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ネクネクへ
36.
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昨日のマーサスとの鍛錬のせいで今日は起き上がるのも面倒臭い。
ハナがアレコレ世話を焼いてくれるもののイヤイヤ病だ。
ボチボチハナも対応出来なくなってきた。困りはてているとちょうどアイザックが現れる。
「どうした」
「アイザック様、実はククル様が、、、」
今朝からの事を話すとアイザックがククルに近づく。
「ククル、ちょっとおでこかしてみな」
コツンとおでことおでこがぶつかった。
「やっぱりな。熱があるぞ。薬飲みなさい。その前に食事だな。食べれるか」
「いらない」
「コラ、じゃあ果物はどうだ」
「それなら食べる」
ハナが慌てて厨房に向かった。
ククルは面倒ながらも熱冷ましの薬を出す。
ハナが桃を持ってきてくれた。
それをもくもく食べて薬を飲んで横になる。途端に寝てしまった。
「ハナ、悪いな。昨日ちょっと無理させ過ぎた。旅の途中でもほっこり腰を降ろすと熱を出していたからいつもの事なんだ。薬は本人が調合した物を持っているからそれが一番良い。自分の魔力だから回復を促す力が強いから」
「かしこまりました。とりあえず様子を見ておきます。いつもはどれくらいで熱が下がりますか」
「そうだな、長くても3日位で元気にはなっている。また、様子を観に来るからよろしく」
「はい、何か御座いましたらご報告させていただきます。」
アイザックは自室に戻りため息をつく。
「やっぱり子供だな。気をつけてたつもりだったが、はぁ」
そのまま夕方まで自室で過ごしククルの様子を見に行った。
「ハナ、どうだい」
「アイザック様、お昼過ぎに一度起きられましたが今はおやすみ中です。」
「そうか、次に目を覚ましたら呼びにきてくれるか。前に街の医者にこの子は人より魔力が高いから一定量を毎日使う様に言われててそれは熱を出していてもやらなくてはならないんだ。起きたタイミングで終わらせたいから声を掛けてくれ」
「かしこまりました。」
その後、ランサンを呼び事情を説明。空の魔石を準備してもらう。
ちょうど夕食が終わる頃、ハナが呼びにきたのでククルの部屋に向かう。
「ククル、魔力をこっちに移してくれ」
「はーい」
大きめの石を2個、片手づつに持たせる。ククルはゆるゆる魔力を流してゆく。
4つの魔石が充電できた。これくらいで大丈夫だろう。
「もう良いか」
「もう、要らない」
そのまままた、ゴロゴロ寝出すククル。
「ククル、食事にしようか。何も食べないのはダメだ。」
「ゔー、じゃあ玉子粥」
またまたハナが慌てて厨房に行った。
「少し下がったが、薬のおかげかな。これ位なら明日には大方下がりそうだな」
「毎回毎回、ごめん」
「構わんよ。今回は嗾しかけた俺にも責任があるから。明日は青のギルドの件で中央にいくから日中は留守にしてる。大人しくしてるんだぞ」
「はーい。分かりました」
それからお粥を食べて薬を飲んで眠る事にした。
翌日、朝の時点で随分マシだ。ハナに言って朝食は食堂に行く事にした。
「あれ、アイザックおはよう」
「おう、おはよう。もう起きても大丈夫か」
「うん、随分ましになったよ。でも今日は部屋で一日中大人しくしてるよ」
「そうしろ。何かあったらハナに直ぐ言うんだぞ」
何度も念を押された。今日は一日読書をしようと部屋に戻る前に書籍に寄って何冊が持ち出した。
部屋で読書をしているとハナが昼食のサンドイッチを持ってきてくれた。
「いただきます」
出された分がかなり多いのでハナにも座ってもらい一緒に食べた。最初は抵抗していたが1人では寂しいとしょんぼりしたら席に着いてくれた。
「ごちそうさま。お腹一杯」
「ククル様は少食ですよね。もうよろしいのでしたらまずはお昼寝してくださいませ」
本を取り上げられてベットに押し込まれた。
「起きたら続きを読むから置いといてね」
念押ししてお昼寝した。
2時間程して起き出し、ハナを呼ぶ。
ミックスジュースを持って来てくれた。
それからアイザックが戻るまでの時間読書に励んだ。
「ククル、ただいま。調子はどうだい」
「あ、アイザックおかえり。もうすっかり元気だよ」
「そうか。今話出来るか」
そう言いつつ青のギルドの事を教えてくれた。
どうやら一部の職員がしでかした事らしく対象者は捕獲、処分されたとか。先日の買取分の差額を支払いたいからギルドに来て欲しいとの事だ。どちらにせよ王都にいる間は中央が買取するから其方に持って来たら良いとの事だ。
「わかった。明日いく?」
「そうだな。そうしようか。」
「じゃあ、ついでに薬屋も行きたいな」
「それなんだがマーサスが薬師ギルドを紹介すると言ってたから一度中央に行くか」
明日、青と中央に行く事が決まり念の為と今日も早く寝る事にした。
ハナがアレコレ世話を焼いてくれるもののイヤイヤ病だ。
ボチボチハナも対応出来なくなってきた。困りはてているとちょうどアイザックが現れる。
「どうした」
「アイザック様、実はククル様が、、、」
今朝からの事を話すとアイザックがククルに近づく。
「ククル、ちょっとおでこかしてみな」
コツンとおでことおでこがぶつかった。
「やっぱりな。熱があるぞ。薬飲みなさい。その前に食事だな。食べれるか」
「いらない」
「コラ、じゃあ果物はどうだ」
「それなら食べる」
ハナが慌てて厨房に向かった。
ククルは面倒ながらも熱冷ましの薬を出す。
ハナが桃を持ってきてくれた。
それをもくもく食べて薬を飲んで横になる。途端に寝てしまった。
「ハナ、悪いな。昨日ちょっと無理させ過ぎた。旅の途中でもほっこり腰を降ろすと熱を出していたからいつもの事なんだ。薬は本人が調合した物を持っているからそれが一番良い。自分の魔力だから回復を促す力が強いから」
「かしこまりました。とりあえず様子を見ておきます。いつもはどれくらいで熱が下がりますか」
「そうだな、長くても3日位で元気にはなっている。また、様子を観に来るからよろしく」
「はい、何か御座いましたらご報告させていただきます。」
アイザックは自室に戻りため息をつく。
「やっぱり子供だな。気をつけてたつもりだったが、はぁ」
そのまま夕方まで自室で過ごしククルの様子を見に行った。
「ハナ、どうだい」
「アイザック様、お昼過ぎに一度起きられましたが今はおやすみ中です。」
「そうか、次に目を覚ましたら呼びにきてくれるか。前に街の医者にこの子は人より魔力が高いから一定量を毎日使う様に言われててそれは熱を出していてもやらなくてはならないんだ。起きたタイミングで終わらせたいから声を掛けてくれ」
「かしこまりました。」
その後、ランサンを呼び事情を説明。空の魔石を準備してもらう。
ちょうど夕食が終わる頃、ハナが呼びにきたのでククルの部屋に向かう。
「ククル、魔力をこっちに移してくれ」
「はーい」
大きめの石を2個、片手づつに持たせる。ククルはゆるゆる魔力を流してゆく。
4つの魔石が充電できた。これくらいで大丈夫だろう。
「もう良いか」
「もう、要らない」
そのまままた、ゴロゴロ寝出すククル。
「ククル、食事にしようか。何も食べないのはダメだ。」
「ゔー、じゃあ玉子粥」
またまたハナが慌てて厨房に行った。
「少し下がったが、薬のおかげかな。これ位なら明日には大方下がりそうだな」
「毎回毎回、ごめん」
「構わんよ。今回は嗾しかけた俺にも責任があるから。明日は青のギルドの件で中央にいくから日中は留守にしてる。大人しくしてるんだぞ」
「はーい。分かりました」
それからお粥を食べて薬を飲んで眠る事にした。
翌日、朝の時点で随分マシだ。ハナに言って朝食は食堂に行く事にした。
「あれ、アイザックおはよう」
「おう、おはよう。もう起きても大丈夫か」
「うん、随分ましになったよ。でも今日は部屋で一日中大人しくしてるよ」
「そうしろ。何かあったらハナに直ぐ言うんだぞ」
何度も念を押された。今日は一日読書をしようと部屋に戻る前に書籍に寄って何冊が持ち出した。
部屋で読書をしているとハナが昼食のサンドイッチを持ってきてくれた。
「いただきます」
出された分がかなり多いのでハナにも座ってもらい一緒に食べた。最初は抵抗していたが1人では寂しいとしょんぼりしたら席に着いてくれた。
「ごちそうさま。お腹一杯」
「ククル様は少食ですよね。もうよろしいのでしたらまずはお昼寝してくださいませ」
本を取り上げられてベットに押し込まれた。
「起きたら続きを読むから置いといてね」
念押ししてお昼寝した。
2時間程して起き出し、ハナを呼ぶ。
ミックスジュースを持って来てくれた。
それからアイザックが戻るまでの時間読書に励んだ。
「ククル、ただいま。調子はどうだい」
「あ、アイザックおかえり。もうすっかり元気だよ」
「そうか。今話出来るか」
そう言いつつ青のギルドの事を教えてくれた。
どうやら一部の職員がしでかした事らしく対象者は捕獲、処分されたとか。先日の買取分の差額を支払いたいからギルドに来て欲しいとの事だ。どちらにせよ王都にいる間は中央が買取するから其方に持って来たら良いとの事だ。
「わかった。明日いく?」
「そうだな。そうしようか。」
「じゃあ、ついでに薬屋も行きたいな」
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