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【怪談-②:谷本千秋】
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最近は諸事情で行われなくなっていた体育の授業。久々ということもあって、気だるそうな反応をする子、逆にイキイキしだす子、様々だった。
「でもさー。結局制服泥棒の犯人、見つからなかったの気になるなぁ」
「うん……ちょっと不安だよね……」
「次に狙われるのは菜津のかもよ~? ……いや本当の話、男子人気順で盗んでいるとしたら。菜津、あんたが一番次にヤバイからね?」
「ユキちゃんの口ぶり……心配してくれてる……んだよね?」
「そうよ! ナツはどこかぽわぽわしてて、警戒心薄そうだから……悪い男に引っかかってないか心配で心配で」
「いや、結婚詐欺じゃないんだから……」
菜津にそう話しかけてくるのは、保育園からの幼馴染である稲見雪枝。小さい頃はアタシの方が背が高くてお姉さんしてたのに、中学校に入ったあたりでぐんぐんと育ち、170cm台の高身長に育ってしまった。身体の方も健康的に締まっていて、陸上部で活躍している姿を目にする。そんな彼女だから、久々の体育にはウキウキ感を隠せていない。
「でも、久しぶりに部活以外で思いっきり身体を動かせるのは楽しみ! ナツとも一緒にやりたかったけど……」
「ふふっ、そう言ってくれて嬉しいけど。今日の『鍵役』はアタシだから」
この学校では1か月前、女子生徒の制服盗難が起こった。教師が必死に学校内部での犯人捜しを行ったが、ついに見つけることが出来ず。警察に連絡し、外部犯の可能性を含めて調査したが証拠が見つからず。時間も経ち、一時的に座学としていた体育の授業を再開せざるを得なくなった。
制服を盗まれたのはクラスメイトの『谷本千秋』。男子生徒からの人気も強く、アイドル的存在。ショックを受けたであろう彼女だったが、千秋の反応は盗まれた時もどこか落ち着いていた。そして、彼女自身からも体育の授業の再開が提案される。
一方、再発のリスクを抑えるために女子生徒の着替え、ロッカーを教師がその時間見張ることも提案として挙がったが、女性教師の負担増加を考え却下。男性教師をあてがうのも却下され。生徒たちが当番制でロッカーのカギを持ち、その間はロッカー室で座学とする事で手打ちとなった。
「まったく……こんな事した悪いヤツ、きっと男子! ただじゃおかないんだから!」
「外部犯の可能性だってあるよ、ユキちゃん……?」
「どっちも同じよ、ウチが成敗するんだから!」
正義感の強いユキちゃん。ただしどこかその考えは暴走気味な気がする。着替えを終えて、体操着になった女子たちが次々にロッカールームを去る。最後に出て行った生徒を確認して、菜津は。制汗剤で爽やかなシトラスの香りが残るロッカールームで、呟く。
「アタシのが盗まれる訳ないでしょ……『犯人』は自分を狙う必要なんてないんだから」
この更衣室には、致命的な欠点がある。間に合わせで付けたからドアにしか鍵が無く、どの棚を誰が使うかは決まっていない。そして、簡単にロッカーを開くことだってできる。……部屋の中に居れば。
「谷本千秋ちゃんの制服を盗んだのは『菜津』だもの♡♡♡」
そして、アタシは。さっきまで会話していた、親友のユキちゃんのロッカーを開く。あの子が、シワにならないように綺麗にハンガーに引っ掛けた制服を乱暴に全部ひったくって。ブレザーに顔を埋める。
「すぅぅぅっ……♡ はぁぁっ……♡♡ ユキちゃんの匂いがするぅ……♡♡」
1ヶ月前のアタシだったら、こんな行為には至らなかっただろう。だけど──毎日毎日、『鏡の菜津』にいろんな服を着せ替えて、わざとはだけさせたり。水着を着て、アソコを露出させながらオナニーしたり。……それだけじゃ、満足できなくなってきた。
「ふふっ♡ 自分は狙われないって、そんな考えが甘いんだよユキちゃん……♡♡ だって、こんなにいい匂いさせて、時々ハグなんかしたりしてッ……アタシも、おっぱいを揉み返してやるの我慢してたんだからっ……♡♡♡♡」
幼馴染の親友と言う事もあって。それに、ユキちゃんが体育会系でスキンシップが多めだから。嬉しい事が有ったとき、悲しい事を共有したいとき。ユキちゃんはいつも菜津をマスコットの人形みたいにハグしてくるのだ。……『いつもの菜津』の様に、面倒くさそうに振る舞うのに必死だったけど。
「もう、我慢できないっ……♡♡♡」
菜津の制服を脱ぎ、乱暴に更衣室の椅子に引っ掛けて。ゆっくりと、ぶかぶかのワイシャツとブレザーに包まれて。スカートは同じぐらいの丈とウエスト。少し、ユキちゃんの方が締まっているかも。
「えへへっ……♡♡♡ はぁぁ~っ……♡♡♡♡ 全身がユキちゃんの匂いだぁ……♡♡♡♡」
ダボダボで、萌え袖状態になっている部分を顔に当てる。ユキちゃんが制服に使っている、シャボンの柔軟剤の香り。ハグされるときの感覚を思い出して、アタシの心臓が早鐘を打つ。もう、今すぐにでも────
その時。
カチャリ、と金属音がした。
「ぇ……ぁ……どうして……」
鍵は菜津しか持っていないはず。全身の体温が冷え込み、悪い汗が一気に噴き出して。
ドアが開く。スマホを片手に、アタシを映しながら。
現れたのは────『谷本千秋』だった。
「…………その、カメラ止めてくれないかな?」
「犯人を収めた決定的な証拠よ。わざわざ犯人の要求を呑む必要があるのかしら」
「ど……どうやって、鍵を開けたの? 鍵はアタシしか持っていないのに……!」
「古いタイプの南京錠。ヘアピンでこじ開けたわ。この日のために何度も練習したけれども。それに、私が体調不良を装って体育の授業から抜け出しても、誰も更衣室を開けに来るなんて考えないでしょうね。私は『第一被害者』だもの」
息が、出来ない。どうすれば。どうすればいい。
「お、お願い……みんなには黙って……! 千秋ちゃんの時の犯人はアタシじゃないの……!」
「それを誰が信じると思うの? この映像がある限り、貴女は逃げられない。仮に私の制服を盗んだのが貴女じゃなくても、両方の犯人として扱われるだけよ。……もしも私が、この映像をそのまま周囲に出してしまえばね」
そんな事をされれば。アタシの人生は終わり────待って。今、千秋ちゃんの発言には何か言外の含みがあった。まるで、何か条件を飲めば、無罪放免と言わんばかりに。
「…………そ、それって」
「河北菜津さん。…………そのブレザーとスカートを脱いで、下着だけになりなさい」
二言目を告げる時に。千秋ちゃんの方が、何故か赤面していた。真っ青だったアタシの顔も、急に恥ずかしさで一杯になって赤くなる。つまり……千秋ちゃんの目の前で、ブラとショーツだけになるって事で。
「早く! 時間が無いのはお互い様でしょう!」
「は、はひっ……!」
そうは言われても。恥ずかしいものは恥ずかしい。今まで『自分』に対して行ってきた事を、他人に見せるのは。だけど。この状況を覆す方法も見つからない。だからアタシは……
「う、うぅ……」
「……はぁっ…………ごくっ……」
何故だろう。圧倒的に優位な立場に居るはずの千秋ちゃんが──アタシの事を見ると、動揺しているみたいで。スカートホックが外れて、床にパサリと落ちた瞬間。明らかに、千秋ちゃんの持っているスマホが手ブレした。
「ぬ、脱いだ……よ…………」
「そ、それじゃ! っ……自分の目を指で隠しながら、私の言葉を繰り返して!」
「へ……?」
それから、千秋ちゃんが発言するように言われた言葉を。私は、繰り返す。
「あ……『アタシはっ……幼馴染の制服を盗んで着て、オナニーしようとした淫乱なJKですっ♡♡ 罰として、アタシの事を……いっぱい犯して下さいっ……』」
そのセリフは。『菜津』が、何度も何度も『鏡の自分』に投げかけたような、AV女優が脅されるシチュみたいなコッテコテの台詞で。アタシ自身も自分をオカズにするときに同じような動画を何度も撮影した。
「フーッ…………良いわ。録画は他に流さない。約束してあげる」
「ほ……本当!?」
「でも……今度は、今の映像が残っちゃったわね? それに、貴女自身の声で『犯してください』って言ったわよね?」
息を吞む。それは、千秋ちゃんの脅しに焦ったからではなく。千秋ちゃんが先にスカートホックを外し、下着を晒したから。ポケットに入っていたスマホスタンドを立てかけて、再び録画ボタンを押す。そして──千秋ちゃんも、菜津と同じように。薄紫色の下着姿になった。
「な、何してるのっ!?」
「決まってるでしょう……♡ 貴女を、私が犯してあげるの♡♡」
「ひゃぁっ!?」
菜津の小柄な身体を押し倒すように。千秋ちゃんがアタシの身体に襲い掛かる。彼女自身も手慣れた様子ではない。むしろ、軽い力でアタシが倒れた事に驚いているフシすらある。体格の差で、アタシは抵抗できない。……むしろ、そんなに必死に抵抗するべきことでは、無いような気がした。
「き……キス、するわよっ……! 嚙んだりとかしたら許さないから……!」
「う、うん……!」
刺すような美貌。千秋ちゃんを体現するとすれば、その言葉が正しいだろう。立ち振る舞い、鋭くも眩い瞳。艶やかな黒髪ロング、和服を着せれば完璧な大和撫子だろう。そんな千秋ちゃんが。興奮と、明らかに血走って瞬きの多い瞳で。喉を鳴らしながら……アタシを襲おうとしている。これは一体どういう……僥倖だろうか。『自分』と何度もキスをしてきたが──別の女の子に、こんな風に乱暴にされるとは思ってなどいなかった。
「っ……ほ、ほらっ! 舌、出しなさいよっ!」
「へ!? は、はひっ……!」
綺麗な顔が、アタシに近づいて。それで──
「ちゅぅぅううう゛💢💢💢 じゅるじゅるっ♡♡♡♡ むぅううゔっ💢💢♡♡♡♡」
「んぐううぅっ♡♡♡♡ かふっ、うううぅう゛っ♡♡♡♡♡」
乱暴。クールな千秋ちゃんが、こんなに取り乱す事なんて見たことない。アタシの顔を、くちびるを。貪るように啜って、アタシの唾液すら飲み込むかのように。それだけの行為で、冷たい仮面から蕩けた表情が露になって。
「んぅうう゛っ♡♡♡ 本当に……貴女……ッ! ヒトのマンコを疼かせてっ……! そんな風に、いつでも襲って下さいみたいな雰囲気醸し出してたら、襲われても文句言えないでしょう……!」
「ちょっと、待ってよッ……! どうして、いつからそんな風になったの、千秋ちゃん!?」
確か。風の噂だが、千秋ちゃんには彼氏は居ない。それは彼女自身が色恋沙汰に興味がないという話を堂々と自己紹介の時に決めたからだ。それでも千秋ちゃんに告白して沈没する男子生徒は多かったが。
「いつから……? いつからって……あの日に鏡を見た日からにきまってるじゃない……! そんな事どうだっていいから、早くッ……!」
すり、すりと。アタシのおまんこと、千秋ちゃんのマンスジが重なって。もう湿っている千秋ちゃんの下着が、アタシのと重なる。──アタシで、興奮してる?
「私の制服を盗んだって事は……ッ! 私に気があるって事でしょっ! ほらっ、素直に私に犯されなさいよぉっ♡♡♡」
「ちあき、ちゃっ♡♡ んひゅぁっ♡♡ そんなにくちくちしないりぇっ♡♡♡♡」
千秋ちゃんの綺麗な顔が色に染まって、アタシの敏感な所をぐり、ぐりと。アタシを自慰の道具にでもするみたいに、恥ずかしがる様子もなく。もしかしたら、羞恥心よりも性欲の方が上回ってしまっているのかもしれない。それほど、アタシに魅了されているみたいで。
「菜津ッ、これは貴女への罰よッ♡♡♡♡ 私がイクまで、私にレイプされなさいッッ##」
「そ、そんな、のっ──イ゛っあ゛っ♡♡♡♡♡」
アタシが告げようとしたのは。そんなの、最高じゃないかと。だけど合意を告げる前に、千秋ちゃんのキスがアタシの言葉を塞ぐ。あの子の使う、ミントのリップがアタシの口に広がって。
「っぷ、はぁっ……♡♡♡ 素直に言いなさいっ♡♡♡ 私の制服を盗んでオナニーしたのは貴方なんでしょっ、むしろオナニーに使ってなかったら許さないからっ♡♡♡」
「はぁっ……ぅ、ぁ……は、はぃぃ……♡♡♡ んひゅぁっ♡♡♡♡」
「だったら、菜津でオナニーしてもいいわよねっ♡♡」
「は、はひゅっ♡♡♡ んぅぅうゔ~~っ♡♡♡」
下着の内側の、菜津の生おっぱい。千秋ちゃんは、それをむんずと揉んで。アタシの反応を愉しんでいるみたいに、乳首をクリクリと弄って。アタシも思わず情けない声を上げちゃって。悔しい。菜津を犯していいのは、アタシだけなのに。だったら。菜津の方から。
「そう、そうやって──んぅう゛っ♡♡♡♡ なに、してんの゛っ♡♡♡♡♡」
「えへへへっ♡♡♡ だって……目の前にこんなオカズがあるのに、弄らないのは勿体ないもん♡♡♡」
「ひっあ゛♡♡♡ や、やめ゛っ♡♡♡♡ そこ、毎日弄って敏感なのにぃい゛っ♡♡♡♡♡」
だとおもった。女体に興奮するとしたら、おっぱいを弄るのは当然。アタシも毎日シてるし、すぐにそこを開発してしまったもの。
「ね~ぇ♡♡♡ 千秋ちゃん、レイプって言ってるけどぉ……♡♡♡♡ 本当は、アタシともっとイイコトしたかったんじゃないの♡♡」
「な、なにいって、ん゙ぅゔっ♡♡♡♡」
「…………アタシの事好きにしていい代わりに、アタシと一緒に気持ちよくなるのは、ダメかな?」
「………………ッッ💢💢💢💢」
千秋ちゃんの目の色が、明らかに変わった。劣情に任せた暴走状態から、一気に──愛おしいモノを見つめる瞳に。……そんなに、菜津の事が好きになっちゃったんだ。
「ね、千秋ちゃんのおまんこを気持ちよくさせてあげる♡♡ だから……ちゃんと、千秋ちゃんのアソコを見せて♡♡♡」
「っ…………」
躊躇い、困惑、そして興奮。感情をあまり表に出さない千秋ちゃんだけど、それでも色んな感情が渦巻いているのが見て取れた。そして……千秋はゆっくりと、自分のショーツに手を掛けて。
「うわぁ……♡♡♡ ぴっちりして、毛も生えてない……いや、ちゃんと処理してるのかな?」
「剃ってるだけ、流石にこの年で生えてないのは──」
「アタシはまだ生えてないけど?」
「嘘でしょ……パイパンとか、本当にムラムラが止まらなくなって来たじゃないのっ……♡♡♡」
「ふふっ、でも今はアタシが千秋ちゃんを楽しませる番だから♡♡♡ ほら、椅子に座って……」
恥ずかしそうに内股でぴっちり足を閉じて座る千秋ちゃん。アタシは、床に膝をついて。顔を、千秋ちゃんの太ももにのせる。……何をされるのかを察して。千秋ちゃんはおずおずと脚を開いた。
「れろっ♡♡♡♡ ちゅうう♡♡♡ はぁぁ~っ♡♡♡♡」
「くっぁあ゛っ♡♡♡♡ こ、こんなロリにっ♡♡♡♡ マンコ舐められてっっ゛っ♡♡♡♡♡」
「ひどいなぁ……アタシたち同い年じゃない。それとも──本当は年下って事にする? ね、千秋おねえちゃん♡♡♡♡」
「や、め゛っ♡♡♡ 余計に効くからっ♡♡♡♡」
それはそうだろう。アタシも『鏡の菜津』と何回も、こういう風に犯したいと思って想像していたのだから。甘い声で囁いて、生暖かい舌でザラザラと、敏感な場所を弄って。自分の恥ずかしい場所を、可愛い娘に弄られて。──千秋ちゃんの望むことは、きっとアタシの望む事と同じだから。彼女の望むように振舞う事だってできるだろう。
「ね、一回イったらどうしたい? 今度はおっぱい同士潰し合って、30秒間ベロキスを続けてみる? れろぉっ♡♡♡♡ ちゅぱっ♡♡♡」
「は、ぐぅゔっ♡♡♡♡♡♡♡ そ、そんなのっ♡♡♡♡ イイ、のっ゛っ♡♡♡♡♡♡♡♡」
「良いよ♡♡♡ 千秋おねえちゃんのお願いだもの♡♡♡♡」
「や、その呼び方やめっ♡♡♡♡ クるっ♡♡♡♡ きちゃ、ぁああああ゛っ♡♡♡♡」
アタシの顔に、思いっきり千秋ちゃんの愛液がかかる。雌の匂い。とっても大好き。ぺろり、と舌で舐める。塩っぽい味だった。
「えへへ……時間もないから、次で言ったん最後にするけど」
「アタシたち、最高の友達になれるよね♡♡♡♡」
こうして。
制服泥棒の加害者と被害者は、共犯関係になった。
「でもさー。結局制服泥棒の犯人、見つからなかったの気になるなぁ」
「うん……ちょっと不安だよね……」
「次に狙われるのは菜津のかもよ~? ……いや本当の話、男子人気順で盗んでいるとしたら。菜津、あんたが一番次にヤバイからね?」
「ユキちゃんの口ぶり……心配してくれてる……んだよね?」
「そうよ! ナツはどこかぽわぽわしてて、警戒心薄そうだから……悪い男に引っかかってないか心配で心配で」
「いや、結婚詐欺じゃないんだから……」
菜津にそう話しかけてくるのは、保育園からの幼馴染である稲見雪枝。小さい頃はアタシの方が背が高くてお姉さんしてたのに、中学校に入ったあたりでぐんぐんと育ち、170cm台の高身長に育ってしまった。身体の方も健康的に締まっていて、陸上部で活躍している姿を目にする。そんな彼女だから、久々の体育にはウキウキ感を隠せていない。
「でも、久しぶりに部活以外で思いっきり身体を動かせるのは楽しみ! ナツとも一緒にやりたかったけど……」
「ふふっ、そう言ってくれて嬉しいけど。今日の『鍵役』はアタシだから」
この学校では1か月前、女子生徒の制服盗難が起こった。教師が必死に学校内部での犯人捜しを行ったが、ついに見つけることが出来ず。警察に連絡し、外部犯の可能性を含めて調査したが証拠が見つからず。時間も経ち、一時的に座学としていた体育の授業を再開せざるを得なくなった。
制服を盗まれたのはクラスメイトの『谷本千秋』。男子生徒からの人気も強く、アイドル的存在。ショックを受けたであろう彼女だったが、千秋の反応は盗まれた時もどこか落ち着いていた。そして、彼女自身からも体育の授業の再開が提案される。
一方、再発のリスクを抑えるために女子生徒の着替え、ロッカーを教師がその時間見張ることも提案として挙がったが、女性教師の負担増加を考え却下。男性教師をあてがうのも却下され。生徒たちが当番制でロッカーのカギを持ち、その間はロッカー室で座学とする事で手打ちとなった。
「まったく……こんな事した悪いヤツ、きっと男子! ただじゃおかないんだから!」
「外部犯の可能性だってあるよ、ユキちゃん……?」
「どっちも同じよ、ウチが成敗するんだから!」
正義感の強いユキちゃん。ただしどこかその考えは暴走気味な気がする。着替えを終えて、体操着になった女子たちが次々にロッカールームを去る。最後に出て行った生徒を確認して、菜津は。制汗剤で爽やかなシトラスの香りが残るロッカールームで、呟く。
「アタシのが盗まれる訳ないでしょ……『犯人』は自分を狙う必要なんてないんだから」
この更衣室には、致命的な欠点がある。間に合わせで付けたからドアにしか鍵が無く、どの棚を誰が使うかは決まっていない。そして、簡単にロッカーを開くことだってできる。……部屋の中に居れば。
「谷本千秋ちゃんの制服を盗んだのは『菜津』だもの♡♡♡」
そして、アタシは。さっきまで会話していた、親友のユキちゃんのロッカーを開く。あの子が、シワにならないように綺麗にハンガーに引っ掛けた制服を乱暴に全部ひったくって。ブレザーに顔を埋める。
「すぅぅぅっ……♡ はぁぁっ……♡♡ ユキちゃんの匂いがするぅ……♡♡」
1ヶ月前のアタシだったら、こんな行為には至らなかっただろう。だけど──毎日毎日、『鏡の菜津』にいろんな服を着せ替えて、わざとはだけさせたり。水着を着て、アソコを露出させながらオナニーしたり。……それだけじゃ、満足できなくなってきた。
「ふふっ♡ 自分は狙われないって、そんな考えが甘いんだよユキちゃん……♡♡ だって、こんなにいい匂いさせて、時々ハグなんかしたりしてッ……アタシも、おっぱいを揉み返してやるの我慢してたんだからっ……♡♡♡♡」
幼馴染の親友と言う事もあって。それに、ユキちゃんが体育会系でスキンシップが多めだから。嬉しい事が有ったとき、悲しい事を共有したいとき。ユキちゃんはいつも菜津をマスコットの人形みたいにハグしてくるのだ。……『いつもの菜津』の様に、面倒くさそうに振る舞うのに必死だったけど。
「もう、我慢できないっ……♡♡♡」
菜津の制服を脱ぎ、乱暴に更衣室の椅子に引っ掛けて。ゆっくりと、ぶかぶかのワイシャツとブレザーに包まれて。スカートは同じぐらいの丈とウエスト。少し、ユキちゃんの方が締まっているかも。
「えへへっ……♡♡♡ はぁぁ~っ……♡♡♡♡ 全身がユキちゃんの匂いだぁ……♡♡♡♡」
ダボダボで、萌え袖状態になっている部分を顔に当てる。ユキちゃんが制服に使っている、シャボンの柔軟剤の香り。ハグされるときの感覚を思い出して、アタシの心臓が早鐘を打つ。もう、今すぐにでも────
その時。
カチャリ、と金属音がした。
「ぇ……ぁ……どうして……」
鍵は菜津しか持っていないはず。全身の体温が冷え込み、悪い汗が一気に噴き出して。
ドアが開く。スマホを片手に、アタシを映しながら。
現れたのは────『谷本千秋』だった。
「…………その、カメラ止めてくれないかな?」
「犯人を収めた決定的な証拠よ。わざわざ犯人の要求を呑む必要があるのかしら」
「ど……どうやって、鍵を開けたの? 鍵はアタシしか持っていないのに……!」
「古いタイプの南京錠。ヘアピンでこじ開けたわ。この日のために何度も練習したけれども。それに、私が体調不良を装って体育の授業から抜け出しても、誰も更衣室を開けに来るなんて考えないでしょうね。私は『第一被害者』だもの」
息が、出来ない。どうすれば。どうすればいい。
「お、お願い……みんなには黙って……! 千秋ちゃんの時の犯人はアタシじゃないの……!」
「それを誰が信じると思うの? この映像がある限り、貴女は逃げられない。仮に私の制服を盗んだのが貴女じゃなくても、両方の犯人として扱われるだけよ。……もしも私が、この映像をそのまま周囲に出してしまえばね」
そんな事をされれば。アタシの人生は終わり────待って。今、千秋ちゃんの発言には何か言外の含みがあった。まるで、何か条件を飲めば、無罪放免と言わんばかりに。
「…………そ、それって」
「河北菜津さん。…………そのブレザーとスカートを脱いで、下着だけになりなさい」
二言目を告げる時に。千秋ちゃんの方が、何故か赤面していた。真っ青だったアタシの顔も、急に恥ずかしさで一杯になって赤くなる。つまり……千秋ちゃんの目の前で、ブラとショーツだけになるって事で。
「早く! 時間が無いのはお互い様でしょう!」
「は、はひっ……!」
そうは言われても。恥ずかしいものは恥ずかしい。今まで『自分』に対して行ってきた事を、他人に見せるのは。だけど。この状況を覆す方法も見つからない。だからアタシは……
「う、うぅ……」
「……はぁっ…………ごくっ……」
何故だろう。圧倒的に優位な立場に居るはずの千秋ちゃんが──アタシの事を見ると、動揺しているみたいで。スカートホックが外れて、床にパサリと落ちた瞬間。明らかに、千秋ちゃんの持っているスマホが手ブレした。
「ぬ、脱いだ……よ…………」
「そ、それじゃ! っ……自分の目を指で隠しながら、私の言葉を繰り返して!」
「へ……?」
それから、千秋ちゃんが発言するように言われた言葉を。私は、繰り返す。
「あ……『アタシはっ……幼馴染の制服を盗んで着て、オナニーしようとした淫乱なJKですっ♡♡ 罰として、アタシの事を……いっぱい犯して下さいっ……』」
そのセリフは。『菜津』が、何度も何度も『鏡の自分』に投げかけたような、AV女優が脅されるシチュみたいなコッテコテの台詞で。アタシ自身も自分をオカズにするときに同じような動画を何度も撮影した。
「フーッ…………良いわ。録画は他に流さない。約束してあげる」
「ほ……本当!?」
「でも……今度は、今の映像が残っちゃったわね? それに、貴女自身の声で『犯してください』って言ったわよね?」
息を吞む。それは、千秋ちゃんの脅しに焦ったからではなく。千秋ちゃんが先にスカートホックを外し、下着を晒したから。ポケットに入っていたスマホスタンドを立てかけて、再び録画ボタンを押す。そして──千秋ちゃんも、菜津と同じように。薄紫色の下着姿になった。
「な、何してるのっ!?」
「決まってるでしょう……♡ 貴女を、私が犯してあげるの♡♡」
「ひゃぁっ!?」
菜津の小柄な身体を押し倒すように。千秋ちゃんがアタシの身体に襲い掛かる。彼女自身も手慣れた様子ではない。むしろ、軽い力でアタシが倒れた事に驚いているフシすらある。体格の差で、アタシは抵抗できない。……むしろ、そんなに必死に抵抗するべきことでは、無いような気がした。
「き……キス、するわよっ……! 嚙んだりとかしたら許さないから……!」
「う、うん……!」
刺すような美貌。千秋ちゃんを体現するとすれば、その言葉が正しいだろう。立ち振る舞い、鋭くも眩い瞳。艶やかな黒髪ロング、和服を着せれば完璧な大和撫子だろう。そんな千秋ちゃんが。興奮と、明らかに血走って瞬きの多い瞳で。喉を鳴らしながら……アタシを襲おうとしている。これは一体どういう……僥倖だろうか。『自分』と何度もキスをしてきたが──別の女の子に、こんな風に乱暴にされるとは思ってなどいなかった。
「っ……ほ、ほらっ! 舌、出しなさいよっ!」
「へ!? は、はひっ……!」
綺麗な顔が、アタシに近づいて。それで──
「ちゅぅぅううう゛💢💢💢 じゅるじゅるっ♡♡♡♡ むぅううゔっ💢💢♡♡♡♡」
「んぐううぅっ♡♡♡♡ かふっ、うううぅう゛っ♡♡♡♡♡」
乱暴。クールな千秋ちゃんが、こんなに取り乱す事なんて見たことない。アタシの顔を、くちびるを。貪るように啜って、アタシの唾液すら飲み込むかのように。それだけの行為で、冷たい仮面から蕩けた表情が露になって。
「んぅうう゛っ♡♡♡ 本当に……貴女……ッ! ヒトのマンコを疼かせてっ……! そんな風に、いつでも襲って下さいみたいな雰囲気醸し出してたら、襲われても文句言えないでしょう……!」
「ちょっと、待ってよッ……! どうして、いつからそんな風になったの、千秋ちゃん!?」
確か。風の噂だが、千秋ちゃんには彼氏は居ない。それは彼女自身が色恋沙汰に興味がないという話を堂々と自己紹介の時に決めたからだ。それでも千秋ちゃんに告白して沈没する男子生徒は多かったが。
「いつから……? いつからって……あの日に鏡を見た日からにきまってるじゃない……! そんな事どうだっていいから、早くッ……!」
すり、すりと。アタシのおまんこと、千秋ちゃんのマンスジが重なって。もう湿っている千秋ちゃんの下着が、アタシのと重なる。──アタシで、興奮してる?
「私の制服を盗んだって事は……ッ! 私に気があるって事でしょっ! ほらっ、素直に私に犯されなさいよぉっ♡♡♡」
「ちあき、ちゃっ♡♡ んひゅぁっ♡♡ そんなにくちくちしないりぇっ♡♡♡♡」
千秋ちゃんの綺麗な顔が色に染まって、アタシの敏感な所をぐり、ぐりと。アタシを自慰の道具にでもするみたいに、恥ずかしがる様子もなく。もしかしたら、羞恥心よりも性欲の方が上回ってしまっているのかもしれない。それほど、アタシに魅了されているみたいで。
「菜津ッ、これは貴女への罰よッ♡♡♡♡ 私がイクまで、私にレイプされなさいッッ##」
「そ、そんな、のっ──イ゛っあ゛っ♡♡♡♡♡」
アタシが告げようとしたのは。そんなの、最高じゃないかと。だけど合意を告げる前に、千秋ちゃんのキスがアタシの言葉を塞ぐ。あの子の使う、ミントのリップがアタシの口に広がって。
「っぷ、はぁっ……♡♡♡ 素直に言いなさいっ♡♡♡ 私の制服を盗んでオナニーしたのは貴方なんでしょっ、むしろオナニーに使ってなかったら許さないからっ♡♡♡」
「はぁっ……ぅ、ぁ……は、はぃぃ……♡♡♡ んひゅぁっ♡♡♡♡」
「だったら、菜津でオナニーしてもいいわよねっ♡♡」
「は、はひゅっ♡♡♡ んぅぅうゔ~~っ♡♡♡」
下着の内側の、菜津の生おっぱい。千秋ちゃんは、それをむんずと揉んで。アタシの反応を愉しんでいるみたいに、乳首をクリクリと弄って。アタシも思わず情けない声を上げちゃって。悔しい。菜津を犯していいのは、アタシだけなのに。だったら。菜津の方から。
「そう、そうやって──んぅう゛っ♡♡♡♡ なに、してんの゛っ♡♡♡♡♡」
「えへへへっ♡♡♡ だって……目の前にこんなオカズがあるのに、弄らないのは勿体ないもん♡♡♡」
「ひっあ゛♡♡♡ や、やめ゛っ♡♡♡♡ そこ、毎日弄って敏感なのにぃい゛っ♡♡♡♡♡」
だとおもった。女体に興奮するとしたら、おっぱいを弄るのは当然。アタシも毎日シてるし、すぐにそこを開発してしまったもの。
「ね~ぇ♡♡♡ 千秋ちゃん、レイプって言ってるけどぉ……♡♡♡♡ 本当は、アタシともっとイイコトしたかったんじゃないの♡♡」
「な、なにいって、ん゙ぅゔっ♡♡♡♡」
「…………アタシの事好きにしていい代わりに、アタシと一緒に気持ちよくなるのは、ダメかな?」
「………………ッッ💢💢💢💢」
千秋ちゃんの目の色が、明らかに変わった。劣情に任せた暴走状態から、一気に──愛おしいモノを見つめる瞳に。……そんなに、菜津の事が好きになっちゃったんだ。
「ね、千秋ちゃんのおまんこを気持ちよくさせてあげる♡♡ だから……ちゃんと、千秋ちゃんのアソコを見せて♡♡♡」
「っ…………」
躊躇い、困惑、そして興奮。感情をあまり表に出さない千秋ちゃんだけど、それでも色んな感情が渦巻いているのが見て取れた。そして……千秋はゆっくりと、自分のショーツに手を掛けて。
「うわぁ……♡♡♡ ぴっちりして、毛も生えてない……いや、ちゃんと処理してるのかな?」
「剃ってるだけ、流石にこの年で生えてないのは──」
「アタシはまだ生えてないけど?」
「嘘でしょ……パイパンとか、本当にムラムラが止まらなくなって来たじゃないのっ……♡♡♡」
「ふふっ、でも今はアタシが千秋ちゃんを楽しませる番だから♡♡♡ ほら、椅子に座って……」
恥ずかしそうに内股でぴっちり足を閉じて座る千秋ちゃん。アタシは、床に膝をついて。顔を、千秋ちゃんの太ももにのせる。……何をされるのかを察して。千秋ちゃんはおずおずと脚を開いた。
「れろっ♡♡♡♡ ちゅうう♡♡♡ はぁぁ~っ♡♡♡♡」
「くっぁあ゛っ♡♡♡♡ こ、こんなロリにっ♡♡♡♡ マンコ舐められてっっ゛っ♡♡♡♡♡」
「ひどいなぁ……アタシたち同い年じゃない。それとも──本当は年下って事にする? ね、千秋おねえちゃん♡♡♡♡」
「や、め゛っ♡♡♡ 余計に効くからっ♡♡♡♡」
それはそうだろう。アタシも『鏡の菜津』と何回も、こういう風に犯したいと思って想像していたのだから。甘い声で囁いて、生暖かい舌でザラザラと、敏感な場所を弄って。自分の恥ずかしい場所を、可愛い娘に弄られて。──千秋ちゃんの望むことは、きっとアタシの望む事と同じだから。彼女の望むように振舞う事だってできるだろう。
「ね、一回イったらどうしたい? 今度はおっぱい同士潰し合って、30秒間ベロキスを続けてみる? れろぉっ♡♡♡♡ ちゅぱっ♡♡♡」
「は、ぐぅゔっ♡♡♡♡♡♡♡ そ、そんなのっ♡♡♡♡ イイ、のっ゛っ♡♡♡♡♡♡♡♡」
「良いよ♡♡♡ 千秋おねえちゃんのお願いだもの♡♡♡♡」
「や、その呼び方やめっ♡♡♡♡ クるっ♡♡♡♡ きちゃ、ぁああああ゛っ♡♡♡♡」
アタシの顔に、思いっきり千秋ちゃんの愛液がかかる。雌の匂い。とっても大好き。ぺろり、と舌で舐める。塩っぽい味だった。
「えへへ……時間もないから、次で言ったん最後にするけど」
「アタシたち、最高の友達になれるよね♡♡♡♡」
こうして。
制服泥棒の加害者と被害者は、共犯関係になった。
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