【完結】何も知らなかった馬鹿な私でしたが、私を溺愛するお父様とお兄様が激怒し制裁してくれました!

山葵

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「ほら、あの方でしょう?自分の夫と妹が…」

「気が付かないなんて愚かな方だ事…」

「皆に笑われているとも気が付かないからこそ茶会にも平気で出て来られるのでしょう?
私なら恥ずかしくて外も歩けませんわ。」

人とのコミュニケーションが苦手な私は、どうしても参加しなければならないパーティーや茶会にしか参加していなかった。

今日は、我が家よりも家格が上のランダナ侯爵家の茶会だったからなのだけれど、なぜかご夫人達の視線が痛い。

嘲笑う者、憐れむ者、話しを聞き苦笑する者。

「なんなのでしょう…?はぁー、胃が痛くなりそうですわ…」

1人ぽつんと座っていると、見知った顔側の隣の席に着いた。

「あら?湿気た顔して座っているご夫人が居ると思えば、シルビア様じゃないの。そんな顔をしているから、妹なんかにリベルト様を寝取られるのではなくて?リベルト様が不貞をする方だとは思わなかったけれど、貴女の妹も、姉の夫となんて節操がなさ過ぎるのでは無い事!?貴女も、ルモナス侯爵夫人として…って、何その顔。まさか貴女は気が付いていなかったの!?嘘でしょう!?」

呆然とする私に驚いているコスナ伯爵夫人のイザベラは、リベルトに好意を寄せていた。
その為、婚約者となった私に学園時代は、姿を見掛ける度に、「地味っ!リベルト様に不釣り合いよっ!」と言って来たけれど、卒業の時には、なぜか私達は仲良くなったいた。

今は、結婚したコスナ伯爵とラブラブだと聞く。

「本当に知らなかったの!?ああ、なんて事…。リベルト様と貴女の妹が不倫をしていると社交界では噂になっているわ。最近のリベルト様におかしな行動は見られなかった?」

リベルトは、王宮で文官として働いている。最近は、仕事が忙しいと帰りも遅かったり、泊まりの日も有った。

そうか…浮気していたんだ。
それも従姉妹のアンナと…。

皆が私を見ているのは、夫とが妹に寝取られたと憐れに思っているから。

気持ちが悪い…。
早く帰りたい。

何処へ?ルモナス家に戻れば、リベルトと顔を合わせてしまう。
実家に戻れば、アンナが居る。

私の気持ちを察したのかの、イザベラがコスナ伯爵家へと連れ帰ってくれた。

ルモナス家にはコスナ伯爵家に泊まる事を、実家のサルベルト家にはお父様とお兄様にコスナ伯爵家にて会いたいという手紙を書いた。

夕刻に、お兄様がコスナ伯爵家を訪ねて来てくれた。

お父様もお兄様も昨日まで領地に戻っていて、社交界での噂を知らなかった。
2人が留守な事を良い事に、アンナは好き勝手していた様だ。

激怒したお兄様は、アンナの方は明日までには片を付けるから、明日迎えに来るまでコスナ伯爵家に世話になる様に告げると帰って行った。

次の日の午前中にはサルベルト家より迎えが来た。
さすがお父様とお兄様、仕事が早い。

「アンナは、北の修道院に送った。リンクラナの姪だからと引き取ってやったのに恩を仇で返すとはなっ!」

「だから僕は引き取る事に反対したんです。護衛騎士と駆け落ちした叔母の娘なんて引き取る必要なんて無かったんです。シルビアを悲しませる事になったのは父上の責任ですからねっ!」

当主である父親を怒るお兄様は、私の事になると相手が誰で在ろうと手加減はしない。
まぁお父様も何だけれど…。

今にもお父様に土下座をさせそうなお兄様を宥めていると、執事長が「ルモナス侯爵がお見えです。」と呼びに来た。

リベルトは、私が実家に居る事を知らない。

私は、呼び出しが掛かるまで、部屋で待機する事になった。
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