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第一章
王女入場
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「まあ、でも、こんなラルフを見たら、王女もさすがに、ラルフに見切りをつけるんじゃない? しかも、リリーに食べさせてたりしてるのなんかを見たら、恋心も、即刻、なくなるわよ」
と、アイシャが言った。
確かにね…。
でも、こんな王室のパーティーで、雛鳥のように、ラルフに食べさせてもらったら、私の大事な何かも、失われるよね?
やはり、それだけは、断固拒否しよう!
と、固く心に誓ったところで、王太子様が王女様と一緒に入場してきた。
長くて、真っ赤な髪に、ぱっと目がいく。
意外なことに、リボンが沢山ついた、かわいらしい感じのドレスを着ていた。
もっと、大人っぽい感じのドレスを選びそうなイメージがあったので、ちょっと驚いた。
隣で、おしゃれなアイシャが、
「あのドレスは、ないわねー。似合わなさすぎでしょ」
と、つぶやいている。
が、やっぱり、きれいな人だな。
そう思って、隣にいるラルフを見ると、ラルフが私をじーっと見ていた。
「え、ちょっと、王太子様と王女様、入場してきたよ?」
と、私が小声で言うと、
「知ってる」
「一応、見た方がいいんじゃない?」
「いや、別にいい」
と、ラルフがすっぱりいった。
あ、そう…。でも、完全に顔ごと私のほうを向いて、じっくり見ているのは、おかしくないかい?
っていうか、いたたまれないんだけど!
「…アイシャ、なんか変だよ。ラルフが!」
と、アイシャに助けを求めた。
「ほんと、おかしいわね。私にしたら、今更って感じ? 明日には、ロジャン国に旅立つのにね。
まあ、せいぜい、あがいてみたら? …フフフ」
と、嬉しそうに微笑んだ。
またもや、悪役令嬢になってるよ、アイシャ…。
と、ここで、王太子様のご挨拶がはじまった。
「そういえば、王様と王妃様はいらっしゃらないんだね?」
私がアイシャに聞くと、
「今回の、突然のグラン国からの一方的な押しかけ交渉に対応したのは、すべて王太子なの。
王様と王妃様は、今、重要な案件に対応されていて、今日も、そのことで、地方に行かれているそうよ。
まあ、交渉自体は、この国にとっては、いい方向で終わったらしいけど、付き添いの王女までは手がまわらなくて、ラルフに押し付けて、こんなことになったのよね。
今日、万が一、リリーに迷惑をかけるようなことがあれば、今まで、あたためてきた復讐の方法を試してみるのもいいわね…」
と、アイシャは、美しい笑みをうかべた。
いやいや、それはやめて、アイシャ!
復讐ものの物語を読むたび、「私なら、もっとこうするのに」と、アイシャがおしえてくれる復讐のアイデアは、心底、震えてしまうから。
そこで、ラルフが口を開いた。
「リリーには、絶対、近づかせない。アイシャの手をわずらわせることはないから、安心しろ」
と、鋭い目で、アイシャを見る。
二人の間に、殺伐とした空気が流れ出した。
アイシャにつっかかるのは、通常モードのラルフに戻ってきたんだね。
「は? よく言うわ。 安心する要素が、まるでないんだけど?
ほら、見てごらんなさい。あの王女、リリーをすごいにらんでるわよ」
え、にらんでる?!
思わず、王女様を見ると、確かにこっちを向いている。
確かに、なんか、視線が怖い気がする…。
とりあえず、私は、ラルフの手をふりほどこうとすると、すごい勢いで、さらににぎられた。
「ちょっと、ラルフ! 離してよ! 王女様が見てるよ?!」
「それがどうした? 王女が見ようが関係ない」
そう言いながら、ラルフが、私の方へとさらに近づく。
腕が触れる寸前くらいまで、ひっついてきて、横に立つ。
「こら、近い、近い! もっと、離れて!」
私があせって、ラルフを下から、にらみつけると、ラルフがフッと微笑んだ。
その顔を見た瞬間、心臓がドクドクしてきた。もしや、動悸?!
冷たいくらいの美貌に、色気がもれだし、破壊力がすごいからね…。
はあ、しかし、ラルフは客観的にみると、本当にかっこいいんだよね。
今の微笑なんて、ヒロインだけを溺愛する冷酷なヒーローが、ヒロインに微笑みかける時のイメージにぴったり。
本当に、はたで見てるなら、溺愛ヒーローとして、存分に観察して萌えられるんだけど、いざ、自分にむけられると、心臓に悪い…。
ほんとに、ラルフも、こういう笑顔は、ヒロインに出会えた時にとっとかないと。
過保護な対象に使うもんじゃないよ?
しかし、自覚がないのも、困ったもんだね…。
と、アイシャが言った。
確かにね…。
でも、こんな王室のパーティーで、雛鳥のように、ラルフに食べさせてもらったら、私の大事な何かも、失われるよね?
やはり、それだけは、断固拒否しよう!
と、固く心に誓ったところで、王太子様が王女様と一緒に入場してきた。
長くて、真っ赤な髪に、ぱっと目がいく。
意外なことに、リボンが沢山ついた、かわいらしい感じのドレスを着ていた。
もっと、大人っぽい感じのドレスを選びそうなイメージがあったので、ちょっと驚いた。
隣で、おしゃれなアイシャが、
「あのドレスは、ないわねー。似合わなさすぎでしょ」
と、つぶやいている。
が、やっぱり、きれいな人だな。
そう思って、隣にいるラルフを見ると、ラルフが私をじーっと見ていた。
「え、ちょっと、王太子様と王女様、入場してきたよ?」
と、私が小声で言うと、
「知ってる」
「一応、見た方がいいんじゃない?」
「いや、別にいい」
と、ラルフがすっぱりいった。
あ、そう…。でも、完全に顔ごと私のほうを向いて、じっくり見ているのは、おかしくないかい?
っていうか、いたたまれないんだけど!
「…アイシャ、なんか変だよ。ラルフが!」
と、アイシャに助けを求めた。
「ほんと、おかしいわね。私にしたら、今更って感じ? 明日には、ロジャン国に旅立つのにね。
まあ、せいぜい、あがいてみたら? …フフフ」
と、嬉しそうに微笑んだ。
またもや、悪役令嬢になってるよ、アイシャ…。
と、ここで、王太子様のご挨拶がはじまった。
「そういえば、王様と王妃様はいらっしゃらないんだね?」
私がアイシャに聞くと、
「今回の、突然のグラン国からの一方的な押しかけ交渉に対応したのは、すべて王太子なの。
王様と王妃様は、今、重要な案件に対応されていて、今日も、そのことで、地方に行かれているそうよ。
まあ、交渉自体は、この国にとっては、いい方向で終わったらしいけど、付き添いの王女までは手がまわらなくて、ラルフに押し付けて、こんなことになったのよね。
今日、万が一、リリーに迷惑をかけるようなことがあれば、今まで、あたためてきた復讐の方法を試してみるのもいいわね…」
と、アイシャは、美しい笑みをうかべた。
いやいや、それはやめて、アイシャ!
復讐ものの物語を読むたび、「私なら、もっとこうするのに」と、アイシャがおしえてくれる復讐のアイデアは、心底、震えてしまうから。
そこで、ラルフが口を開いた。
「リリーには、絶対、近づかせない。アイシャの手をわずらわせることはないから、安心しろ」
と、鋭い目で、アイシャを見る。
二人の間に、殺伐とした空気が流れ出した。
アイシャにつっかかるのは、通常モードのラルフに戻ってきたんだね。
「は? よく言うわ。 安心する要素が、まるでないんだけど?
ほら、見てごらんなさい。あの王女、リリーをすごいにらんでるわよ」
え、にらんでる?!
思わず、王女様を見ると、確かにこっちを向いている。
確かに、なんか、視線が怖い気がする…。
とりあえず、私は、ラルフの手をふりほどこうとすると、すごい勢いで、さらににぎられた。
「ちょっと、ラルフ! 離してよ! 王女様が見てるよ?!」
「それがどうした? 王女が見ようが関係ない」
そう言いながら、ラルフが、私の方へとさらに近づく。
腕が触れる寸前くらいまで、ひっついてきて、横に立つ。
「こら、近い、近い! もっと、離れて!」
私があせって、ラルフを下から、にらみつけると、ラルフがフッと微笑んだ。
その顔を見た瞬間、心臓がドクドクしてきた。もしや、動悸?!
冷たいくらいの美貌に、色気がもれだし、破壊力がすごいからね…。
はあ、しかし、ラルフは客観的にみると、本当にかっこいいんだよね。
今の微笑なんて、ヒロインだけを溺愛する冷酷なヒーローが、ヒロインに微笑みかける時のイメージにぴったり。
本当に、はたで見てるなら、溺愛ヒーローとして、存分に観察して萌えられるんだけど、いざ、自分にむけられると、心臓に悪い…。
ほんとに、ラルフも、こういう笑顔は、ヒロインに出会えた時にとっとかないと。
過保護な対象に使うもんじゃないよ?
しかし、自覚がないのも、困ったもんだね…。
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