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君が、私を、目覚めさせた
嘘か本当か
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「そもそもさぁ、最初は別に魔王が敵ってわけじゃなかったんだよぉ?むしろ逆っていうか、んー、なんて言ったっけ?あぁそうだ、生贄ってやつ。…あれ、あんま驚いてないね?ここ驚きポイントだよぉ?」
つまらなさそうに首を傾げるフォーレンに、トールが溜め息を吐く。それからヴィオレットを指さした。
「こいつ見てりゃ分かるだろ。」
「ふーん?まぁいいや。なんで生贄をつくらなきゃいけなかったかというとぉ、これが原因。」
そう言ってフォーレンは黒い球体を手の上に灯す。
「魔力…?」
レーシアがぽつりと呟く。
「せいかーい。魔力は便利だよねぇ。簡単に殺せるし遊べるしなんでも思い通りに出来ちゃう~。」
ジャヴィが黙って光を灯す。フォーレンは魔力の球体を消して、頬杖をついた。
「はいはい睨まないでよぉ。ちょっとした冗談じゃん。でもさぁ、そんな便利な力がなんの代償も無しに使えると思う?あ、彫刻エルフは黙ってて。」
「何を対価としていたのですか?」
「それはもちろん。この世界で~す!」
エミリーの問いかけに、フォーレンは待ってましたとばかりに笑う。
流石に予想してなかったのか、皆目を見開いた。ジャヴィだけは静かに目を伏せる。
「流石に驚いた?あはは、嘘じゃないよぉ。皆多かれ少なかれ魔力を持ってるよね?でもさぁ、皆が皆、上手に使えるわけじゃないじゃん? エルフと人間じゃ、同じ魔法を使っても威力が違う。それはなぜか?答えは簡単。魔力を魔法に変換する前に魔力が霧散しちゃってるんだよぉ。」
実に楽しげにフォーレンが告げる。
「分かんないなら手で水を掬うのをイメージしてみて?手の隙間が多いのが人間で、少ないのがエルフ。でもどれだけぴーったり手をくっつけてても水は零れ落ちちゃう。魔力もおんなじ。さて、零れ落ちた魔力はどこに行くでしょ~か。」
「…世界。」
呆然と零したヴィオレットの頭をフォーレンが撫でる。
「そういう事~。世界に散った魔力は段々と地を枯らし、空気を淀ませ、世界を穢して行ったワケ。こうして世界は緩やかに衰退していったんだけどぉ、ここで登場するのが光属性魔法~!」
ドンドンパフパフ~!とはしゃぐフォーレンがヴィオレットの頬をつつく。
「光属性の魔法は、特別な魔法。正確には魔法じゃないんだけどぉ、どうして特別かは~、はい、勇者ちゃん!」
「勇者にしか使えない浄化の魔法だから。」
「半分はずれ~。勇者ちゃんわざと?いけないんだぁ。」
ケタケタと笑うフォーレンに、ヴィオレットは困惑の視線を向ける。
それを見てトールが口を開いた。
「この国の王族にしか使えない。」
「え、でもソフィアは使えないって…。」
驚くヴィオレットに、トールは首を振る。
「姫さんは使い方を知らないから使えないんだよ。」
「騎士様あったり~!だからこそ王さまは勇者ちゃんに勇者を押し付けられたんだよぉ。ま、例外はあるみたいだけど。」
「あれは精霊に近しい者よ。」
ジャヴィの言葉にフォーレンは目を瞬かせたあとに頷く。
「あぁなるほどぉ。それなら納得~。精霊ってほんと規格外だもんねぇ。今回も精霊がいたからこうなったワケだし。ウケる。」
「フォーレン。」
脱線しそうになったフォーレンをヴィオレットが咎める。それに肩を竦めて、フォーレンは言葉を続けた。
「せっかちだなぁ勇者ちゃん。別にいいけどぉ。そもそも世界だってただただ衰退していくのを黙って待ってるわけにはいかないじゃん?神さまとかいるのか知らないけどぉ、ある時不思議な魔力を持つ人間が生まれたの。ここまで言えば分かるよね?それがここの王族の始まり。」
「あれ?でもトールは、あー、えっと…!」
そう言ってレーシアはトールを見る。それからしまったというように慌てて口を手で塞いだ。
トールは苦笑した後、大丈夫だと頷く。
「俺の魔法は光属性魔法の応用みたいなもんだ。」
「どういうことだ。」
困惑した様子でトールに問いかけるジルに答えたのはジャヴィだった。
「鳥はヴィオレットと同じ巣に居るが、羽を切られておる故に魔法は使えぬ。無属性魔法は精霊に力を借りて再現しておるようだの。あやつらは己の属性以外の魔法は行使せぬ。」
「目に見えないくらい弱いやつらだけどな。俺の魔力を気に入ったのか知らねぇが、魔力を対価に魔法を発動してくれんだよ。そんで、この魔法は浄化を基礎に解釈捻じ曲げて使ってる。浄化の力っつーのは、言い換えれば正常にする力だ。だから、音がない状態が正常だとして使えば音は消えるし、音がある状態を正常だとすれば、音は戻る。」
「つまりトールさんは光属性魔法のみ行使可能ということでしょうか?先程彼女が正確には魔法じゃないと言っていましたし。ジャヴィさんのお話と矛盾しませんわ。」
エミリーは驚きつつも冷静に情報を整理していく。
しかしそれに待ったをかけたのはフォーレンだ。つまらなさそうに溜め息を吐く。
「騎士様の魔法事情に興味無~い。もう話進めていい?つーか飽きてきたぁ。要点だけ話そ。つまり光属性魔法は浄化の力を帯びた魔力の塊なの。世界を浄化する希望の光ってやつだねぇ。」
「でもさっき、魔力は世界を穢すものだって。」
レーシアが首を傾げる。
「普通の魔力はそう。でもこの魔力は別。だって浄化の作用を持ってるんだよ?穢れとは正反対。はーい、ここでいっちばん最初の話に戻りまぁす。世界を浄化する魔力を持つ人間の魔力をちまちま放出させるよりぃ、その身体ごと全部使って浄化する方が早く済むのはバカでも分かるよね?眠った状態のが魔力循環効率が良いのは言わずもがなだしぃ。」
「魔王は浄化装置だったってことか。」
ジルの言葉に頷きフォーレンは話を続ける。
「そういうこと~。んで、長い間穢れを取り込んで浄化してを繰り返せば、まぁ普通に使い物にならなくなるじゃん?いくら魔力そのものに力があったところで侵されればおしまい。全ての魔力が魔に染まったら交代ってワケ。だから浄化しきれなくなる直前に勇者に証が現れるし、浄化されなくなった魔力が逆流して世界を穢すから魔王が目覚めると色々起こるの。んふふ、ぜーんぶ魔王のせいにされてるのまじウケる。ホントは自分たちのせいなのにねぇ?」
フォーレンがクスクスと笑う。
誰も、何も言わなかった。言えなかった。
つまらなさそうに首を傾げるフォーレンに、トールが溜め息を吐く。それからヴィオレットを指さした。
「こいつ見てりゃ分かるだろ。」
「ふーん?まぁいいや。なんで生贄をつくらなきゃいけなかったかというとぉ、これが原因。」
そう言ってフォーレンは黒い球体を手の上に灯す。
「魔力…?」
レーシアがぽつりと呟く。
「せいかーい。魔力は便利だよねぇ。簡単に殺せるし遊べるしなんでも思い通りに出来ちゃう~。」
ジャヴィが黙って光を灯す。フォーレンは魔力の球体を消して、頬杖をついた。
「はいはい睨まないでよぉ。ちょっとした冗談じゃん。でもさぁ、そんな便利な力がなんの代償も無しに使えると思う?あ、彫刻エルフは黙ってて。」
「何を対価としていたのですか?」
「それはもちろん。この世界で~す!」
エミリーの問いかけに、フォーレンは待ってましたとばかりに笑う。
流石に予想してなかったのか、皆目を見開いた。ジャヴィだけは静かに目を伏せる。
「流石に驚いた?あはは、嘘じゃないよぉ。皆多かれ少なかれ魔力を持ってるよね?でもさぁ、皆が皆、上手に使えるわけじゃないじゃん? エルフと人間じゃ、同じ魔法を使っても威力が違う。それはなぜか?答えは簡単。魔力を魔法に変換する前に魔力が霧散しちゃってるんだよぉ。」
実に楽しげにフォーレンが告げる。
「分かんないなら手で水を掬うのをイメージしてみて?手の隙間が多いのが人間で、少ないのがエルフ。でもどれだけぴーったり手をくっつけてても水は零れ落ちちゃう。魔力もおんなじ。さて、零れ落ちた魔力はどこに行くでしょ~か。」
「…世界。」
呆然と零したヴィオレットの頭をフォーレンが撫でる。
「そういう事~。世界に散った魔力は段々と地を枯らし、空気を淀ませ、世界を穢して行ったワケ。こうして世界は緩やかに衰退していったんだけどぉ、ここで登場するのが光属性魔法~!」
ドンドンパフパフ~!とはしゃぐフォーレンがヴィオレットの頬をつつく。
「光属性の魔法は、特別な魔法。正確には魔法じゃないんだけどぉ、どうして特別かは~、はい、勇者ちゃん!」
「勇者にしか使えない浄化の魔法だから。」
「半分はずれ~。勇者ちゃんわざと?いけないんだぁ。」
ケタケタと笑うフォーレンに、ヴィオレットは困惑の視線を向ける。
それを見てトールが口を開いた。
「この国の王族にしか使えない。」
「え、でもソフィアは使えないって…。」
驚くヴィオレットに、トールは首を振る。
「姫さんは使い方を知らないから使えないんだよ。」
「騎士様あったり~!だからこそ王さまは勇者ちゃんに勇者を押し付けられたんだよぉ。ま、例外はあるみたいだけど。」
「あれは精霊に近しい者よ。」
ジャヴィの言葉にフォーレンは目を瞬かせたあとに頷く。
「あぁなるほどぉ。それなら納得~。精霊ってほんと規格外だもんねぇ。今回も精霊がいたからこうなったワケだし。ウケる。」
「フォーレン。」
脱線しそうになったフォーレンをヴィオレットが咎める。それに肩を竦めて、フォーレンは言葉を続けた。
「せっかちだなぁ勇者ちゃん。別にいいけどぉ。そもそも世界だってただただ衰退していくのを黙って待ってるわけにはいかないじゃん?神さまとかいるのか知らないけどぉ、ある時不思議な魔力を持つ人間が生まれたの。ここまで言えば分かるよね?それがここの王族の始まり。」
「あれ?でもトールは、あー、えっと…!」
そう言ってレーシアはトールを見る。それからしまったというように慌てて口を手で塞いだ。
トールは苦笑した後、大丈夫だと頷く。
「俺の魔法は光属性魔法の応用みたいなもんだ。」
「どういうことだ。」
困惑した様子でトールに問いかけるジルに答えたのはジャヴィだった。
「鳥はヴィオレットと同じ巣に居るが、羽を切られておる故に魔法は使えぬ。無属性魔法は精霊に力を借りて再現しておるようだの。あやつらは己の属性以外の魔法は行使せぬ。」
「目に見えないくらい弱いやつらだけどな。俺の魔力を気に入ったのか知らねぇが、魔力を対価に魔法を発動してくれんだよ。そんで、この魔法は浄化を基礎に解釈捻じ曲げて使ってる。浄化の力っつーのは、言い換えれば正常にする力だ。だから、音がない状態が正常だとして使えば音は消えるし、音がある状態を正常だとすれば、音は戻る。」
「つまりトールさんは光属性魔法のみ行使可能ということでしょうか?先程彼女が正確には魔法じゃないと言っていましたし。ジャヴィさんのお話と矛盾しませんわ。」
エミリーは驚きつつも冷静に情報を整理していく。
しかしそれに待ったをかけたのはフォーレンだ。つまらなさそうに溜め息を吐く。
「騎士様の魔法事情に興味無~い。もう話進めていい?つーか飽きてきたぁ。要点だけ話そ。つまり光属性魔法は浄化の力を帯びた魔力の塊なの。世界を浄化する希望の光ってやつだねぇ。」
「でもさっき、魔力は世界を穢すものだって。」
レーシアが首を傾げる。
「普通の魔力はそう。でもこの魔力は別。だって浄化の作用を持ってるんだよ?穢れとは正反対。はーい、ここでいっちばん最初の話に戻りまぁす。世界を浄化する魔力を持つ人間の魔力をちまちま放出させるよりぃ、その身体ごと全部使って浄化する方が早く済むのはバカでも分かるよね?眠った状態のが魔力循環効率が良いのは言わずもがなだしぃ。」
「魔王は浄化装置だったってことか。」
ジルの言葉に頷きフォーレンは話を続ける。
「そういうこと~。んで、長い間穢れを取り込んで浄化してを繰り返せば、まぁ普通に使い物にならなくなるじゃん?いくら魔力そのものに力があったところで侵されればおしまい。全ての魔力が魔に染まったら交代ってワケ。だから浄化しきれなくなる直前に勇者に証が現れるし、浄化されなくなった魔力が逆流して世界を穢すから魔王が目覚めると色々起こるの。んふふ、ぜーんぶ魔王のせいにされてるのまじウケる。ホントは自分たちのせいなのにねぇ?」
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誰も、何も言わなかった。言えなかった。
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