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目覚めると、私は部屋のベッドの中にいた。
あれ?死んでいない?
「マリアーナお嬢様っ!!気が付かれたのですね、ああ本当に、本当に良かったです。直ぐに旦那様とユリウス様を呼んで参りますね!」
涙ぐみながら侍女のクスカが、水差しからコップに水を注ぎ、私に渡すと、慌てて部屋を出て行った。
私は、確か階段から落ちたのよね?…その割には身体も痛くないし、どこも怪我もしていないみたい。
はっ!もしかして時間が巻き戻りしたりして!?
う~ん?それにしては姿も歳も変わっていない様な…。
おやおや???
「マリアーナ!!あぁ良かった。気が付いてくれて…」
「お父様、お母様」
「殿下が気を失っているお前を抱いて、屋敷まで連れて来た時は、心臓が止まるかと思ったよ」
「お兄様。グリード殿下が、私を?」
「ああ、丁度階段の下を歩いていたら、お前が上から落ちて来るのが見えて、慌てて受け止めたと言っていた。頭も身体も打って無い筈なのに、お前が声を掛けても起きないと、とても心配されていたよ」
「そうなんですか…お父様、お母様、お兄様には、ご心配をお掛けして申し訳ありません。その上、殿下にも御迷惑をお掛けしてしまいました」
執事のロイドと共にハイド医師が部屋に遣って来た。
「マリアーナ様、何処か痛いとか、ご気分が悪いとかは有りませんか?」
「大丈夫です。きっと軽い貧血でも起こしたのでしょう」
「貧血でしたら2日も眠り続ける事は無いと思います。しかし、落ちる時にどこかにぶつけたのかと診察しましたが、その形跡もない。何処にも異常が視られないのに2日間も意識が戻らないのは…不思議です」
「えっ?2日も、わたくしは眠っていたのですか?」
何と言う事だ。数時間程、気を失っていたのかと思っていたが2日も…それでは両親もお兄様も心配する筈だ。
両親とお兄様は、気が付いたばかりで余り無理をして疲れさせてはいけないと私に、ゆっくり休むように言って部屋を出て行った。
はぁー、ちょっと整理しよう!
私は『君と僕の愛の物語』のヒロインである男爵令嬢のセリアを虐める悪役令嬢マリアーナで間違いない。
この物語は、モントレバルグ国の王太子グリード殿下が男爵令嬢セリアと出逢い恋に落ちる。
マリアーナは、殿下の婚約者の座を奪われたく無いマリアーナは、セリアを陰で虐めるのだ。
マリアーナが虐める事で、殿下とセリアさんの愛は更に燃え上がり、とうとうクリスマスパーティーで殿下に婚約破棄をされる。
セリアを恨んだマリアーナは、彼女が居なくなれば殿下が戻ると考え、セリアを殺そうと企て失敗し、呆気なく捕まる。
捕らえられたマリアーナは当然処刑され、その家族も処刑となりカンドラ侯爵家は取り潰しになる。
私の為に、家族を苦しめ処刑されるなんて嫌だ。
私だって死にたくない!
グリードから婚約破棄宣言されたら直ぐに了承しよう。
学園ではセリアにも係わらない様にして大人しくしていよう…。
あれ~?一昨日のって、きっと階段イベントだよね?
マリアーナがセリアを呼び出して階段から突き落とす。あれでしょ!?
セリアが落ちる所にグリードが通りかかり助けるんだったよね…あらら、私が思わず手を差し出しセリアを助けてしまったから話が変わってしまった?
えぇー!でも目の前で人が落ちそうになっていたら、普通は助けるよね!?
それより何より今現在グリードとセリアが恋仲になっていないわよぉー。
う~ん、漫画の内容と現実世界なんか違くない!?
あれ?死んでいない?
「マリアーナお嬢様っ!!気が付かれたのですね、ああ本当に、本当に良かったです。直ぐに旦那様とユリウス様を呼んで参りますね!」
涙ぐみながら侍女のクスカが、水差しからコップに水を注ぎ、私に渡すと、慌てて部屋を出て行った。
私は、確か階段から落ちたのよね?…その割には身体も痛くないし、どこも怪我もしていないみたい。
はっ!もしかして時間が巻き戻りしたりして!?
う~ん?それにしては姿も歳も変わっていない様な…。
おやおや???
「マリアーナ!!あぁ良かった。気が付いてくれて…」
「お父様、お母様」
「殿下が気を失っているお前を抱いて、屋敷まで連れて来た時は、心臓が止まるかと思ったよ」
「お兄様。グリード殿下が、私を?」
「ああ、丁度階段の下を歩いていたら、お前が上から落ちて来るのが見えて、慌てて受け止めたと言っていた。頭も身体も打って無い筈なのに、お前が声を掛けても起きないと、とても心配されていたよ」
「そうなんですか…お父様、お母様、お兄様には、ご心配をお掛けして申し訳ありません。その上、殿下にも御迷惑をお掛けしてしまいました」
執事のロイドと共にハイド医師が部屋に遣って来た。
「マリアーナ様、何処か痛いとか、ご気分が悪いとかは有りませんか?」
「大丈夫です。きっと軽い貧血でも起こしたのでしょう」
「貧血でしたら2日も眠り続ける事は無いと思います。しかし、落ちる時にどこかにぶつけたのかと診察しましたが、その形跡もない。何処にも異常が視られないのに2日間も意識が戻らないのは…不思議です」
「えっ?2日も、わたくしは眠っていたのですか?」
何と言う事だ。数時間程、気を失っていたのかと思っていたが2日も…それでは両親もお兄様も心配する筈だ。
両親とお兄様は、気が付いたばかりで余り無理をして疲れさせてはいけないと私に、ゆっくり休むように言って部屋を出て行った。
はぁー、ちょっと整理しよう!
私は『君と僕の愛の物語』のヒロインである男爵令嬢のセリアを虐める悪役令嬢マリアーナで間違いない。
この物語は、モントレバルグ国の王太子グリード殿下が男爵令嬢セリアと出逢い恋に落ちる。
マリアーナは、殿下の婚約者の座を奪われたく無いマリアーナは、セリアを陰で虐めるのだ。
マリアーナが虐める事で、殿下とセリアさんの愛は更に燃え上がり、とうとうクリスマスパーティーで殿下に婚約破棄をされる。
セリアを恨んだマリアーナは、彼女が居なくなれば殿下が戻ると考え、セリアを殺そうと企て失敗し、呆気なく捕まる。
捕らえられたマリアーナは当然処刑され、その家族も処刑となりカンドラ侯爵家は取り潰しになる。
私の為に、家族を苦しめ処刑されるなんて嫌だ。
私だって死にたくない!
グリードから婚約破棄宣言されたら直ぐに了承しよう。
学園ではセリアにも係わらない様にして大人しくしていよう…。
あれ~?一昨日のって、きっと階段イベントだよね?
マリアーナがセリアを呼び出して階段から突き落とす。あれでしょ!?
セリアが落ちる所にグリードが通りかかり助けるんだったよね…あらら、私が思わず手を差し出しセリアを助けてしまったから話が変わってしまった?
えぇー!でも目の前で人が落ちそうになっていたら、普通は助けるよね!?
それより何より今現在グリードとセリアが恋仲になっていないわよぉー。
う~ん、漫画の内容と現実世界なんか違くない!?
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