14 / 14
14
しおりを挟む
宰相であるフィルランダ侯爵は、国王の言葉に耳を疑った。
妖精の愛し子かもしれないと疑惑の渦中にいるアルス伯爵家の嫁マリーナを後宮に閉じ込め側室にすると言ったのだ。
アルス伯爵家次男と妻、マリーナは、まだ婚姻したばかり。
嫌がる夫人を無理やり手篭めにするつもりなのか?
彼女が本当に妖精の愛し子ならば、彼女を傷付ける行為はこの国をも滅ぼす事に繋がるのでは?
宰相は、国王に考えを改める様に進言するが、国王は聞く耳を持たない。
自分の代で直系が途絶えるのを恐れてなのか?
国王の意図は分からないが、このまま従えばこの国は妖精に…いや、妖精王により滅びる。
何としてもそれだけは、この国、いや民の為に阻止しないといけない。
国王には退位して頂き、フィリップ殿下に即位してもらおう。
王太子となられてまだ間もないフィリップ殿下には酷な事だが、もうそれしかこの国を守る事は出来ないだろう。
国王は、激怒し反逆者として私を罰しようとするだろう。
それでも私が遣らねばならぬ。
宰相は、フィリップ王太子の執務室へと向かった。
フィリップは、宰相の言葉に驚き動揺を隠せなかった。
将来、国王となる者としてあるまじき行為なのは分かっている。
しかし、宰相が口にした言葉は、それ程に衝撃的な言葉だったのだ。
「陛下が妖精に愛されし者を…それは真なのか?かの御方は、妖精王にも愛されていると聞いている。そんな事は妖精王が許すまい。この地は枯れ草1つも生えない荒地になり、水は枯れ人も家畜も住めぬ土地となり、この国は終わりだ。陛下は御乱心なされたのか!?」
「今の国王は、誰の言葉も受け入れません。このままでは国が滅びましょう。アルス伯爵には、嫁のマリーナ夫人の体調がすぐれないと召還を延期する様に指示を出しました。ですが、国王が痺れを切らすのも時間の問題かと」
「国王が諦めるまで夫と共にマリーナ夫人を何処かに…」
「それは無理かと。夫人は妖精に愛されています。夫人が居る場所は潤い、豊かになりますので隠すのは難しいかと…かと言って他国に出すわけには行きません」
「………私の所有している山の麓の別荘はどうだ?あそこは周りに何もない。ブラングラス公爵領地で町に出るにも半日は掛かる。あそこならバレるまい」
「では、直ぐにアルス伯爵家に使いを出します」
宰相は、直ぐに信頼のおける部下に指示を出し、フィリップ殿下と、これからの事を話し合った。
フィリップ殿下は、国の為、民の為に、国王となる事を決意した。
今の国王には、元王太子の件で心労から病に倒れ廃位を決意した。と言う筋書きで決まった。
勿論、国王が素直に廃位をするわけがない。
フィリップ殿下と宰相で、国王陛下を追い込む事になるが、貴族達も国王陛下が御乱心と知れば、こちらに付く筈。
国の為、民の為に2人は動き出した。
妖精の愛し子かもしれないと疑惑の渦中にいるアルス伯爵家の嫁マリーナを後宮に閉じ込め側室にすると言ったのだ。
アルス伯爵家次男と妻、マリーナは、まだ婚姻したばかり。
嫌がる夫人を無理やり手篭めにするつもりなのか?
彼女が本当に妖精の愛し子ならば、彼女を傷付ける行為はこの国をも滅ぼす事に繋がるのでは?
宰相は、国王に考えを改める様に進言するが、国王は聞く耳を持たない。
自分の代で直系が途絶えるのを恐れてなのか?
国王の意図は分からないが、このまま従えばこの国は妖精に…いや、妖精王により滅びる。
何としてもそれだけは、この国、いや民の為に阻止しないといけない。
国王には退位して頂き、フィリップ殿下に即位してもらおう。
王太子となられてまだ間もないフィリップ殿下には酷な事だが、もうそれしかこの国を守る事は出来ないだろう。
国王は、激怒し反逆者として私を罰しようとするだろう。
それでも私が遣らねばならぬ。
宰相は、フィリップ王太子の執務室へと向かった。
フィリップは、宰相の言葉に驚き動揺を隠せなかった。
将来、国王となる者としてあるまじき行為なのは分かっている。
しかし、宰相が口にした言葉は、それ程に衝撃的な言葉だったのだ。
「陛下が妖精に愛されし者を…それは真なのか?かの御方は、妖精王にも愛されていると聞いている。そんな事は妖精王が許すまい。この地は枯れ草1つも生えない荒地になり、水は枯れ人も家畜も住めぬ土地となり、この国は終わりだ。陛下は御乱心なされたのか!?」
「今の国王は、誰の言葉も受け入れません。このままでは国が滅びましょう。アルス伯爵には、嫁のマリーナ夫人の体調がすぐれないと召還を延期する様に指示を出しました。ですが、国王が痺れを切らすのも時間の問題かと」
「国王が諦めるまで夫と共にマリーナ夫人を何処かに…」
「それは無理かと。夫人は妖精に愛されています。夫人が居る場所は潤い、豊かになりますので隠すのは難しいかと…かと言って他国に出すわけには行きません」
「………私の所有している山の麓の別荘はどうだ?あそこは周りに何もない。ブラングラス公爵領地で町に出るにも半日は掛かる。あそこならバレるまい」
「では、直ぐにアルス伯爵家に使いを出します」
宰相は、直ぐに信頼のおける部下に指示を出し、フィリップ殿下と、これからの事を話し合った。
フィリップ殿下は、国の為、民の為に、国王となる事を決意した。
今の国王には、元王太子の件で心労から病に倒れ廃位を決意した。と言う筋書きで決まった。
勿論、国王が素直に廃位をするわけがない。
フィリップ殿下と宰相で、国王陛下を追い込む事になるが、貴族達も国王陛下が御乱心と知れば、こちらに付く筈。
国の為、民の為に2人は動き出した。
136
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
男の仕事に口を出すなと言ったのはあなたでしょうに、いまさら手伝えと言われましても。
kieiku
ファンタジー
旦那様、私の商会は渡しませんので、あなたはご自分の商会で、男の仕事とやらをなさってくださいね。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
義母と義妹に虐げられていましたが、陰からじっくり復讐させていただきます〜おしとやか令嬢の裏の顔〜
有賀冬馬
ファンタジー
貴族の令嬢リディアは、父の再婚によりやってきた継母と義妹から、日々いじめと侮蔑を受けていた。
「あら、またそのみすぼらしいドレス? まるで使用人ね」
本当の母は早くに亡くなり、父も病死。残されたのは、冷たい屋敷と陰湿な支配。
けれど、リディアは泣き寝入りする女じゃなかった――。
おしとやかで無力な令嬢を演じながら、彼女はじわじわと仕返しを始める。
貴族社会の裏の裏。人の噂。人間関係。
「ふふ、気づいた時には遅いのよ」
優しげな仮面の下に、冷たい微笑みを宿すリディアの復讐劇が今、始まる。
ざまぁ×恋愛×ファンタジーの三拍子で贈る、スカッと復讐劇!
勧善懲悪が好きな方、読後感すっきりしたい方にオススメです!
絶縁状をお受け取りくださいませ旦那様。~離縁の果てに私を待っていたのは初恋の人に溺愛される幸せな異国ライフでした
松ノ木るな
恋愛
アリンガム侯爵家夫人ルシールは離婚手続きが進むさなかの夜、これから世話になる留学先の知人に手紙をしたためていた。
もう書き終えるかという頃、扉をノックする音が聞こえる。その訪ね人は、薄暗い取引で長年侯爵家に出入りしていた、美しい男性であった。
ある、義妹にすべてを奪われて魔獣の生贄になった令嬢のその後
オレンジ方解石
ファンタジー
異母妹セリアに虐げられた挙げ句、婚約者のルイ王太子まで奪われて世を儚み、魔獣の生贄となったはずの侯爵令嬢レナエル。
ある夜、王宮にレナエルと魔獣が現れて…………。
透明な貴方
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
政略結婚の両親は、私が生まれてから離縁した。
私の名は、マーシャ・フャルム・ククルス。
ククルス公爵家の一人娘。
父ククルス公爵は仕事人間で、殆ど家には帰って来ない。母は既に年下の伯爵と再婚し、伯爵夫人として暮らしているらしい。
複雑な環境で育つマーシャの家庭には、秘密があった。
(カクヨムさん、小説家になろうさんにも載せています)
うちに待望の子供が産まれた…けど
satomi
恋愛
セント・ルミヌア王国のウェーリキン侯爵家に双子で生まれたアリサとカリナ。アリサは黒髪。黒髪が『不幸の象徴』とされているセント・ルミヌア王国では疎まれることとなる。対してカリナは金髪。家でも愛されて育つ。二人が4才になったときカリナはアリサを自分の侍女とすることに決めた(一方的に)それから、両親も家での事をすべてアリサ任せにした。
デビュタントで、カリナが皇太子に見られなかったことに腹を立てて、アリサを勘当。隣国へと国外追放した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる