竜の国の異邦人

風結

文字の大きさ
21 / 35

来訪者

しおりを挟む
「ケモっ、ケモっ、ケモケモケモっ」

 完全な闇ではない。
 夜明け前だろうか。
 動かそうとすると、体が重い。
 もしかしたら、寝ていたのは一日ではないのかもしれない。

「ケモっ、ケモっ、ケモケモケモっ」

 竜にも角にも、上半身を持ち上げて、ベッドの上で胡坐を掻く。
 どうやら、準備舞踊は終わったようだ。
 普段の、怯えた仔猫のような顔が、きゅっと引き締まる。

「ケモモ~ケモモ~ケモケモモ~、ケモモ~ケモモ~ケモケモモ~」

 左右に動きつつ、右腕と左腕が逆方向にグルグル。
 複数の動きと、同調しない両腕の動き。
 練習しないと無理ーーと思っていたら、そこに更に回転が加わった。

「ケモモ~ケモモ~ケモケモモ~、ケモケモケモケモ~ケモケモモ~」

 片足を上げて、手は自身を抱き締める。
 足を入れ替えつつ、両手を広げたままクル~リ。
 最後にピタッと止まって、炎竜を表現。

「ケモ。凄く良かった」
「ケモ……」

 僕が拍手をすると、恥ずかしかったようで慌てて走ってきて、僕の背中の後ろに隠れた。
 もっと褒めてあげたいが、言葉として伝えるのはこれくらいでいいようだ。
 不思議と、ケモと繋がっている所為か、これまで感じたことがない安心感のようなものがじんわりと広がっていく。
 ケモに触れたいが、時期尚早。
 遥かな時間、紡がれてきた透明ケモ
 ケモの心が解れるまで、お互いの色彩に染まるまで、じっくり待つとしよう。

「ケモ」
「ケモが言っている。みーの指導のお陰らしい」
「えっへんっ!」

 師範として、弟子の舞踊を目から炎が出るほど熱心に見ていたみーは、腰に手を当てて大威張竜。
 踏ん反り返り過ぎて後ろに倒れるが、魔法を使ったのか、そのままの恰好で元の場所まで起き上がってくる。
 ふと、気になって振り返ってみると。
 薄い、淡炎の幕のようなものが垂れ下がっていた。
 触れたら破れそうな炎幕の向こう側では、コルクスとエルムス、ホーエルが眠っていた。
 そして、ホーエルのいびきは聞こえてこない。

「遮音結界?」
「おーう、りゅーのおみみもあんみんちゅー。しゃだんっだんだんっ、しゃしゃんっしゃんだだんっんーだ、なのだー!」

 弟子に負けじと、謎舞踊を披露するみー。
 通常は「結界」の基本である、対物結界から学ぶものだが、みーの性質に適ったものなのか応用から教えられているようだ。

「みーは、ワーシュに近付いても大丈夫になったようだけど、僕はまだ駄目?」
「ふーう、りゅーとあいしょーがだじゃくなのだー」
「惰弱?」

 よくわからないが、僕と竜の相性はいまいちなようだ。
 ただ、それと引き換えに得たものは、僕にとって宝物と言えるものだった。

「ケモ……」
「僕は竜よりケモのことが好きだから、ケモと繋がれて嬉しい」
「ケモ~」

 顔を両手で隠して、プルプル震えるケモ。
 仔炎竜みーに聞いて氷解するかわからないが、竜にも角にも尋ねてみよう。

「ケモとみーは仲良し?」
「ケモっ、ケモっ」
「あーう、ひーとにたよーなほっかほかなかんじなんだぞー」

 永い間、ケモは北の洞窟の下に居た。
 みーは、友達というより仲間のようなものらしい。
 地下では竜を怖がっている節があったが、獣生経験が足りていない所為か、未熟な仔竜との相性は良いようだ。
 ケモに「触れた」ときに知ったが、シロップやギル様との付き合いは、ここ五十周期と最近のことらしい。
 恐らく二体とも、ケモの魔力に引き寄せられたのだろう。

「たーう、みーちゃんりゅーのみしゅーかく、しゅっぱつしんこーなのだー」

 窓を開けて外に飛び出すと、コウの躾の成果なのだろうか、窓を閉めてから飛んでいった。
 「雷爪の傷痕」から離れて「竜化」。
 丁度、太陽が顔を出したようで、みーの尻尾が振られているのが見える。
 ケモも手をフリフリしていた。
 すると、まるでみーが飛び立つのを待っていたかのような時機タイミングで、ドアを叩くノックする音が聞こえてくる。

「どうぞ」

 こんな朝早くからの来訪者。
 リシェならノックなどせずに入ってくるから、リシェではない。
 だが、リシェの関係者である可能性は高い。
 叩かれた場所は、扉の低い位置だった。
 ユミファナトラが僕の容体をーーいや、そうだった、地竜はもうストーフグレフに帰っただろうから、ヴァレイスナかもしれない。
 ヴァレイスナは、ケモのことを完全には理解出来ていないようだった。
 僕がやるべきこと、ではなく、やりたいことの一つは、ケモと一緒にいること。
 ヴァレイスナ、延いてはリシェの魔手から、ケモを守らなくてはならない。

「はじめまして、侍従のガルといいます」

 起きしなの、鈍った頭に活を入れていると、「人化」した竜より少し背の高い少年が入ってきた。
 眼光の鋭い、野性味のある少年ガル
 ややすさんだ目付きには、疲労の成分が含まれていた。

「この時刻ということは、夜もすがら歩いてきたのか?」
「侍従長にいわれました。ここにきて、アーシュ殿とはなすようにいわれました。ばしゃではなくて、あるいていけといわれました。よるになって、合図があったら休憩するようにいわれました」

 ガルは布袋から小さな球を取り出した。
 ヴァレイスナの物である可能性が高いが、もしかしたら「侍従長の魔法具」かもしれない。
 現地やどに着いてから制服に着替えたのか、汚れは見当たらない。
 稚拙な話し振りだが、リシェの部下となれば、油断しないほうがいいだろう。

「暗くなって、なにもみえなくなると、合図がありました。つぎの合図があるまで、やすまないといけません。城外地で、闇にはなれてるつもりだったけど、ほんとうの闇のなかで、ひとりなのははじめてでした。こわく……はなかったけど、凄く、つめたい孤独のようなものをかんじました」

 ガルの話に、自身の過去を思い出してしまったのか、ケモがそっと僕の背中から顔を出した。
 リシェの薫陶ひがいを受けているのか、ケモを見てもまったく動じないガル。

「あたまが痺れて、心臓のおとがうるさかったです。昔のことを考えたり、いないまものに怯えたり、ふと、じぶんが誰だかおもいだせなくなったとき、みえなかったからだがみえているのにきづきました。合図があったので、あるきだしました。みる、とは違うなにかで、みていました」
「リシェの課題は、夜明けまでに『雷爪の傷痕』に到着すること?」
「はい。たいりょくてきには問題なかったけど、精神てきには、……すこし、たいへんでした。よあけまで待ってから、ノックしました。ーー侍従長の課題はふしぎです。でも、僕のちからになっていることがわかります。うまくいったとき、僕はいっぽいっぽ、確実にすすんでいます」

 他にも話すことがあるようで、ガルは続けて口を開いた。

「噂をながす、というか、もうながしています」
「ケモたちの?」
「はい。僕は参加していないので、どういう噂をながしているのかしりません。でも、『しゅうまつの獣』のことは黙っていたほうがいいようなきもします」
「そこはたぶん、リシェは。嘘を吐かずに嘘を吐く、という碌でもないとくいなことをしていると思う」
「……どういうことですか?」
「ケモたちは、使い魔、ということになっているはず。冒険者で、魔法使いであるワーシュの使い魔。魔法使いの冒険者は珍しいから、通常より浸透が早い。こちらから先に情報を差し出し、且つこのあとに補強も行うのだろう。昨日から流布しているのなら、今日はもう出歩いても……」
「きのうからではなくて、おとといから噂をながしています」
「一昨日? ということは、僕は昨日、ずっと眠っていたというわけか」
「『しゅうまつの獣』と相対していきているのだから、侍従長並みのしぶとさです」

 ーーリシェ並み。
 それは嫌だな、と率直に思った。
 心做こころなし、僕を見るガルの視線に怯えが宿っていた。
 竜にも角にも、リシェがガルを寄こした意図は那辺にあるのだろう。
 本当に僕と話をしに来ただけの可能性もあるので、妄想のリシェを打擲して心を静める。
 そんな有意義なことをしていると、ガルは荷物から封筒を取り出して手紙らしきものを読み始めた。
 邪魔をせずに待っていると、読み終えたガルは封筒と手紙を僕に差し出してくる。

「侍従長にいわれました。よんでから渡して、感想をいうようにいわれました」
「そう。それで、どうだった?」

 雰囲気からして、僕が読む前に所見を述べるようだったので、手紙をケモが見える位置に置いてから、ガルに向き直った。

「羨ましい、です」
「羨ましい?」
「僕はまだ、なにものでもないです。だから、羨ましいです。でも、最初はわからなかったけど、いまならわかります。侍従長とおなじくらいアーシュ殿がつよくないなら、やめたほうがいいです。僕は侍従長のつよさ……こわさがすこしだけ…わかってきました」

 それでもガルは、リシェの許で学び続けるのだろう。
 眼差しの強さは、秘めた想いの強さ。
 今はリシェのひそみに倣っているだけのようだが、そこでガルの心は育っていく。
 僕は、竜が呆れるほど盛大に、溜め息を吐きたくなった。
 いったいリシェは、僕に何を遣らせようとしているのか。
 まったく関係のない手紙を寄越すほど、リシェも暇ではないだろう。

「今ここで、僕も読んだほうがいい?」
「わかりません。でも、心構えがひつようだとおもいます。ーー僕は、かえります」

 帰るーーそう言える場所が、ガルにはあるようだ。
 振り返らず、ガルは辞していく。
 僕は、どうだろう。
 クラスニールは、生まれ故郷は、僕が帰る場所だろうか。
 今の僕にとっては。
 場所、ではなく、人なのだろう。
 ワーシュやコルクス、エルムスにホーエル。
 そしてーー。

「……ケモ」
「ありがとう、ケモ。一緒に、ーー見付けよう」
「ケモっ!」

 僕のおねがいに喜んでくれたのか、背中に顔を擦り付けてくるケモ。
 ケモの存在を背中に感じながら、手紙を手に取る。
 ガルが目を通してもいい内容。
 それと、ガルが課題を達成出来ない可能性もあったのだから、そこまで急ぎのものでもないのだろう。

「ケモ……」
「心配してくれて、ありがとう。でも、竜にも獣にも、先ずは読んでみることにする」

 ケモは文字が読めるようだ。
 竜たちも問題なかったようだから、そういうものなのかもしれない。
 ケモに聞いてみたいところだが、手紙を読み始めたところでーー断念。
 ケモのこと、だけでなく、リャナやミャン、皆のことまで。
 これから遣るべきことが幾つかあったが、増えるどころか質と量も変化してしまうかもしれない。
 獣にも竜にも、僕はこの手紙を記したリシェの兄ーーを妄想。
 成長したリシェのような男が、胡散臭げに笑っていた。
 何故かはわからないが、非常に腹が立った。
 きっと本物も、妄想とあまり変わりがないような気がしてならない。
 憎たらしいニーウ・アルンの顔を、リシェにやったときの十倍の力で打擲したのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】番である私の旦那様

桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族! 黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。 バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。 オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。 気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。 でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!) 大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです! 神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。 前半は転移する前の私生活から始まります。

置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを 

青の雀
恋愛
シンママから玉の輿婚へ 学生時代から付き合っていた王太子のレオンハルト・バルセロナ殿下に、ある日突然、旅先で置き去りにされてしまう。 お忍び旅行で来ていたので、誰も二人の居場所を知らなく、両親のどちらかが亡くなった時にしか発動しないはずの「血の呪縛」魔法を使われた。 お腹には、殿下との子供を宿しているというのに、政略結婚をするため、バレンシア・セレナーデ公爵令嬢が邪魔になったという理由だけで、あっけなく捨てられてしまったのだ。 レオンハルトは当初、バレンシアを置き去りにする意図はなく、すぐに戻ってくるつもりでいた。 でも、王都に戻ったレオンハルトは、そのまま結婚式を挙げさせられることになる。 お相手は隣国の王女アレキサンドラ。 アレキサンドラとレオンハルトは、形式の上だけの夫婦となるが、レオンハルトには心の妻であるバレンシアがいるので、指1本アレキサンドラに触れることはない。 バレンシアガ置き去りにされて、2年が経った頃、白い結婚に不満をあらわにしたアレキサンドラは、ついに、バレンシアとその王子の存在に気付き、ご落胤である王子を手に入れようと画策するが、どれも失敗に終わってしまう。 バレンシアは、前世、京都の餅菓子屋の一人娘として、シンママをしながら子供を育てた経験があり、今世もパティシエとしての腕を生かし、パンに製菓を売り歩く行商になり、王子を育てていく。 せっかくなので、家庭でできる餅菓子レシピを載せることにしました

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

【完結】以上をもちまして、終了とさせていただきます

楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。 伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。 そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。 「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」 神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。 「お話はもうよろしいかしら?」 王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。 ※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

悪役令嬢は手加減無しに復讐する

田舎の沼
恋愛
公爵令嬢イザベラ・フォックストーンは、王太子アレクサンドルの婚約者として完璧な人生を送っていたはずだった。しかし、華やかな誕生日パーティーで突然の婚約破棄を宣告される。 理由は、聖女の力を持つ男爵令嬢エマ・リンドンへの愛。イザベラは「嫉妬深く陰険な悪役令嬢」として糾弾され、名誉を失う。 婚約破棄をされたことで彼女の心の中で何かが弾けた。彼女の心に燃え上がるのは、容赦のない復讐の炎。フォックストーン家の膨大なネットワークと経済力を武器に、裏切り者たちを次々と追い詰めていく。アレクサンドルとエマの秘密を暴き、貴族社会を揺るがす陰謀を巡らせ、手加減なしの報復を繰り広げる。

処理中です...