1 / 77
玉の輿だったはずなのに!
サルビエト王国歴896年、芽吹の精霊月。
新緑が眩しい暖かな季節の晴れた日の午後。王都にある煌びやかな装飾が施された国内屈指の歴史を誇る教会で、俺は人生の岐路に立っていた。
明るい初夏の日差しが差し込む教会の中、穏やかな表情を浮かべた神官の前に俺は彼と2人並んで立つ。
花の刺繍が彩る伝統的な婚礼衣装に身を包む俺と彼。輿入れする俺の衣装は赤を基調としたローブにカラフルな花の刺繍が大量に刺してある非常に華やかなもの。紅茶色の髪を飾るアクセサリーも金や宝石でガチャガチャしている。
対して夫となる彼は白いローブの裾や襟元に同系統の白やシルバーで華美になりすぎない程度に刺繍が刺されたすっきりしたもの。綺麗なプラチナブロンドとも統一感がある。身に付けたアクセサリーも彼の身分を示す古い指輪だけだ。
方向性の違う華やかさを纏った俺たちと神官の間には小さなテーブルが一つ。そこには一枚の紙が置かれている。ちなみに紙も見るからに高級感の漂う代物である。そこに書かれている文字は結婚宣誓書、だ。
そう、今日は俺の結婚式なのだ。
「汝、バルトロメーオの息子ルキーノ・デ・ベネディクティスはネロを伴侶とし、愛と誠実を以て生涯を共に歩むと誓いますか?」
「誓います」
「汝、ネロはルキーノ・デ・ベネディクティスを伴侶とし、愛と誠実を以て生涯を共に歩むと誓いますか?」
「誓います」
神官からの問いかけにまず彼が応え、同じように問われて俺も頷く。ちらりと横目で盗み見た彼は眉間に皺を寄せた厳しい顔つきで真っ直ぐに正面を見据えていた。
切れ長の鋭い目に引き結ばれた口元のせいで正直怒っているようにしか見えない。一応はめでたい場であるはずなのだから、もう少し明るい表情をしてもらいたいものだ。隣で俺がそんな風に考えているなどつゆ知らず、進行役でもある神官は段取り通りに式を進めていく。
「では、こちらの結婚宣誓書にサインを」
そう言われて先にペンを取ったのは彼だ。不機嫌そうに見える顔のまま澱みなくペンを滑らせ、顔つきに似合いの神経質そうな文字で自らの名を綴る。
彼の名はルキーノ・デ・ベネディクティス。俺の夫となるアルファの男。
次いで俺もペンを取り、ルキーノの横に名前を書く。俺の名前はネロ。彼の伴侶となるオメガの男だ。
俺は今日からネロ・デ・ベネディクティス。ベネディクティス辺境伯家の当主ルキーノの伴侶。いずれは彼の番になるオメガの後夫。それを改めて認識した瞬間、俺の頭は何かで思いっきり殴られたような衝撃を受けた。
「っ……!?」
ずきりと頭が痛み慌てて顔を伏せる。突然の衝撃と痛みに驚く間もなく、頭の中に何かがどっと流れ込んできた。
『おい、祥子。頼まれてた新刊買ってきてやったぞ』
『マジ?兄ちゃんありがと!助かる~!』
『あっ、こらちゃんと先に金払え。金払ったの俺だぞ』
『えぇ?だって待ちきないんだもん。後で払うから先読ませて!』
堰を切ったかのように頭に流れ込んでくるのは沢山の知らない言葉と見慣れない景色。四角い部屋に雑多によくわからない物が並べられていて、視界の中心には黒髪の男女。男から本を受け取った女の子が嬉しそうに笑っている。それを俺はベッドらしきものに寝転がった「誰か」の視点を通して見ていた。
『全く、しゃーないな。ちゃんと後で払えよ』
『はーい』
苦笑いを浮かべる男に向かって明るく返事を返した女の子がバタンと部屋の扉を閉める。その瞬間に景色がぱっと切り替わり、今度は目線の先に一冊の本があった。
本に綴られているのは見慣れない文字だ。でも初めて見る感じはしない。どこかで見たことがあるような妙な懐かしさを感じる。
『うわ、マジでルキーノ死んだよ』
『あ、祥平ちゃんもそこまで読んだ?一族郎党皆殺しとかすごいよねぇ。オメガの後妻?後夫?とかとんだとばっちりじんゃね。何も関係ないのに若くして殺されちゃうなんて可哀想~』
俺の視点の誰かが漏らした言葉にさっきの女の子が反応する。座っていた椅子から身を乗り出してきた彼女の顔はどことなく見覚えがあった。何でだろう。
いや、それよりも今なんて言った?
ルキーノが死んで、一族全員殺された。そのとばっちりを受けたオメガの後夫……?
ゾッと背筋に冷たいものが落ちる。だって、それはまさに俺のことじゃないか?
『まあ、悪役の最後は悲惨なほどみんな喜ぶんだよ。みんな好きじゃん?ザマァされるの』
『確かに~』
俺の視点である「誰か」と女の子はそう言って笑う。
頭の中の何かが告げている。俺は知っているのだと。今脳裏に流れる世界のことを。そして今隣に立っている彼の行く末を。
彼は遠からず死ぬ。国家転覆を狙った逆賊として捕らえられ、俺を含む一族全員と共に断頭台の露と消える運命だ。俺の中にある謎のビジョンがそう伝えてくる。
一体これは何なんだ?どういうことだ……?!
「建国王ラディウスと守護精霊の御名において、ここに夫婦の誓いは結ばれました。ベネディクティス辺境伯、そして伴侶様どうぞ末永くお幸せに」
一人混乱を極めていた俺は祝福を告げる神官の声にハッとする。そうだった。今は結婚式の真っ最中だ。
浅くなる息を押し殺し、平静を装って神官を見つめる。しかし神官に変わった様子はなく、俺たちの婚姻を心から寿いでいるように見える。そして隣で俺に手を差し出している彼も相変わらずの硬い表情だ。どうやらさっきのビジョンは俺だけに見えたものらしい。
「どうした。行くぞ」
「は、はい」
慌てて鉄仮面かっていうくらいの顰め面で差し伸べられた手に手を重ね、2人並んで外への扉へ向かって歩く。
気分が悪い。知っているようで知らない情景が今も脳内を駆け巡り、ぐらぐらと揺れる脳みそに今にも倒れてしまいそうだ。少ない参列者から贈られる拍手も俺の気分の悪さを助長するばかりだった。
開かれた扉から出れば真っ青に晴れた気持ちのいい天気。それを見て天も俺を祝福しているのだと思っていた数分前が嘘のようだ。
「我が番よ、これでお前はベネディクティス辺境伯家に名を連ねた。これからはその名に恥じぬ振る舞いを期待する」
「心得ております。ベネディクティス様」
甘さなど皆無の硬い声で淡々と告げられた言葉に作り笑いを浮かべて頷く。太陽の光を受けてきらきら輝く彼のプラチナブロンド。その眩しさに目を細めながら俺はひっくり返りそうな胃をそっと押さえた。
どうやら俺は玉の輿じゃなくて泥舟に乗ってしまったらしい……?
新緑が眩しい暖かな季節の晴れた日の午後。王都にある煌びやかな装飾が施された国内屈指の歴史を誇る教会で、俺は人生の岐路に立っていた。
明るい初夏の日差しが差し込む教会の中、穏やかな表情を浮かべた神官の前に俺は彼と2人並んで立つ。
花の刺繍が彩る伝統的な婚礼衣装に身を包む俺と彼。輿入れする俺の衣装は赤を基調としたローブにカラフルな花の刺繍が大量に刺してある非常に華やかなもの。紅茶色の髪を飾るアクセサリーも金や宝石でガチャガチャしている。
対して夫となる彼は白いローブの裾や襟元に同系統の白やシルバーで華美になりすぎない程度に刺繍が刺されたすっきりしたもの。綺麗なプラチナブロンドとも統一感がある。身に付けたアクセサリーも彼の身分を示す古い指輪だけだ。
方向性の違う華やかさを纏った俺たちと神官の間には小さなテーブルが一つ。そこには一枚の紙が置かれている。ちなみに紙も見るからに高級感の漂う代物である。そこに書かれている文字は結婚宣誓書、だ。
そう、今日は俺の結婚式なのだ。
「汝、バルトロメーオの息子ルキーノ・デ・ベネディクティスはネロを伴侶とし、愛と誠実を以て生涯を共に歩むと誓いますか?」
「誓います」
「汝、ネロはルキーノ・デ・ベネディクティスを伴侶とし、愛と誠実を以て生涯を共に歩むと誓いますか?」
「誓います」
神官からの問いかけにまず彼が応え、同じように問われて俺も頷く。ちらりと横目で盗み見た彼は眉間に皺を寄せた厳しい顔つきで真っ直ぐに正面を見据えていた。
切れ長の鋭い目に引き結ばれた口元のせいで正直怒っているようにしか見えない。一応はめでたい場であるはずなのだから、もう少し明るい表情をしてもらいたいものだ。隣で俺がそんな風に考えているなどつゆ知らず、進行役でもある神官は段取り通りに式を進めていく。
「では、こちらの結婚宣誓書にサインを」
そう言われて先にペンを取ったのは彼だ。不機嫌そうに見える顔のまま澱みなくペンを滑らせ、顔つきに似合いの神経質そうな文字で自らの名を綴る。
彼の名はルキーノ・デ・ベネディクティス。俺の夫となるアルファの男。
次いで俺もペンを取り、ルキーノの横に名前を書く。俺の名前はネロ。彼の伴侶となるオメガの男だ。
俺は今日からネロ・デ・ベネディクティス。ベネディクティス辺境伯家の当主ルキーノの伴侶。いずれは彼の番になるオメガの後夫。それを改めて認識した瞬間、俺の頭は何かで思いっきり殴られたような衝撃を受けた。
「っ……!?」
ずきりと頭が痛み慌てて顔を伏せる。突然の衝撃と痛みに驚く間もなく、頭の中に何かがどっと流れ込んできた。
『おい、祥子。頼まれてた新刊買ってきてやったぞ』
『マジ?兄ちゃんありがと!助かる~!』
『あっ、こらちゃんと先に金払え。金払ったの俺だぞ』
『えぇ?だって待ちきないんだもん。後で払うから先読ませて!』
堰を切ったかのように頭に流れ込んでくるのは沢山の知らない言葉と見慣れない景色。四角い部屋に雑多によくわからない物が並べられていて、視界の中心には黒髪の男女。男から本を受け取った女の子が嬉しそうに笑っている。それを俺はベッドらしきものに寝転がった「誰か」の視点を通して見ていた。
『全く、しゃーないな。ちゃんと後で払えよ』
『はーい』
苦笑いを浮かべる男に向かって明るく返事を返した女の子がバタンと部屋の扉を閉める。その瞬間に景色がぱっと切り替わり、今度は目線の先に一冊の本があった。
本に綴られているのは見慣れない文字だ。でも初めて見る感じはしない。どこかで見たことがあるような妙な懐かしさを感じる。
『うわ、マジでルキーノ死んだよ』
『あ、祥平ちゃんもそこまで読んだ?一族郎党皆殺しとかすごいよねぇ。オメガの後妻?後夫?とかとんだとばっちりじんゃね。何も関係ないのに若くして殺されちゃうなんて可哀想~』
俺の視点の誰かが漏らした言葉にさっきの女の子が反応する。座っていた椅子から身を乗り出してきた彼女の顔はどことなく見覚えがあった。何でだろう。
いや、それよりも今なんて言った?
ルキーノが死んで、一族全員殺された。そのとばっちりを受けたオメガの後夫……?
ゾッと背筋に冷たいものが落ちる。だって、それはまさに俺のことじゃないか?
『まあ、悪役の最後は悲惨なほどみんな喜ぶんだよ。みんな好きじゃん?ザマァされるの』
『確かに~』
俺の視点である「誰か」と女の子はそう言って笑う。
頭の中の何かが告げている。俺は知っているのだと。今脳裏に流れる世界のことを。そして今隣に立っている彼の行く末を。
彼は遠からず死ぬ。国家転覆を狙った逆賊として捕らえられ、俺を含む一族全員と共に断頭台の露と消える運命だ。俺の中にある謎のビジョンがそう伝えてくる。
一体これは何なんだ?どういうことだ……?!
「建国王ラディウスと守護精霊の御名において、ここに夫婦の誓いは結ばれました。ベネディクティス辺境伯、そして伴侶様どうぞ末永くお幸せに」
一人混乱を極めていた俺は祝福を告げる神官の声にハッとする。そうだった。今は結婚式の真っ最中だ。
浅くなる息を押し殺し、平静を装って神官を見つめる。しかし神官に変わった様子はなく、俺たちの婚姻を心から寿いでいるように見える。そして隣で俺に手を差し出している彼も相変わらずの硬い表情だ。どうやらさっきのビジョンは俺だけに見えたものらしい。
「どうした。行くぞ」
「は、はい」
慌てて鉄仮面かっていうくらいの顰め面で差し伸べられた手に手を重ね、2人並んで外への扉へ向かって歩く。
気分が悪い。知っているようで知らない情景が今も脳内を駆け巡り、ぐらぐらと揺れる脳みそに今にも倒れてしまいそうだ。少ない参列者から贈られる拍手も俺の気分の悪さを助長するばかりだった。
開かれた扉から出れば真っ青に晴れた気持ちのいい天気。それを見て天も俺を祝福しているのだと思っていた数分前が嘘のようだ。
「我が番よ、これでお前はベネディクティス辺境伯家に名を連ねた。これからはその名に恥じぬ振る舞いを期待する」
「心得ております。ベネディクティス様」
甘さなど皆無の硬い声で淡々と告げられた言葉に作り笑いを浮かべて頷く。太陽の光を受けてきらきら輝く彼のプラチナブロンド。その眩しさに目を細めながら俺はひっくり返りそうな胃をそっと押さえた。
どうやら俺は玉の輿じゃなくて泥舟に乗ってしまったらしい……?
あなたにおすすめの小説
王太子に「戦友としか思えない」と言われたので、婚約を解消しました
明衣令央
恋愛
婚約者である王太子ヘンリーから「君のことは戦友としか思えない」と告げられた、公爵令嬢アリスティア。
十年以上の王妃教育を積んできた彼女は、静かに婚約解消を受け入れる。
一年後、幸せな結婚を迎えた彼女にとって、ヘンリーのその後は――もうどうでもいいことだった。
処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる
猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。
しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。
当然そんな未来は回避したい。
原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。
さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……?
平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。
ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
愛する公爵と番になりましたが、大切な人がいるようなので身を引きます
まんまる
BL
メルン伯爵家の次男ナーシュは、10歳の時Ωだと分かる。
するとすぐに18歳のタザキル公爵家の嫡男アランから求婚があり、あっという間に婚約が整う。
初めて会った時からお互い惹かれ合っていると思っていた。
しかしアランにはナーシュが知らない愛する人がいて、それを知ったナーシュはアランに離婚を申し出る。
でもナーシュがアランの愛人だと思っていたのは⋯。
執着系α×天然Ω
年の差夫夫のすれ違い(?)からのハッピーエンドのお話です。
Rシーンは※付けます
※画像は男の子メーカーpicrewさんよりお借りしました。
※画像はpicrewさんよりお借りしました。
Xアカウント(@wawawa_o_o_)
過労死転生した公務員、魔力がないだけで辺境に追放されたので、忠犬騎士と知識チートでざまぁしながら領地経営はじめます
水凪しおん
BL
過労死した元公務員の俺が転生したのは、魔法と剣が存在する異世界の、どうしようもない貧乏貴族の三男だった。
家族からは能無しと蔑まれ、与えられたのは「ゴミ捨て場」と揶揄される荒れ果てた辺境の領地。これは、事実上の追放だ。
絶望的な状況の中、俺に付き従ったのは、無口で無骨だが、その瞳に確かな忠誠を宿す一人の護衛騎士だけだった。
「大丈夫だ。俺がいる」
彼の言葉を胸に、俺は決意する。公務員として培った知識と経験、そして持ち前のしぶとさで、この最悪な領地を最高の楽園に変えてみせると。
これは、不遇な貴族と忠実な騎士が織りなす、絶望の淵から始まる領地改革ファンタジー。そして、固い絆で結ばれた二人が、やがて王国を揺るがす運命に立ち向かう物語。
無能と罵った家族に、見て見ぬふりをした者たちに、最高の「ざまぁ」をお見舞いしてやろうじゃないか!
【完結】ダンスパーティーで騎士様と。〜インテリ俺様騎士団長α×ポンコツ元ヤン転生Ω〜
亜沙美多郎
BL
前世で元ヤンキーだった橘茉優(たちばなまひろ)は、異世界に転生して数ヶ月が経っていた。初めこそ戸惑った異世界も、なんとか知り合った人の伝でホテルの料理人(とは言っても雑用係)として働くようになった。
この世界の人はとにかくパーティーが好きだ。どの会場も予約で連日埋まっている。昼でも夜でも誰かしらが綺麗に着飾ってこのホテルへと足を運んでいた。
その日は騎士団員が一般客を招いて行われる、ダンスパーティーという名の婚活パーティーが行われた。
騎士という花型の職業の上、全員αが確約されている。目をぎらつかせた女性がこぞってホテルへと押しかけていた。
中でもリアム・ラミレスという騎士団長は、訪れた女性の殆どが狙っている人気のα様だ。
茉優はリアム様が参加される日に補充員としてホールの手伝いをするよう頼まれた。
転生前はヤンキーだった茉優はまともな敬語も喋れない。
それでもトンチンカンな敬語で接客しながら、なんとか仕事をこなしていた。
リアムという男は一目でどの人物か分かった。そこにだけ人集りができている。
Ωを隠して働いている茉優は、仕事面で迷惑かけないようにとなるべく誰とも関わらずに、黙々と料理やドリンクを運んでいた。しかし、リアムが近寄って来ただけで発情してしまった。
リアムは茉優に『運命の番だ!』と言われ、ホテルの部屋に強引に連れて行かれる。襲われると思っていたが、意外にも茉優が番になると言うまでリアムからは触れてもこなかった。
いよいよ番なった二人はラミレス邸へと移動する。そこで見たのは見知らぬ美しい女性と仲睦まじく過ごすリアムだった。ショックを受けた茉優は塞ぎ込んでしまう。
しかし、その正体はなんとリアムの双子の兄弟だった。パーティーに参加していたのは弟のリアムに扮装した兄のエリアであった。
エリアの正体は公爵家の嫡男であり、後継者だった。侯爵令嬢との縁談を断る為に自分だけの番を探していたのだと言う。
弟のリアムの婚約発表のお茶会で、エリアにも番が出来たと報告しようという話になったが、当日、エリアの目を盗んで侯爵令嬢ベイリーの本性が剥き出しとなる。
お茶会の会場で下民扱いを受けた茉優だったが……。
♡読者様1300over!本当にありがとうございます♡
※独自のオメガバース設定があります。
※予告なく性描写が入ります。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
後悔なんて知ったことではありません!~ボクの正体は創造神です。うっかり自分の世界に転生しました。~
竜鳴躍
BL
転生する人を見送ってきた神様が、自分が創造した世界に誤って転生してしまった。大好きな人を残して。転生先の伯爵家では、醜く虐げる人たち。
いいよ、こんな人たち、ボクの世界には要らない!後悔しても知ーらない!
誰かに似ている従者1人を伴って、創造神スキルで自由に無双!
…………残してきた大好きな人。似ている侍従。
あれ……?この気持ちは何だろう………。
☆短編に変更しました。