国王陛下、王太子殿下、貴方達が婚約者に選んだ人は偽物ですよ。教えませんけれどね♪

山葵

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『ふむふむ…そうか…』

まったく人間という生き物は…。

妖精は、普通の者には見えないだけで色々な所に飛んでいる。

今回の預言者の事も、王太子の言葉も妖精達から、妖精王グリースの耳に入っていた。

勿論、加護を授けたマリーナの事もグリースは、いつも見守ってきた。

義母達が、マリーナに悪さをしようと企めば、その前に自分達に災難が訪れ、やる気を失わせてきた。

だから、今回も災難から逃れさす事は出来る。

だが王太子との婚約をマリーナが望んでいないのに助けてはマリーナの為にはならない。

『ふむ…仕方ない。久しぶりに森の外に出てみるか…』

そう言うとグリースは夜を待ち、マリーナが自室で1人になった頃に姿を現した。

「っ!…妖精王グリース様!突然どうされたのですか?森から出て来られるなんて…も、もしかして森に何かあったのですか!?」

『久しいの、マリーナ。やはりお主の心は暖かい』

『『『あっ!王様だ!』』』

『お前達も、いつもマリーナを守ってくれて、ご苦労!』

『えへへ、王様に褒められた!』

『わーい、褒められた』

「グリース様、急を要する事では無いのですね?なら安心致しました。では何故こちらに?」

『お主に聞きたい事があってなっ。今度、王太子の婚約者選びが有るであろう?あれは妖精から愛されし者を探す為の物と聞く。お主が、それを望むなら力を貸そうと思ってな。そなたの気持ちを聞きに来た』

「まぁ今回の茶会は、婚約者選びだけでなくそんな意図が…。そうですね、私の様な者が王太子妃など務まるとは思えません。ですが…もしも王太子が運命だと思って私を自ら見付けて下さったのなら…うふふ夢物語ですわね。グリース様、今回の茶会はどうか何もされません様にお願い致します」

『ふむ、手出し不要と…お主は相変わらず我を頼らんな。それはそれで寂しいぞ』

『王様、寂しい?』

『マリーナ、王様をイジメたの?』

「イジメてないわよ。それよりもグリース様、国王陛下達は、どうやって私を見つけ出すつもりなのでしょうか?彼らには妖精は見えていないのでしょう?」

グリース様は、国王達の計画を話してくれた。

「まぁでは、私も皆と一緒に狼狽え怯えれば分からないのですね…それに王太子様の言葉は許せませんね。身分で選ぶなら分かりますが国母となる者を顔で選ぶなんて。美人じゃないといけないなら私は選ばれる事はありませんから良かったですわ」

『はて?余はマリーナは美人だと思うぞ』

『『『マリーナは、可愛いよ!』』』

「うふふ、そんな事を言ってくれるのは あなた達だけですよ。それでも嬉しいです。ありがとう御座います」

『これは本気にしてないな?』

『『『本当なのにねぇー』』』

「さて、冗談は置いておいて、当日は絶対に手助けは無用でお願いします」

『お前の言う通りにしよう』

美人のご令嬢をお望みなら、私を探し当てる事は不可能だろう。

当日が楽しみだわ♪
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