッカ先生だもの!
ユーリが怖くても、負けてられない!
待っててください、リッカ先生!
「よし、きまったね。じゃあ、早速、予定をくもう」
すぐさま、ルイ兄様が言った。のんびりモードのルイ兄様なのに、やけにしきりが早い。
うん、これ以上もめるのが、面倒なんだよね。
なので、言質とったよって感じで、すぐさま決めに入ったのね。
王太子として、よく使っている手なんだろうね。
なんだか、ルイ兄様の王太子らしさを初めて見た気がするよ…。
が、どうするの、隣の人?
冷気がすごくて、さっきから鳥肌がとまらない…。
そして、何かしゃべって!
黙ってるのも、怖いから…。
ほんの少しの間だけど、永遠のように感じた静けさのあと、
「わかりました。じゃあ、俺も同行しますね」
と、ユーリが底冷えする声で言い放った。
「ええっと、ユーリがいなかったら、ぼくが困るんだけど? 仕事が山積みだよ?」
のんびりした口調のまま、ルイ兄様が反論する。
ねずみがライオンに口答えしているみたいで、哀れになってくる。
がんばれ! ルイ兄様!
「知りませんよ。俺の重要度は、王太子よりアデル。仕事よりアデル。国よりアデルですから」
なにそれ、怖い!
字面だけみたら、熱烈な愛の告白みたいな言葉なのに、不思議なほど、全然そうは聞こえない…。
ただただ、怖いだけなんですが…。
「大丈夫ですよ。アデル王女は、僕が、しっかりお守りしますから。安心してください」
やわらかな物言いだが、すみれ色の瞳が挑発的に光っている。
だから、やめてってば! 火に油を注ぐ発言は!
「それが、一番、心配なんだけど。…王太子、俺は絶対ついていきますよ」
もう、仕方ないよ。ルイ兄様…。
こんなになったユーリを誰がとめられる? 魔王だよ。無理でしょ。
もともと、ルイ兄様が言い出したことなんだから。
でも、ルイ兄様はまだいいよ。
私は、ユーリがついてきたら、ずーっと、この魔王同士の小競り合いに巻き込まれるんだよ。
しかし、私、がんばります! すべては、リッカ先生のために!!
ルイ兄様が、私のほうへ、にこにこしながら聞いてきた。
ええっー、ここで、まるなげ?!
その答えを、ここで私に言えと?!
ルイ兄様、ほんと、やめてよ…。
見てよ、両隣。
もちろん、行くよね、と期待に目を輝かせている、ブルージュ国の魔王。
行くなんて言うはずないよね、と目の圧がすごい、オパール国の魔王。
とりあえず、時間かせぎだ。
「ちょっと考えたいんだけど…」
そこで、デュラン王子が、何かたくらんでそうな笑みをうかべて、言った。
「アデル王女が来られたら、僕専用の図書室に案内するよ。リッカさんの本は、すべて、初版本でそろってるからね」
なに、なに、なにーっ?!
すべて、そろってる?! 初期のころの本は、部数も少なくて、読んでない本が何冊もあるんだよね。
しかも、初版本?! 初版限定の装丁もあるし、うわああ!!
見たい、読みたい、さわりたい、においをかぎたい!!!
「それに、リッカさん本人も招待するよ」
ななな、なんですってぇー!!
「行きます!! 行かせてください!!」
あ、つい、口からでちゃった。
でも、仕方がないよね。だって、リッカ先生だもの!
ユーリが怖くても、負けてられない!
待っててください、リッカ先生!
「よし、きまったね。じゃあ、早速、予定をくもう」
すぐさま、ルイ兄様が言った。のんびりモードのルイ兄様なのに、やけにしきりが早い。
うん、これ以上もめるのが、面倒なんだよね。
なので、言質とったよって感じで、すぐさま決めに入ったのね。
王太子として、よく使っている手なんだろうね。
なんだか、ルイ兄様の王太子らしさを初めて見た気がするよ…。
が、どうするの、隣の人?
冷気がすごくて、さっきから鳥肌がとまらない…。
そして、何かしゃべって!
黙ってるのも、怖いから…。
ほんの少しの間だけど、永遠のように感じた静けさのあと、
「わかりました。じゃあ、俺も同行しますね」
と、ユーリが底冷えする声で言い放った。
「ええっと、ユーリがいなかったら、ぼくが困るんだけど? 仕事が山積みだよ?」
のんびりした口調のまま、ルイ兄様が反論する。
ねずみがライオンに口答えしているみたいで、哀れになってくる。
がんばれ! ルイ兄様!
「知りませんよ。俺の重要度は、王太子よりアデル。仕事よりアデル。国よりアデルですから」
なにそれ、怖い!
字面だけみたら、熱烈な愛の告白みたいな言葉なのに、不思議なほど、全然そうは聞こえない…。
ただただ、怖いだけなんですが…。
「大丈夫ですよ。アデル王女は、僕が、しっかりお守りしますから。安心してください」
やわらかな物言いだが、すみれ色の瞳が挑発的に光っている。
だから、やめてってば! 火に油を注ぐ発言は!
「それが、一番、心配なんだけど。…王太子、俺は絶対ついていきますよ」
もう、仕方ないよ。ルイ兄様…。
こんなになったユーリを誰がとめられる? 魔王だよ。無理でしょ。
もともと、ルイ兄様が言い出したことなんだから。
でも、ルイ兄様はまだいいよ。
私は、ユーリがついてきたら、ずーっと、この魔王同士の小競り合いに巻き込まれるんだよ。
しかし、私、がんばります! すべては、リッカ先生のために!!
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