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第一章
視線が痛い
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動悸が激しくて、王太子様のご挨拶は、何も聞き取れなかった。
そして、音楽がなりはじめ、会場はざわざわとしはじめる。皆、思い思いに動きはじめたよう。
近くを、飲み物を配る人が通りかかった。
そう言えば、のどが、からっからだ…。
「あ、飲み物…」
とつぶやいたら、すぐにラルフが察してくれたよう。
やっと、私の手を離し、私の分と、アイシャの分の飲み物をその人から受け取って、手渡してくれた。
早速、飲むと、フルーツのジュースが、つかれた心と体にしみわたる!
「くーっ! 美味しいー。しみるー!」
私が心からの声を発すると、アイシャが、
「その見た目と、しゃべった時のギャップがすごいわね。おもしろいわー」
と、私を眺めながら、微笑んだ。
あ、今の私、前世なら、お風呂上りに、ビールを飲むおじさんみたいだったね…。
「よほど、のどがかわいてたんだな」
と、ラルフが、ちょっとあきれた顔で言った。
「うん。おなかは、もっとすいてるけどね!」
と、開き直る私。
「わかった。食べに行くか」
と、ラルフは言い、またもや、私の手をにぎった。
「え? ちょっと、手をつかまなくても、歩けるよ?」
と、私が言うと、
「ダメだ。短い距離でも、危ないからな」
ラルフが、言いきった。
「危ない? いやいや、ここは、王宮のパーティー会場だよ?
危険な動物たちがいるジャングルじゃないよ?」
そう言って、私が手をふりほどこうとすると、ラルフは、さらに強く、私の手をぎゅっとにぎってきた。
そして、ラルフは、少しかがむようにして、私の顔を横からのぞき込む。
エメラルド色の瞳は、真剣だ。
「ここは、危険な奴らがごちゃついている、ジャングルみたいなもんだ。動物たちより、たちが悪いしな。
視線も、うっとうしいし…。こんなところで、リリーを一人で歩かせられない」
ラルフの過保護が、ますます悪化してるんだけど…。
アイシャが、
「仕方ないわね。…まあ、確かに、今はラルフといたほうがいいかも。あの王女の視線は、不快だわ!
リリーに、なにかしてきたら、あの王族ごと沈める方法を考えないとね」
と、美しい顔で、おそろしいことをさらっと言った。
アイシャ…。それは、やめてあげて?!
ということで、ここは、おとなしく、ラルフに手をつながれて、料理の並ぶテーブルの方へ、歩いていく。
歩くたびに、あたりが静まり、注目されているのがわかる。
颯爽と歩くラルフに手をひかれ、連行される私。その後ろから、女王のように、優雅にアイシャが歩いてくるのだから、目立ちまくりだよね。
視線が痛すぎる…。
お願いですから、みなさん、こちらを見ずに、ざわざわっと、しててください!
このなんとも言えない空気の中、
「おっ、ラルフ! 久しぶり」
声をかけてきた勇者がいた。
茶色でくせのある髪に、くりっとした目。親しみやすそうな男の人だ。
「あ、アイシャさんも久しぶり」
と、アイシャにも声をかけた。
「お久しぶりね。ルークさん」
と、アイシャが微笑みながら、挨拶を返す。
「おまえ、目立ってんぞ! なんてたって、美女二人もひきつれてるからな?!
ちょっと、紹介しろよ。その手をにぎってる、きれいな…」
と、そこまで言った瞬間、黙った。
ラルフが、氷のような視線で威圧しているからだ。
ルークさんとやらは、おびえた顔でつぶやいた。
「ラルフ、こわいよっ…。殺気立ってる…? こわっ…」
心配になって、私が、
「あの、どなた?」
と、ラルフに聞くと、ラルフは私のほうを見て言った。
「リリーは永遠に知らなくていい」
が、その人は、あわてたように私にむかって挨拶をしてくれる。
「俺は、ラルフの同級生で、ラングーン伯爵家のルークです。よろしく!」
すると、ラルフが、すぐさま言った。
「ルーク。誰が、リリーに、自己紹介していいって言った? リリー、今のは忘れろ。必要ないからな」
え?! ちょっと、失礼でしょ?
かわいそうに、ルークさんが、涙目になってるよ。
そして、音楽がなりはじめ、会場はざわざわとしはじめる。皆、思い思いに動きはじめたよう。
近くを、飲み物を配る人が通りかかった。
そう言えば、のどが、からっからだ…。
「あ、飲み物…」
とつぶやいたら、すぐにラルフが察してくれたよう。
やっと、私の手を離し、私の分と、アイシャの分の飲み物をその人から受け取って、手渡してくれた。
早速、飲むと、フルーツのジュースが、つかれた心と体にしみわたる!
「くーっ! 美味しいー。しみるー!」
私が心からの声を発すると、アイシャが、
「その見た目と、しゃべった時のギャップがすごいわね。おもしろいわー」
と、私を眺めながら、微笑んだ。
あ、今の私、前世なら、お風呂上りに、ビールを飲むおじさんみたいだったね…。
「よほど、のどがかわいてたんだな」
と、ラルフが、ちょっとあきれた顔で言った。
「うん。おなかは、もっとすいてるけどね!」
と、開き直る私。
「わかった。食べに行くか」
と、ラルフは言い、またもや、私の手をにぎった。
「え? ちょっと、手をつかまなくても、歩けるよ?」
と、私が言うと、
「ダメだ。短い距離でも、危ないからな」
ラルフが、言いきった。
「危ない? いやいや、ここは、王宮のパーティー会場だよ?
危険な動物たちがいるジャングルじゃないよ?」
そう言って、私が手をふりほどこうとすると、ラルフは、さらに強く、私の手をぎゅっとにぎってきた。
そして、ラルフは、少しかがむようにして、私の顔を横からのぞき込む。
エメラルド色の瞳は、真剣だ。
「ここは、危険な奴らがごちゃついている、ジャングルみたいなもんだ。動物たちより、たちが悪いしな。
視線も、うっとうしいし…。こんなところで、リリーを一人で歩かせられない」
ラルフの過保護が、ますます悪化してるんだけど…。
アイシャが、
「仕方ないわね。…まあ、確かに、今はラルフといたほうがいいかも。あの王女の視線は、不快だわ!
リリーに、なにかしてきたら、あの王族ごと沈める方法を考えないとね」
と、美しい顔で、おそろしいことをさらっと言った。
アイシャ…。それは、やめてあげて?!
ということで、ここは、おとなしく、ラルフに手をつながれて、料理の並ぶテーブルの方へ、歩いていく。
歩くたびに、あたりが静まり、注目されているのがわかる。
颯爽と歩くラルフに手をひかれ、連行される私。その後ろから、女王のように、優雅にアイシャが歩いてくるのだから、目立ちまくりだよね。
視線が痛すぎる…。
お願いですから、みなさん、こちらを見ずに、ざわざわっと、しててください!
このなんとも言えない空気の中、
「おっ、ラルフ! 久しぶり」
声をかけてきた勇者がいた。
茶色でくせのある髪に、くりっとした目。親しみやすそうな男の人だ。
「あ、アイシャさんも久しぶり」
と、アイシャにも声をかけた。
「お久しぶりね。ルークさん」
と、アイシャが微笑みながら、挨拶を返す。
「おまえ、目立ってんぞ! なんてたって、美女二人もひきつれてるからな?!
ちょっと、紹介しろよ。その手をにぎってる、きれいな…」
と、そこまで言った瞬間、黙った。
ラルフが、氷のような視線で威圧しているからだ。
ルークさんとやらは、おびえた顔でつぶやいた。
「ラルフ、こわいよっ…。殺気立ってる…? こわっ…」
心配になって、私が、
「あの、どなた?」
と、ラルフに聞くと、ラルフは私のほうを見て言った。
「リリーは永遠に知らなくていい」
が、その人は、あわてたように私にむかって挨拶をしてくれる。
「俺は、ラルフの同級生で、ラングーン伯爵家のルークです。よろしく!」
すると、ラルフが、すぐさま言った。
「ルーク。誰が、リリーに、自己紹介していいって言った? リリー、今のは忘れろ。必要ないからな」
え?! ちょっと、失礼でしょ?
かわいそうに、ルークさんが、涙目になってるよ。
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