転生蒼竜チート無双記

れおさん

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20話 「何気ない時間の中から」

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 セリアがしっかりと起きたのは翌日の朝だった。フラフラと何度か起きたような記憶はあるが起きて何をしたかは全く分からない。
 そして今日の寝起きは何かいつもと違う感触だ。
 温かくて硬いものをベッド代わりにして寝ていたようだ。いつもと違った体制で寝ていたせいでちょっと体も痛い。
 いったい何に体を預けて寝ていたんだっけ……。
 それを確認したとたん___

 「#$$%$%&%$>?}+~!」

 何を言っているのか全くよくわからない。セリアの大声でその朝は始まった__。

 「………」

 まさに顔が(# ゚Д゚)の状態のシュウにひたすら謝るという光景を呆れ顔で三人が見ている。
 何にあきれているか。だいたいセリアが何か騒ぎを起こすことはもうデフォであり、そしてシュウの低血圧からの朝テンションの低さもここ最近三人はよくわかってきたので何とも言えない表情で見ている。

 「ごめんって!シュウ!まさかシュウがずっと私のとこでああやって抱き込んで……見守ってくれているとは思わなくて……」

 「抱き込むとかいう表現やめろ。お前の発言で俺がこの国から追放されかねんだろうが」

 シュウの言い方はいつもと違ってものすごい棘があるが、ご安心ください。寝起きが悪いだけです。

 「なぁ、メオン。さすがに私あそこまでではないよな?」

 「ああ。あそこまでは悪くない。シュウ相当朝弱いな。ってか寝てるとこ起こしたら腹いせで殺されそうじゃないか?」

 ひそひそとメオンとエルミーユが話す中、すたすたとティナがシュウのもとに進んでいってシュウの体をいきなりなでながら

 「おはようございます。シュウ。昨日の戦闘の疲れが抜けきってませんもんね。朝もつらいはずです。あとで私の膝枕でゆっくり寝ていいですからね」

 『!?』

 メオン、エルミーユ、そして特にセリアがティナのその行動と言葉に驚いて口をパクパクさせていると、シュウはいつものように念仏のようにぼそぼそと

 「うん……。そうします……。もっと寝たいです」

 「ふふ、分かりました。何時間でもお付き合いしますよ」

 その二人の空気に耐えかねた三人はさっと部屋の角に集まってこそこそとどういうことか緊急分析会議が行われた。

 「これは一体どういうこと!?」

 「いや、シュウとティナが最近大分仲良くなってきていることは知っていたが……昨日何かあったか!?」

 「うううう~~~!!」

 そうみんなが話をしてはちらりと二人の様子を見やる。寝起きで機嫌の悪いシュウがティナが話しかけるのには覇気こそは無くてもちゃんと返事をしているし、何よりもティナはもうシュウに抱き着いているレベルでくっついているし。

 『わけがわからんな!』

 「まさかシュウ……ティナと昨日情事を重ねたのでは!?ティナはまじめだった分惚れてしまったり、そういうラインに踏み込んだら一気に……!」

 「そ、そ、そんなこと!許さないんだから~~~~~!」

 「許さないとか言われてももうそういう関係持ってたらどうしようもないですけどね」

 「そ、そ、そういえば……さっきシュウからすっごく甘いにおいがしたの!あれってティナのシャンプーや香水の匂いにすっごく似ていたような……。ううう……」

 「みんなそこで何を話しているんです?」

 いつの間にかこそこそと話している三人にいつの間にかティナが詰め寄ってきていた。

 『ひやぁあああああ!!!!!』

 その三人の大声といきなり大きく飛び上がったことでティナも驚いて同じようにびっくりして腰を抜かしてしまった。

 「な、なんなんですか……三人とも」

 「それはこっちもその返事なんだけど……」

 「はい?」

 ここで三人は思い切って何があったのか聞くことにした。特にセリアは目が怖い。どこまでも聞いてやるぞという強い意志が取れる。

 「せ、セリア様……?」

 「シュウと昨日何があったの!洗いざらいすべて話しなさい!」

 そうセリアが力強くティナに言った瞬間___ボンッという音とともにティナの顔が真っ赤になって顔を手で覆ってその場でうなりだした。

 「こ、これは……!」

 「”確定”ですね、うん」

 「おい、ティナ!”女の子”卒業おめでとう!晴れて私と仲間だな!」

 そんな四人のよくわからない反応をぼんやりとみている。

 「シュウとは……ちょっと心を打ち溶け合って……!シュウがあまりにも優しくてついつい甘えちゃってそれで……」

 「ほっほー。よくあるパターンでゴールインというわけだ。ティナ!色々知ってしまっただろうがほどほどにな?」

 「まぁ……ティナが心許せる存在が増えてよかったと私は思うぞ」

 「うううう……そんなぁ……」

 皆朝からなんであんなに感情豊かなんだろう。セリアに関しては泣いてるんだけど。さっきのことで言い過ぎたか。ティナは顔真っ赤だしどうなってんだ。
 やっと通常テンションになりつつあるシュウがやっとまともなテンションで口を開いた。

 「みんななんでそんなにいろんな表情してるわけ?なんかゲームでもしてセリアが負けたか?」

 「ある意味負けたんだよ!」

 「????」

 セリアが泣きながら言った発言の意味がよく分からない。エルミーユはすっごく嫌な笑みをこっちに向けてくるし、メオンは何とも言えない表情で見てくるし、ティナは唸ってるしなんだこれ。

 「お前もやるなぁ!最高難度の女とこうもあっさりと!」
 
 「シュウ。ティナを幸せにしてやれよ」

 「お、おう……。俺にできることは何でもやるけど……」

 「ふうー!!!」

 ってか仲間としてできることがあるなら何でもするくないか?何だこの中学生時代の暗黒気にかすかに感じたことのあるこの空気は……。

 「ってかほんと何の話?」

 「なにも何もティナと×××したんだろう?」

 「は?」 「へ?」

 俺とティナは一気に素っ頓狂な声をあげた。

 「す、するわけないだろう!なんでこの国の重臣美女にそんなことできるんだよ!?あとちなみにこの体には現在生殖器官はございません」

 今まで言っていなかったが、このいわゆるドラゴンになってからというものの生殖器官がない。だからほぼ何も着なくても社会的に不適合者というわけでもないということなのだ。
 その俺の言葉を聞いてセリアはホッと息をついていたが、なんの安心なんだろう。俺別にセリアを襲ったりなんかしないけどな。
 とか思いながらさらっと言ったら___。

 『それってダメじゃん!』

 ティナとセリアが同時にものすごい気迫で俺に詰め寄りながらそう言った。

 「な、なんでですか……」

 「子供作れない!それは生命体として非常に致命的な欠陥ですよ!?あなたは分裂でもするんですか!?」
 
 「しません……」

 「ほんとティナの言う通りよ!子孫を残せない生き物なんてどんなに強くてもダメじゃないの!」

 「そんなこと言われても……」

 そんな風にタジタジになるシュウととことん追い詰める二人をメオンとエルミーユは見ながら

 「シュウが来てくれてからこの国がより強くなっていっただけじゃない。あのお二人がが本当に年相応の女の子になる機会も与えてくれているのかもな」

 「だな、あの二人からああやって迫られるとかシュウも大変だな。これからは私が話す側でなく聞く側になりそうだな」

 「ったく我々の非力さに悲観するばかりだよ」

 「ったく、技術も体力もなくて満足させられないあんたに悲観するばかりだよ」

 「う、うるさい……!」

 セリアとティナに詰め寄られてタジタジになりながらもこのやり取りはとても楽しいものだった。
 ドラゴンになろうが、精神は男のまま。学生時代ふさぎ込んでいた俺には同年代の女の子と話すという経験は全くできないまま終わってしまった。
 それを今になって味合わせてもらっているような気がする。
 セリア、ティナ___。そしてちょっと切り口は違えどエルミーユも。
 俺の知らない感情を、感覚を、楽しさを教えてくれている。

 ありがとう。戦いが多くてつらいことも多い。
 だけど___。
 俺はそれ以上にみんなに色んな事を教えてもらっている。
 それをいつまでも、この時間をいつまでも。
 一緒に入れるように俺は、君たちの力に改めてなろう。

 だからその笑顔を忘れずに俺に少しの時間でいいから向けてくれたらうれしいな。

 
 

 

 
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