【完結】何も知らなかった馬鹿な私でしたが、私を溺愛するお父様とお兄様が激怒し制裁してくれました!

山葵

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執事長に呼ばれて応接室に入ると、土下座して泣いているリベルトが見えた。

「あっ、シ、シルビア、すまない。俺が悪かった。アンナに誘われて、断れなくて…俺が愛しているのは…」

「おいっ!お前、まだ分かってない様だな?最初はアンナに誑かされたのか、襲われたのかもしれねぇが、その後も関係を持ち続けたのはお前の意思だろう!?違うかっ!?分かったなら、さっさと離縁届にサインしろっ!」

「ルモナス卿、私は先ほど手荒な事はしたくないと言ったはずだが?……潰すぞっ!」

「ひぃー!し、します。サインをさせて頂きますぅー!」

お父様から、差し出された離婚届にリベルトがサインをし、続いて私もサインをした。

「はい、じゃあこれも宜しく~♪」と言って、にこやかにお兄様がリベルトに渡したのは慰謝料請求書。

請求金額を確認したリベルトは、更に顔を青くし口をパクパクさせていたが、言葉が発せられる事はなかった。

項垂れて帰るリベルトを可哀想だと思う事ももうない。

「「ああ可愛いシルビア、悲しい思いをさせたね」」

声を揃えて、私に謝り抱きつくお父様とお兄様。
過保護すぎて、ちょっとうざい…。言いませんけれどね。

「もう、何処にも嫁に行かなくて良いからなっ。そうだ!ガイロスに爵位を譲り、父と一緒に領地でのんびり暮らそう。そうだ。そうしよう!」

「はあぁ!?何を訳の分からない事をっ!シルビアは、僕の補佐としてこの屋敷で働いて貰います。父上は一人で勝手に隠居生活して下さい。ねぇ~シルビアは、兄様と一緒に暮らすよねぇ~?」

私の事を溺愛して取り合う2人は暫く放って置こう。
円満(?)にリベルトと離婚出来たのも2人のお陰だしね。

暫くしてルモナス侯爵家は没落してしまった。
父と兄がルモナス侯爵家に何かをしたわけではない。
ただルモナス侯爵家がサルベルト公爵家を敵に回したと噂が流れただけ。
王弟であるサルベルト公爵を敵に回したルモナス侯爵家と今まで通り取り引きしたいという家が失くなったしまっただけだ。


一方、サルベルト公爵家の馬車で北の修道院まで連れて行かれたアンナは最後まで隙在らば逃げようと抵抗し続けた。

「どうしてあたしが修道院に行かなければならないのよ!何でも持っているシルビアがムカつくのよ!母親同士が姉妹なのに、何でこんなに違うわけ?可笑しいでしょう!?だから金持ちで侯爵の旦那を奪ってやろうと思ったのよ!それの何が悪いのよっ!!」

修道院に入る最後まで反省の言葉も謝罪の言葉も無かったと聞く。

北の修道院は、国一番の厳しい修道院。
どんなに手の付けられない令嬢でも大人しくなって帰って来ると言われている。

アンナにはもう戻る家は無いから、一生修道院に居るか平民として市井で暮らすかしかない。

いつかアンナも自分のした事を反省してくれる様に切に願う。



End

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