快晴の葵空と夕焼け~TOWN編~

東雲 周

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第二話

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 「さぁ~て、今日は日曜日、晴人君も図書館にいくぞ~っ!」
 さぁ~て始まりました、日曜日。ということで元気いっぱいな葵さんと大人びた渚さんと共に図書館へ行くことになりました。どんなことをするのかなぁ~、と少しだけ(少しだけ)期待をしていた矢先、
 「おなかすいた~。ちょっくらここでお昼にしよっかな~」
 と、部長の葵さんが宣言するとともに、近くにあったカフェテリアに入ることになった。
 (なんだなんだこのゆる~い雰囲気は!もうちょっと真面目なイメージだったんだけどなぁ。この部活。)
 ポカンとしている俺に向かって、
 「いつもこの調子だから大丈夫よ。むしろおとなしい方が心配になるくらいだから」
 「ちょっとぉ~!いつもってなによ~!今日は晴人君がいるんだし、テンション上がるのは仕方ないでしょ~」
 「露骨に言うのはよくないわよ」
 などと二人で無限に繰り広げられていく乙女トークの中、
 (こりゃ、とても疲れそうな予感……)
 「ほら、晴人君が置いてかれてるわよ」
 「まぁ、いけない。晴人君は何か好きな食べ物ある?」
 「えっ、え~っと、そうですね。フランスパンが好きですね。どんな料理にもよく合うので」
 「「フランスパン?!」」
 声をそろえて驚かれる。まぁ、いつものことだが。
 「それに、晴人君って料理できるの~?へ~っ、すご~いっ!」
 目をキラキラさせながら葵さんが顔をほころばせている。
 (こんな表情はわるくはないとおもうんだがなぁ~。)
 「はい。まぁ、ある程度なら。じゃあ、葵さんと渚さんの好きな食べ物って何ですか?」
 「え~っと、私は───」
 「あっ、いま『さん』付けで呼んだね。はい、タメいち~」
 「え~っ、ちょっと『タメ』ってなんですか?!」
 「それは、ヒ・ミ・ツ。うふふっ」
 「……」
 「……」
 葵さんのテンションについていけず黙ってしまう渚さんと俺。
 「えっ、えっ、あぁ、私の好きなものね~。う~ん、チョコレートかなぁ。私、甘いものが好きなの」
 (ひとくくりにチョコレートって言っても、甘いものもあれば苦いものもあるような気もするが……)
 「私は、天津飯かな。あの、玉子のふわっふわ具合がたまらないのよね」
 「あっ、じゃあ渚さん、今度天津飯作りましょうか?僕、玉子料理ならけっこう得意なんですよ」
 「そうなの?じゃあ、ぜひごちそ───」
 「ちょっとまって!晴人君!チョコレート料理はないの?ねぇ!」
 「ちょっ、チョコレートりょうりですか?うーん、そうですねぇ、レシピを考えておきます」
 「やったぁ!これで、あの晴人君の……。ぐふふ」
 「さて、前置きはこの辺にして、そろそろ本題に入りましょうか。今週のお題はコレです」
 渚さんから配られたプリントを見て、
 「なるほど~」
 と葵さん。
 「えっ?これってどういうことですか?」
 と俺。
相変わらず大人びた調子で、渚さんは、
 「まっ、最初は驚くわよね。読書会なのに“バトル”だなんて。このバトル───ビブリオバトルとは、つまり、1冊の本を選んで、その本の魅力を他者に伝える。それを、この三人で交互に行って、誰が紹介した本が最も読みたいと思ったかを、一人一人決めて、勝敗を決める、というものなんだ」
 「そう!だから、今週のバトルで最下位だった人には罰ゲームとして、一週間、1位の人のしもべとなるのだ~!覚悟しておくんだな、晴人君!はっはっは~」
 (まじか……。そうきたか。うわ~、この二人の奴隷になるのは嫌だなぁ。でも、葵さんの奴隷なら───って!なに引っ張られてんだよ!しっかりしろ、俺!)
 「で、お題の本のジャンルは……、フィクション?アバウトだなぁ」
 「ほほーう。作り話かー。これは、わらわの得意分野でござるな。勝ったも同然だぞよ」
 「『ぞよ』って。まぁ、受けるしかなさそうですね、この勝負。負けませんからね!」
 (とは言ってみたものの、実際の勝負を見たわけじゃねぇし、作戦の立てようがないんだよなぁ。どうしようか。)
 「そうと決まれば、図書館へレッツゴー!!」
 やたらとはしゃいでいる葵さんとそれと正反対の渚さんと共に、今度こそ、図書館へレッツゴー!
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