深夜バイトでノンケ食いのリーマンに美味しくいただかれてしまった話

いとい乃衣

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「迷惑だなんて、そんな。違いますって。ただ俺、貴方のこと気になってたから、うっかり声かけちゃっただけで……」   
「は?」

 どうにかこの場を落ち着かせようと言った俺の言葉に、坂崎さんはピタリと涙を止めた。そうして、俺の顔を真正面からマジマジと見つめる。

「気になってるって、どういう意味?」 
「あ、違いますよ? 俺ノンケだし、別に坂崎さんのことやらしい目で見てた訳じゃなくて、こんな美人がえげつないゲイビ借りてくって凄いなあって意味で――」
 言ってしまってから、あれ? と思った。

 ――ノンケ物が好きなんすか?

 ついさっき、自分が口にした言葉が頭で回る。
 坂崎さんはノンケ物が好き。そんで、俺は男未経験で普通に女が好きなノンケ。
 坂崎さんの好みがどういう男なのかは別として、その大きなカテゴリーで行けば俺だって入ってしまう。
 ていうか、今のむしろ自己申告したようなものなのでは!?
 思わず自分で自分の身を守る様に腕を交差させた俺を見て、坂崎さんはニンマリと口の端をあげた。

「へー、そっか。お兄さん、ノンケなんだぁ? こんなとこでバイトしてるからてっきりお仲間だと思ってたよ」
「こ、ここは叔父の店で、身内だから雇われてるってだけで、そういうのに理解がある訳じゃ……」

 カウンターから身を乗り出して来た坂崎さんに、俺はビクっとして後ずさる。
 さっきまで泣いていたというのに、今の坂崎さんは新しいおもちゃを見つけたイタズラっこのように目を輝かせている。

「あれ? お兄さん、もしかして俺に取って食われるとか思ってる?」
「まさか……ないですよ。お客さんにだって好みがあるでしょ」
 一瞬怯えてしまったことを誤魔化すみたいに言ってやれば、坂崎さんは「別に」となんでもないことのように言った。 
「ノンケだったら誰でもいい」
「あ……ッ」 
 坂崎さんの手が伸びて、俺のエプロン越しのチンコを撫で上げた。


「――で、どうする♡?」

 カウンターに乗り上げて、俺の耳元でそう囁く坂崎さんは、すっかり発情しきったメス顔を晒している。コスコスッ♡とやらしい手つきで俺のチンコを扱く坂崎さんの顔は、間近で見てもやっぱり俺好みの美人だった。
 彼女と別れてから丸三年。風俗も行かずに、虚しく己の右手の世話になっていた俺のチンコには刺激が強すぎる。

「う゛っ……」

 すっかり反応してしまったチンコに前かがみになった俺を見て、坂崎さんは満足げに笑う。
 答えなんて、聞かなくたって分かってるって顔だ。 

「……店、閉めて来ます」
「うん♡ 待ってるね♡」  

 棚卸の為だとかなんとか理由をつけて、残っていた客を追い出し、外でちかちか光っている小さな看板の電源を引っこ抜いた。
 本来の閉店時間まで、あと二時間。明日の朝の開店時間までの間に、一日の〆の会計して、仮眠して、飯食って、掃除してって色々しなきゃいけないのに、もう他のことなんて何も考えられない。

 俺はそそくさと店の鍵を閉めると、スタッフオンリーの表示が掲げられた薄暗い個室に坂崎さんを連れ込んだ。
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