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序章 ユイ編 第一章【完結済】
第一話 ぽちゃん ※第四話までやや残酷な描写が続きます。苦手な方は、要約からお読みください。
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序章 ユイ編。
『水神様に溺愛されたら、死に戻り巫女になりました。
――たとえ何度あなたを忘れても、私はきっとまた恋をします。』
これは、私がまだ「結花」になる前の物語。
前世なんてものがあると知るのは、
もっとずっと、後のことだけど――。
***
ぽちゃん。
その音がした瞬間、世界がふっと凍りついた。
重力に引きずられるように、私は暗い水へと沈んでいく。
冷たい水が肌を一気に締めつけ、胸の奥を刺すような冷たさが骨の髄まで流れ込んだ。
頭まで沈んだ瞬間――光も、音も、ぜんぶ消えた。
鼻の奥へ押し寄せた水が、ツンと鋭い痛みを突き立てる。
喉が焼けつき、肺はひっくり返るように痙攣して空気を求め、必死にもがいた。
――でも、息はできない。
吸えない。吐けない。
ただ水だけが、胸の奥へ、容赦なく押し込まれていく。
手足は必死に動かそうとするのに、足首に絡みつく“何か”がそれを阻んだ。
硬くて、冷たくて、底へと連れ戻そうとでもするように離れない。
……怖い。
水の中は、どうしてこんなにも暗くて、冷たくて、世界が遠いのだろう。
なのに――不思議だ。
私は知っていた。
ああ、まただ。
また、だ。
そんなはずない。
生まれて初めて溺れているはずなのに――どうして「また」なんて思うの?
――違う。
身体の奥のどこかが、確かに覚えているのだ。
死ぬ。
本来なら、ここで私は死ぬ。
なのに――
――終わらない。
「助けて」と叫びたいのに声にならない。
喉の奥で泡だけが弾け、ちいさく砕けて消えていく。
意識が黒の底へ沈みかけた、そのとき。
耳の奥で、遠い誰かの声が、そっと触れた。
――また、おいで。
懐かしい声だった。
聞いたことがあるはずのない声なのに、胸の奥をやさしく撫でていく響き。
水の闇に抱かれながら、私は思う。
――ああ、やっぱり。
私は、また死んだ。
『水神様に溺愛されたら、死に戻り巫女になりました。
――たとえ何度あなたを忘れても、私はきっとまた恋をします。』
これは、私がまだ「結花」になる前の物語。
前世なんてものがあると知るのは、
もっとずっと、後のことだけど――。
***
ぽちゃん。
その音がした瞬間、世界がふっと凍りついた。
重力に引きずられるように、私は暗い水へと沈んでいく。
冷たい水が肌を一気に締めつけ、胸の奥を刺すような冷たさが骨の髄まで流れ込んだ。
頭まで沈んだ瞬間――光も、音も、ぜんぶ消えた。
鼻の奥へ押し寄せた水が、ツンと鋭い痛みを突き立てる。
喉が焼けつき、肺はひっくり返るように痙攣して空気を求め、必死にもがいた。
――でも、息はできない。
吸えない。吐けない。
ただ水だけが、胸の奥へ、容赦なく押し込まれていく。
手足は必死に動かそうとするのに、足首に絡みつく“何か”がそれを阻んだ。
硬くて、冷たくて、底へと連れ戻そうとでもするように離れない。
……怖い。
水の中は、どうしてこんなにも暗くて、冷たくて、世界が遠いのだろう。
なのに――不思議だ。
私は知っていた。
ああ、まただ。
また、だ。
そんなはずない。
生まれて初めて溺れているはずなのに――どうして「また」なんて思うの?
――違う。
身体の奥のどこかが、確かに覚えているのだ。
死ぬ。
本来なら、ここで私は死ぬ。
なのに――
――終わらない。
「助けて」と叫びたいのに声にならない。
喉の奥で泡だけが弾け、ちいさく砕けて消えていく。
意識が黒の底へ沈みかけた、そのとき。
耳の奥で、遠い誰かの声が、そっと触れた。
――また、おいで。
懐かしい声だった。
聞いたことがあるはずのない声なのに、胸の奥をやさしく撫でていく響き。
水の闇に抱かれながら、私は思う。
――ああ、やっぱり。
私は、また死んだ。
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