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第一章
目撃
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「あら、ロイとリリーさんはお知り合い?」
と、王妃様。
「いえ、赤の他人よ」
と、即答したのは、アイシャ。
「もう、アイシャ、ひどいなあ。王妃様、リリーちゃんとは、この前のパーティーで仲良くなったんですよ。あっ、それ、ぼくが手に入れた本ですよね」
と、ロイさんが、マクシミリアン先生の絶版本を見て言った。
「そうよ。リリーさんに贈呈したの。その絶版本、探しても見つからなくてね。結局、手に入れてくれたのは、ロイなの」
と王妃様。
「え?! どうやって?! これって、全然でまわってないですよね? ロイさん、本に詳しいんですか?」
すると、ロイさんは、
「まったく詳しくないよ。でも、やっぱり、人徳かな? 運よく、譲ってくれる人がでてきてねー」
と、にやりと微笑んだ。
「おおかた、お金にものを言わせたか、腹黒い取引をしたんでしょ? ま、人徳ではないことは間違いないわね」
アイシャが冷たい視線で、ロイさんを見た。
「もう、ぼくをなんだと思ってるの?! アイシャは!」
ふくれる、ロイさん。
アイシャの中で、ロイさんの位置づけが低すぎるんですが…。
「どうにも手に入らない時は、ロイに頼むとなんとかなるって、王太子に聞いたの。なので、頼んでみたら、すぐに手にいれてきて、本当に驚いたわ。リリーさんも、手に入らない本があれば、頼むといいわ」
と、王妃様。
え、ほんと?!
思わず、目が輝いてしまう。
「目を輝かせても、ダメよ、リリー。プライベートでロイに頼んだりなんかしたら、代償がこわすぎるわよ」
「さっきから、アイシャは、ひどいよね。リリーちゃんなら、何もいらないよ?」
ふと、前世の言葉がうかんだ。
ただより高いものはない…。うん、やめとこ。
「リリーちゃんは、この後どうするの?」
「王宮の図書室を見せていただくんです」
と、私が答えると、
「えっ、ほんと? ぼくも、これから図書室に行くんだよ。王太子に頼まれた資料を取りにね」
「あら、じゃあ、ちょうど良かったわ。ロイ、案内してあげて。私はこれから、アイシャに留学の報告を聞かなきゃいけないから」
王妃様が言うと、
「えっ? ロイが案内? リリーと二人にさせたくないわ」
と、アイシャが不満げに言った。
「大丈夫よ。念のために、護衛も一人つけるから」
と、王妃様。
ええ? 重要人物でもないのに、護衛だなんて!
「じゃあ、ロイは、リリーから離れて歩いてね」
と、アイシャ。またもや、過保護が発動している。
ほら、王妃様もミスリルさんも、クスクス笑ってるよ。
「わかった、わかった。アイシャ姫の仰せの通りにいたしましょう」
調子よく答える、ロイさん。
が、アイシャは不正を見ぬくような鋭い目で、ロイさんを見て、
「ほんと、信用ならないわね」
と、つぶやいた。
私は、王妃様にお礼を言い退出する。いただいた絶版本は、なんと私の家まで届けてくださるそうだ。
至れり尽くせりで、ほんと、申し訳ない気持ちになる。
廊下にでたとたん、早速、ロイさんが近づいてきた。
そして、
「ねえ、リリーちゃん。やっと二人きりになれたね」
と、ささやいた。思わず、一歩離れる。
すると、
「二人きりじゃなく、わたしもいますよ、ロイさん。ミラベル侯爵令嬢、この人には、気をつけてください」
と、前を歩く、王妃様の護衛騎士さんが、ふりむいて言った。
しかも、真顔…。
「ルドルフ、ひどいよ! リリーちゃん、ぼくって、信用できる人だからね」
自分で、そういう人を初めて見た…。
こういう軽い感じの人が、ヒロインの純粋さに触れ、初めて人を本気で愛するようになる。
でも、ヒロインには、愛するヒーローがいる。
この失恋で、闇落ちするか、はたまた、成長するか。
ロイさんを見てると、見事な当て馬キャラが、頭に浮かんでくる。
でも、ヒロイン、ヒーローの愛を深めるために、当て馬は重要だもんね。
などと、妄想していると、あれ?
廊下の窓から見えた中庭に、見慣れた男性がいる。
あれは、ラルフ? 意外すぎる光景に目がテンになった。
なぜなら、中庭で、ラルフが見知らぬ令嬢といたから。
遠目から見ても、きれいな女性。
ラルフと並んで歩いている姿は、一枚の絵のようだ。
足をとめた私を見て、ロイさんが私の目線を追った。
「…ああ、あれね。気になるよね。ラルフから、何も聞いてないんでしょ?」
私は、驚いたまま、うなずいた。
「見られたんなら、仕方ない。一応、説明しとくね」
ロイさんは、そう言って、話しはじめた。
と、王妃様。
「いえ、赤の他人よ」
と、即答したのは、アイシャ。
「もう、アイシャ、ひどいなあ。王妃様、リリーちゃんとは、この前のパーティーで仲良くなったんですよ。あっ、それ、ぼくが手に入れた本ですよね」
と、ロイさんが、マクシミリアン先生の絶版本を見て言った。
「そうよ。リリーさんに贈呈したの。その絶版本、探しても見つからなくてね。結局、手に入れてくれたのは、ロイなの」
と王妃様。
「え?! どうやって?! これって、全然でまわってないですよね? ロイさん、本に詳しいんですか?」
すると、ロイさんは、
「まったく詳しくないよ。でも、やっぱり、人徳かな? 運よく、譲ってくれる人がでてきてねー」
と、にやりと微笑んだ。
「おおかた、お金にものを言わせたか、腹黒い取引をしたんでしょ? ま、人徳ではないことは間違いないわね」
アイシャが冷たい視線で、ロイさんを見た。
「もう、ぼくをなんだと思ってるの?! アイシャは!」
ふくれる、ロイさん。
アイシャの中で、ロイさんの位置づけが低すぎるんですが…。
「どうにも手に入らない時は、ロイに頼むとなんとかなるって、王太子に聞いたの。なので、頼んでみたら、すぐに手にいれてきて、本当に驚いたわ。リリーさんも、手に入らない本があれば、頼むといいわ」
と、王妃様。
え、ほんと?!
思わず、目が輝いてしまう。
「目を輝かせても、ダメよ、リリー。プライベートでロイに頼んだりなんかしたら、代償がこわすぎるわよ」
「さっきから、アイシャは、ひどいよね。リリーちゃんなら、何もいらないよ?」
ふと、前世の言葉がうかんだ。
ただより高いものはない…。うん、やめとこ。
「リリーちゃんは、この後どうするの?」
「王宮の図書室を見せていただくんです」
と、私が答えると、
「えっ、ほんと? ぼくも、これから図書室に行くんだよ。王太子に頼まれた資料を取りにね」
「あら、じゃあ、ちょうど良かったわ。ロイ、案内してあげて。私はこれから、アイシャに留学の報告を聞かなきゃいけないから」
王妃様が言うと、
「えっ? ロイが案内? リリーと二人にさせたくないわ」
と、アイシャが不満げに言った。
「大丈夫よ。念のために、護衛も一人つけるから」
と、王妃様。
ええ? 重要人物でもないのに、護衛だなんて!
「じゃあ、ロイは、リリーから離れて歩いてね」
と、アイシャ。またもや、過保護が発動している。
ほら、王妃様もミスリルさんも、クスクス笑ってるよ。
「わかった、わかった。アイシャ姫の仰せの通りにいたしましょう」
調子よく答える、ロイさん。
が、アイシャは不正を見ぬくような鋭い目で、ロイさんを見て、
「ほんと、信用ならないわね」
と、つぶやいた。
私は、王妃様にお礼を言い退出する。いただいた絶版本は、なんと私の家まで届けてくださるそうだ。
至れり尽くせりで、ほんと、申し訳ない気持ちになる。
廊下にでたとたん、早速、ロイさんが近づいてきた。
そして、
「ねえ、リリーちゃん。やっと二人きりになれたね」
と、ささやいた。思わず、一歩離れる。
すると、
「二人きりじゃなく、わたしもいますよ、ロイさん。ミラベル侯爵令嬢、この人には、気をつけてください」
と、前を歩く、王妃様の護衛騎士さんが、ふりむいて言った。
しかも、真顔…。
「ルドルフ、ひどいよ! リリーちゃん、ぼくって、信用できる人だからね」
自分で、そういう人を初めて見た…。
こういう軽い感じの人が、ヒロインの純粋さに触れ、初めて人を本気で愛するようになる。
でも、ヒロインには、愛するヒーローがいる。
この失恋で、闇落ちするか、はたまた、成長するか。
ロイさんを見てると、見事な当て馬キャラが、頭に浮かんでくる。
でも、ヒロイン、ヒーローの愛を深めるために、当て馬は重要だもんね。
などと、妄想していると、あれ?
廊下の窓から見えた中庭に、見慣れた男性がいる。
あれは、ラルフ? 意外すぎる光景に目がテンになった。
なぜなら、中庭で、ラルフが見知らぬ令嬢といたから。
遠目から見ても、きれいな女性。
ラルフと並んで歩いている姿は、一枚の絵のようだ。
足をとめた私を見て、ロイさんが私の目線を追った。
「…ああ、あれね。気になるよね。ラルフから、何も聞いてないんでしょ?」
私は、驚いたまま、うなずいた。
「見られたんなら、仕方ない。一応、説明しとくね」
ロイさんは、そう言って、話しはじめた。
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