黄昏一番星

更科二八

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1章 呪いの女

227話 抱き枕

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ひとしきり発散した後、俺は裸のままエドガーのベッドに入りエドガーを抱いて毛布を被った。
いつもなら酔いに任せて抱き枕にするのだが今はシラフだ。

こうしたいと思った。俺はどうやらエドガーと離れるのが嫌らしい。
だった一月足らずなのだが、どんどんと成長を遂げるエドガーを見ていられないのは残念だ。
エドガーと一緒に仕事をし、金をもらい飯を食い酒を飲み、一緒にシコって寝る。
それが毎日楽しかったのだが、聖女のせいで暫くお預けだ。
もし俺たちの妨害がうまくいかず聖女が予定通り王都についてしまえばもっと長いことエドガーと会えなくなることも考えられる。

全く冗談じゃない。
俺が聖女倒してはダメだろうか。
出来るかはさておき、
でもそれで倒しきれずに逃してしまえば、いずれ聖女が巻き起こす危機にエドガーが巻き込まれる可能性もあるか。
変な力があるみたいだし、それでまた命を狙われるかもしれない。
やはり確実に倒せる手段を取るべきだ。

色々想定すると俺が聖女と直接やり合って時間を稼ぐ事もありうる。
やはり呪い対策はしておくべきだろうか。
しかしここで俺の意識がなくなってしまえば。作戦に大きな影響を与えてしまう。
それにこれが呪いの対抗策になると決まったわけではない。
でもしかし、なんとなくこの妨害工作の旅には嫌な予感がする。
きっと聖女は俺たちの予想を越えた何かをしてきそうな気がする。
もしも護衛兵士がいつの間にか全員呪われてしまっていたら、聖女が移動中に自由に動き回れてしまったら。聖女の呪いが想定を超えて遠くまで及び俺たちの誰かが呪われてしまったら。
作戦が破綻する要因がいくつも考えられてしまう。

やはり試しておこう。
これに関しては悪い予感はしないのだ。
思いついた時からこれしか無いという確信がある。
根拠は無いが。
俺の魂と俺の意識を混ぜる。
これは俺の意識がなくなってしまう訳ではないはずだ。
魂は俺そのものでもあるのだし。
意識とものの境界線がわからなくなって戻れなくなっても何か自分たらしめるものがあれば戻って来れる気がする。
エドガーが俺を呼んでくれればきっと戻ってこられる。
エドガーとやりたい事がたくさんあるからな。
エドガーをギュッと抱きしめる。
抱き枕としては抱き心地は悪い。
ただ触り心地はいい。
体温が伝わり少し暑い。
でかい湯たんぽだ。
湯たんぽ、懐かしい、故郷では準備が面倒で気合いで寝ていたっけ。
この辺りは冬は寒くなるのだろうか。
こんなデカい湯たんぽがあれば安心だろう。
準備もしこたま飲ませていれば大丈夫だ。

エドガーとの眷属の繋がりを感じる。
これはエドガーの方からでも感じられるのだろうか。
起きた時に聞いてみよう。
エドガーの魂を見る。
キラキラでポカポカだ。
心が安らぐ。
抱き心地は悪いがいい抱き枕だ。

よし。

自身の魂の奥、そこにある心の更に奥深くまで氣を潜らせて感じ取っていく。
普段は意識が曖昧になり危険を感じるその先まで、心を深く深く感じて意識そのものが心と一体になってしまうまで・・・
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