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新たな世界

第十四話 嫉妬

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 ご主人様が視線を感じた頃、扉の外にいたニムは焦っていた。

「レーム姉絶対気づいているよね? 入ってもいいのかな?」

 ぼそっと独り言をつぶやく。
 だが、その後に続いたレームのご主人様に対する言葉でくぎを刺される。

『今日は私だけを見ていてください……♡』

 そんなことを聞かされて乱入できるほど、ニムは肝が据わってはいなかった。
 レームを怒らせると怖い。日常生活でそれを感じていたのだ。



 イチカとニムは食事のあとすぐに眠ってしまったが、ニムはその分すぐに起きた。
 体が波に揺られている感覚に襲われて寝つきが悪かったのだ。
 起きてしばらくはぼうっとしていたが、そのうちにオナニーを始め、せっかくならご主人様に相手をしてもらおうと寝室にやってきたのだ。

 ニムは性欲が強く、寝起きであってもオナニーをしてから行動することが多い。
 ほとんど無意識で股間に手が伸びてしまうのだ。
 もはや習慣になってしまっていて、絶頂感がないと起きる気にならない。

 普段は朝方までご主人様とセックスして、疲労困憊してから自室に戻る。
 だが、その後にエリクサーを飲んでしまっているため、消耗した体力は回復し、結果性欲も回復してしまっている。

 エリクサーは飲んだそばから全てが治るというものではなく、多少の時間を要する。
 そこには元の回復力という個人差があり、ご主人様が一番早く、その次にニムが続く。次にレームで、イチカが最後だ。

 ご主人様の回復が一番早いのは、エリクサーなしでも自動修復される速度が別格だからだ。半身が吹き飛んでも瞬時に回復が始まる。

 セックス中は意図して回復を緩めている。疲労も快感のうちだからだ。そうでない場合、ほとんど疲労を感じない体である。
 最中にエリクサーを飲むのは消耗したものの補充のため。
 体の回復は自分単独で出来ても、精子など消耗物に関してはエリクサーなど外部の力がないと回復が遅いのである。

 彼女たち人造人間も通常の人間と比べれば回復は早い。
 普通の人間が完治に一週間かかるような病気でも数時間で回復する。
 ちょっとした傷くらいなら傷つくレベルまで達しない。

 むらむらしていたニムは全裸のまま寝室のほうまでやってきていた。
 歩きながらも自分のオマンコを触り、オナニーにふける。
 イチカが寝ているのは知っていたので、寝室にはレームとご主人様だけのはず。
 どのみち行為にふけっているのはわかっている。
 自分も混ぜてもらおうと思っていた。

 だが、いつもと少し様子が違う空気を感じ取った。
 いくらなんでも失礼と思い、部屋に入る前に少しだけ扉から様子を見たのだ。

 そこに広がるのはいつもの光景。
 と思ったが、少しだけ違う。
 ご主人様はレームの上に覆いかぶさり胸に顔をうずめ、布団もかぶったまま。
 両者ともに服を着ていないので行為中だということはわかる。

 ご主人様の、自分には見せない甘え切った様子。
 普段自分とするときのような激しさはない。

 愛を確かめ合うような優しい行為だ。

「いいな……」

 ニムは思わずオナニーする手を止めて見入った。
 ご主人様とレームがしているのは自分に対するものとは大きく違う。

 同じことをして欲しい。
 自分にも愛を向けて欲しい。

 最初は好奇心と快感から始まったものだったが、最近そう思うようになってきた。

 布団が持ち上がり、ご主人様がゆっくりと腰を動かしているのだと分かる。
 レームの声は甘く、三人でしているときとは異なる。
 ご主人様のことを愛していると伝わる声だ。
 二人はとても気持ちよさそうにしていた。

 ニムは耐えきれずオナニーを再開する。
 入ろうとも思ったが、邪魔できない。

「あ、ああっ」

 びしょびしょになったオマンコはニムの中指をするりと飲み込む。
 くちゅくちゅと音を立て、必死で中を擦る。
 そうこうしている間に二人はさらにエスカレートしていた。

 正常位のまま密着している。
 布団の動きだけで中は見えないが、それがかえってニムの想像を刺激した。
 持ち上がる布団の動きが激しくなり、比例してレームの喘ぎ声が大きくなっていく。

 自分が同じことをされていることを想像して指の動きは加速する。

「イキそう、イキそう、ああっ、イクイクイクっ!」

 膝をがくんっとびくつかせ、ニムは絶頂する。
 足元には液体が垂れ落ち、それは白く濁っていた。

 部屋の中ではまだご主人様が激しく腰を振っていた。
 本当はレームと一緒のタイミングでイキたかったが、それよりも先に絶頂してしまった。

 それでも、ニムは絶倫だ。
 すぐに指を動かし始め、より一層部屋の中を凝視する。
 くちゅくちゅという音がぐちゅぐちゅという音に代わり、指の動きはますます激しくなり、息も絶え絶えなほど興奮していた。

「ご主人様っ、ご主人様っ!♡ ああっ、気持ちいいですっ、オマンコの中っ、ご主人様でいっぱいっ!♡ イッてしまいそうですっ!♡」
「俺ももう出そうだっ! レーム!」

 二人がほとんど同時に絶頂し、固まったように一瞬動きが止まる。
 さらに密着した二人を見て、ニムは再び絶頂を迎えてしまう。
 レームの中にどくどくと注がれているのであろう精液の感触を思い出し、悶絶する。
 ご主人様は気持ちよさそうにレームにしがみ付いていた。

 自分の中にも欲しい。

 思っても乱入はできない。
 レームにより先手を打たれてしまっているからだ。

 何度も何度も交わる二人を見ながらオナニーを続ける。
 必死に求めあう姿から目を離せない。

 ニムは立っていることができず、床にへたり込んだままオナニーしていた。
 それそのものは気持ちいいものではあったが、レームの中に突き立てられているご主人様のチンポが欲しくてたまらない。
 ニムのオマンコからすれば大きく、太いもの。
 いつものように快楽に任せた乱暴なものではなく、レームがされているようなことをされたい。
 ゆっくりとねっとりと。
 オマンコのひだの一片たりともを逃さないような、そんな動き。

「ご主人様っ、ご主人様っ!」

 二人の行為を眺めながら、ニムは無意識にご主人様の名を口にしながら快感を貪る。
 体位を変えているうちに布団はずり落ち、結合部が見えていた。
 結合部からは一突きごとに白い液体が流れ落ちる。
 気持ちよさそうな息を上げ、必死で腰を打ちつけるご主人様から目が離せない。
 ニムが声を上げていても気づく様子はなく、ひたすらにレームを見ていた。
 レームは明らかに気付いている様子だったが、それでもご主人様にしがみ付いていた。
 今日は私のもの。そう言われている気がしていた。

 羨ましい。
 欲しい欲しい欲しい。
 今すぐにねじ込んで欲しい。
 どんなに指を動かしても、物足りない。
 快感も絶頂もある。
 ──でも足りない。

 チンポがオマンコの中をえぐるとき、抜き差しのたびに絶頂する。
 行為中、ニムは常にイッている状態だ。
 頭の中が空っぽになり、全身を走る快感だけに集中している。

 しかし、レームにしているようにご主人様に扱って欲しい。
 愛を感じるセックスはどんな気持ちなのだろう。
 興味が強くなっていた。

 当初と違って今のニムはご主人様を性的にもそうでない方向でも好いている。
 自分に与えられている知識によれば、普通の人間は毎晩数十回も射精できない。
 だがご主人様ならば数百回でも可能。それに、チンポそのもののサイズや硬さなど、普通の人間の領域にないことも知っている。
 それを知識から理解した時点で他の人間に興味は無くなってきていた。


 結局一晩中レームとご主人様は繋がったままだった。
 そして、外でそれを見ていたニムも同じようにずっと指を入れたままだった。
 指もオマンコも愛液ですっかりふやけてしまっている。

「た、立てない……」

 すっかり腰が抜けてしまい、立ち上がることができない。
 部屋の中では荒い息の二人が重なったまま寝ようとしていた。
 渾身の力をもって立ち上がり、ニムは寝室に四つん這いで入る。
 そして、言った。

「ご主人様、私も、私にもレーム姉みたくしてくださいっ!」

 すっかり気の抜けた状態になっていたご主人様は、ドアの側のニムの姿と言葉の意味が一瞬わからなかった。
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