勇者パーティから追放された曲芸師、何故か幼馴染み達がついてくる

みっちゃん

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第3部 正義の反対

第三十話 終結

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白い光の柱が空高く上り、それが至る所で見えた、そして少しずつ小さくなっていき、やがて見えなくなった

ルーク「はあはあはあはあはあはあはあはあはあはあはあ.................」

力を使い切ったのか、ルークはその場に倒れ込む

マイ「ルーク!?」バッ

ユキ「僕達も行こう!」バッ

シャイン「ああ!」バッ

衝撃に備え隠れていたマイ達が収まった事を確認しているときにルークが倒れているのを見て咄嗟に動いた

マイ「ルーク!しっかりして!ルーク!!」

ルーク「はぁ......はぁ.......はぁ」

ユキ「大丈夫、疲れただけだよ」

シャイン「良かった.........」

マイ達が慌てて駆け寄ると、ルークは意識が朦朧としているものの、呼吸は安定しており
ひとまず安心した

問題は.............

シン「はあはあはあはあはあはあはあ......................」

マイ「!?」ビクッ

ユキ「彼奴..........まだ!?」サッ

シャイン「クソが!?」チャキッ

あれ程までの攻撃を喰らってまだ立っていられるなんて..........
腐っても勇者.......なんだろう

マイ達がルークを庇いながらなんとか対峙するとルークが

ルーク「...........大丈夫だ.......安心してくれ」

多少は回復したのだろう
途切れ途切れでルークがマイ達を止める

マイ「でも!........ルーク!」

ルーク「大丈夫だから...........周りをよく........見て」

そう言われてマイ達は少し冷静になりながらもシンが少しでも動けば対応出来る様に
ルークを囲む、そうやって周囲を見渡すと

ユキ「な!?」

シャイン「嘘!?」

本当に視野が狭まったのだろう、すぐ近くになんと魔王がいたのだ

リディア「ご苦労だったな、ルークよ」

ルーク「本当.....ですよ.......ははは...........」

サキュバス「そんな軽口が言えるのなら大丈夫そうね?」

ルーク「貴女は.......あの時の...............」

サキュバス「取り敢えず、貴方は回復に専念して、そこの聖女さん、力を貸して?」

ユキ「あ......あ、はい!」

露出度の高い姿に3人は目を奪われたが、敵意はないためひとまず安心した

サキュバスとユキは、魔法でルークの体力を回復させている

マイとシャインはシンを警戒しているが
リディアが2人に声をかけた

リディア「安心せよ、ルークの仲間よ」

マイ「え?.......いや......その.......」

シャイン「まだ、彼奴は立っています、彼奴のことです、何かを企んでいますよ」

そう言って2人は何故そこまで警戒しなくてもいいのかわからないでいた

その姿を見てリディアが、シンを指さす

リディア「彼奴にはもう、勇者の力なんてない、ただの塵だ」

そう言ってリディアは回復を受けている
ルークの方を見る
ルークは何も言わずにただ無言で頷いた

マイ「どう言う事ですか?彼奴にはもう勇者の力は無いんですか?」

リディア「ああ、ルークに変わって我から説明しよう」

そう言ってリディアはもう一度ルークを見ると(お願いします)と言わんばかりに頷いた

リディア「お主......ルークが使っていたのは悪意の玉と呼ばれる魔道具だ」

シャイン「悪意の......玉?」

リディア「そうだ、聖女のお主なら何かしらの感づいたのではないか?」

そう言われてユキは「そう言えば.....」と答えた

ユキ「僕達を助けに来た時から今まで感じていたルークからの違和感、その理由が........」

リディア「そう、勇者に対抗するために
ルークが悪意の玉を使っていたからだ」

成る程だから、ルークからは禍々しい、何かを感じていたのか、そう思ったユキだが

ユキ「あれ?じゃあその玉は何処にあるのですか?あれ程までの戦いでルークはその玉を気にする様子はありませんでしたが........」

確かにとても小さい物だったなら、別だが、それならその玉から発するものを感知できないのが可笑しいのだ

そう思ったユキだが、隣にいたサキュバスが答える

サキュバス「それは多分、ルークの体内にあるのよ」

マイ「え?」

シャイン「は?」

ユキ「体内に?」

3人が驚いていると、リディアがそうだ
と答える

リディア「それが悪意の玉の使い方だからな、人間や魔族などの悪意を集めてそれを力に変えるのが、悪意の玉だ」

リディア「だからこそ、使い方を間違えれば.................」

その先は言わなくてもわかった
3人が見たまるで別人の様な姿はまさに
悪意に呑まれ、暴走した結果だろう

リディア「まぁ、もう使えないだろうがな」

ユキ「え?」

使えないとはどう言う事だろうか、不思議に思いリディアを見ると

リディア「あれだ」

と言って勇者を指さす
警戒はしていたが、それでもこちらにかかってこないのを見ると何かおかしい

リディア「呪いだよ」

ユキ「呪い?」

ああとリディアは答えて、続けて話す

リディア「悪意の玉にそんな使い方があるなんて知らなかったが、どうやら勇者の力を奪う呪いをルークは使ったみたいだな」

リディアも原理までは知らない様だが、勇者が弱体化し、尚且つ力も使えなくなっていることは明白だった

リディア「多分だが、悪意の玉にある全ての力(悪意)を使って勇者の力を蝕む呪いをかけたのだろう、解除できるのは聖女ぐらいだろう」

そう言って、リディアはルークの方を見て他の皆んなもルークを見る
そしてルークは答え始める

ルーク「リディア様の言う通りだ、俺は悪意の玉にある全ての力を使って、彼奴の..........勇者の力に呪いをかけた」

ルーク「これは、悪意の中にいた者達が教えてくれた力なんだ、だから俺も知らなかったし、全てを使っちゃったから、使えない」

いつの頃から溜まっていたのかはわからないが、あれ程までに使える様になるまでに途方もない年月がかかるだろう、生涯で使えたとしても、勇者戦までの力はもう出せないだろう

ルーク「これで彼奴はただの人間だ、俺達を脅かしていた力は永遠に戻らない」

先程、解除出来るのは聖女ぐらいと言っていた、つまりユキだが、ユキがそんな馬鹿な事をするはずがない、つまり彼の力は永遠に使えないのだ

ルーク「さてと」スクッ

ルークは立ち上がり、クラっとよろける

サキュバス.ユキ「「ルーク!」」ガシッ

ルークが倒そうになるところを2人が支える
どうやら体力は回復したとしてもまだ完全ではないようだ

ルーク「悪い、2人ともありがとう」

サキュバス「あたしたちはいいのよ」

ユキ「ルークは何処に行くつもり?」

ルークが2人に礼を言うと、2人に止められる

ルーク「いや、まだ勝負はついていないからな」

そう言うとルークはシンの所に行く

ルーク「おい、気分はどうだ?屑野郎?」

シン「テメー.........俺様に何をしやがっ........グホォッ!?」

ルークはシンが何かを言う前に殴る

ルーク「お前の話は聞きたくない...............負けを認めろ」

シン「ゲホッゲホッゲホッ..........だ......誰が、そんなこと.......!!!」

ルーク「そうか........」ス.....

シン「ひっ!?」ビクッ

ルークがシンの前で手をかざすとシンはやられた時の苦痛を思い出したのか、震え始める

ルーク「10数える間に負けを認めろ......さもn................」

シン「わかった!負けだ!俺様の負けだ!だから.......だから..........」

ルーク「..............わかった」

こうして、人間と魔族の戦争は魔族側の勝利で幕を閉じた

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誤字脱字がございましたらコメント等をよろしくお願いします。

後質問等もお願いします。


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