婚約者を少しでも好きになる様に頑張ってみましたが、父を侮辱したので婚約破棄を受け入れます!

山葵

文字の大きさ
6 / 13

6

しおりを挟む
エバン殿下とのダンスが終わり、喉を潤す為に飲み物を取りに私達はテーブルへと向かう。

「おいっ!お前どういうつもりだ!?俺という婚約者がいながら他の男と…「そう言う君も婚約者を蔑ろにして他の令嬢をエスコートしているけれど、それはどういう事だ?」

エバン殿下に痛い所を着かれカイン様は言葉に詰まる。

「わたくしはカイン様が迎えに来て下さると思い、屋敷でずっと待っておりました。なぜ事前にエスコートは出来ないと教えて下さらなかったのですか?」

「う、うるさい!俺はお前みたいな奴と婚約なんてしたくなかった。お前の父親がどうしてもと父上に泣き付いたから仕方無く父上が受け入れたんだ。まったくお前の父親も高位貴族とのパイプが欲しいからとお前の様な女を俺の婚約者になんて図々しいにも程があるだろう。泣き落としてまで婚姻を結ぼうなんて貴族のする事か!?情けない男だっ!」

この人は何を言っているのだろう?
お父様が泣いて頼んだ?こんな人にお父様を侮辱されるなんて許せない!

私は皆に聞こえる様に大きな声でカインに問いかけた。

「まぁっ!カイン様は、私の父がブランガ侯爵に私との婚約を泣いて頼んだと言うのですか!?それは誰から聞いたのでしょう?」

「父上が俺に謝りながら言っていた。泣き付かれて断れなかったとなっ!」

「それは可笑しいですね?わたくしは父からブランガ侯爵に頼まれ格上からの申し入れの為に断れなかったと言われましたが?」

「そんな事有るかっ!!なぜ我が侯爵家が伯爵家に頼まなきゃいけない。父上を侮辱するなっ!」

「貴方こそわたくしの父を侮辱しないで下さいませ!!」

「お前の様な女と結婚なんて出来るかぁー!!婚約は破棄だ!!父上を侮辱した慰謝料はきっちり払って貰うぞ!!」

「婚約破棄は勿論喜んでお受け致しますわ!貴方が父を公の場で侮辱したのです。わたくしと父への慰謝料は払って貰いますから、そのおつもりで。早く帰って侯爵に婚約破棄をお伝えした方が宜しいのでは?殴られない事を心より祈って下りますわ」

カインは激怒し、モニカを置いて帰ってしまった。

私は、ドッと疲れが出たのか、頭に血が登って仕舞ったせいなのか立ち眩みをお越しふらつく。

それをエバン殿下は優しく抱き止め支えてくれた。

「ありがとうございます。殿下の目の前で醜態を晒してしまい大変申し訳御座いません。わたくしも先にお暇させて頂きます」

「君は父上の為に戦ったんだもの。とてもかっこ良かったよ。さすが私が見初めた…コホンッ。それに私が迎えに行ったのだから馬車が無いよ。君が帰りたいのなら送って行こう」

私と一緒に、こんなに早く帰ったら休暇明けのご令嬢達が恐い。

「あの…少し休んだら大丈夫だと思います。椅子に座って休んで居ますので、殿下はパーティーを楽しんで下さい」

そう言ったのに、なぜ貴方は私に付いて来て、私の横に座っているのです!?

ほら、ご令嬢がダンスの誘いに来ましたよ?
えっ!?な、なぜ断るのです?
ああ…ご令嬢が私を睨んでから去って行きます…。

殿下は学園長に呼ばれ嫌そうに席を立った。
やっと落ち着け…ませんね。

ご令嬢達に付いて来る様に言われちゃいましたぁ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「ばっかじゃないの」とつぶやいた

吉田ルネ
恋愛
少々貞操観念のバグったイケメン夫がやらかした

王子に買われた妹と隣国に売られた私

京月
恋愛
スペード王国の公爵家の娘であるリリア・ジョーカーは三歳下の妹ユリ・ジョーカーと私の婚約者であり幼馴染でもあるサリウス・スペードといつも一緒に遊んでいた。 サリウスはリリアに好意があり大きくなったらリリアと結婚すると言っており、ユリもいつも姉さま大好きとリリアを慕っていた。 リリアが十八歳になったある日スペード王国で反乱がおきその首謀者として父と母が処刑されてしまう。姉妹は王様のいる玉座の間で手を後ろに縛られたまま床に頭をつけ王様からそして処刑を言い渡された。 それに異議を唱えながら玉座の間に入って来たのはサリウスだった。 サリウスは王様に向かい上奏する。 「父上、どうか"ユリ・ジョーカー"の処刑を取りやめにし俺に身柄をくださいませんか」 リリアはユリが不敵に笑っているのが見えた。

【12話完結】私はイジメられた側ですが。国のため、貴方のために王妃修行に努めていたら、婚約破棄を告げられ、友人に裏切られました。

西東友一
恋愛
国のため、貴方のため。 私は厳しい王妃修行に努めてまいりました。 それなのに第一王子である貴方が開いた舞踏会で、「この俺、次期国王である第一王子エドワード・ヴィクトールは伯爵令嬢のメリー・アナラシアと婚約破棄する」 と宣言されるなんて・・・

望まない相手と一緒にいたくありませんので

毬禾
恋愛
どのような理由を付けられようとも私の心は変わらない。 一緒にいようが私の気持ちを変えることはできない。 私が一緒にいたいのはあなたではないのだから。

【完結】今更、好きだと言われても困ります……不仲な幼馴染が夫になりまして!

Rohdea
恋愛
──私の事を嫌いだと最初に言ったのはあなたなのに! 婚約者の王子からある日突然、婚約破棄をされてしまった、 侯爵令嬢のオリヴィア。 次の嫁ぎ先なんて絶対に見つからないと思っていたのに、何故かすぐに婚約の話が舞い込んで来て、 あれよあれよとそのまま結婚する事に…… しかし、なんとその結婚相手は、ある日を境に突然冷たくされ、そのまま疎遠になっていた不仲な幼馴染の侯爵令息ヒューズだった。 「俺はお前を愛してなどいない!」 「そんな事は昔から知っているわ!」 しかし、初夜でそう宣言したはずのヒューズの様子は何故かどんどんおかしくなっていく…… そして、婚約者だった王子の様子も……?

【完結】私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね

江崎美彩
恋愛
 王太子殿下の婚約者候補を探すために開かれていると噂されるお茶会に招待された、伯爵令嬢のミンディ・ハーミング。  幼馴染のブライアンが好きなのに、当のブライアンは「ミンディみたいなじゃじゃ馬がお茶会に出ても恥をかくだけだ」なんて揶揄うばかり。 「私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね! 王太子殿下に見染められても知らないんだから!」  ミンディはブライアンに告げ、お茶会に向かう…… 〜登場人物〜 ミンディ・ハーミング 元気が取り柄の伯爵令嬢。 幼馴染のブライアンに揶揄われてばかりだが、ブライアンが自分にだけ向けるクシャクシャな笑顔が大好き。 ブライアン・ケイリー ミンディの幼馴染の伯爵家嫡男。 天邪鬼な性格で、ミンディの事を揶揄ってばかりいる。 ベリンダ・ケイリー ブライアンの年子の妹。 ミンディとブライアンの良き理解者。 王太子殿下 婚約者が決まらない事に対して色々な噂を立てられている。 『小説家になろう』にも投稿しています

異母姉の身代わりにされて大国の公妾へと堕とされた姫は王太子を愛してしまったので逃げます。えっ?番?番ってなんですか?執着番は逃さない

降魔 鬼灯
恋愛
やかな異母姉ジュリアンナが大国エスメラルダ留学から帰って来た。どうも留学中にやらかしたらしく、罪人として修道女になるか、隠居したエスメラルダの先代王の公妾として生きるかを迫られていた。 しかし、ジュリアンナに弱い父王と側妃は、亡くなった正妃の娘アリアを替え玉として差し出すことにした。 粗末な馬車に乗って罪人としてエスメラルダに向かうアリアは道中ジュリアンナに恨みを持つものに襲われそうになる。 危機一髪、助けに来た王太子に番として攫われ溺愛されるのだか、番の単語の意味をわからないアリアは公妾として抱かれていると誤解していて……。 すれ違う2人の想いは?

今から婚約者に会いに行きます。〜私は運命の相手ではないから

ありがとうございました。さようなら
恋愛
婚約者が王立学園の卒業を間近に控えていたある日。 ポーリーンのところに、婚約者の恋人だと名乗る女性がやってきた。 彼女は別れろ。と、一方的に迫り。 最後には暴言を吐いた。 「ああ、本当に嫌だわ。こんな田舎。肥溜めの臭いがするみたい。……貴女からも漂ってるわよ」  洗練された都会に住む自分の方がトリスタンにふさわしい。と、言わんばかりに彼女は微笑んだ。 「ねえ、卒業パーティーには来ないでね。恥をかくのは貴女よ。婚約破棄されてもまだ間に合うでしょう?早く相手を見つけたら?」 彼女が去ると、ポーリーンはある事を考えた。 ちゃんと、別れ話をしようと。 ポーリーンはこっそりと屋敷から抜け出して、婚約者のところへと向かった。

処理中です...