神に同情された転生者物語

チャチャ

文字の大きさ
16 / 38

第14話:突然の出会い

しおりを挟む
教会を出て、街をブラつく。

俺は、これからのことを考えていた。
地球で生きていた頃にできなかったことを、異世界でやろうと考えた。

「やっぱり、奥さんが欲しい……。」

一回はこんな俺でも奥さんがいた。
けれど、仕事仕事でまともな会話もできず、一年で結婚生活は終わったと思う。

曖昧なのは、いつ家を出て行ったのかわからないからだ。
奥さんには、本当に申し訳なく思っている。

俺は、ザービネスに会ったときに、前の奥さんが幸せに過ごしているか聞いていた。
前の奥さんは再婚していて、子どもが三人。毎日を楽しく過ごしているらしい。

「ハルトさんと結婚していたことを忘れてるぐらいに幸せですよ」と余計なことまで言われた。

「ハァー。幸せになりたい。」


---

街の外れにある契約仲介所の前を通ると、声をかけられ、振り向く。

店の従業員らしい男性が、笑顔で挨拶をしてくる。

「こんにちは!どうですかー? 少し見ていきませんか? 良い人材が揃ってますよ~♪」

俺は、躊躇わずに店の中を見て回ることにした。

驚いたことに、中は想像していたよりもずっと綺麗な内装だった。

「へぇー。結構、綺麗なんだなぁ~。」

「一応、こちらもきちんとした契約業務ですからね! 生活支援契約を結んでいる子たちは、若い子も多いですよ~!」

「若い子って、何歳くらいから?」

「最低でも成人年齢の15歳からですね。未成年の支援は専門の施設が担当してますよ」

「そ、そうか……(よかった、しっかりしてるな)」

一瞬、不穏な想像をしてしまった自分を恥じる。
今は40歳近いおっさん。15歳でも感覚的には犯罪だ。ダメだダメだ!

「えーっと、とりあえず一通り見て回ってもいいかな?」

「かしこまりました!」

俺は案内に従って、一通り見て回ることにした。

そして、最後に案内されたスペースで、ひときわ目を引く子がいた。
獣人族の若い女性。凛とした表情に柔らかな耳と尻尾。どこか物悲しげな瞳。

(か、か、かわいい……ヤベー。すごい可愛いんだけど!!)

「……惚れた」

〈ハルトー。腹へったー!〉

ギンの声で現実に引き戻される。

「あの、この子は……契約金はどれくらいですか?」

「お気に召しましたか? 彼女は特別契約となりますので、大金貨2枚となります」

俺は悩むこともなく、即決した。

「契約します!」

「ありがとうございます! では手続きを始めます。お引き取りは今日でよろしいでしょうか?」

「うーん……明日にしてもいいかな? 色々と準備したいので」

「かしこまりました。では、契約手続きだけ済ませておきましょう」

……契約してしまった。支援対象者との生活契約を結んでしまった。

「俺は幸せになるんだ! 幸せにならなきゃダメなんだ! 幸せになりたい!」


---
しおりを挟む
感想 23

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

【完結】憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

異世界に召喚されたけど、聖女じゃないから用はない? それじゃあ、好き勝手させてもらいます!

明衣令央
ファンタジー
 糸井織絵は、ある日、オブルリヒト王国が行った聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界ルリアルークへと飛ばされてしまう。  一緒に召喚された、若く美しい女が聖女――織絵は召喚の儀に巻き込まれた年増の豚女として不遇な扱いを受けたが、元スマホケースのハリネズミのぬいぐるみであるサーチートと共に、オブルリヒト王女ユリアナに保護され、聖女の力を開花させる。  だが、オブルリヒト王国の王子ジュニアスは、追い出した織絵にも聖女の可能性があるとして、織絵を連れ戻しに来た。  そして、異世界転移状態から正式に異世界転生した織絵は、若く美しい姿へと生まれ変わる。  この物語は、聖女召喚の儀に巻き込まれ、異世界転移後、新たに転生した一人の元おばさんの聖女が、相棒の元スマホケースのハリネズミと楽しく無双していく、恋と冒険の物語。 2022.9.7 話が少し進みましたので、内容紹介を変更しました。その都度変更していきます。

転生貴族のスローライフ

マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である *基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします

処理中です...