転生した俺YOEEEけど、何故か勇者やってます〜スキル習得が運ゲーガチャの鬼畜世界で俺はしぶとく生きていく〜

ゴシ

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第8話 魅力ってなんだろう?

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 パーティーメンバーになれそうな人を探してくると言って、転送の間を出ていったコロネを、俺はずっと待っていた。
 仲間を探してくれるというコロネには感謝したいところだが……にしても遅すぎるだろ。
 転送の間に着いてからもう2時間は経過している。
 戦時中だから短期間で強くならないといけない状況でこのていたらくはどうなのだろうか?
 そんなに時間かかるなら、もっとユウリと話してたかったよ!
 勇者になってからというもの、ユウリと出会ったこと以外、まるで良いことが無い。
 まぁ、ユウリっていう女神様と出会えたことが、俺にとってはかなり大きいんだけど。

 そんなことを思いながら、俺はアリスとの交信はずっと試みていた。
 アリス、アリスと心の中で何度叫んだことか。
 しかし、旅行に行ってる可能性が非常に高いアリスは、全く出る気配がない。

 あいつ、俺がくたばっても問題ないのか?
 監視するのにブサイクは嫌だからって、魅力だけ上げて放置するとか………ってあれ?
 そういえば魅力って何だ?
 アリスに愚痴をこぼしていると、ふと気づくことになる。

 魅力って何だろう?
 いや、言葉の意味はわかっているのだ。
 でもブサイクが嫌と言って、ステータスポイントを魅力に振ったというのはどういうことだろう?
 ブサイクが嫌ならキャラメイクの段階で顔のパーツをいじるとかできなかったのか?
 キャラメイクで他ステータスを無視してまで魅力に全振りするのは、魅力値によってシエロのカッコ良さが決まるってことなのかな?
 じゃあ今の俺って……もしかしてカッコいい!?
 そういえば、まだ顔は見たことないけど、シエロって魅力に特化したキャラだった。
 カッコいい顔してるのかな?
 それともLvが上がれば上がるほど、カッコ良くなっていったりするのか?
 もしかして俺、モテモテになる可能性大なのか!?

「どうなさいましたかな、ニヤニヤしておられて」

 魅力について考えていたところに、コロネが帰ってくる。
 コロネは銀の甲冑かっちゅうまとう、歴戦の猛者のような顔立ちの兵士たちを、ぞろぞろと連れてきてくれた。

「そんなニヤニヤしてましたか?」
「はい。それはもう嬉しそうに」

 やばい、顔に出てたか。
 でも丁度いいや、聞いてみよ。

「ねぇ、コロネさん」
「はい」
「俺の顔ってカッコいいかな?」
「はい?」

 コロネは俺の質問に、急にどうしたと言いたげな顔で、後退りして行く。
 しまった、完全に聞く相手を間違えた。
 この質問はお爺ではなく、女の人にするべきだった。
 変なヤツと思われたかも。

 私にそっちの気は無いと言いたげなコロネだが、一息入れ、スラ高原への出発を提案してくる。
 コロネの意見には大賛成。
 なんなら待たせすぎだと怒ってやりたいぐらいだった。
 でもそうだな。急いで修行しないと。
 強くなって戻るまで、アスティーナ王国が、そしてユウリが無事であることを祈っている。

「よし! 出発だ!」

 俺は転送装置である大きな門に向かい、門の中で青白く渦巻く光に向かって足を進める。

 スタスタスタスタスタスタスタスタスタ
 スタスタスタ……スタスタ………ん?
 スタスタ……スタ………………スタ…………え?

 歩いて門に向かっていたが、聞こえる足音が自分のものだけだと気づく。
 おかしいと思い、後ろを振り返る。
 するとどうだ。歩いた距離の分だけ離れた位置に、コロネたちは立ったままだったのだ。
 そしてコロネの後ろで手を振る兵士たちを目にした。
 立ち止まった俺を見て、兵士たちは

「どうかしたか、シエロ様ー?」
「強くなって帰ってこいよー」
「時間あんまないぞー。行け行けー」
「頑張れよーー!」

遠くから大声でエールを送ってくる。
 どういうことだ?
 なんで誰もついてこない?
 俺が状況を理解してないのに気づき、コロネも思い出したという顔をして近づいてくる。

「申し訳ありません、シエロ様。彼らはシエロ様を見送りに来ただけで、一緒に行く訳ではないのです」

 コロネは伝え忘れていた、申し訳ないと俺に言ってくる。

「は?」

 上の者には敬語を使えと親に教えられた日本男児の俺だったが、今回ばかりはそんなこと、どうでもよくなっていた。

「えっと……2時間近くも俺を放置して何してたの?」

 俺は怒りを抑えることなく、コロネにぶつける。
 コロネが言うには、一緒に行くパーティーを探してはみたが、戦時中で皆暇でないため、誰も連れていけないのだと。
 でも誰もいなかったですじゃ勇者に対して失礼と思い、夜戦に向けて待機中の、たまたま起きていた兵士を連れて来て、見送りだけさせようと思ったのだとか。
 コロネの気遣いは想像の斜め上を行っていた。
 せめて女の子連れて来てよ。
 なんでおじさんに手を振られて、喜んで行くと思ってんだ?
 ユウリに見送り頼めよ!
 そしたら俺喜んで修行に行くからな!!
 それが無理でも、せめて城内のメイドのおねーさんたち呼べよ!!!
 15歳の俺には男の熱い応援より、女の子の甘い声援の方が良かったのだった。

 悲しいが1人で行くしかない。そう思ったが、1人だけパーティーに入れてもいいんじゃないかと思える人物に心当たりがあった。

「そうだ!コロネさん!」
「はい、急になんでしょうか?」

 そうだよ、コロネ。
 執事とはいえLvは25。
 兵士でないなら戦場にも行かないはず。
 Lv1の俺を助けるには十分な戦力じゃないか!

「俺に戦いの基礎を教えてくれないですか? コロネさんもLv上げるために戦ったりしてたんですよね? お願いなんで俺についてきてくれないですか?」

 2時間近く待たされたことには腹が立っていたが、今はそんことも言っていられない。
 1秒でも早くLv上げをするなら、頼れるのはこの人しかいない。
 コロネに対して俺は深々と頭を下げてお願いする。
 それに対してコロネは

「いえ、知らない男の人とパーティーを組むというのはちょっと。あとこの歳で戦うのもあれですね」

またも想像の斜め上の事を言い出した。

「……俺だって女がいいよ、クソッ」

 俺はなんで60歳近いお爺にフラれてるんだと思いながら、コロネに聞こえない音量でぼやく。

 放置するアリス、雑魚だと卑下するリュード、まともだと思っていたのに全然使えないコロネ。
 目から涙がこぼれそうになるのを手で抑えながら、スラ高原に続く、青白い渦の中に1人入って行くのだった。
 心の中でユウリに謝りながら。

「ごめん、ユウリ。俺、この世界の人たち嫌いかも!」
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