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三章
性徒会執行部、部員 2
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扉の上には性徒会室と書かれたプレートが。
そして、後ろを振り向くと生徒会室と書かれたプレートが。
向かい合うようにして、部屋が割り当てられている。なんて突っ込めばいいんだろう、これ。生徒会に迷惑だろ! とか?
いや、突っ込みを入れるだけ無駄か、今までだってそうだったんだから。
何度目か分からない溜息を吐いて、井上先輩について性徒会執行部の部室へ入ることにした。
スライドドアを開けばクラッカーと巨乳でお出迎え! というのを期待したけれど、現実はそうそう上手くいかない。
「新乳部員の如月悠斗だ、庶務をやってもうことにしている」
「如月悠斗です、よろしくおねがいします」
井上先輩の極々簡単な紹介の後で、俺も簡単にあいさつを済ました。そして、ゆっくりと部屋を観察してみた。
部屋は入口から縦長に続いており、真ん中には白色の会議用テーブルが置かれている。左右に青色をしたのリクライニングチェア二つずつと、奥に一つ。
右側の手前にはピンクの色のツインテールをした女性が。形は確かラビット・スタイルだったか? 正統派ツインテールだ。
どれどれ? おっぱいは……貧乳だ。それもかなりの絶壁。幼い顔立ちに未発育の幼いおっぱい……中々に反則だと思う。高校生というより中学生と言っても通じそうだ。
その奥には銀色の髪をした男が。髪の右側にうねりとボリューム感があり、ヴィジュアル系バンドをしていると言われば納得できそうだ。俺なんかとは違って、女性に不自由なんてしなさそうで羨ましい。
手にはティーカップと本を持っていて、絵になりそうだと思えた。
左の手前には後藤先生と同等くらいに筋肉質で、肌の浅黒い男が。
格闘技とかをしてそうで少し怖い。左右の耳にはイヤリング、首にはネックレス、腕にはブレスレット。その全てが金に統一されている。
左奥と正面奥の椅子には誰も座って居ないけれど、正面の椅子は恐らく井上先輩の椅子なんだろう。
部屋の右奥にはパソコンのモニターが六台置かれており、その周辺には美少女フィギュアが置かれていた。そのパソコンの前には、黒のリクライニングチェアに深く腰かけてヘッドホンを付けたいかにもといった男が座っている。
顔は髪で隠されていて表情が読み取れないが、俺と同じで冴えない部類の人間なんだと思う。
左奥には冷蔵庫と食器棚、コンパクトキッチンが置かれ、クーラーも完備されている。
明らかに普通の部室とは思えない。私物としか言えないものまで置かれている。
こんな無法地帯でいいのか? 生徒会は何かと設備はいいと聞いているけれど、性徒会も例外ではないというのか!?
「君が如月君か、始めまして、俺は二年の才華瑠衣、弥生ちゃんの言ってた通り、可愛い顔してるね」
この銀色の髪をして、笑顔であいさつを返してくれた人は才華先輩か。この部室に居る人は一年で見たことないから全員先輩と見てよさそうだ。
「可愛い、ですか?」
「可愛いと思うよ? ねぇ、げんげん」
「げんげんっていうなっつったろ、あんま言ってと掘るぞゴラッ」
「ははは、冗談きついなーもう」
げんげんって言われた浅黒い肌の先輩、もしかせずともそっちの人なのだろうか……。
「如月悠斗……っていったか? 俺は三年の吾妻源だ、よろしく」
なるほど、吾妻先輩か、そっちの人なら後ろには気を付けなければならないな……俺にはそっちの気はないし、何より貞操は失いたくない!
「才華、たしかにこいつは可愛い顔をしているが、あいにく俺の趣味じゃない。俺の趣味は細いやつなんかじゃなくて、もっと筋肉のあるやつだと言ってるだろうが!」
……貞操の危機は無さそうでよかったけど、趣味じゃないってことはつまりそういうことでいいんだよな? 聞き間違いでいたい……。
「ああ、源はホモ専用だ」
井上先輩、聞きたくなかったです、それ。
「まぁ、よろしく」
右手を差し出されたので、とりあえず握手だけはした。
もちろん、引っ張られても対抗できるように重心は後ろに残したままにしたけど、杞憂で終わってよかった、本当によかった。
「如月君、はじめましたっ」
ロリ顔ロリ体型で噛んだことを恥じらい顔を赤くする……だと? まじで反則だろこれ!!
すいません、噛みました! といって何度も頭を下げている。
これは、癖になりそうだ……。
「始めまして、私は美波柚っていいます。一応これでも高校二年生ですからね! 勘違いしないでくださいよっ!」
「中学校二年生の美波さんですね? 分かりました」
「違いますっ! むぅ!」
眉を寄せて頬を膨らませて怒っているんだろうけど、可愛過ぎる! ああ、ダメだ、ほんと癖になるぞこれ……。
「悠斗、柚を苛めるな」
井上先輩が怒るだなんて珍しい、ここは素直に謝っている方が懸命、かな?
「柚は私とレズ専用だ」
そう言って美波先輩を子供をあやすかのよう愛でている。誰が謝るか! 謝るとか言ったのは誤りだったよ!
しかしなるほど、美波先輩はレズ……か。だとしたらあのまな板のように絶壁のおっぱいを触ることは出来ないのか……。
まだ奥の、パソコンの前に鎮座している人が誰か分からない。こんなに騒がしくしていても此方を見向きもしないってことは、ヘッドホンで聞こえていないんだろうか。
「奥の彼は渚仁、見ての通りオタクだよ」
「オタクじゃない」
今まで何の反応を示さなかったはずなのに、才華先輩の「オタク」という言葉に反応して、ヘッドホンを外して此方を見てきた。
その時、前髪から一瞬だけ顔を覗かせたけれど、普通に格好いいと思えた。なんであんな髪型にしているのか謎だ。
短髪にすれば俺なんかと違ってモテるのに勿体無い。
「ほんとお前ら煩い。せっかくのエロシーンが台無しじゃねーかよ」
「だったら自己紹介しなよ」
「二年、渚仁、オタクじゃない、以上」
言い終わるとヘッドホンを被りなおしてパソコンの画面に視線を移していた。
エロゲをしていたのか……この部屋にまともな人って俺と才華先輩くらいしかいないんじゃないか?
”だからお前は”
”違う”
”違います”
くそ、聞き逃してくれなかったか。
「悠斗、彼は二次元専用だ。世の中には私の胸では満足しない人がいるらしい。実に嘆かわしいとは思わないか? んん?」
”欲望に素直になったじゃねーか”
”紳士設定はどこにいったのかしらね?”
それにしても、井上先輩と美波先輩の間に挟まれたい……。
”無視するんな!”
”無視はいけませんよ!”
あーもううるさいなー、目の前のことに集中させてくれよ!
「ああー!! 弥生さん、言わないで下さいよ、もぅ……」
「はっはっは、すまんすまん」
井上先輩の愛でる力がより一層増している気が。頭だけを撫でていたはずなのに頬ずりがプラスされている。そして、何より胸を触っているように見える。
気のせいと信じたい。
でも、その光景を才華先輩が羨ましそうに眺めているのを見ると、俺と同じで間に挟まれたいのかな?
吾妻先輩はと言うと、全くといっていい程興味なさそうだ。本当に同姓にしか興味が無いらしい。
一応、一応は警戒だけはしておく方がいいよね?
趣味じゃないとはいっていても、何かの弾みでアッーーーーーー! だなんで絶対に嫌だからな!
新境地なんて開かないぞ!
「ふゅぅ……」
美波先輩も、井上先輩にいい様にされているのに満更ではなさそうなところを見ると、レズというのは本当なのだろう。
あと、M気質があるとみた!
「ところで如月君、君は……貧柔派かい? それとも巨乳派かい?」
あ、才華先輩、この人も紛うことなき変態だ。この学校にまともな人いなくない!?
入学する学校盛大に間違えたよ!
乳学だとか性大だなんて言わないからな!
いくらまわりがそんな雰囲気だとしても、俺は俺を貫いてみせる!
”その結果紳士ではなくて変態になったわけだがな”
過去のことを思っちゃダメなんだ、過去は過去なんだから。何時までも過去を引き摺っていたら明るい未来なんてないんだから!
”間違えても格好いいとか思うなよ?”
”格好良くないので自重しましょうね?”
本当に俺の中にいる天使なの?
今更だけど、俺に厳しくない!?
まぁ、それは今は置いておくとしよう、今は、ね。
そして、後ろを振り向くと生徒会室と書かれたプレートが。
向かい合うようにして、部屋が割り当てられている。なんて突っ込めばいいんだろう、これ。生徒会に迷惑だろ! とか?
いや、突っ込みを入れるだけ無駄か、今までだってそうだったんだから。
何度目か分からない溜息を吐いて、井上先輩について性徒会執行部の部室へ入ることにした。
スライドドアを開けばクラッカーと巨乳でお出迎え! というのを期待したけれど、現実はそうそう上手くいかない。
「新乳部員の如月悠斗だ、庶務をやってもうことにしている」
「如月悠斗です、よろしくおねがいします」
井上先輩の極々簡単な紹介の後で、俺も簡単にあいさつを済ました。そして、ゆっくりと部屋を観察してみた。
部屋は入口から縦長に続いており、真ん中には白色の会議用テーブルが置かれている。左右に青色をしたのリクライニングチェア二つずつと、奥に一つ。
右側の手前にはピンクの色のツインテールをした女性が。形は確かラビット・スタイルだったか? 正統派ツインテールだ。
どれどれ? おっぱいは……貧乳だ。それもかなりの絶壁。幼い顔立ちに未発育の幼いおっぱい……中々に反則だと思う。高校生というより中学生と言っても通じそうだ。
その奥には銀色の髪をした男が。髪の右側にうねりとボリューム感があり、ヴィジュアル系バンドをしていると言われば納得できそうだ。俺なんかとは違って、女性に不自由なんてしなさそうで羨ましい。
手にはティーカップと本を持っていて、絵になりそうだと思えた。
左の手前には後藤先生と同等くらいに筋肉質で、肌の浅黒い男が。
格闘技とかをしてそうで少し怖い。左右の耳にはイヤリング、首にはネックレス、腕にはブレスレット。その全てが金に統一されている。
左奥と正面奥の椅子には誰も座って居ないけれど、正面の椅子は恐らく井上先輩の椅子なんだろう。
部屋の右奥にはパソコンのモニターが六台置かれており、その周辺には美少女フィギュアが置かれていた。そのパソコンの前には、黒のリクライニングチェアに深く腰かけてヘッドホンを付けたいかにもといった男が座っている。
顔は髪で隠されていて表情が読み取れないが、俺と同じで冴えない部類の人間なんだと思う。
左奥には冷蔵庫と食器棚、コンパクトキッチンが置かれ、クーラーも完備されている。
明らかに普通の部室とは思えない。私物としか言えないものまで置かれている。
こんな無法地帯でいいのか? 生徒会は何かと設備はいいと聞いているけれど、性徒会も例外ではないというのか!?
「君が如月君か、始めまして、俺は二年の才華瑠衣、弥生ちゃんの言ってた通り、可愛い顔してるね」
この銀色の髪をして、笑顔であいさつを返してくれた人は才華先輩か。この部室に居る人は一年で見たことないから全員先輩と見てよさそうだ。
「可愛い、ですか?」
「可愛いと思うよ? ねぇ、げんげん」
「げんげんっていうなっつったろ、あんま言ってと掘るぞゴラッ」
「ははは、冗談きついなーもう」
げんげんって言われた浅黒い肌の先輩、もしかせずともそっちの人なのだろうか……。
「如月悠斗……っていったか? 俺は三年の吾妻源だ、よろしく」
なるほど、吾妻先輩か、そっちの人なら後ろには気を付けなければならないな……俺にはそっちの気はないし、何より貞操は失いたくない!
「才華、たしかにこいつは可愛い顔をしているが、あいにく俺の趣味じゃない。俺の趣味は細いやつなんかじゃなくて、もっと筋肉のあるやつだと言ってるだろうが!」
……貞操の危機は無さそうでよかったけど、趣味じゃないってことはつまりそういうことでいいんだよな? 聞き間違いでいたい……。
「ああ、源はホモ専用だ」
井上先輩、聞きたくなかったです、それ。
「まぁ、よろしく」
右手を差し出されたので、とりあえず握手だけはした。
もちろん、引っ張られても対抗できるように重心は後ろに残したままにしたけど、杞憂で終わってよかった、本当によかった。
「如月君、はじめましたっ」
ロリ顔ロリ体型で噛んだことを恥じらい顔を赤くする……だと? まじで反則だろこれ!!
すいません、噛みました! といって何度も頭を下げている。
これは、癖になりそうだ……。
「始めまして、私は美波柚っていいます。一応これでも高校二年生ですからね! 勘違いしないでくださいよっ!」
「中学校二年生の美波さんですね? 分かりました」
「違いますっ! むぅ!」
眉を寄せて頬を膨らませて怒っているんだろうけど、可愛過ぎる! ああ、ダメだ、ほんと癖になるぞこれ……。
「悠斗、柚を苛めるな」
井上先輩が怒るだなんて珍しい、ここは素直に謝っている方が懸命、かな?
「柚は私とレズ専用だ」
そう言って美波先輩を子供をあやすかのよう愛でている。誰が謝るか! 謝るとか言ったのは誤りだったよ!
しかしなるほど、美波先輩はレズ……か。だとしたらあのまな板のように絶壁のおっぱいを触ることは出来ないのか……。
まだ奥の、パソコンの前に鎮座している人が誰か分からない。こんなに騒がしくしていても此方を見向きもしないってことは、ヘッドホンで聞こえていないんだろうか。
「奥の彼は渚仁、見ての通りオタクだよ」
「オタクじゃない」
今まで何の反応を示さなかったはずなのに、才華先輩の「オタク」という言葉に反応して、ヘッドホンを外して此方を見てきた。
その時、前髪から一瞬だけ顔を覗かせたけれど、普通に格好いいと思えた。なんであんな髪型にしているのか謎だ。
短髪にすれば俺なんかと違ってモテるのに勿体無い。
「ほんとお前ら煩い。せっかくのエロシーンが台無しじゃねーかよ」
「だったら自己紹介しなよ」
「二年、渚仁、オタクじゃない、以上」
言い終わるとヘッドホンを被りなおしてパソコンの画面に視線を移していた。
エロゲをしていたのか……この部屋にまともな人って俺と才華先輩くらいしかいないんじゃないか?
”だからお前は”
”違う”
”違います”
くそ、聞き逃してくれなかったか。
「悠斗、彼は二次元専用だ。世の中には私の胸では満足しない人がいるらしい。実に嘆かわしいとは思わないか? んん?」
”欲望に素直になったじゃねーか”
”紳士設定はどこにいったのかしらね?”
それにしても、井上先輩と美波先輩の間に挟まれたい……。
”無視するんな!”
”無視はいけませんよ!”
あーもううるさいなー、目の前のことに集中させてくれよ!
「ああー!! 弥生さん、言わないで下さいよ、もぅ……」
「はっはっは、すまんすまん」
井上先輩の愛でる力がより一層増している気が。頭だけを撫でていたはずなのに頬ずりがプラスされている。そして、何より胸を触っているように見える。
気のせいと信じたい。
でも、その光景を才華先輩が羨ましそうに眺めているのを見ると、俺と同じで間に挟まれたいのかな?
吾妻先輩はと言うと、全くといっていい程興味なさそうだ。本当に同姓にしか興味が無いらしい。
一応、一応は警戒だけはしておく方がいいよね?
趣味じゃないとはいっていても、何かの弾みでアッーーーーーー! だなんで絶対に嫌だからな!
新境地なんて開かないぞ!
「ふゅぅ……」
美波先輩も、井上先輩にいい様にされているのに満更ではなさそうなところを見ると、レズというのは本当なのだろう。
あと、M気質があるとみた!
「ところで如月君、君は……貧柔派かい? それとも巨乳派かい?」
あ、才華先輩、この人も紛うことなき変態だ。この学校にまともな人いなくない!?
入学する学校盛大に間違えたよ!
乳学だとか性大だなんて言わないからな!
いくらまわりがそんな雰囲気だとしても、俺は俺を貫いてみせる!
”その結果紳士ではなくて変態になったわけだがな”
過去のことを思っちゃダメなんだ、過去は過去なんだから。何時までも過去を引き摺っていたら明るい未来なんてないんだから!
”間違えても格好いいとか思うなよ?”
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