水神様、いきなり巫女って言われても、恋もあやかしも難しすぎます! 〜こちら、帝都第一高校文芸部 あやかし相談室〜

猫屋敷むぎ

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序章 ユイ編 第一章【完結済】

第四話までの要約 ※残酷な描写が苦手な方はここからお読みください

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※残酷描写が苦手な方のための第一話から第四話のダイジェストです。

ぽちゃん。

私は湖に沈んだ。
足には重り――なぜ沈められたのか、理由は思い出せない。

何度も。何度でも。
水の中で気を失えば再び――

ぽちゃん。水の中。

けれど、胸の奥にただ一つ残っていた想いがあった。

「……生きたい」

何度沈んでも、気づけばまた同じ水の中に戻っている。
水面には小舟の底が見えるのに、それは果てしなく遠い。

冷たい水の感覚も、息が苦しくなる恐怖も消えてはくれない。
ただ、水底からいつも聞こえる“優しい声”だけが私を包んでいた。

――また、おいで。

その繰り返しの中で、
私は、ぼんやりと“誰かのために沈んだ”気がしていた。
大切だった誰か。
そして、心の奥が震える小さな声。

「やだよ、お姉ちゃん……」

その響きに、私は気づく。
――私には妹がいた。
笑って裾を掴んできた、小さくて可愛い家族が。

やがて私は、何度も沈みながら重りを外す方法を見つけ、
ようやく水面へと上がることに成功した。

懐かしい空気を吸い、水面から周囲を望む。
そこは湖。湖の中央には小島。
小舟に向かって“生きたい”と必死に手を伸ばす。

その小舟の上には、祈りを捧げる村人たち。
そして、泣き腫らした目で私を探す妹。
その横には、父と母もいた。

震える手を伸ばし、涙をこぼしながら――
助けたいという気持ちを必死に抑えていた。

村の古い掟。
“沈めだ巫女が戻ってきてはならない”という禁忌。

それでも――

「……私は、生きたい……!」

必死に叫んだ。
その声は、確かに家族へ届いた。

父は誰かに掴みかかり、
母は身を乗り出し、
妹は泣きながら私を呼んでいた。

そして私は思い出す。
――自分には生きたい理由があったこと。
まだ別れを言えていない、大切な人がいると。

だから、まだ終わってはいけない。

私は、生きる。

その意志だけが、何度繰り返されても、私を水面へ押し上げる。

しかし、決意と共に再び水面へ浮かび上がった、
その瞬間。

小舟から、大きな石を飛んできて――。
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