ティルナノーグの扉

Erie

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魔華の刻印1

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「リナ、何か気になる事があるのではないですか?」

妖精王が心配そうな顔で尋ねる。

心配事は山程ある。

いつまでこの世界にいるのだろうか?

これからどうなるのだろうか?

いつ日本に帰れるのだろうか?

その方法を見つける事ができるのだろうか?

だけど、それが大きすぎで、私自身の変化に気づくのに時間がかかってしまった。こちらに転移した時に瞳の色が変わったから、最初に太ももの痣ができた時、あまり気にしてなかったというのもある。

「特にない、と思うんだけど…どうしてそう思うんですか?」

「あなたのオーラというか波動に普段のものと違う感じが混じり始めているものですから」

「それって、よくない事なんですか?」

「それは、なんともわかりません。ただ、あなたのその新しい波動は私たちのものと近いものなのです」

「はあ」

「聖女の波動とも違いますし、あなた達異世界から来た人たちが持つ波動とは全く異なったものですから」

「全く異なったもの?」

「ええ。だから、少し変だなと…まあ、私の気にしすぎかもしれません」

妖精王によると、それが現れ始めたのはこの間二人で月を眺めた時期だという。

私の太ももに現れた痣が濃くなったのはその時期からだったような気がする。


 ◇ ◇ ◇


そして突然それは起こった。

退屈しのぎにプカやマリアンヌとピクニックに出かけたときのことだった。

普段はお城の結界内にいるのだけれど、虹色の綺麗なお花をマナナンに見せてあげたかったので、知らず知らずのうちに結界の外に出てしまった。

「リナ、そこ、ポータル。アブナイ!」

「えっ?」

結界の外にはたまに他の地域と繋がるポータルがあるみたいなことを聞いていたが、プカがいうまでわからなかった。

ガルルルル…

私の背後から嫌な声がする。

「きゃああああ!リナ様!」

マリアンヌが真っ青で震えている。

「リナ、アブナイ!」

振り向くと、ティルナノーグにはいないはずの魔獣。

「きゃああああ!」

黒い豹のような魔獣には日本のツノと鋭い牙が生えており、真っ赤な瞳としっかり目があってしまった。

魔物は私に逃げる隙を与えるわけもなく、そのまま私に襲いかかってきた。

体を鋭い爪に押さえつけられて、鋭い牙が喉元を裂こうと口を開ける。

死にたくない!助けて!

そう思った瞬間、

魔物の悲鳴とともに

魔物の体が粉々に裂けて、私は緑の液体を全身に浴びていた。








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