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第一章
どうした、ラルフ?
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一瞬立ち止まったものの、はっとしたように、ラルフが駆け寄ってきた。
エメラルド色の瞳が、まっすぐに私を見ている。
ロイさんが、
「ラルフ、来てくれてありがとうー!」
と言ったものの、ラルフはつったったままだ。
「え、ラルフ? …あれ、見えてないし、聞こえてないって感じ?」
と、ラルフの目の前で、手をひらひらさせるロイさん。
パシンッ
ロイさんの手が、容赦なく叩き落された。
「ラルフ、痛いっ! ひどいよ!」
と、ロイさんが言うと、
「うるさい」
と、ラルフが、冷え冷えとした声で一喝した。
そして、私に目をあわせ、
「リリー…」
そう言ったまま、言い淀んだ。
何事もスパッと言うラルフが、めずらしいね…。
あ、そうか! この姿に驚いてる?!
「これはね、アイシャとアイシャのお家のメイドさんたち、それから、デザイナーのルーニーさんの努力のたまものなの! すごいでしょ? まさに別人だもんね?」
と、私がにっこり笑いかける。
が、ラルフは黙ったままだ。
あれ、どうした、ラルフ? 顔が赤くなってない?
「いやーん、ラルフ君、顔が赤くなってるよー! わかるわー、ドキドキするよね!
だって、リリーちゃん、いつもはかわいいけど、今日は、すっごい綺麗に変身しちゃってるもんね?
もう、俺の好みドンピシャでさ。思わず、好きですって、告白しちゃったからねー」
と、ロイさんが、言った瞬間、
「黙れ、この変態。つぶすぞ?」
と、ラルフに、すごい勢いで睨みつけられている。
ええと、パーティー用の素敵な装いで言う言葉ではないよね、ラルフ君!
と、ここで、アイシャがラルフの前に仁王立ちした。
「リリーに見とれるのはしょうがないけど、決して、ラルフを喜ばせるためにしたわけではないから。
ラルフに執着してる王女が、リリーにその矛先をむけないよう、張り合おうとする気さえ失せるように、リリーがなめられないようにしただけだから!
そこんとこ、勘違いしないで!」
と、ぴしりと言い放ち、ラルフを鋭い目で射抜く。
うーん、王女は私を気にもとめないと思うけど…?
と、考えていると、
「俺の考えが甘かった。迷惑かけてすまない…」
ラルフが、アイシャにぼそっと謝った。
え、アイシャに謝るところ、初めて聞いた! いつも、ケンカしてるけど、絶対に謝らないラルフなのに!
大人になったのね…。と、しみじみしていると、今度は、ラルフが私の方を向いた。
「リリー、ごめん。留学の前日に、俺のせいで、こんなところに来ることになって」
と、ラルフが、私にも謝った。
「あ、いいよ、いいよ。ロイさんに、絶版本を頼めるらしいし、それに、今後、着ることがないような、こーんな素敵なドレスを着せてもらって、大人っぽくしてもらったしね! いい思い出になるよ」
そう言うと、ラルフは真剣なまなざしで聞いてきた。
「そのドレスはどうしたんだ?」
「あ、これ? アイシャがドレスをたのんでるデザイナーのルーニーさんが、新作のサンプルを貸してくれたの! 素敵なドレスだよね?」
と、私が言うと、
「……てる」
と、ラルフが、小さい声で何か言った。
「え? なに? 聞こえなかったんだけど?」
と、私が聞き返す。
すると、ラルフが、ぐっと私に近づいて、私の顔の横に自分の顔を寄せて、
「似合ってる。…きれいだ」
と、耳元で、ささやいた。
「…」
思考が止まった。
「きゃあ! ラルフ君ったら!」
と、奇声をあげているのは、ロイさん。
「さっきまでしゃべれなかったくせに、油断も隙もないわね!」
と、怒るアイシャ。
私の顔は一気に熱くなり、心臓がバクバクしてきた。
エメラルド色の瞳が、まっすぐに私を見ている。
ロイさんが、
「ラルフ、来てくれてありがとうー!」
と言ったものの、ラルフはつったったままだ。
「え、ラルフ? …あれ、見えてないし、聞こえてないって感じ?」
と、ラルフの目の前で、手をひらひらさせるロイさん。
パシンッ
ロイさんの手が、容赦なく叩き落された。
「ラルフ、痛いっ! ひどいよ!」
と、ロイさんが言うと、
「うるさい」
と、ラルフが、冷え冷えとした声で一喝した。
そして、私に目をあわせ、
「リリー…」
そう言ったまま、言い淀んだ。
何事もスパッと言うラルフが、めずらしいね…。
あ、そうか! この姿に驚いてる?!
「これはね、アイシャとアイシャのお家のメイドさんたち、それから、デザイナーのルーニーさんの努力のたまものなの! すごいでしょ? まさに別人だもんね?」
と、私がにっこり笑いかける。
が、ラルフは黙ったままだ。
あれ、どうした、ラルフ? 顔が赤くなってない?
「いやーん、ラルフ君、顔が赤くなってるよー! わかるわー、ドキドキするよね!
だって、リリーちゃん、いつもはかわいいけど、今日は、すっごい綺麗に変身しちゃってるもんね?
もう、俺の好みドンピシャでさ。思わず、好きですって、告白しちゃったからねー」
と、ロイさんが、言った瞬間、
「黙れ、この変態。つぶすぞ?」
と、ラルフに、すごい勢いで睨みつけられている。
ええと、パーティー用の素敵な装いで言う言葉ではないよね、ラルフ君!
と、ここで、アイシャがラルフの前に仁王立ちした。
「リリーに見とれるのはしょうがないけど、決して、ラルフを喜ばせるためにしたわけではないから。
ラルフに執着してる王女が、リリーにその矛先をむけないよう、張り合おうとする気さえ失せるように、リリーがなめられないようにしただけだから!
そこんとこ、勘違いしないで!」
と、ぴしりと言い放ち、ラルフを鋭い目で射抜く。
うーん、王女は私を気にもとめないと思うけど…?
と、考えていると、
「俺の考えが甘かった。迷惑かけてすまない…」
ラルフが、アイシャにぼそっと謝った。
え、アイシャに謝るところ、初めて聞いた! いつも、ケンカしてるけど、絶対に謝らないラルフなのに!
大人になったのね…。と、しみじみしていると、今度は、ラルフが私の方を向いた。
「リリー、ごめん。留学の前日に、俺のせいで、こんなところに来ることになって」
と、ラルフが、私にも謝った。
「あ、いいよ、いいよ。ロイさんに、絶版本を頼めるらしいし、それに、今後、着ることがないような、こーんな素敵なドレスを着せてもらって、大人っぽくしてもらったしね! いい思い出になるよ」
そう言うと、ラルフは真剣なまなざしで聞いてきた。
「そのドレスはどうしたんだ?」
「あ、これ? アイシャがドレスをたのんでるデザイナーのルーニーさんが、新作のサンプルを貸してくれたの! 素敵なドレスだよね?」
と、私が言うと、
「……てる」
と、ラルフが、小さい声で何か言った。
「え? なに? 聞こえなかったんだけど?」
と、私が聞き返す。
すると、ラルフが、ぐっと私に近づいて、私の顔の横に自分の顔を寄せて、
「似合ってる。…きれいだ」
と、耳元で、ささやいた。
「…」
思考が止まった。
「きゃあ! ラルフ君ったら!」
と、奇声をあげているのは、ロイさん。
「さっきまでしゃべれなかったくせに、油断も隙もないわね!」
と、怒るアイシャ。
私の顔は一気に熱くなり、心臓がバクバクしてきた。
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