お米大好き農家のおっさんが異世界転移した物語 〜とりあえず田んぼ作るか〜

りんご定明

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「ぬふわぁァァァおぉろろろろろ」

 再び吐瀉物と共に魔法陣から現れたおっさん。竜のおまけ付きで。

「うえぇ。胃液まずい」

 


「ここはどこだ?」

 おっさんはダンジョンの入口付近の草原にワープしたのである。このダンジョンは逆ピラミッド型なので、1階がバカ広いのである。
     



   
「お!あっちに煙が見える!人がいるはずだ!」

 煙=飯=人間。この理論により、おっさんの頭の中には、米を炊く人間と変換されたのである。

「行ってみよー!」




「ゼーハーゼーハー。なんでしょう?まったく近づいている気がしません」

キュイお腹減った~

「ん?腹減ったのか。ホイ、木の実」

「キュィ♪」

 





 再び歩くこと30分。

「や、休もうか」

「ギュ、キュィ~」

 圧倒的運動してないマン。今ここで反動をうけた。

「みずー。くれー」

(ったく。しょうがねーな。ほーらよ!)

「うぉ!なんだこれ?ツボ?柔らかい。ふにふにしてるな。革?キャップみたいなのがあるから、外してみるか」

 これは『無限水筒・サイダー』。その名の通り、無限にサイダーが湧き出てくる。ただし、ベタベタにはならない。つまり、普通の水がプチプチするだけ。

「ん?これは、サイダーか?」

 見ただけで判別出来るぐらい昔はよく飲んだらしい。

「んーー?味しねぇな。のどが焼けるだけだわ」

 繊細な喉をお持ちのようである。

キューー!飲ませてー!

「いやでも、その口だと溢れ出るぞ」

キュ?キュキュ!キューーー!え?なら、チェンジ!ニンゲン!

「ん?チェンジ?なんだそれ?」

  

       ぷかぁぁぁぁぁぁ!



「ヌルペンタロウスーーー!」

 身体が光り…………なんかポケモソの進化に似てるな。

 羽が体内に入り、口が引っ込んで、体つきが…………

「よし!これでいける!ね?おとうさん♪」

「ふわぁぁぁぁ!?に、人間になったァ?」

「ふふふ、すごいでしょー?なんか5240248回目の転生で、人間になれるスキルゲットしたんだー♪」

 ああ、全国の紳士ロリコンよ。喜ぶがいい。体つきは完全に小学生。ぺったんぺったんつるぺったんの身体は雪のように白く、一糸まとわぬお姿で立っていらっしゃる。これをよろこばずして、なにを喜ぶ!

 などとまぁふざけた解説はやめにして、古代緑聖魁皇破滅竜♀は人間化することが出来る。ある時は大帝国の王だったり、ある時は殺戮者であったり、と世界史に大きな影響を与えてきたのである。人間化すると、ブレスがはけなくなったり、龍鱗が弱くなったり、不便ではあるが、人間社会に溶け込むための力である。ただし、力は残っているのである。髪の毛は緑なのでエルフさんと間違えられ、奴隷商人に売られそうになったが、もちろんのこと、壊滅させた。




「…………………これ、夢だよね?」

「さ、早く!水!」

「お、おう。はい」



           ジョボボボボ


「う。けふ!けふけふ!」

「だ、大丈夫か!?」

「し、刺激が強い」

 子供の身体にはサイダーのプチプチは早かったらしい。

「えーと、『安全地帯セーフティーゾーン』をつくったあれは……」

(あーはいはい、『魔法創造』)

『魔法創造』

1.名前を記入

2.効果を記入

3.エフェクトを記入

4.特殊な効果を記入

5.想像しなさい

6.出来たー     的な?

「おっ!これこれ♪」

『魔法創造』

1.名前を記入   衣服作成

2.効果を記入   思った通りに衣服が作れる。ただし、壊れない。認めた人以外が着ると、消滅する。

3.エフェクトを記入  光りながら現れる

4.特殊な効果を記入  とにかく頑丈なので。

5.想像しなさい  んーー?

6.大成功!

(やっぱ、おっさんに対してだけ緩ずぎだろ!)

「もう一つおまけに 」

『魔法創造』

1.名前を記入   水精製

2.効果を記入  精製水をだす

3.エフェクトを記入  手から、ドバー!って

4.特殊な効果を記入  勢いを調節できる

5.想像しなさい  滝をイメージ

6.超成功!

(緩い!超緩い!)

「ではいざ。『衣服生成』」

 


     ぽん


(なんでそこで制服にするんだよ!このおっさん、センスないな!)

「うー。動きにくいよ」

 制服はかなり動きを阻害するようだ。

「ならば、これだ!」





   ぽん!





(だー!なんでネコミミの全身包囲型パーカーにするんだよ!ギャルか!)

「これも動きにくい」

「ぐぐぐ、しかたない。これはやりたくなかったが……………」




     ぽん!



(わー。陸軍の軍服だー。かわいいなー)

 雪哉は考えるのをやめた。

「うん!これにする!」

「よかったよかった」

 どうやらお気に召したようだ。

「はー。服のバラエティも考えとかないとな」

(は!俺は………そうだ。『鑑定』)

─────

陸軍制服(大佐)  

神器級ゴッデス

防御力+999999999999999

俊敏性-9

スキル『破壊不可』『衝撃吸収』『防御領域』『完全耐性』『認識阻害』

古代緑聖魁皇破滅竜のために山田次郎が造った、神器並の力を持つ制服。所持者以外の人が着ると消滅する。水素爆弾並の爆破付きで。

─────

(おー。ベリーチートだね)



「えーと、手を前にかざして」

「ん?こう?」

「そうそう。で、『水精製』」

    ドゥバドゥバ!

「キャーー!」

「うわちょ!?」

 なんと、本当に滝のように水か溢れ出てきたではありませんか。

「うわ。ごめん!」

「だ、大丈夫。ちょっと濡れただけ」

「よし、もう一度。『水精製』!」

  チョロチョロ………

「水だ!」

 竜がおっさんから出る水を上目遣いでごくごく飲んでいく。シュールです。





─────
本日2話目だ!

3話目はちょいとむりかな?


ここまでお読みいただきありがとうございます!

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でわでわ!
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