転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん

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ネクネクへ

34.

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王都には3つのギルドがあると教えて貰った。中央ギルド、赤のギルド、青のギルドだ。中央ギルドにはグランドマスターが存在し、全ギルドの統括を行っている。ようはギルドの本部にあたる。一般的な依頼は取り扱っておらず国からの依頼のみだとか。普通のギルドは赤と青になるらしい。
「どこのギルドに行くの?」
「一番近いのは中央だがあそこでは単なる観光になるし次に近いのは青かな」
中央は第一領側に青は第三領側に赤は第六領側にあるとか。
「じゃあ、ポーションついでに買い取って貰うね」
今日は辻馬車で移動するとの事で青のギルドに向かった。

ギルドに到着。アイザックの後をついて中にはいる。今日はガル、モコ、クロインはお留守番だ。
とりあえず受付でカードを見せて買取の件を話すると小部屋に案内された。
いつも通り5本を先に出し鑑定の様子を伺う。
「ふーん、確かに君の制作だね」
職員の男性はポーションを見ながら話する。
「これだと買取価格は全部で800Gだな」
私はBランクを5本出した。普通の買取で1本200G登録調合師だと一割増の220Gで1100Gになる。提示価格だと1本160Gで通常の二割減だ。
こっそりアイザックにこの事を伝える。これは違反行為になる為犯罪だ。ここは素知らぬ顔で買取してもらいカードの記録を中央に提示して告発しようとの事だ。
「ではお願いします」
カードを渡し、買取金を入れて貰う。
青のギルドを出て直ぐに中央に向かった。
「青がとんでもないのかアイツが悪いだけなのか分からんから中央に捜査を依頼しよう」
アイザックの話ではどうやらこっちが子供だからバレ無いとカウンターで話す職員の声が聞こえてきたらしい。もしかしたらギルド全体の事かもしれないとあの場では気付かないふりをしたとか。
中央に到着したのでアイザックについていく。
カウンターでアイザックが誰かに取り次ぎをお願いしている。
受付の女性は一瞬困惑するも席を立ったので話が通った様だ。
「アイザック、知り合いがいるの?」
「あぁ、グランドマスターが昔馴染みでな。下手に話よりアイツのが信用出来る」
先程の女性が呼びに来て部屋に案内される。
「マスターお連れしました」
「入って貰ってくれ」
中に促されたのでアイザックに続いて入った。
中には鍛え抜かれた身体付きの男性がいた。
「アイザック久しぶりだな。お前が訪ねて来るなんて珍しい。明日は雷雨か」
「うるさい。マーサスこの子は今パーティを組んでるククルだ。ククル、コイツが腐れ縁のマーサスだ」
「ククルです。はじめまして」
「ん、子供か?おう、グランドマスターのマーサスだ。お前がパーティてなにがあった?それも子供とって」
そこでアイザックは成り行きを説明する。
「ブルーバードか。確かに捕獲依頼がでてたから今は事前調査中だったんだ。その内容なら確実に奴隷落ちだな。でそれを報告に来たのか」
「いや、この件はついでだ。実はなククル説明してやってくれ」
そこで私は登録調合師のカードを出した。先程青のギルドであった事をはなす。マーサスさんはどんどん怖い顔付きに変わっていく。思わずアイザックの影に隠れてしまった。
「おい、マーサス、威圧がククルに向いてる」
「おっ、すまん。」
普通の空気に戻ったのでホッとした。
「子供の割に随分平気そうだな。威圧しといて言うのもなんだが普通のガキなら失神してるぞ」
ガハハと笑いながらも此方を試す様な目が怖い。
「ククルはランクこそCだが恐らく実力はBに匹敵すると思うぞ。この年でBランクにしてしまったら変に目立つからな。普段は普通の子供のふりだ」
アイザックが説明をしてくれた。
「成る程な。なかなか面白い子を連れてれるな。そうだ、ククル最近俺も運動不足でな。ちょっと付き合ってくれないか」
何にと効かなくでもわかる。今日は行き先がギルドだったので防具は付けているがちとばかし面倒だ。
嫌そうな顔をしていてもマーサスさんはお構いなし。
「うー、アイザック」
チラッとそちらに目を向けたが諦めろと空気が表している。
「良いよ。そのかわりさっきの件、ちゃんと処理してね」
「そんなもんは引き換えにしなくても大丈夫だ。そうだな。さっきの登録カードかしな。俺のお墨付きにしてやる」
カードを取り上げて職員を呼ぶと説明してカードを渡した。
受け取った職員も困惑しながらも出て行った。
「カードの書き換えに少し時間が掛かるからその間に行くぞ」
ものすごい勢いで抱き上げられた
「うわぁ」
「あはは、ククル観念しろ。コイツは面白い事には絶対首を挟む達だ。マーサス構わないがククルの全力を見たいなら他の奴にはみせるな。後々面倒だ」
「そうか。じゃあ結界をはるか」
鍛錬場に連れてこられた。
そこにアイザックが結界をはる。
「よし、準備はできたぞ。どっからでもかかってこい」
模範剣を持たされ前に立たされる。
「アイザック、どれくらい大丈夫?」
「全開でも大丈夫だ。コイツは丈夫だからな。マーサス、ククルは魔法が中心だか構わんな」
「おおっ、なんでもこい」
「では、始め」
アイザックの声で開始となった。
とりあえず雷威力MAXを五つぶち込む。
「うわぁ、なんじゃこれは」
二つが当たるもの大して聞いてない。
「ほぅ、無詠唱か」
とりあえず身体強化をかけ素早さを上げておく。
「これでどうだ」
ウォーターボールを動きながら連射。当たったのを確認して雷をお見舞いした。
「グワァ」
マーサスがうめき声を上げる。
続けて突風を投げる。剣で弾き飛ばされたので今度は突風をコントロールしながらはなった。
「何度やっても一緒だ」
剣で弾こうとしたので方向を変えて違うところからぶつけてやった。
「グワァ」
またまた、うめき声を上げる
確かにダメージが入ってる筈だが全く効いている様には思えない。
一度距離を取った。
「ガハハ、こりゃ面白い。どんどんこい」
うわぁ、勘弁してほしい。
この間に上に氷の刃を30本準備して時差をつけながらマーサス目掛けて振り落とした。
「とりゃぁ」
次々に剣で弾いていく。時々当たっているが全く気にした様子が無い。
「嘘、この人嫌だ」
しつこい闘志にこころが折れそうだ。
半べそで竜巻をお見舞いしてアイザックの元に走っていった。
「もうヤダァ」
しがみついてベソベソしているとアイザックが止めの合図をしてくれた。そのまま抱っこしてもらい首に顔を埋める
「もう終わりか」
マーサスの呑気な声がした
「お前みたいな頑丈な奴の相手は大人でも骨が折れる。ククルにはこれ以上可哀想だ」
「そんなんじゃ立派な男に慣れないぞ」
「私、女の子だもん」
思いっきり睨みつけて言い返してやった。流石のマーサスも固まった。
「な、マジか」
はぁ、と座り込んでしまった
「そう言う事」
アイザックに言われてズーンと落ち込んでしまった。
何が何だかわからない
「こいつはな、女性とは絶対に鍛錬しないんだ。もし傷でもつけたら大変だろ。なのに女の子相手にやってしまった事に落ち込んでるだけだ。グラマスまでなって見抜けなかった本人の責任だがな。」
すっかり落ち込んでしまったマーサスを弾きずりギルマス室に戻った。
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