インキュバスには負けられない

小森 輝

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 そう力説されても、僕は首を傾げることしかできない。性行為のことを語られても、僕にはその経験というものがないから何も答えられない。
「つまり、セックスひ必要なのは愛なんだよ。お互いが愛し合って交わることをセックスと呼ぶんだ。それぐらいなら分かるだろ?」
「ま、まあ……」
 セックスがどうのこうのと言われているが、結局、それで何を分からせたいのか、そこがよく分からない。
「微妙な返事だが、分かってはくれたみたいだね。じゃあ、ここで質問を君に投げかけよう。仮に、私と君が愛し合っていたのならセックスを行うのもなんらおかしくはないよね?」
 仮の話であったとしても、僕とこの全裸男が愛し合って性行為を行うなんてことはあり得ない。なぜなら……。
「そ、それはおかしいだろ! 男同士で……そう言うのって……」
「おかしいというのなら、なぜおかしいのか説明してくれないか?」
「いや、だって……種の繁栄とか、そう言う意味で男同士でそう言うのをするのはおかしいだろ。子供を作るためなんだから」
「いいや。さっき説明したとおり、種を残すためならオナニーして射精した精液を女性の子宮に流し込めばいい。でも、そんなことはしない。つまり、セックスは種の繁栄のためではないんだよ。だから、男同士でセックスをしてもおかしくはない。男同士が愛し合ってもおかしくはないんだ」
 そう言って、僕の意見は否定されたが、納得はできていない。
「まあ、これから、納得していけばいいさ。セックスとは何か、愛とは何か、ペニスは何のためについているのか。それを知ることが、大人になるってことだよ、チェリーボーイ」
 纏められた気がするのだが、全く納得はいっていない。男性同士で愛し合うのはおかしいと思う。女性同士で愛し合うのは百合といって、そういったアニメもたくさんあるのだが、男同士となると、話が変わってくる。なんというか、汚い。
「あっ! 今、汚いって考えただろ! 何も知りもしないで、ただ先入観だけで汚いとか偏見にもほどがあるからね!」
 何も言ってないし、顔にも嫌悪感を出していないのに、そう言い当てられた。
「ま、まさか、お前、俺の考えてることが……」
「安心しな。全部ではないよ。けど、変なことを考えるとすぐに分かるからね?」
 こんな全裸の変質者みたいなやつだが、やはり、悪魔に変わりはないのだろう。
 しかし、そんな悪魔がいったい、僕と契約して何をする気なのだろうか。目的次第では、お払いを頼まなければならない。悪魔だし、神社とかではなく教会の神父様とかになるのだろうか。
 ともかく、こいつの目的を知らなければならない。心を読まれるのだから、なるべく気づかれないように慎重に話をしなければならない。
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