性徒会執行部!!

ふうまさきと

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二章

性徒会執行部、入部 2

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「どうかしたの?」

「どうした悠斗、書き方が分からないか?」

 どうした? じゃないだろこれは!

 それと色々と間違っている。

 まず始めに文字。

 入が乳という時点で間違っている。

 全てを間違うか? 例え間違いでも、こんなでかでかと乳部届けと書かれていれば直ぐに分かる。だったら修正するのが普通だ。

 なのに修正をしないのは明らかに作為的な物。

 そして次に、こんな簡単な物の書き方が分からない訳が無い!

「井上先輩、流石にそれは馬鹿にしすぎです」

「すまん悠斗」

「分かっていただけたならいいんです」

「日付が分からなかったんだな?今日は5月17日だぞ悠斗」

 全然分かってないじゃないですか先輩!

「日付くらい分かります」

「だったらなにが分からないのだ悠斗スリーサイズか?」

 それは確かに気になるところではあるけれど、今そんな話してたっけ?

「そんな話してませんよね? で、いくつですか?」

 あれれ? どうして俺の口は勝手に動いているの? うーん、人間って不思議! 勝手に口走っちゃうんだもん!

 まぁ、流石に答えてくれるだなんて思って無いけどさ?

「悠斗、よく聞け。上から90、65、88のFだ」

「ちなみに私は96、69、90のGよ、如月君」

ちょっと、なんで答えてるんですか? それも先生までさ! 嬉しいけどね!?

「ゴクリッ」

 ……生唾ってそんな大きな音鳴るっけ? ね? 後藤先生。

「あー、如月、放課後職員室来なくてもいいぞ、私はやることが出来た」

 ウインクなんてしないで下さい。俺の目が汚れます。

「やはり来るか? 職員室」

「嘘ですごめんなさい」

 どうやら俺の心の声は駄々漏れみたい、今後は気を付けた方がよさそうだ。

 それにしても、住吉先生の方がでかい……のか、そしてそのおっぱいを部員になれば揉んでもいいと言っていたな。

 だったらすることは決まっている。

 俺は……。

 この紙に……。

 名前を……。

 書く!!

          乳部届

                    平成25年5月17日

    1年2組     氏名 如月 悠斗

 私は 性徒会執行  部に乳部することを希望致します。

 乳部動機 井上先輩に誘われたから。


 これでよし。

 住吉先生に提出してから気づいた。

 住吉先生、おっぱいは見てもいいけど揉んでもいいだなんて一言もいってなかったことを。

「しまった……」

 俺の発言に住吉先生は疑問におもったらしく、入部届け改め、乳部届けに目を走らせている。

「どこもおかしくはないけど、どうかしたの? 如月君」

「いえ、大丈夫です。ただの勘違いでした」

 用紙に対してじゃなく、ね……。容姿のせいで勘違いしていただけだよ! 男ならおっぱいを揉みたいと思って何が悪い! 俺は本能にしたがっただけだ!

 そんな俺を、俺は責めたい。

 まさかFとGカップの威力に記憶が混乱してしまうだなんて、ほんとうに魔乳だな……。そしてそれが二つに増えるだなんて……。ん? 二つというより四つ? 一人二つの魔乳だから、二人で四つ?

 ムハッ!

 考えただけで鼻血が出そうだ。

 これがFとGの破壊力か……。

 効果てき面だよ!

「これで今から如月君は性徒会執行部の部員だね、よろしくね?」

 住吉先生は右手を差し伸べて来たので、それに対応するために右手を伸ばした。

 よろしくってことは握手。たかだか部活に入るだけで握手だなんて大げさだなと思ったら。

 グイッ!

 ……え?

 ムニュッ!

 ……ん?

 モニュモニュッ!

 ……!?

「ずるいぞ! はな!」

 ん? 井上先輩「ずるい」って言った? 一体何が?

 井上先輩は空いている俺の左腕をおもむろに引っ張ると。

 ムニュッ!

 ……あれ?

 モニュモニュッ! モニュモニュッ!

 ……デジャヴュ?

 なんか同じことが今しがたあったような?

 止まった頭を動かせ如月悠斗! 今、何が起こっているのかをちゃんと見るんだ!

 自分自身を奮い立たせて、手に伝わる感触を目で確かめて見た。

 俺の両手の先にはFとGのおっぱいワールドというユートピアが。

 Fがファンタスティックの略しなれば、Gはグレートか。

 FはEの次で、Fの次がGで……。

 FがファンタスティックでGがグレートで。

 目の前におっぱいがいっぱいで……。

“おい悠斗、しっかりしろ!”

“悠斗! しっかりしなさい!”

 ……はっ!

 危うく何処かへ逝きかけそうだった。助けてくれた天使と悪魔に礼を言わなければ。

 救ってくれてありがとうな。

“いいってことよ”

“そうよ、私達は貴方なのだから”

 でも、どうして俺の両手はおっぱいに?

 違う、今はそれよりも、この手をおっぱいから離すことだ!

 先生達の視線がやばい! 特に後藤先生の!

 なんて羨ましそうな目で見てくるんだ後藤先生は。

 初めて俺は殺意というものを感じたかもしれない。

 男の先生だけじゃなく、女の先生までもが羨ましいと目で訴えかけ、俺に対して悪意を向けている。

 胸が締め付けられそうなほど圧迫され、空気がピリピリとしている。

 早急におっぱいから手を離さなければならない。

 なのに、吸い寄せられ、あまつさえ井上先輩と住吉先生は俺の手を押し付けておっぱいから離れないようにしている。

 俺、ここで死ぬのかな?

 でも、おっぱいを最後に死ぬのなら……。

“あきらめんじゃねーよ!”

“もがいてみなさい! 男でしょ!”

 そうだな、すまなかった。

 俺は、最後まで足掻き、もがいてみせる!

 うおおおおおおお!

 モニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュモニュッ!

「……っぁ」

「……んっ」

“違うだろ!”

“なんで!”

 足掻き、揉がいてみせた、ぜ?

 確かに何かが違う気がするけど、井上先輩も住吉先生も、俺の手を押さえる力が緩まったお陰で手を魔乳から離せたから結果オーライだよね?

“まわりの目を見てみな”

 ……すごく、怖いです。

“通報されても仕方ないわよ?”

 ……ごもっともです。

 我ながら流石にこれはまずかったと思う。俺の理想とする紳士とはかけ離れた行為だった。

“始めから紳士じゃない!”

“始めから紳士じゃないわよ!”

 そんな同時に突っ込まなくても、ひどいなぁ。

“俺達はお前だ”

“他の誰よりも貴方を知ってるわ”

 はい、そうでした、ごめんなさい。

 職員が通報するために電話へ手を掛けないか不安で仕方が無かった。

 通報されたら終わりなんだろうな……。
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