【R-18】元聖騎士は帝国に完全屈服して尊厳破壊される ~「希望亭」にてご奉仕いたします~

こころ さづき

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004 初奉仕

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 翌朝。まだ外は薄暗いうちに、誰かが扉を大きく叩く音が響き、私は不意に目を覚ました。眠りは浅く、背中の痛みと身体のだるさが抜けきっていない。昨日のあの宣言の光景が脳裏にちらつき、胸の奥に沈むような重苦しさを感じる。

 鍵を開けた兵士が、私の部屋の中を乱雑に覗き込み、舌打ち交じりに言い放つ。

「さっさと起きろ。店の支度をしろ。床もグラスも汚れたままだ。おまえの初仕事だろうが」

 明け方にもかかわらず、すぐに“働け”というのが彼らの言い分なのだろう。抗う意思など、もはや持ち合わせていない私は、うつむいたまま起き上がる。肩や腰の痛みをやわらげるために軽く伸びをすると、寝乱れた服の袖口から昨夜の擦り傷がいくつも覗いていた。けれど、それらを一々嘆く気力も湧いてこない。

 バーカウンターのある広間へ出ると、既に数人の帝国兵が酔い覚ましにと朝食代わりの酒をあおっていた。宵の名残が漂う空気が何ともむせ返るようで、私の胸はどこか息苦しい。酒瓶やグラスが散乱したテーブルを片付け、吐き捨てるように放置された食べかすや吸い殻――それらを一つひとつ拾って片づける作業が続く。放り投げられた布巾に水を含ませ、床を磨き、カウンターの上を拭き、部屋の隅に溜まった汚れを掃き出す。夜通し騒いだままの空間は思った以上に荒れていて、終わるころにはもう日が高くなっていた。

「この程度の掃除に時間をかけすぎだな。手際が悪いぞ」

 そうぼやく帝国兵の言葉にも、私はもう反論すら沸いてこなかった。黙々と手を動かすうち、右手首の銀の腕輪が何度もカウンターの角に当たり、冷たい金属音を立てる。そのたびに胸に突き刺さるような痛みがこみ上げるが、それでも私はただ作業を続けた。

 昼には、さらに多くの帝国兵や、時折高級な服装をした貴族らしき客が「希望亭」に訪れ、酒や軽食を求めて集まってきた。兵士の一人が私を手招きし、食事の用意を命じる。台所へと放り込まれると、そこには他にも同じように働かされている――おそらく元は街の住民だったのだろう――女性たちがいた。お互いにうつろな目を合わせても、それぞれが自分の作業に必死で、言葉を交わす気力すらない。

 午後になると、今度は店内での接客が始まる。客に愛想を振りまき、ときには身体を引き寄せられ、あからさまな下品な言葉を浴びせられる。拒めば即座に罵声と乱暴な手が飛んでくる――そんな事は一度体験すれば十分すぎるほどわかる。私は慣れない笑顔を引きつったまま貼りつけ、客たちの戯言に相槌を打ち続ける。

 日が暮れ、“奉仕”の時間が始まる。暗くなった個室に連れ込まれると、酔った帝国兵の荒々しい手がアリアに伸びる。服の襟元を掴まれ、無理やり押し倒されそうになるが、彼女はなんとか抵抗する。

「やめろ、貴様ら…」

 アリアは必死に身をよじり、逃れようとするが、複数の兵士に囲まれ、抵抗は空しくなる。彼らは笑みを浮かべ、欲情した目で彼女を見つめながら、服を剥ぎ取っていく。薄い下着が露わになり、彼女のはしたない姿がさらされる。

 兵士の一人がアリアの銀の腕輪に目を留め、それを力任せに引きちぎろうとする。しかし、腕輪は頑丈に作られており、なかなか外れない。それでも、兵士は腕輪に傷をつけ、アリアの腕に痛みを伴う。

「ふざけるな、貴様ら! これは私の大切な…」

 アリアは腕輪に込められた想いを伝えようとするが、言葉は途切れ、涙が溢れる。兵士たちはそんな彼女を冷ややかに見つめ、衣服をすべて脱がせ、裸にされる。

 兵士たちはアリアを弄び、恥ずかしい格好をさせ、彼女を辱める。舌で敏感な部分を舐められ、体中を舐め回され、彼女の体は火照り、恥ずかしさと興奮が入り混じる。抵抗する気力を失ったアリアは、ただ兵士たちの要求に従い、快楽と屈辱に身もだえる。

「さあ、俺のチンポを咥えろ。奉仕しろ、この女」

 兵士の一人がアリアに命令し、彼女の口に勃起したペニスを押し込む。アリアは拒みたかったが、拒否すればさらに酷い仕打ちを受けることを知り、仕方なく従う。ペニスの熱さと固さを感じながら、彼女は涙を流し、唾液で濡れた口で奉仕する。

 他の兵士たちも順番にアリアに襲いかかり、彼女の体を弄び、求めるままに動く。アリアの体は、何度も快楽と痛みに震え、絶頂を迎える。しかし、それは彼女が望んだものではなく、ただ彼らに従うしかない状況に、心はさらに疲弊していく。

 何かを強いられるたび、失ったものがさらに増えていくような気がした。かつては聖騎士であり、白鴉の副団長だった自分ですら、いまは彼らにとってただの「器」なのだと痛感する毎日。夜が明けきるころには、身体も心も疲弊しきって、何も考えられなくなる。眠りたいと思うが、その瞬間にも次の任務――酒の世話や体の奉仕――が押しつけられるのだ。

 かつて仲間たちと机を囲み、生死を賭けた作戦を真剣に立案していたこの場所で、いま私は帝国の機嫌を取るのに必死だった。仲間たちがどこかで生き延びているのか、それとももう捕らえられたり、処刑されたりしてしまったのか。考えそうになるたび、胸の奥に鈍痛が湧き、それを思考ごと封じ込めようとして、あえて何も考えないようにする。

 夜の最中、酔った兵士の高笑いが響くカウンター越しに、ふと銀の腕輪に目を落とす。剝げかけた塗装や汚れが目立ち、もはや誇りの輝きは完全に消えてしまっている。しかし、それでも私の手首から外そうとは思えない。  
(守るべきものが何もなくても、なぜかこの腕輪だけは捨てられない……)  

 束の間の空き時間、グラスを磨きながらふとそんな考えがよぎるが、誰かが呼ぶ声でそれもすぐかき消される。私は引きつる唇に無理矢理笑みを浮かべ、酒瓶を抱える手に力を込めて立ち上がる。ここでは無心になって役目をこなすしか選択肢はなかった。

「いらっしゃいませ、ご主人様――」

 鏡張りの装飾に映った自分は、いつの間にかあの頃の“アリア・ハートフィールド”とはかけ離れた安っぽい化粧をした女だった。何度も自分に言い聞かせるかのように、私は作り笑いを貼りつける。こうして始まった日々は、憎悪と虚無の狭間で、ただ流れるように過ぎていく。

(――これが、私の“新しい日常”)

 そんな冷めきった思考だけを支えに、私は奉仕の日々を繰り返す。時折過る王女様の顔や、仲間と過ごした記憶は、いまや遠い夢物語のようにも思えた。それらを振り払いでもしなければ、とても正気を保ってはいられなかったからだ。  

 そして今日もまた、服の襟元を無理やり掴まれながら、ただ甘い声を強制的に吐き出してみせる。 

 すべてを忘れたかのように振る舞わなければならない。自分であり続ければ、自分の尊厳を認めた瞬間に再び心が砕けてしまうから。こうして私は徐々に、かつて誇りを胸に秘めていた“アリア”を遠い過去へと押しやるように、閉塞的な快楽と屈辱の泥沼に沈み込みはじめていた――。
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