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第2章 王都にて(前)

第42話 第1王子

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一方歴史の授業が予定より早めに終わって、

次の剣術の鍛練までの間自室で休憩していたリカルドは、

侍女からユーリと正妃の友人の御息女がリカルドに聞きたいことがあり、

どうにか面会できないかといっていることを聞かされ、

「へぇ。ユーリが私に会いたいなんて珍しいね。」

と侍女に対して爽やかな笑顔で言った。

リカルドはユーリが最近色々こじらせており、

家族にも心を閉ざして部屋に引きこもっていたのを知っていたが、

自分も幼い頃に皇太子としての重責に苦しんだ時期があったので、

そういうのは人になにか言われてどうにかなるものではなく、

自分で抜け出すしかないと思っていたので、

冷たいようだが、静観することにしていた。

ユーリはリカルドをうらやましいと思っているようだが、

リカルドからすればよっぽどユーリのほうがうらやましかった。

大体第一皇子に比べれば第二皇子なんて気楽なものだ。

第二皇子という権力はあるが、

責任はないなんてうらやましい限りだ。

第一皇子なんていいことなんかほとんどない。

勉強や剣術はできて当たり前だし、

将来はきっと政略結婚になるので、

好きな女性と結婚もできない。

腹黒い貴族たちや他国と笑顔で腹の探りあいをして、

取り巻きはたくさんいたが、

心を許せる友人なんてわずかだ。

将来は国王として即位することになるが、

父親である国王を見ていたらとても国王になんてなりたくないと思ってしまう。

それでも母親である正妃の苦労を知っていたリカルドは

母親を助けるためにも、

自分は立派な第一皇子になり、

立派な国王にならなければと覚悟を決めていた。
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