3 / 14
3
しおりを挟む
『ふむふむ…そうか…』
まったく人間という生き物は…。
妖精は、普通の者には見えないだけで色々な所に飛んでいる。
今回の預言者の事も、王太子の言葉も妖精達から、妖精王グリースの耳に入っていた。
勿論、加護を授けたマリーナの事もグリースは、いつも見守ってきた。
義母達が、マリーナに悪さをしようと企めば、その前に自分達に災難が訪れ、やる気を失わせてきた。
だから、今回も災難から逃れさす事は出来る。
だが王太子との婚約をマリーナが望んでいないのに助けてはマリーナの為にはならない。
『ふむ…仕方ない。久しぶりに森の外に出てみるか…』
そう言うとグリースは夜を待ち、マリーナが自室で1人になった頃に姿を現した。
「っ!…妖精王グリース様!突然どうされたのですか?森から出て来られるなんて…も、もしかして森に何かあったのですか!?」
『久しいの、マリーナ。やはりお主の心は暖かい』
『『『あっ!王様だ!』』』
『お前達も、いつもマリーナを守ってくれて、ご苦労!』
『えへへ、王様に褒められた!』
『わーい、褒められた』
「グリース様、急を要する事では無いのですね?なら安心致しました。では何故こちらに?」
『お主に聞きたい事があってなっ。今度、王太子の婚約者選びが有るであろう?あれは妖精から愛されし者を探す為の物と聞く。お主が、それを望むなら力を貸そうと思ってな。そなたの気持ちを聞きに来た』
「まぁ今回の茶会は、婚約者選びだけでなくそんな意図が…。そうですね、私の様な者が王太子妃など務まるとは思えません。ですが…もしも王太子が運命だと思って私を自ら見付けて下さったのなら…うふふ夢物語ですわね。グリース様、今回の茶会はどうか何もされません様にお願い致します」
『ふむ、手出し不要と…お主は相変わらず我を頼らんな。それはそれで寂しいぞ』
『王様、寂しい?』
『マリーナ、王様をイジメたの?』
「イジメてないわよ。それよりもグリース様、国王陛下達は、どうやって私を見つけ出すつもりなのでしょうか?彼らには妖精は見えていないのでしょう?」
グリース様は、国王達の計画を話してくれた。
「まぁでは、私も皆と一緒に狼狽え怯えれば分からないのですね…それに王太子様の言葉は許せませんね。身分で選ぶなら分かりますが国母となる者を顔で選ぶなんて。美人じゃないといけないなら私は選ばれる事はありませんから良かったですわ」
『はて?余はマリーナは美人だと思うぞ』
『『『マリーナは、可愛いよ!』』』
「うふふ、そんな事を言ってくれるのは あなた達だけですよ。それでも嬉しいです。ありがとう御座います」
『これは本気にしてないな?』
『『『本当なのにねぇー』』』
「さて、冗談は置いておいて、当日は絶対に手助けは無用でお願いします」
『お前の言う通りにしよう』
美人のご令嬢をお望みなら、私を探し当てる事は不可能だろう。
当日が楽しみだわ♪
まったく人間という生き物は…。
妖精は、普通の者には見えないだけで色々な所に飛んでいる。
今回の預言者の事も、王太子の言葉も妖精達から、妖精王グリースの耳に入っていた。
勿論、加護を授けたマリーナの事もグリースは、いつも見守ってきた。
義母達が、マリーナに悪さをしようと企めば、その前に自分達に災難が訪れ、やる気を失わせてきた。
だから、今回も災難から逃れさす事は出来る。
だが王太子との婚約をマリーナが望んでいないのに助けてはマリーナの為にはならない。
『ふむ…仕方ない。久しぶりに森の外に出てみるか…』
そう言うとグリースは夜を待ち、マリーナが自室で1人になった頃に姿を現した。
「っ!…妖精王グリース様!突然どうされたのですか?森から出て来られるなんて…も、もしかして森に何かあったのですか!?」
『久しいの、マリーナ。やはりお主の心は暖かい』
『『『あっ!王様だ!』』』
『お前達も、いつもマリーナを守ってくれて、ご苦労!』
『えへへ、王様に褒められた!』
『わーい、褒められた』
「グリース様、急を要する事では無いのですね?なら安心致しました。では何故こちらに?」
『お主に聞きたい事があってなっ。今度、王太子の婚約者選びが有るであろう?あれは妖精から愛されし者を探す為の物と聞く。お主が、それを望むなら力を貸そうと思ってな。そなたの気持ちを聞きに来た』
「まぁ今回の茶会は、婚約者選びだけでなくそんな意図が…。そうですね、私の様な者が王太子妃など務まるとは思えません。ですが…もしも王太子が運命だと思って私を自ら見付けて下さったのなら…うふふ夢物語ですわね。グリース様、今回の茶会はどうか何もされません様にお願い致します」
『ふむ、手出し不要と…お主は相変わらず我を頼らんな。それはそれで寂しいぞ』
『王様、寂しい?』
『マリーナ、王様をイジメたの?』
「イジメてないわよ。それよりもグリース様、国王陛下達は、どうやって私を見つけ出すつもりなのでしょうか?彼らには妖精は見えていないのでしょう?」
グリース様は、国王達の計画を話してくれた。
「まぁでは、私も皆と一緒に狼狽え怯えれば分からないのですね…それに王太子様の言葉は許せませんね。身分で選ぶなら分かりますが国母となる者を顔で選ぶなんて。美人じゃないといけないなら私は選ばれる事はありませんから良かったですわ」
『はて?余はマリーナは美人だと思うぞ』
『『『マリーナは、可愛いよ!』』』
「うふふ、そんな事を言ってくれるのは あなた達だけですよ。それでも嬉しいです。ありがとう御座います」
『これは本気にしてないな?』
『『『本当なのにねぇー』』』
「さて、冗談は置いておいて、当日は絶対に手助けは無用でお願いします」
『お前の言う通りにしよう』
美人のご令嬢をお望みなら、私を探し当てる事は不可能だろう。
当日が楽しみだわ♪
106
あなたにおすすめの小説
男の仕事に口を出すなと言ったのはあなたでしょうに、いまさら手伝えと言われましても。
kieiku
ファンタジー
旦那様、私の商会は渡しませんので、あなたはご自分の商会で、男の仕事とやらをなさってくださいね。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜
有賀冬馬
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。
「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」
本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。
けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。
おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。
貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。
「ふふ、気づいた時には遅いのよ」
優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。
ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇!
勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!
絶縁状をお受け取りくださいませ旦那様。~離縁の果てに私を待っていたのは初恋の人に溺愛される幸せな異国ライフでした
松ノ木るな
恋愛
アリンガム侯爵家夫人ルシールは離婚手続きが進むさなかの夜、これから世話になる留学先の知人に手紙をしたためていた。
もう書き終えるかという頃、扉をノックする音が聞こえる。その訪ね人は、薄暗い取引で長年侯爵家に出入りしていた、美しい男性であった。
ある、義妹にすべてを奪われて魔獣の生贄になった令嬢のその後
オレンジ方解石
ファンタジー
異母妹セリアに虐げられた挙げ句、婚約者のルイ王太子まで奪われて世を儚み、魔獣の生贄となったはずの侯爵令嬢レナエル。
ある夜、王宮にレナエルと魔獣が現れて…………。
透明な貴方
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
政略結婚の両親は、私が生まれてから離縁した。
私の名は、マーシャ・フャルム・ククルス。
ククルス公爵家の一人娘。
父ククルス公爵は仕事人間で、殆ど家には帰って来ない。母は既に年下の伯爵と再婚し、伯爵夫人として暮らしているらしい。
複雑な環境で育つマーシャの家庭には、秘密があった。
(カクヨムさん、小説家になろうさんにも載せています)
うちに待望の子供が産まれた…けど
satomi
恋愛
セント・ルミヌア王国のウェーリキン侯爵家に双子で生まれたアリサとカリナ。アリサは黒髪。黒髪が『不幸の象徴』とされているセント・ルミヌア王国では疎まれることとなる。対してカリナは金髪。家でも愛されて育つ。二人が4才になったときカリナはアリサを自分の侍女とすることに決めた(一方的に)それから、両親も家での事をすべてアリサ任せにした。
デビュタントで、カリナが皇太子に見られなかったことに腹を立てて、アリサを勘当。隣国へと国外追放した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる