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1章: 学院内権力組織
新たな敵
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「・・・・・・あれ? 私、もしかして、履いてない?」
「今頃気付いたか」
憎しみに燃えたティラの視線がシュロムを串刺しにする。
「言っとくが、脱がしたのは俺じゃないぞ!」
「あなた以外に誰がいるっていうんですか!」
「医務室の職員(女)だ」
「何で医務室の職員が私のパンツを脱がすんですか! おかしいでしょ!」
「ああ、もう! すこぶる察しの悪い女だな! 理由くらい想像がつかないのかよ!」
「つきませんよ! 私、変態じゃありませんから」
「ああ、もう! いいか! お前あの時、自分が転落死するって思いこんでいただろ? そんな状態で少しでも尿意があったら、どうなる?」
「尿意ってまさか! 私・・・・・・そんなの、十三歳の時までだと思っていたのに」
「ああ、そうだよ。俺にそれ以上言わせるなよな! あんまり汚いからやむなく捨てたんだ。今日はノーパンで帰るとして、いずれどこかで替えのパンツを買ってくることだな。それよりお前、十三歳の時までってどういうことだ。お前今、一年生だから十五歳だよな? お前にとってあの記憶は、わずか二年前のことなのか? オネ・・・・・・」
「だあ!! もう、あなたとは話したくありません! 私まで頭がどうかしそうです!」
ティラは強引に話を切り上げてベッドから立ち上がる。
「おい、どこへ行くんだよ!?」
「もう体調は回復しました。帰ります」
起き上がったティラはシュロムを振り切る。ずっと仏頂面のまま医務室を出ようとして、すれ違いに入ってきた一人の女子生徒とすれ違う。
ティラの足はそこで止まった。
「あれ? ティラちゃん、元気?」
女子生徒は親し気に笑みを浮かべていたが、ティラの表情は少しも和んでいない。むしろ都合の悪い相手にでも出くわしたかのように少しばかり顔を歪めたくらいだ。
女子生徒は背丈から言って上級生だった。
オレンジ色の髪を後ろで縛り、制服も大半の生徒と同じように着崩している。
それでも意外なことに、彼女の右腕にも統制委員の腕章があった。
「リーナ先輩、どうしてここへ?」
「いや、二人にちょっと用があってさ」
――二人?
呆然とするティラを通り過ぎて、リーナがシュロムの前に立った。
「君、凄いね。Fクラスなのに公式戦でBクラスに勝つなんて。強いんだね」
リーナはそんな誉め言葉を並べながら、シュロムを興味深げに眺めた。
「それは・・・・・・どうも」
シュロムは極力視線を合わせないように顔を背けた。
また例の悪い癖が出始めていたのでやや猫背気味になる。
覗き込むように顔を近づけるリーナの、ティラとは違う少し大人っぽい色香。
こうして女子を間近で見ると、シュロムは彼女がどんなパンチラを見せてくれるのだろうかと、妄想してしまうのだ。
頭頂から爪先まで、健康体で引き締まった身体つき。
それにわずか数分からの行動からも伺わせる、蠱惑的な仕草。
こんな娘に廊下でしゃがむとかスカートがめくれるとか、そういううっかりなシチュエーションは似つかわしくない。
「今頃気付いたか」
憎しみに燃えたティラの視線がシュロムを串刺しにする。
「言っとくが、脱がしたのは俺じゃないぞ!」
「あなた以外に誰がいるっていうんですか!」
「医務室の職員(女)だ」
「何で医務室の職員が私のパンツを脱がすんですか! おかしいでしょ!」
「ああ、もう! すこぶる察しの悪い女だな! 理由くらい想像がつかないのかよ!」
「つきませんよ! 私、変態じゃありませんから」
「ああ、もう! いいか! お前あの時、自分が転落死するって思いこんでいただろ? そんな状態で少しでも尿意があったら、どうなる?」
「尿意ってまさか! 私・・・・・・そんなの、十三歳の時までだと思っていたのに」
「ああ、そうだよ。俺にそれ以上言わせるなよな! あんまり汚いからやむなく捨てたんだ。今日はノーパンで帰るとして、いずれどこかで替えのパンツを買ってくることだな。それよりお前、十三歳の時までってどういうことだ。お前今、一年生だから十五歳だよな? お前にとってあの記憶は、わずか二年前のことなのか? オネ・・・・・・」
「だあ!! もう、あなたとは話したくありません! 私まで頭がどうかしそうです!」
ティラは強引に話を切り上げてベッドから立ち上がる。
「おい、どこへ行くんだよ!?」
「もう体調は回復しました。帰ります」
起き上がったティラはシュロムを振り切る。ずっと仏頂面のまま医務室を出ようとして、すれ違いに入ってきた一人の女子生徒とすれ違う。
ティラの足はそこで止まった。
「あれ? ティラちゃん、元気?」
女子生徒は親し気に笑みを浮かべていたが、ティラの表情は少しも和んでいない。むしろ都合の悪い相手にでも出くわしたかのように少しばかり顔を歪めたくらいだ。
女子生徒は背丈から言って上級生だった。
オレンジ色の髪を後ろで縛り、制服も大半の生徒と同じように着崩している。
それでも意外なことに、彼女の右腕にも統制委員の腕章があった。
「リーナ先輩、どうしてここへ?」
「いや、二人にちょっと用があってさ」
――二人?
呆然とするティラを通り過ぎて、リーナがシュロムの前に立った。
「君、凄いね。Fクラスなのに公式戦でBクラスに勝つなんて。強いんだね」
リーナはそんな誉め言葉を並べながら、シュロムを興味深げに眺めた。
「それは・・・・・・どうも」
シュロムは極力視線を合わせないように顔を背けた。
また例の悪い癖が出始めていたのでやや猫背気味になる。
覗き込むように顔を近づけるリーナの、ティラとは違う少し大人っぽい色香。
こうして女子を間近で見ると、シュロムは彼女がどんなパンチラを見せてくれるのだろうかと、妄想してしまうのだ。
頭頂から爪先まで、健康体で引き締まった身体つき。
それにわずか数分からの行動からも伺わせる、蠱惑的な仕草。
こんな娘に廊下でしゃがむとかスカートがめくれるとか、そういううっかりなシチュエーションは似つかわしくない。
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