転生蒼竜チート無双記

れおさん

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16話 「再び交わる先には_」

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  自分でも驚いた。
 氷球が直撃してからのことは自分でもよく分からなかった。
 まず、無事だったことはよしとしよう。しかし、まさか反撃しようととっさに火球を吐こうと思ったら、先ほど火球を吐いたときの感覚とは違った。
 違和感を覚えながらそのまま吐くと__それは冷たい氷球であり、目の前の竜が吐いたのと同じようなものを吐き返していた。
 そしてその攻撃は直撃して、そのまま凍り付いて動けなくなって森の中に落ちた。
 相手を打ち落とした後、自分の体は改めて無事か特に顔を重点的にチェックをしたが何も変化もないし、行動に支障も無い。

 そうと分かれば、なぜか先ほどの攻撃を見てしり込みしている竜たちに攻撃をかけるのみだ。

 剣で何匹かを切り落としてブレスを吐いたり、エネルギーを集中させ、一気に口から開放。そこから発せられるのは火球であったり、氷球であったり安定しなくなった。
 しかし、命中すればかなりの致命傷をどちらにせよ与えられるのでためらうことなく戦闘をした。

 そして地上戦も前回とは比べ物にならないくらいの激しい戦いになった。

 ティナの適切な策で健闘はしているものの、相手の兵士の数が数日前の倍近くになっており、戦う兵士達にも疲労が伺える。

 「大分エルミーユ達が削ってくれててこの状況とは厳しいな」

 「こんなに相手が大規模とは相手も相当本気ですね……無論その本気になっている相手は……」

 そのティナとメオンの向けた目線の先には___。
 ヴィルシスがいる。苛立ちを募らせた顔で。

 「なぜこの程度の規模の相手に苦戦している!?気合を入れろ!雑魚どもがあああああああああああああ!」

 時折怒りが抑えきれなくなり、自分の近くにいる兵士に八つ当たりをして斧を振りかざした。

 「っ!」

 思わず目を背けざる負えない。しかしメオンはその八つ当たりをしているヴィルシスの感情よりも危険なものを発見していた。

 「あの斧からも分かる。やつは本気だ。相当セリア様とシュウに邪魔されたのが気に入らなかったらしいな」

 かつてヴィルシスとともにいたことのあるメオンはその斧を持ったヴィルシスに対抗できる気が全くしなかった。
 そんな心配を見透かすようにメオンに対して_

 「任せて。彼とは私がやる。メオンはみんなの士気が落ちないようにカバーしてあげて」

 セリアがそう言ってのけた。
 
 「セリア様!前回のようにうまくはいきません!やつの本気は計り知れません!万が一があれば__」

 「分かってる。私も余裕で勝てると思って言ってるわけじゃない。でも、メオンはなかなかヴィルシスに分が悪いことも知ってるし、無駄に苦しく戦う必要ない」

 「セリア様。シュウもあの通りがんばってくれています。セリア様としてもシュウにがんばっているところ見せたいですよね」

 ティナは知っている。もうセリアが言い出したら止まらないことも。どんなに止めたってどんな危険なことだろうがためらわずにやってしまう。
 そしていつもひやひやするが、結局のところ彼女の活躍が無ければ勝てなかったと言うところばかりだと言うことを。
 最大限味方を信用して、本当に必要なところを見分けて国を引っ張るものとして_私を守るといってくれた一人の強い女性としてその力を示してくれる。
 それを信じよう。

 「うん。シュウったら無理はダメだよって言ったのに……あんなにがんばちゃって……」

 今も持っている攻撃手段をフル活用して竜と対峙しあうシュウ。
 見ている限りはしっかりと一匹ずつ時間をかけて危なげなく落としているように見える。
 しかし、彼はまだ戦いなれていない。しかもかなり大型の竜と戦っていて、動きのキレも最初ほどは無い。
 体には装甲をつけているようだが、色んなブレスを少しずつ受けてぼろぼろになりつつある。
 それでも目に宿る強い意思は変わらない。
 ほんと憎たらしいほどに似ている。
 どうしてそんなに似てしまったのだろう。
 似ているだけでただの他人だってみんな言うけども。それでも。
 守りたい。そして一緒にいてくれたらと言う感情が日増しに強くなっていく。

 「ほんと似てますよねぇ。セリア様と。いうこと聞かないあたりが。ほんと心配させるダメな彼です……」

 「だから私も負けてられないの!」

 「ほんとおてんばとか言われますよ?」
 
 「でもやる。なんて言われようがやらなきゃいけないと思ったら自分自身でみんなを導いて、守るんだから」

 その強い意思にメオンもさすがに折れてしまった。メオンもセリアが言い出したら引かないことを知っているからだ。

 「ったく、任せましたよ!」

 セリアが再び直接ヴィルシスと対峙するということを決めた後すぐにエルミーユがヴィルシス率いる大軍の後方を大きく崩した。
 そのまま撹乱して軍勢を大きく乱したとこにすかさずメオンとティナの指揮で兵士を推し進めて優位に勝負を一気に持っていった。

 「このバカで使えないごみどもめ……」

 かなりの数を討ち取られたヴィルシスは怒りで全身を震わせて斧を握り締めた。

 「兵士達の勝負は決した。今度は大将戦とでもいきましょうか」

 そこにセリアがヴィルシスの目の前に進み出た。

 「一番殺してぇ目標がのこのことやってくるとはな!お前さえ潰せたらこの戦況も逆転するな!それなのにのこのことやってきやがって……前回みたいにいくと思うなよ!この小娘がああああああ!」

 ヴィルシスが斧を振りかざして襲い掛かる。それを前回はジャンプや横に一歩ずれて避けるなどということをしていたが__
 今回は両手に持った2本の剣でその攻撃を受け止めた。

 「!?」

 「避けてばっかりでもないよ。あなたの力ばっかりの攻撃なら受け止め方でどうにでも力を受け流せる」

 「おもしれぇ!いろんな方法でとことん俺をバカにしてくれるなぁ!小娘!」

 「それがあなたの持つ最強の斧ね。両端に斧の刃がついてるなんてすっごく使いにくそうなもんだけどね」

 「そう思ってるあたりがにわかだな。これはちゃんと使えば隙無く攻撃力が高いってことを見せ付けてやるよ!お前が無残にやられることによってな!」

 まるで二丁板斧をつないだような斧。両サイドに刃が着くことによって、攻撃しやすいほうの刃で攻撃したり、防御しやすいほうで防御が出来る。
 しかし、それは斧に精通した者の中でも更に限られた人物だけが扱えるというだけであるが。

 その後も二人は目にも止まらぬ動きで激しい金属のぶつけ合いをしていた。セリアの避けながら、攻撃を受け流しながら攻撃するが、ヴィルシスの扱う斧に簡単に攻撃を受け止められてしまう。

 「あなた……あのときよりも更に比べ物にならないくらい強くなったわね」

 「当たり前だ。邪魔するものは全て潰す。そのためには力が要るのだから」

 その言葉にティナは身震いをした。まだあの頃の思いを忘れていないこと、そしてその思いがここまでヴィルシスの力を飛躍的に上げたのだとするとぞっとした。
 彼の私に対する想い自体は変わってない。だけれどもその想いを意思を突き通すための彼の行動は日増しに恐ろしくなっている。今もなお。

 「なるほど……。私もそれには同感だわ。邪魔するものを倒して大切な人を守る。そのためには力が要る」

 「そう、小娘も分かっているのならばこんなことをするのはおかしいだろう!俺はお前の兄を失った恐怖や悲しみ、寂しさを再び味わいたくない!だからこそティナを苦しめるものを全て排除する!それは何もおかしくないはずだ!」

 「あなたは悲しい人ね。そのティナを苦しめる人を排除しようと1人で暴走した結果、あなた自身が”ティナを苦しめる人”になってしまうだなんて」

 「黙れだまれだまれえええええええ!」

 更にセリアに向けて振り下ろす斧の一撃が強くなっていく。それだけではなく、ただ怒りに身を任せるのではなく、反応や動きのキレもよくなっている。

 「ん……。ちょっと煽りすぎたか。ここまで強くなるとは思わなかった。なら私も本気を見せるしかない」

 そうセリアがいうとヴィルシスから少し距離をとって今両手にもっていた腰の剣一回戻して、背中に刺していた先ほど持っていた剣より少し大きめの剣を持った。

 「へっ!ただでさえ非力なくせに手数を減らしてどうする!さすがに自分の能力におごりすぎだろ!小娘!」

 「非力なのは知ってるよ。そもそもこの一本で戦おうって気もない。私にとって手数は生命線だもの」

 「なに?」

 「私がしたいのは__」

 なんとその大き目の剣の握るグリップのところを口でくわえた。そして腰に1回戻した剣を再び抜いて両手に持った。
 そのセリアの様子にヴィルシスは更に怒りが爆発した。

 「舐め腐りやがってええええええ!お前の歯全てへし折って二度とそんなふざけた行為をさせなくしてやるわあああああああああ!」

 ここにおいて更にセリアとヴィルシスの一騎打ちが激しさを増していった。

 
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