69 / 77
出発までの1週間
領地に向かうまであと1週間。俺はステッラ商会王都本店の支配人と共に支店建設のための事業計画書を大急ぎで準備した。他領に支店を作るのは初めてではないから土台はある。でも当然それを丸パクリはダメだ。土台を基に辺境領の特性に合わせた事業計画を練らねば話にならないだろう。
ちなみに支配人は祖父の代から商会に勤めていた人で、幼い俺の遊び相手にもなってくれた気のいいおじいさんだ。再会できた時は涙ながらに喜んでくれて俺も泣きそうになった。
彼とともに3日かけて突貫で事業計画書を作り、ひとまずルキーノに見てもらおうとなった日。帰りの馬車を待つ時間で俺は背後に控えるエヴァンドロに気になっていたことを問いかけた。
「そういえばエヴァンドロ、もうすぐ出発だけど家族に挨拶はしてきた?」
王都警備から出向中のエヴァンドロは俺たちと共に領地へ旅立つ。長く会えなくなるんだし挨拶くらいしたかと思って聞いたら、何とエヴァンドロは首を横に振ったのだ。
「いえ、まだです」
「まだなの?あれ?休みの日あったよな?」
「休みの日は王都警備の方に引き継ぎで顔を出してて……」
「は?社畜かよ!」
思わず声がデカくなる。ブリジッタが顔を顰め、エヴァンドロが驚いてびくりと肩を揺らしたので俺は慌てて声を落とした。
「次に帰ってくるの早くても年を跨ぐんだからちゃんと挨拶はしとかないと。急に来なくなったら子供たち心配するだろ?」
「出向が決まった時に一応院長に話は通したんですが……そうですよね、すみません」
すまなさそうに頭を掻くエヴァンドロ。貴重な休日を潰して働くのはよくないぞ。休める時には休んで、大事な人たちには会っておかないと。
エヴァンドロの次の休みは確か出発の前日だ。その時に行くだろうか。なんか心配だな。
「……今から行く?」
「え?」
「貧民街の孤児院だろ?俺も一度は直接様子見たかったし、一緒に行こうか」
いい考えだと思った。エヴァンドロは出発前の挨拶ができるし、俺は自分が寄付した孤児院がどうなっているのか確認できる。早速お土産の手配を商会のスタッフに頼もうとすると慌てた2人に止められてしまった。何でだ。
「ま、ダ、ダメですよ!?何考えてるんですか!」
「ダメかなぁ。どっちかと言うと俺ここよりあっちの方が馴染み深いんだけど」
孤児院は貧民街でも平民街に近いまだ治安がマシな場所に建っている。そしてそこから花街は目と鼻の先。全く知らない場所でもないのだ。稀にあった外出で近くに行ったこともあるし、大丈夫だと思うんだけどなと進歩しない俺は安易に考えてしまう。
しかし2人は厳しい顔をしたまま首を横に振った。
「以前はそうでも今は無理です。ご自分の立場をお考えください」
「そうですよ。今あなたは貴族なんですよ?貴族のあなたが貧民街に行ってもし何かあったら俺は閣下に申し訳が立ちません」
「大丈夫だと思うけど……あ!じゃあ目立たないように着替えればいいんじゃない?ジルじいちゃーん!」
「おう、なんだいネロ坊」
「ちょっとネロ様!」
いいこと思いついた!と応接室から続く事務所の扉を開けてジルベルトじいちゃん、つまり支配人に声をかける。そして2人が止めるのも聞かずに商会の制服を貸してほしいとお願いした。
聞いたジルベルトは不思議そうに首を傾げる。
「従業員の制服?借りてどうするんだ?」
「お忍びで行きたいとこあんの。貸してー」
「怪し……何企んでんだいネロ坊」
「いけませんネロ様。支配人、貸さないで結構です。このまま帰ります」
ニコニコ笑う俺に訝しむジルベルトと引き止めるブリジッタ。でも俺も諦めない。
まず、今も王都警備の制服を着たエヴァンドロがいれば大体の奴は避けて通る。加えてブリジッタもいて、なんならお土産運ぶ本物の従業員も連れてったら大丈夫だと強く主張すると、押し問答の末2人は用が済んだらどこにも寄らずに速やかに帰るという約束で渋々許可してくれた。
「絶対俺たちの側を離れてはいけませんよ。たとえ制服を着てても貴族ってわかるんですから」
「でも俺根っからの貴族じゃないよ?平民と変わんないでしょ」
「高等教育を受けた人間は立ち居振る舞いが平民と異なります。それに見た目も。手入れされた肌と髪は見ればすぐにわかるものですよ」
「あー、髪か。それは確かに」
話を聞いて自分の紅茶色の髪に触れる。毎日手入れされているからツヤツヤでサラサラだ。これは確かに平民では持ち得ないものかもしれない。
俺たちは今ステッラ商会の制服に身を包み、商会の馬車に乗って孤児院へ向かっている。その道すがら俺は2人からの忠告に素直に耳を傾けていた。我儘を通した自覚はある。ここから先は2人の側を離れないでいようと素直に頷いた。
しかしどことなく2人は疑わしげだ。ご心配をおかけします。
そうして家の馬車よりガタガタ揺れる馬車に乗って辿り着いた孤児院は、俺がかつて娼館の窓から眺めていた他より少し背の高い、赤茶色のとんがり屋根の建物だった。
「先に俺が行って院長先生に事情を説明します。構いませんよね?」
「ええ、その方がいいでしょう。頼みます」
商会の馬車を置いて先にエヴァンドロが中へ入っていく。彼が出てくるまでの間、俺は孤児院の周囲をぐるりと見回した。
この中ではそこそこ大きな孤児院の正面には小さな広場があって、その先に長屋のような住居が並んでいる。建物はどれも古く、中にはドアや窓が壊れているものもある。広場には3軒ほど小ぶりなテントを張った物売りがいるが客はまばらだ。行き交う人も平民街や貴族街に比べて圧倒的に少ないし、その少ない人々は突然やってきた俺たちを警戒して見ている。
「許可が降りました。中へどうぞ」
「よ、ようこそいらっしゃいました。皆様どうぞこちらへ!」
しばらくするとエヴァンドロと共に出てきた壮年の男性院長は商会の従業員に扮した俺にぺこぺこと頭を下げる。玄関先でそれは非常に目立つ。慌てて中へ案内してもらって、俺とエヴァンドロ、ブリジッタは院長室へと通された。
商会の従業員たちは既にスタッフと顔見知りなので先に俺からのお土産を配ってもらいに行った。その間に院長に寄付のことを聞いてみると、院長は目尻に皺を深く刻みながら嬉しげに微笑みを浮かべた。
「皆辺境伯夫君様のお心遣いに感謝しております。子供たちも、新しい寝具や洋服に大いに喜んでおりましたよ。これで今年の冬は少しは温かく過ごさせてやれます」
「ああ、それならよかった。お役に立てて光栄です」
真の目的はエヴァンドロに恩を売るためだが、それで幼い命が安全に暮らしていけるなら一石二鳥だ。院長の言葉にほっと胸を撫で下ろした。
ちなみに支配人は祖父の代から商会に勤めていた人で、幼い俺の遊び相手にもなってくれた気のいいおじいさんだ。再会できた時は涙ながらに喜んでくれて俺も泣きそうになった。
彼とともに3日かけて突貫で事業計画書を作り、ひとまずルキーノに見てもらおうとなった日。帰りの馬車を待つ時間で俺は背後に控えるエヴァンドロに気になっていたことを問いかけた。
「そういえばエヴァンドロ、もうすぐ出発だけど家族に挨拶はしてきた?」
王都警備から出向中のエヴァンドロは俺たちと共に領地へ旅立つ。長く会えなくなるんだし挨拶くらいしたかと思って聞いたら、何とエヴァンドロは首を横に振ったのだ。
「いえ、まだです」
「まだなの?あれ?休みの日あったよな?」
「休みの日は王都警備の方に引き継ぎで顔を出してて……」
「は?社畜かよ!」
思わず声がデカくなる。ブリジッタが顔を顰め、エヴァンドロが驚いてびくりと肩を揺らしたので俺は慌てて声を落とした。
「次に帰ってくるの早くても年を跨ぐんだからちゃんと挨拶はしとかないと。急に来なくなったら子供たち心配するだろ?」
「出向が決まった時に一応院長に話は通したんですが……そうですよね、すみません」
すまなさそうに頭を掻くエヴァンドロ。貴重な休日を潰して働くのはよくないぞ。休める時には休んで、大事な人たちには会っておかないと。
エヴァンドロの次の休みは確か出発の前日だ。その時に行くだろうか。なんか心配だな。
「……今から行く?」
「え?」
「貧民街の孤児院だろ?俺も一度は直接様子見たかったし、一緒に行こうか」
いい考えだと思った。エヴァンドロは出発前の挨拶ができるし、俺は自分が寄付した孤児院がどうなっているのか確認できる。早速お土産の手配を商会のスタッフに頼もうとすると慌てた2人に止められてしまった。何でだ。
「ま、ダ、ダメですよ!?何考えてるんですか!」
「ダメかなぁ。どっちかと言うと俺ここよりあっちの方が馴染み深いんだけど」
孤児院は貧民街でも平民街に近いまだ治安がマシな場所に建っている。そしてそこから花街は目と鼻の先。全く知らない場所でもないのだ。稀にあった外出で近くに行ったこともあるし、大丈夫だと思うんだけどなと進歩しない俺は安易に考えてしまう。
しかし2人は厳しい顔をしたまま首を横に振った。
「以前はそうでも今は無理です。ご自分の立場をお考えください」
「そうですよ。今あなたは貴族なんですよ?貴族のあなたが貧民街に行ってもし何かあったら俺は閣下に申し訳が立ちません」
「大丈夫だと思うけど……あ!じゃあ目立たないように着替えればいいんじゃない?ジルじいちゃーん!」
「おう、なんだいネロ坊」
「ちょっとネロ様!」
いいこと思いついた!と応接室から続く事務所の扉を開けてジルベルトじいちゃん、つまり支配人に声をかける。そして2人が止めるのも聞かずに商会の制服を貸してほしいとお願いした。
聞いたジルベルトは不思議そうに首を傾げる。
「従業員の制服?借りてどうするんだ?」
「お忍びで行きたいとこあんの。貸してー」
「怪し……何企んでんだいネロ坊」
「いけませんネロ様。支配人、貸さないで結構です。このまま帰ります」
ニコニコ笑う俺に訝しむジルベルトと引き止めるブリジッタ。でも俺も諦めない。
まず、今も王都警備の制服を着たエヴァンドロがいれば大体の奴は避けて通る。加えてブリジッタもいて、なんならお土産運ぶ本物の従業員も連れてったら大丈夫だと強く主張すると、押し問答の末2人は用が済んだらどこにも寄らずに速やかに帰るという約束で渋々許可してくれた。
「絶対俺たちの側を離れてはいけませんよ。たとえ制服を着てても貴族ってわかるんですから」
「でも俺根っからの貴族じゃないよ?平民と変わんないでしょ」
「高等教育を受けた人間は立ち居振る舞いが平民と異なります。それに見た目も。手入れされた肌と髪は見ればすぐにわかるものですよ」
「あー、髪か。それは確かに」
話を聞いて自分の紅茶色の髪に触れる。毎日手入れされているからツヤツヤでサラサラだ。これは確かに平民では持ち得ないものかもしれない。
俺たちは今ステッラ商会の制服に身を包み、商会の馬車に乗って孤児院へ向かっている。その道すがら俺は2人からの忠告に素直に耳を傾けていた。我儘を通した自覚はある。ここから先は2人の側を離れないでいようと素直に頷いた。
しかしどことなく2人は疑わしげだ。ご心配をおかけします。
そうして家の馬車よりガタガタ揺れる馬車に乗って辿り着いた孤児院は、俺がかつて娼館の窓から眺めていた他より少し背の高い、赤茶色のとんがり屋根の建物だった。
「先に俺が行って院長先生に事情を説明します。構いませんよね?」
「ええ、その方がいいでしょう。頼みます」
商会の馬車を置いて先にエヴァンドロが中へ入っていく。彼が出てくるまでの間、俺は孤児院の周囲をぐるりと見回した。
この中ではそこそこ大きな孤児院の正面には小さな広場があって、その先に長屋のような住居が並んでいる。建物はどれも古く、中にはドアや窓が壊れているものもある。広場には3軒ほど小ぶりなテントを張った物売りがいるが客はまばらだ。行き交う人も平民街や貴族街に比べて圧倒的に少ないし、その少ない人々は突然やってきた俺たちを警戒して見ている。
「許可が降りました。中へどうぞ」
「よ、ようこそいらっしゃいました。皆様どうぞこちらへ!」
しばらくするとエヴァンドロと共に出てきた壮年の男性院長は商会の従業員に扮した俺にぺこぺこと頭を下げる。玄関先でそれは非常に目立つ。慌てて中へ案内してもらって、俺とエヴァンドロ、ブリジッタは院長室へと通された。
商会の従業員たちは既にスタッフと顔見知りなので先に俺からのお土産を配ってもらいに行った。その間に院長に寄付のことを聞いてみると、院長は目尻に皺を深く刻みながら嬉しげに微笑みを浮かべた。
「皆辺境伯夫君様のお心遣いに感謝しております。子供たちも、新しい寝具や洋服に大いに喜んでおりましたよ。これで今年の冬は少しは温かく過ごさせてやれます」
「ああ、それならよかった。お役に立てて光栄です」
真の目的はエヴァンドロに恩を売るためだが、それで幼い命が安全に暮らしていけるなら一石二鳥だ。院長の言葉にほっと胸を撫で下ろした。
あなたにおすすめの小説
王太子に「戦友としか思えない」と言われたので、婚約を解消しました
明衣令央
恋愛
婚約者である王太子ヘンリーから「君のことは戦友としか思えない」と告げられた、公爵令嬢アリスティア。
十年以上の王妃教育を積んできた彼女は、静かに婚約解消を受け入れる。
一年後、幸せな結婚を迎えた彼女にとって、ヘンリーのその後は――もうどうでもいいことだった。
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる
猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。
しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。
当然そんな未来は回避したい。
原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。
さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……?
平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。
ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)
愛する公爵と番になりましたが、大切な人がいるようなので身を引きます
まんまる
BL
メルン伯爵家の次男ナーシュは、10歳の時Ωだと分かる。
するとすぐに18歳のタザキル公爵家の嫡男アランから求婚があり、あっという間に婚約が整う。
初めて会った時からお互い惹かれ合っていると思っていた。
しかしアランにはナーシュが知らない愛する人がいて、それを知ったナーシュはアランに離婚を申し出る。
でもナーシュがアランの愛人だと思っていたのは⋯。
執着系α×天然Ω
年の差夫夫のすれ違い(?)からのハッピーエンドのお話です。
Rシーンは※付けます
※画像は男の子メーカーpicrewさんよりお借りしました。
※画像はpicrewさんよりお借りしました。
Xアカウント(@wawawa_o_o_)
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
ただのハイスペックなモブだと思ってた
はぴねこ
BL
神乃遥翔(じんの はると)は自分のことをモブだと思っていた。
少年漫画ではいつだって、平凡に見えて何か一つに秀でている人物が主人公だったから。
その点、遥翔は眉目秀麗文武両道、家も財閥の超お金持ち。
一通りのことがなんでも簡単にできる自分は夢中になれるものもなくて、きっと漫画のモブみたいに輝く主人公を引き立てるモブのように生きるのだと、そう遥翔は思っていた。
けれど、そんな遥翔に勉強を教わりに来ている葛城星 (かつらぎ ほし)は言った。
「BL漫画の中では、神乃くんみたいな人がいつだって主人公なんだよ?」
そう言って、星が貸してくれた一冊のBL漫画が遥翔の人生を一変させた。
自分にも輝ける人生を歩むことができるのかもしれないと希望を持った遥翔は、そのことを教えてくれた星に恋をする。
だけど、恋をした途端、星には思い人がいることに気づいてしまって……
眉目秀麗文武両道で完璧だけど漫画脳な遥翔が、お人好しで気弱な星の心に少しずつ少しずつ近づこうと頑張るお話です。
貧乏子爵のオメガ令息は、王子妃候補になりたくない
こたま
BL
山あいの田舎で、子爵とは名ばかりの殆ど農家な仲良し一家で育ったラリー。男オメガで貧乏子爵。このまま実家で生きていくつもりであったが。王から未婚の貴族オメガにはすべからく王子妃候補の選定のため王宮に集うようお達しが出た。行きたくないしお金も無い。辞退するよう手紙を書いたのに、近くに遠征している騎士団が帰る時、迎えに行って一緒に連れていくと連絡があった。断れないの?高貴なお嬢様にイジメられない?不安だらけのラリーを迎えに来たのは美丈夫な騎士のニールだった。