社畜が男二人に拉致されて無人島性活

ASK.R

文字の大きさ
8 / 31

手がかり —探索—

しおりを挟む
 食事を終えた後にシャワーを借りた。
 やっと体を洗えて一息つけた心地だけど、新しい服はまたもやバスローブだった。

 下着はない。

 なんか、そういう行為をする為に存在しているような扱いで、正直すごく不愉快だ。俺のスーツ返せ……いくらクーラーが効いているとはいえ、こんな南国でスーツは嫌だけど。

 スマホも返して欲しいと頼み込んだが、『どうせ圏外だよ?』と一蹴された。
 あたりまえだ、誘拐犯が被害者にスマホを返すわけがない。

 ベッドの上で大の字になって手足を伸ばした、何もすることがない……暇だ。だけど、仕事のこと考えなくていいなんて、すごい解放感だ……俺は犯罪に巻き込まれたんだから、仕事ができないんだ。
 ズル休みじゃない。

 今頃日本じゃ騒ぎになってたりして。俺のスマホは連絡が取れなくなってるはずだから、家族も心配してるかもしれない。
 捜索願いとか出てたり、警察とか総出で山とか探されてたらどうしよう……。

 俺、グレイの恋人になっちゃったから、合意って事になっちゃうよな……。さすがに強姦で警察に突き出すのはもう難しそうだけど、拉致監禁はれっきとした犯罪だろう。

 こんなのバレたらアイツら逮捕されちゃうじゃん……何やってんだよ、約束された将来棒に振ってまで、俺になんの価値があるって言うんだ。

 考えがまとまらずにぐちゃぐちゃしてきた! 自分でも自分がどうしたいのかわかんねええっ!

 ベッドからサッと起き上がった。ジェイスにもらった薬を塗ったら、痛みもだいぶなくなってきたし……これなら動けそうだ。
 部屋のドアノブをひねると、あっさりと開いた。鍵はかかってなかった……というか、そもそも付いていなかった。

 これじゃぁ監禁でもないな、島から出る手段がないから軟禁だけど。

 コテージの中をウロウロしようとしたら、窓の外にジェイスを発見した。
 陸地だ! 完全な水上コテージってわけじゃなかったんだな。窓を開けると、物音に気付いてジェイスがこちらを振り返った。
「ジェイスー! 俺も外に出たい」
 これで出してくれるのか否か、俺に自由があるのかどうかのテストだ。

「おー! 来いよ!」
「……靴ないんだけど」
 サラッと出てこいと言われた。どうやら俺が思っていたより、俺は自由だったらしい。
 バンッと、俺の隣の部屋が開いてグレイが出てきた。お前隣の部屋だったのか。

「これ、洸也の分」
 手に持った黒い手提げ袋を俺に差し出してきたので、何かと思って中身を見て眩暈がした。
「これっ、俺の私服っ! 靴まである! 家に入ったのか!?」
「まさか、同じものを買っただけ」
 確かによく見たら全部新品だ。

「グレイ……今更だけど、お前って俺のストーカーなの?」
 恐る恐る聞いたら、ニコッと笑って俺の手を引いて歩き出した。何で返事しないんだよ怖いな!

 引かれていった先は俺の部屋で……えっ、何で!? 部屋に戻れって事!? 怒った!?
「ごめん、ストーカーじゃない! グレイは俺の恋人だよな!!」
 急いで訂正したけど、ベッドにドンッと突き飛ばされた。ヤバい、ヤバい! 絶対怒ってる! また泣かされるの? 俺ッッ!

 突き飛ばされてうつ伏せになっていた体を起こそうとしたら、またバスローブを開かれて腰まで脱がされた。
「お願い、痛くしないで!」
 俺には懇願することしか出来なくて、怯えるように目を瞑ったら、ブチュッと液体を出す音が聞こえた。

 冷たい感触が肌に触れて、ビクッとしたんだが……塗られた場所は肩だった。
「……なに?」
「日焼け止め塗るだけだよ?」
 紛らわしいんだよお前はッッ……!!! っていうか、絶対わざとだろ!!

「洸也は日に当たると赤くなるよね」
「そーだな……」
 もう、お前が俺の何を知ってても驚かないからな。
 自分の手が届かない背中に塗ってくれるのはありがたいが、あいにくと服を脱いではしゃぎ回る予定はない。

 大人しく塗られていると、後ろから胸元までヌルッと手が伸びてきて……。
「怯える洸也、すごく可愛い」
 耳元で息を吹きかけながら言われて、ゾワワっと背筋に何か走った。
「お前……っ!」
 性格悪いなって言おうとしたけど、怒らせるのだけは避けたいので、グッと黙った。

 黙ったというのに、グレイは俺のアゴをガッツリ掴んで固定してくるし、マジで怖いッ……!

「痛くしないなら、セックスしてくれる?」
「……俺、外行ってみたいんだけど」
 それって、拒否したらまた打たれるんだよな? どっちみちヤられるなら、痛くない方がマシだけど、自分から承諾するのは避けたい。
「じゃあ、あとで、ね?」
 またあざとく首をかじけてくる! ね? っじゃねーよ! それ、俺はYESって言わなきゃいけねーの!?

 背中に日焼け止めを塗り終わったのか、残りを俺に渡して『楽しんで』と、部屋から出ていった。
 なんか、弄ばれた気分だ……。

 着替え終わった頃合いに、ジェイスが俺の部屋まで来て、コテージ内を案内がてら外に出た。
 ちなみに下着は、俺が持ってるものと同じものが入っていた……下着まで把握されてるなんて、恐怖でしかないんだが、もう驚かない。

 コテージは食事なんかをする一番大きい部屋と、個室が四室あった。結構大きい……しかも吹き抜けの自然あふれる感じじゃなくて、全室冷暖房完備。
 つまり、しっかり電気が通っている……スマホが本当に圏外なのか、少し怪しくなってきたな。

 俺のいる部屋は水上だったが、コテージの半分以上は陸に乗っていた。そうは言っても砂浜だったが。
「周辺見てきてもいい?」
 そうジェイスにお伺いを立ててみる。できれば内陸部にズンズン歩いていきたい……人がいたら助けてもらおう。

「構わないが、この島は狭すぎてなんの面白みもないぞ」
「ちょっと歩きたいから、ちょうどいいな」
「崖もあるから気をつけろよ」
 狭すぎるなんてのはフェイクかもしれない。砂地から草の生えている方へ、木のある方へと歩き出す。山と言うほど傾斜はないが、だんだん登っていく自然豊かな獣道は、社蓄で体力が落ち切った俺にはかなりしんどい。

 10分ほど歩いて、だんだん息も上がってきて……これ、本気で迷子になったら俺ここで野垂れ死ぬしかないのか? なんて不安が押し寄せてくる。
 獣道も、脇の草むらとほぼ判別がつかなくなって来た。コテージに引き返せるように、そろそろ戻ったほうがいいかもしれない。

 この先に人が居たとしてもパスポート無いし、不法入国で捕まるんじゃないか? 助けを求めたくても、事情を説明したくても、英語もできないんだから会話もできない。

 まずいかな、まずいな! うん、引き返そう。
 俺はなんて意思が弱いんだろうか、しかし意地を張って死ぬよりはマシだ。

 捕まって異国で勾留されるくらいなら、あいつらと一緒にいて日本に帰してもらう方が安全な気もする。尻は掘られるけど、既に二回ヤられてんだからこれ以上はもう一緒だろう。

 引き返そうと心に決めたところで、木々の合間から空が見えた。もう少し行けば開けたところに出ると思って、あと少しだけど歩みを進めてみようかと、また意思がグラついた。

 このまま先に行って何があるのか、二人の元に引き返す事を後悔しないように……結果を早く確認したくて早歩きになった。
 前しか見ていない状態の時に、後ろからガサガサカザッと派手に葉が動く音がして、跳び上がるほどびっくりした。

 野生生物!? ビビり散らかして後ろを振り返ったら、めちゃくちゃ焦った顔のジェイスが居た。
「コーヤ! それ以上行くな!」
「俺がこの先に進むと不都合があるのか!?」
「ある!」
 前を向いて歩みを進めようとしたら、腕を掴まれて引っ張られた。

「それ以上行くと落ちるぞ」
「えっ!?」
「それとも死にたかったか」
 自分の少し前方を見れば、陸地が続いていなかった。草が茂った先に断崖絶壁……罠みたいな崖の登場にゾッとした。

 多少強引にジェイスに引っ張られて、よろけたところをその厚い胸板で受け止められた。
「いや、助かった……ありがとう」
「はぁ……良かった」
 ギュッとかなり強く抱きしめられて、そんなに心配したのかと、なんだか申し訳なくなる。

 しかし、なぜここに? ずっと俺の後ろをつけて来ていたんだろうか。なんか監視されてるみたいで釈然としない……いや、みたいじゃなくて監視されてるんだろうな。

「俺が死んだらグレイに殴られるか?」
 少し捻くれた感情で意地悪く問いかけた。いい加減苦しくて腕を押して放してもらおうとしたが、その太い腕はびくともしなかった。

「グレイはもちろん立ち直れないくらい悲しむだろうが……オレだってそんな結果はごめんだ」
 その言葉は真に迫るように吐き出されたが、それでも俺は白々しいと思ってしまう。
 本気で俺のこと心配しているようで、コイツは俺を誘拐してグレイに引き渡したり、俺がレイプされるお膳立てをする協力者だ。

 飯が美味いのと、気立がいいのと、飯が美味いのと、世話焼きなのと、飯が美味いところは好きだけど、絆されてはいけない。

「お前の心配は業務上だろ?」
 自分でも意地の悪い事言ってんなーと思いながら、監視されている事に拗ねていた。
「本気で心配したに決まってんだろ! 8年も見てきたんだぞ!」
「は……?」
 えっ? はっ!? 8年……!?

「ちょっと待て、なんの話だよソレ」
 まさか、俺って8年間ストーキングされてたわけ!?
「……コーヤ、本当に覚えていないのか!?」
 やっと腕から解放してくれたと思ったら、今度はそのまま抱え上げられそうなくらい、がっちり両二の腕を掴まれた。

「話が見えない、8年前に俺とお前らになんかあった?」
「いや、オレは関係ない。コーヤとグレイの問題だ……グレイは一日も忘れたことはなかったぞ」
「そんなこと言われてもな……」
 心当たりがないぞ……? あんな綺麗な瞳の色と栗色の髪の外人、一度会えば忘れるはずない。

「人違いなんじゃねーの?」
 それで拉致されて強姦されたんじゃ、たまったもんじゃねーけどな。
「一度グレイと話せばいい」
 ジェイスが俺の手を握って、ズンズンと進み出した。手、デカい……! そして熱い! ただでさえ気温が暑いのに、手から熱が伝わってきてより暑く感じる。

「人違いなんて単語は、グレイの前では出すなよ……殴られるぞ」
「――っ! りょーかい……」
 獣道を引き返している最中に、会話はほとんどなかった。ただ暑い気候と、手のひらの熱が俺を責めているような気がした。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした

天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです! 元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。 持ち主は、顔面国宝の一年生。 なんで俺の写真? なんでロック画? 問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。 頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ! ☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

「これからも応援してます」と言おう思ったら誘拐された

あまさき
BL
国民的アイドル×リアコファン社会人 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 学生時代からずっと大好きな国民的アイドルのシャロンくん。デビューから一度たりともファンと直接交流してこなかった彼が、初めて握手会を開くことになったらしい。一名様限定の激レアチケットを手に入れてしまった僕は、感動の対面に胸を躍らせていると… 「あぁ、ずっと会いたかった俺の天使」 気付けば、僕の世界は180°変わってしまっていた。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 初めましてです。お手柔らかにお願いします。

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話

八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。 古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。

【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。

きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。 自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。 食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。

処理中です...