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迷子の救世主
それからしばらく俺は母を探した。落ち着きなく周囲を見回しながら歩く俺は行き交う貴族たちにとってはさぞ奇異に映ったことだろう。だがそんなことを気にしている余裕は俺にはなかった。
だって10年以上前に別れた母なのだ。娼館にいる時も何度も会いたいと思った大切な母なのだ。彼女が今どうしているのかも知りたかったし、俺がちゃんと生きていることを伝えたかった。
彼女は俺が自身の夫となった男に売られたことも知らず、どこかの裕福な家庭に貰われて幸せに生きていると思っている。合わせる顔がないと思っていたけど、その嘘が真実になった今なら会えると思った。
久しぶり。元気にしてた?母さん、と笑って。
そうして懐かしい後ろ姿を探す俺であったが、完全に見失ったと気づくのにそう時間はかからなかった。
「ダメだ見つからない」
大通りから逸れた小さな店が並ぶ落ち着いた脇道で立ち止まり、諦めのため息を吐く。これ以上闇雲に探しても意味はないだろう。
平民の母が貴族街にいた理由はわからないけど、もし彼女が貴族の地位を得ているか、どこかの家に仕えているなら調べれば居場所がわかるかもしれない。ここは手に入れた権力を使う時。戻ってルキーノにお願いしようと顔を上げ、振り返ってはたと気づいた。
「おっとぉ……?俺どっちから来た?」
何ということでしょう。母を探すことに集中しすぎてここがどこだか全くわからない。時間的にそこまで離れたところには行ってないはずだけど、何回道を曲がったのかサッパリだ。
「と、とりあえず大通りに出よう」
さっきとは別の意味できょろきょろと辺りを見回しながら来た道を戻ってみる。貴族街は王都の警備隊が巡回してるはずだから見かけたら道を聞いて案内してもらえれば戻れるはずだ。
ちなみに街を歩いている貴族っぽい人にはあまり声をかけない方がいい。うっかり目上に声かけちゃうと面倒なことになりかねないからね。
どこも似たような街並みの中、前方に濃紺の軍服っぽい服を着た後ろ姿を見つける。あれは多分警備隊の制服だ。今度は見失ってなるものかと俺は小走りでその後ろ姿に駆け寄った。
「すみません、ちょっといいですか?」
「はい!どうされましたか?」
「道に迷ってしまって、大通りにあるローニヤ文具屋に行きたいのです……が」
言いながら警備兵の顔を見た瞬間、俺の体と思考は一瞬止まった。
この金髪緑眼、ちょっと幼く見えるヤンチャ系の顔立ちに爽やかな笑顔。上位アルファ特有の人を惹きつける強いオーラ。物凄く、ものすごーく見覚えがある。この警備兵、俺が探してた『主人公』にそっくりですね。
は?いやいや、そんなことある?本日2回目の衝撃なんですけど。
「ローニヤ文具店ですね。わかりました。ご案内しましょう……どうされました?」
「あっ、なんでもないです!お願いします」
不思議そうに声をかけられてハッとする。ここで不審に思われちゃいけない。今まで培った技術を総動員して作り笑いを浮かべると暫定主人公は俺を先導して歩き始めた。
俺は暫定主人公の少し後ろを歩きながら、それとなく彼を観察する。
うん、間違いない。こいつはサルビエト王国再生記の主人公だ。
主人公の名前はエヴァンドロ。金髪緑眼のアルファ。通称はエヴァで、王都の警備隊に所属している。そこで名を上げて騎士爵を得て、王宮の騎士団に鳴物入りで入隊する……はず。その後の養子先は確かアマーティ侯爵家だ。
王都警備隊としてここにいるってことはまだエヴァンドロは平民。これは朗報だ。ルキーノの破滅までまだ余裕がある。
このタイミングで遭遇できるなんてラッキーだ。母といいエヴァンドロといい、初めての外出で見つけるなんて精霊は俺に甘いのかもしれない。
「昼間の貴族街とはいえ、若いオメガの方の独り歩きは危ないですよ。護衛の方はいらっしゃらないのですか?」
「連れはローニヤ文具店にいます。少し気になることがあって1人で店を出てしまって」
「それで迷子に?」
「はい……」
襟元から見えるネックガードで俺がオメガと気付いたのだろう。丁寧な物言いで苦言を呈したエヴァンドロに俺は苦く笑う。自分でも褒められた行動じゃないとは思っているのだ。
多分、ルキーノは怒っているだろうし目を離したブリジッタは責められているかもしれない。今更ながらにそれに思い至り、早く帰らなければという焦りが湧き上がってきた。
あと今気づいたけど俺の手には勝手に持ち出したオペラグラスがある。これ普通に万引きじゃん。どうしよ貴族の風上にも置けない行い!ヤバい離婚されちゃう!
「ま、まだですか?」
「もうすぐ大通りに出ますからね。大通りを出たらすぐですから安心してください」
急に落ち着きがなくなった俺を安心させるようにエヴァンドロが優しく答える。明るい笑顔がルキーノとは別のベクトルで眩しい。
「大通りを外れると慣れている人間でも迷うことがありますからね。斯く言う私も配属当初はよく迷って、必死で地図を覚えたものです」
「そうなんですか。警備隊の方は見回りがあるから大変ですね」
「いえいえ、これも街の治安のためですから。苦じゃありませんよ」
焦る俺の気を落ち着けようとしているのだろうか、世間話で場を繋いでくれるエヴァンドロ。小説同様気さくな人物のようだ。
主人公であるエヴァンドロは俺の人生を左右する存在。できる限りコミュニケーションを取って情報を得ておかなければならないのに、ルキーノの怒りが気になってそれどころじゃない。エヴァンドロの話を若干うわの空で聞いているうちに俺たちは大通りに出ていた。
「ネロ様、お探ししておりました」
「あ、護衛の人!探しにきてくれたのか……」
人混みを掻き分けて俺とエヴァンドロの前にやってきたのは今日俺とルキーノの護衛として着いてきていた男の1人だ。どうやら突然消えた俺を探してくれていたらしい。
「お姿が見えないと騒ぎになっております。さあ、戻りましょう」
「え、あぁ、うん」
手を差し伸べてくる壮年の護衛の男。何となく応じるのは躊躇われて戸惑っていると男は一瞬眉を顰め、次いで何もなかったかのように笑顔でその手を下げた。
そして横にいるエヴァンドロを強く睨みつける。
「ご苦労だったな。後は私が引き継ごう」
「いえ、私にも責任がありますのでローニヤ文具店までお供いたします」
「不要だが」
「え?いいじゃないですか。エヴァンドロさんお願いします」
せっかく主人公に会ったのにここで別れてたまるものか。エヴァンドロの好意に全力で乗っかってローニヤ文具店まで一緒に来てもらうことにした。
「ネロ様が仰るなら……」
何故か非常に不本意そうな護衛。いや別にあなたに不満があるわけじゃないから気にするなよ。
だって10年以上前に別れた母なのだ。娼館にいる時も何度も会いたいと思った大切な母なのだ。彼女が今どうしているのかも知りたかったし、俺がちゃんと生きていることを伝えたかった。
彼女は俺が自身の夫となった男に売られたことも知らず、どこかの裕福な家庭に貰われて幸せに生きていると思っている。合わせる顔がないと思っていたけど、その嘘が真実になった今なら会えると思った。
久しぶり。元気にしてた?母さん、と笑って。
そうして懐かしい後ろ姿を探す俺であったが、完全に見失ったと気づくのにそう時間はかからなかった。
「ダメだ見つからない」
大通りから逸れた小さな店が並ぶ落ち着いた脇道で立ち止まり、諦めのため息を吐く。これ以上闇雲に探しても意味はないだろう。
平民の母が貴族街にいた理由はわからないけど、もし彼女が貴族の地位を得ているか、どこかの家に仕えているなら調べれば居場所がわかるかもしれない。ここは手に入れた権力を使う時。戻ってルキーノにお願いしようと顔を上げ、振り返ってはたと気づいた。
「おっとぉ……?俺どっちから来た?」
何ということでしょう。母を探すことに集中しすぎてここがどこだか全くわからない。時間的にそこまで離れたところには行ってないはずだけど、何回道を曲がったのかサッパリだ。
「と、とりあえず大通りに出よう」
さっきとは別の意味できょろきょろと辺りを見回しながら来た道を戻ってみる。貴族街は王都の警備隊が巡回してるはずだから見かけたら道を聞いて案内してもらえれば戻れるはずだ。
ちなみに街を歩いている貴族っぽい人にはあまり声をかけない方がいい。うっかり目上に声かけちゃうと面倒なことになりかねないからね。
どこも似たような街並みの中、前方に濃紺の軍服っぽい服を着た後ろ姿を見つける。あれは多分警備隊の制服だ。今度は見失ってなるものかと俺は小走りでその後ろ姿に駆け寄った。
「すみません、ちょっといいですか?」
「はい!どうされましたか?」
「道に迷ってしまって、大通りにあるローニヤ文具屋に行きたいのです……が」
言いながら警備兵の顔を見た瞬間、俺の体と思考は一瞬止まった。
この金髪緑眼、ちょっと幼く見えるヤンチャ系の顔立ちに爽やかな笑顔。上位アルファ特有の人を惹きつける強いオーラ。物凄く、ものすごーく見覚えがある。この警備兵、俺が探してた『主人公』にそっくりですね。
は?いやいや、そんなことある?本日2回目の衝撃なんですけど。
「ローニヤ文具店ですね。わかりました。ご案内しましょう……どうされました?」
「あっ、なんでもないです!お願いします」
不思議そうに声をかけられてハッとする。ここで不審に思われちゃいけない。今まで培った技術を総動員して作り笑いを浮かべると暫定主人公は俺を先導して歩き始めた。
俺は暫定主人公の少し後ろを歩きながら、それとなく彼を観察する。
うん、間違いない。こいつはサルビエト王国再生記の主人公だ。
主人公の名前はエヴァンドロ。金髪緑眼のアルファ。通称はエヴァで、王都の警備隊に所属している。そこで名を上げて騎士爵を得て、王宮の騎士団に鳴物入りで入隊する……はず。その後の養子先は確かアマーティ侯爵家だ。
王都警備隊としてここにいるってことはまだエヴァンドロは平民。これは朗報だ。ルキーノの破滅までまだ余裕がある。
このタイミングで遭遇できるなんてラッキーだ。母といいエヴァンドロといい、初めての外出で見つけるなんて精霊は俺に甘いのかもしれない。
「昼間の貴族街とはいえ、若いオメガの方の独り歩きは危ないですよ。護衛の方はいらっしゃらないのですか?」
「連れはローニヤ文具店にいます。少し気になることがあって1人で店を出てしまって」
「それで迷子に?」
「はい……」
襟元から見えるネックガードで俺がオメガと気付いたのだろう。丁寧な物言いで苦言を呈したエヴァンドロに俺は苦く笑う。自分でも褒められた行動じゃないとは思っているのだ。
多分、ルキーノは怒っているだろうし目を離したブリジッタは責められているかもしれない。今更ながらにそれに思い至り、早く帰らなければという焦りが湧き上がってきた。
あと今気づいたけど俺の手には勝手に持ち出したオペラグラスがある。これ普通に万引きじゃん。どうしよ貴族の風上にも置けない行い!ヤバい離婚されちゃう!
「ま、まだですか?」
「もうすぐ大通りに出ますからね。大通りを出たらすぐですから安心してください」
急に落ち着きがなくなった俺を安心させるようにエヴァンドロが優しく答える。明るい笑顔がルキーノとは別のベクトルで眩しい。
「大通りを外れると慣れている人間でも迷うことがありますからね。斯く言う私も配属当初はよく迷って、必死で地図を覚えたものです」
「そうなんですか。警備隊の方は見回りがあるから大変ですね」
「いえいえ、これも街の治安のためですから。苦じゃありませんよ」
焦る俺の気を落ち着けようとしているのだろうか、世間話で場を繋いでくれるエヴァンドロ。小説同様気さくな人物のようだ。
主人公であるエヴァンドロは俺の人生を左右する存在。できる限りコミュニケーションを取って情報を得ておかなければならないのに、ルキーノの怒りが気になってそれどころじゃない。エヴァンドロの話を若干うわの空で聞いているうちに俺たちは大通りに出ていた。
「ネロ様、お探ししておりました」
「あ、護衛の人!探しにきてくれたのか……」
人混みを掻き分けて俺とエヴァンドロの前にやってきたのは今日俺とルキーノの護衛として着いてきていた男の1人だ。どうやら突然消えた俺を探してくれていたらしい。
「お姿が見えないと騒ぎになっております。さあ、戻りましょう」
「え、あぁ、うん」
手を差し伸べてくる壮年の護衛の男。何となく応じるのは躊躇われて戸惑っていると男は一瞬眉を顰め、次いで何もなかったかのように笑顔でその手を下げた。
そして横にいるエヴァンドロを強く睨みつける。
「ご苦労だったな。後は私が引き継ごう」
「いえ、私にも責任がありますのでローニヤ文具店までお供いたします」
「不要だが」
「え?いいじゃないですか。エヴァンドロさんお願いします」
せっかく主人公に会ったのにここで別れてたまるものか。エヴァンドロの好意に全力で乗っかってローニヤ文具店まで一緒に来てもらうことにした。
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