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第4章~魔王討伐~
第206話 壊滅状態の騎士団
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「…終わった…のか?」
「おそ…らく?」
騎士団長ヒヨナは疲労が凄いのか剣を杖にしながら何とか立っている。
他の騎士団達も魔物達との戦闘の疲弊で座り込んでいる。
「…全員状況報告」
「はい、被害は甚大です死傷者は約6000人今動けるのは残りの約1000人くらいです」
魔王軍との戦闘で約3000人が死に、約6000人が今回の戦闘でやられて、今は1000人ぐらいしか動けないのだ。
「勇者様の所には誰か行ったのか?」
「…分かりません」
「え?」
仲間の騎士団の言葉にヒヨナは驚く、仲間達を曰く魔物達が突然襲って来た為、勇者の所に行きたくても数が多くて助けに行けなかったらしい。
「…俺も魔物達の猛攻で動く事が出来なかったから…何とも言えないか…」
「兎に角、勇者様の所へ行きましょう、何かあっては一大事です」
そもそも行かなかった(行けなかったとしても)時点でかなりの一大事だ、何かあるに決まっているのに行かなかった、その責任は大きい。
ヒヨナは事後処理を部下達に任せてヒヨナ自身はリューク達のいる馬車まで向かう、距離的にはそんなに遠くはないが、応援に駆けつける事が出来ない距離にはいた。
「な!?」
「こ…これは!?」
ヒヨナ達が見たのは無数の魔物の死体の山が積み上がっていた光景だった、馬車の周りを魔物の死体で埋め尽くしており、そこには血だらけの男とそれを抱き抱えて泣いている女がいた。
「エムル!」
「それにあれはクロウ様!?」
死体の山を超えてエムルの所までいく、リューク達の事も心配だが、今は何が起きたのかを知りたい。
「エムル!大丈夫か!」
「ヒヨナ騎士団…なぁ…早く治癒師を呼んでくれよ…クロウが…死んじゃう…」
「何!?」
クロウの状態を見る、魔王との戦い後から既に生きている事が奇跡の状態だったが、今はもういつ死んでもおかしくない状態だった。
「すぐに治癒師を呼べ!」
「は!」
「ヒヨナ!これはお前がやったのか?」
「…ちげぇよ、クロウだよ…俺達を守る為に…たった1人で…戦ったんだよ…」
ヒヨナは馬車の周りで倒れている者達を見る、みんな死んではいないが酷い怪我をしている、早く治療しなければクロウと同じ様に死ぬだろう。
「…こんな状態になっても…仲間を守ったのか…?」
腕は千切れたのだろう、左腕がなく、血が致死量を超える程流れ続けている、辺りに血が点々とある為、血だらけの状態で魔物達と戦ったのだろう。
「なぁ!早くしてくれよ!身体が…身体がどんどん冷たくなってんだよ!」
クロウを抱き続けるエムルは必死に助けを求めるが、ヒヨナが出来るのは治癒師を呼ぶことだけ、それ以外は何も出来ないのだ。
「もう少しで来る、だから待っててくれ」
緊急事態の為あと少しで来てくれるだろう、本当ならばこうならないようにするのが騎士団の役目なのだが、それが出来なかったのは単に騎士団が弱かった所為だろう。
魔物達の奇襲にも気づけずにここまで接近を許してしまったのは索敵が甘かったから他ならない。
「お待たせしました!」
「よし、早く治療を始めろ!」
治癒師がやって来てすぐさまクロウに治癒魔法をかける、ずっと抱き抱えている為エムルも少しだけ回復していった。
「何て酷い怪我だ…私1人ではどうにも」
「他の者達は?」
「騎士団員達の治療で魔力を使い果たし倒れています、今動けるのは私だけです」
何故勇者パーティの所へ行かないで騎士団員達を先に助けたのかその馬鹿さ加減に呆れながらもならば他の救護班に回復以外の治療を頼むしかない。
「分かった、救護班を直ちに呼べ…勇者達をここで死なすわけにはいかない!」
「は!」
ヒヨナの指示で救護班も急いでコチラに駆け付けてくる、リューク達も酷い怪我の為治療には時間がかかるだろう。
ヒヨナは壊滅状態の騎士団を何とかまとめて、リューク達を守りながら何とか国に帰ってくる事が出来た。
———————————————————————
続く
「おそ…らく?」
騎士団長ヒヨナは疲労が凄いのか剣を杖にしながら何とか立っている。
他の騎士団達も魔物達との戦闘の疲弊で座り込んでいる。
「…全員状況報告」
「はい、被害は甚大です死傷者は約6000人今動けるのは残りの約1000人くらいです」
魔王軍との戦闘で約3000人が死に、約6000人が今回の戦闘でやられて、今は1000人ぐらいしか動けないのだ。
「勇者様の所には誰か行ったのか?」
「…分かりません」
「え?」
仲間の騎士団の言葉にヒヨナは驚く、仲間達を曰く魔物達が突然襲って来た為、勇者の所に行きたくても数が多くて助けに行けなかったらしい。
「…俺も魔物達の猛攻で動く事が出来なかったから…何とも言えないか…」
「兎に角、勇者様の所へ行きましょう、何かあっては一大事です」
そもそも行かなかった(行けなかったとしても)時点でかなりの一大事だ、何かあるに決まっているのに行かなかった、その責任は大きい。
ヒヨナは事後処理を部下達に任せてヒヨナ自身はリューク達のいる馬車まで向かう、距離的にはそんなに遠くはないが、応援に駆けつける事が出来ない距離にはいた。
「な!?」
「こ…これは!?」
ヒヨナ達が見たのは無数の魔物の死体の山が積み上がっていた光景だった、馬車の周りを魔物の死体で埋め尽くしており、そこには血だらけの男とそれを抱き抱えて泣いている女がいた。
「エムル!」
「それにあれはクロウ様!?」
死体の山を超えてエムルの所までいく、リューク達の事も心配だが、今は何が起きたのかを知りたい。
「エムル!大丈夫か!」
「ヒヨナ騎士団…なぁ…早く治癒師を呼んでくれよ…クロウが…死んじゃう…」
「何!?」
クロウの状態を見る、魔王との戦い後から既に生きている事が奇跡の状態だったが、今はもういつ死んでもおかしくない状態だった。
「すぐに治癒師を呼べ!」
「は!」
「ヒヨナ!これはお前がやったのか?」
「…ちげぇよ、クロウだよ…俺達を守る為に…たった1人で…戦ったんだよ…」
ヒヨナは馬車の周りで倒れている者達を見る、みんな死んではいないが酷い怪我をしている、早く治療しなければクロウと同じ様に死ぬだろう。
「…こんな状態になっても…仲間を守ったのか…?」
腕は千切れたのだろう、左腕がなく、血が致死量を超える程流れ続けている、辺りに血が点々とある為、血だらけの状態で魔物達と戦ったのだろう。
「なぁ!早くしてくれよ!身体が…身体がどんどん冷たくなってんだよ!」
クロウを抱き続けるエムルは必死に助けを求めるが、ヒヨナが出来るのは治癒師を呼ぶことだけ、それ以外は何も出来ないのだ。
「もう少しで来る、だから待っててくれ」
緊急事態の為あと少しで来てくれるだろう、本当ならばこうならないようにするのが騎士団の役目なのだが、それが出来なかったのは単に騎士団が弱かった所為だろう。
魔物達の奇襲にも気づけずにここまで接近を許してしまったのは索敵が甘かったから他ならない。
「お待たせしました!」
「よし、早く治療を始めろ!」
治癒師がやって来てすぐさまクロウに治癒魔法をかける、ずっと抱き抱えている為エムルも少しだけ回復していった。
「何て酷い怪我だ…私1人ではどうにも」
「他の者達は?」
「騎士団員達の治療で魔力を使い果たし倒れています、今動けるのは私だけです」
何故勇者パーティの所へ行かないで騎士団員達を先に助けたのかその馬鹿さ加減に呆れながらもならば他の救護班に回復以外の治療を頼むしかない。
「分かった、救護班を直ちに呼べ…勇者達をここで死なすわけにはいかない!」
「は!」
ヒヨナの指示で救護班も急いでコチラに駆け付けてくる、リューク達も酷い怪我の為治療には時間がかかるだろう。
ヒヨナは壊滅状態の騎士団を何とかまとめて、リューク達を守りながら何とか国に帰ってくる事が出来た。
———————————————————————
続く
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