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二章
性徒会執行部、入部 1
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「失礼」
「……失礼します」
そんなこんなで職員室に来たのはいいけれど、なんで先輩はこう躊躇いも無く入っていけるんだろう。
部長だから職員室に入る機会が多いとか?
少なくとも、俺は職員室に入るのは少し勇気が必要だ。特に悪いことをしたわけでは無いけれど、何故か入るのを躊躇ってしまう。職員室や生徒指導室なんて大半の生徒にとってはそういう所だと思っている。
俺が入り口付近でやましいことはないのに入室を躊躇っていると。
「どうした悠斗」
「あ、いえ」
井上先輩には怪訝そうな顔をされたので、しぶしぶ職員室に片足を踏み入れた。
「はな、新乳部員だぞ」
はな? はなってたしか住吉先生だったか?
待てよ? 俺の記憶が正しければ、保健体育の授業を受け持っている先生……。これは適任と言わざる負えない。
健全なことをしていても「保健体育の実技指導」という響きは言葉だけでも色々なことが想像できて、なんだかエロい。
それに、保健体育を教えてる先生と保険の先生はエロいってよく言うしね。
主に俺が。
「新乳部員だなんて珍しいわね」
そう言い、俺を舐めまわすように下から上へ、上から下へと視線を向けてくる住吉先生。
井上先輩のときもそうだったけど、なぜか新入部の入の文字が、発音が違うような気がする。けど、それは俺の気のせいだよね? 漫画だったり小説だったら簡単にわかるのに……。
視線を注ぐことをやめない住吉先生に負けじと、俺も舐めまわすように見つめ返す。
もちろんその井上先輩に負けず劣らずのおっぱいを。
スーツの中のワイシャツの生地が薄いのせいで、下着の色がうっすらと浮かんでいる。色は……紫か、なんてエロいんだ! わざとシャツの生地を薄くして誘惑しているのだと信じたい。だって、保健体育の先生なんだから。
「そんなに見つめないでよ、恥ずかしい」
谷間が見えるまでボタンを外しておいてそんなこと平然と。満面の笑みで言う。きっと俺以外の誰がその顔を見ても、間違い無く恥ずかしいだなんて微塵も思ってないと答えてくれるはず。
恥ずかしいんだったら胸元までボタンを開けないで下さいよね!! 目のやり場に困るじゃ無いですか! ほんとにもう!
「目のやり場に困っているようには見えないけどねぇ?」
先生のその妖艶な喋り方とエロチックなそのおっぱいに俺はもうクラクラだよ!
って、あれ? 今住吉先生は何と言った? 「目のやり場に困っているようには見えないけどねぇ?」だって?
「もしかして口に出てました?」
「ばっちり」
「ばっちり」
そんな声を揃えて言わなくても!
ていうか、男の先生改め女の先生、この職員室に居る先生全員気まずそうに俯いてるんですけど!
「あら後藤先生? 見たければ見てもいいんですよ?」
「いや、私は決して住吉先生のその、むむ、胸だなんて見てませんよ?」
ちらちらと視線を住吉先生の胸に送っている体育教師の後藤先生。
動揺してるのバレバレですよ? だって眉や口角が尋常じゃないくらい平静さを失ってるから。それに視線だってほら、窓の外と胸を行ったり来たり。
「見たければ見ても良いんですよ? 後藤先生?」
ふふっと、住吉先生は後藤先生を誘ったような口調で言う。
「ほ、本当ですか!?」
うわぁ、マジになるとか……。いくら俺と同じで女子にもてないからとって、いい年してそんな真剣に食いつくなんて。
「お前、名前はなんていうんだ」
あれ? どうして後藤先生俺に向かって名前を聞いてくるの?そんなはずないけど、もしかするともしかしちゃったりするのかな?
「如月悠斗だ武史」
「ちょ! 井上先輩!」
「言っちゃまずいのか?」
「そりゃーもちろんですよ!」
「俺を置いていちゃいちゃするだと? 如月、放課後もう一度ここに来い!」
なんでこんなことになっちゃうかなーほんと。
「住吉先生、良いんですよね?」
あ、そこは引かないんだ。
「見れば訴えますよ?」
にっこりとしてるけど、目が笑ってないですよ住吉先生!
「いやぁ、そうですよねー。いやぁ、もちろん分かってましたよ? はっはっは もちろん、わ、私も冗談ですよ、ははは」
後藤先生……そんな悲しそうに言わなくてもいいのに。確かに、俺だってこんなすごいおっぱいを見れないとか言われると悲しくなる。そこは先生に同情するよ、ほんと。
「あ、如月君は見てもいいですよ? 新乳部員ですものね」
前言撤回、後藤先生ざまぁ!!
んー、やっぱりなんか文字おかしくない? おかしくない!?
はぁ……俺職員室に何しにきたんだっけ?
色々と衝撃がありすぎて本来の目的を忘れかけていると、住吉先生から入部届けの用紙を渡して貰えた。
「如月君、ここに名前を書いてね?」
乳部届けと大きく書かれ、順にその右斜め下の隅には日付を書くところ。
……既におかしいけどまだ堪えよう。
平成 年 月 日
というように空欄が作られ。
年 組 氏名
その下には自分のクラスと名前を書くスペース。
私は 部に乳部することを希望致します。
いやいや、そんなまさか、確かに入部を乳部と誤字表記! なんて画像をたまに掲示板だったりSNSで見かけたことあるけど、本当にこんなことってあるんだな。誰かが面白おかしく作成した冗談だと思ってた。
後で「誤字ですよ、これ」って笑いながら指摘しよう。そうしたら「あー、本当だ! 他に紛れ込んでないか調べるね!」
なんて返してくれるだろう。
そして最後に。
乳部動機
うん、もうこれは明らかに誤字ではない。作為的なものだ。だって、用紙を渡した住吉先生も、隣に居る井上先輩もこの用紙をみて何の反応も示さないんだもの。用紙の一番上にでかでかと書かれた乳部届のところが目につかないなんてことはないはず。
「あ、入が乳になっちゃってる! 大変!」なんて発言があってもいいはず。
こんな入部届け、いや、乳部届けがあっていい訳がない!
あ、そうか、井上先輩と住吉先生の「新入部員」の入のイントネーションがおかしくて字が違う! だなんて思ったけど、俺の考えは間違っていなかった訳か、本当に入を乳って言っていたんだ……。
一つだけはっきり言える。
俺の間違えでいて欲しかったと。
「……失礼します」
そんなこんなで職員室に来たのはいいけれど、なんで先輩はこう躊躇いも無く入っていけるんだろう。
部長だから職員室に入る機会が多いとか?
少なくとも、俺は職員室に入るのは少し勇気が必要だ。特に悪いことをしたわけでは無いけれど、何故か入るのを躊躇ってしまう。職員室や生徒指導室なんて大半の生徒にとってはそういう所だと思っている。
俺が入り口付近でやましいことはないのに入室を躊躇っていると。
「どうした悠斗」
「あ、いえ」
井上先輩には怪訝そうな顔をされたので、しぶしぶ職員室に片足を踏み入れた。
「はな、新乳部員だぞ」
はな? はなってたしか住吉先生だったか?
待てよ? 俺の記憶が正しければ、保健体育の授業を受け持っている先生……。これは適任と言わざる負えない。
健全なことをしていても「保健体育の実技指導」という響きは言葉だけでも色々なことが想像できて、なんだかエロい。
それに、保健体育を教えてる先生と保険の先生はエロいってよく言うしね。
主に俺が。
「新乳部員だなんて珍しいわね」
そう言い、俺を舐めまわすように下から上へ、上から下へと視線を向けてくる住吉先生。
井上先輩のときもそうだったけど、なぜか新入部の入の文字が、発音が違うような気がする。けど、それは俺の気のせいだよね? 漫画だったり小説だったら簡単にわかるのに……。
視線を注ぐことをやめない住吉先生に負けじと、俺も舐めまわすように見つめ返す。
もちろんその井上先輩に負けず劣らずのおっぱいを。
スーツの中のワイシャツの生地が薄いのせいで、下着の色がうっすらと浮かんでいる。色は……紫か、なんてエロいんだ! わざとシャツの生地を薄くして誘惑しているのだと信じたい。だって、保健体育の先生なんだから。
「そんなに見つめないでよ、恥ずかしい」
谷間が見えるまでボタンを外しておいてそんなこと平然と。満面の笑みで言う。きっと俺以外の誰がその顔を見ても、間違い無く恥ずかしいだなんて微塵も思ってないと答えてくれるはず。
恥ずかしいんだったら胸元までボタンを開けないで下さいよね!! 目のやり場に困るじゃ無いですか! ほんとにもう!
「目のやり場に困っているようには見えないけどねぇ?」
先生のその妖艶な喋り方とエロチックなそのおっぱいに俺はもうクラクラだよ!
って、あれ? 今住吉先生は何と言った? 「目のやり場に困っているようには見えないけどねぇ?」だって?
「もしかして口に出てました?」
「ばっちり」
「ばっちり」
そんな声を揃えて言わなくても!
ていうか、男の先生改め女の先生、この職員室に居る先生全員気まずそうに俯いてるんですけど!
「あら後藤先生? 見たければ見てもいいんですよ?」
「いや、私は決して住吉先生のその、むむ、胸だなんて見てませんよ?」
ちらちらと視線を住吉先生の胸に送っている体育教師の後藤先生。
動揺してるのバレバレですよ? だって眉や口角が尋常じゃないくらい平静さを失ってるから。それに視線だってほら、窓の外と胸を行ったり来たり。
「見たければ見ても良いんですよ? 後藤先生?」
ふふっと、住吉先生は後藤先生を誘ったような口調で言う。
「ほ、本当ですか!?」
うわぁ、マジになるとか……。いくら俺と同じで女子にもてないからとって、いい年してそんな真剣に食いつくなんて。
「お前、名前はなんていうんだ」
あれ? どうして後藤先生俺に向かって名前を聞いてくるの?そんなはずないけど、もしかするともしかしちゃったりするのかな?
「如月悠斗だ武史」
「ちょ! 井上先輩!」
「言っちゃまずいのか?」
「そりゃーもちろんですよ!」
「俺を置いていちゃいちゃするだと? 如月、放課後もう一度ここに来い!」
なんでこんなことになっちゃうかなーほんと。
「住吉先生、良いんですよね?」
あ、そこは引かないんだ。
「見れば訴えますよ?」
にっこりとしてるけど、目が笑ってないですよ住吉先生!
「いやぁ、そうですよねー。いやぁ、もちろん分かってましたよ? はっはっは もちろん、わ、私も冗談ですよ、ははは」
後藤先生……そんな悲しそうに言わなくてもいいのに。確かに、俺だってこんなすごいおっぱいを見れないとか言われると悲しくなる。そこは先生に同情するよ、ほんと。
「あ、如月君は見てもいいですよ? 新乳部員ですものね」
前言撤回、後藤先生ざまぁ!!
んー、やっぱりなんか文字おかしくない? おかしくない!?
はぁ……俺職員室に何しにきたんだっけ?
色々と衝撃がありすぎて本来の目的を忘れかけていると、住吉先生から入部届けの用紙を渡して貰えた。
「如月君、ここに名前を書いてね?」
乳部届けと大きく書かれ、順にその右斜め下の隅には日付を書くところ。
……既におかしいけどまだ堪えよう。
平成 年 月 日
というように空欄が作られ。
年 組 氏名
その下には自分のクラスと名前を書くスペース。
私は 部に乳部することを希望致します。
いやいや、そんなまさか、確かに入部を乳部と誤字表記! なんて画像をたまに掲示板だったりSNSで見かけたことあるけど、本当にこんなことってあるんだな。誰かが面白おかしく作成した冗談だと思ってた。
後で「誤字ですよ、これ」って笑いながら指摘しよう。そうしたら「あー、本当だ! 他に紛れ込んでないか調べるね!」
なんて返してくれるだろう。
そして最後に。
乳部動機
うん、もうこれは明らかに誤字ではない。作為的なものだ。だって、用紙を渡した住吉先生も、隣に居る井上先輩もこの用紙をみて何の反応も示さないんだもの。用紙の一番上にでかでかと書かれた乳部届のところが目につかないなんてことはないはず。
「あ、入が乳になっちゃってる! 大変!」なんて発言があってもいいはず。
こんな入部届け、いや、乳部届けがあっていい訳がない!
あ、そうか、井上先輩と住吉先生の「新入部員」の入のイントネーションがおかしくて字が違う! だなんて思ったけど、俺の考えは間違っていなかった訳か、本当に入を乳って言っていたんだ……。
一つだけはっきり言える。
俺の間違えでいて欲しかったと。
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